がん診療研修会は医療従事者を対象に随時開催しているもので、今回は、 「放射線治療の 副作用」と題し、第一放射線科部長兼がん治療副センター長 岡嵜洋一先生に講演いただ き、放射線治療の副作用として主に放射線皮膚炎についてお話を聴くことができました。 院内外から医師・看護師・薬剤師等の医療従事者 41 名の参加もあり、活発な意見交換 もされ有意義な研修会となりました。 放射線治療の副作用 急性期有害事象 照射中から直後 主に細胞再生の障害 粘膜、皮膚、腸上皮、骨髄、生殖腺 照射により誘導されるサイトカイン 嘔気、嘔吐、易疲労感、眠気 大量照射で血管透過性亢進 急性期の障害は時間の経過で回復する 晩期有害事象 照射後数ヶ月以後 主に微細血管障害、間質組織の永続的障害 放射線皮膚炎の皮膚変化 真皮毛細血管拡張 血流量増加 皮膚の紅斑 ,皮脂腺や汗腺の機能低下 皮膚乾燥 発汗作用が低下 皮膚温上昇 熱感 皮膚の乾燥と皮膚温の上昇 掻痒感 基底層の細胞再生低下 バリア機能低下 外的刺激への 角質層の結合力低下 真皮露出 表皮菲薄化 抵抗性低下 表皮剥離 出血や痛み 基底細胞が少しでも残っていれば,再び新しい細胞が産 生されますので,急性期の皮膚炎は必ず回復する。 Gold Standardがない… 軟膏はRT前に全部に落とす。。。 必要は有りませんよ ステロイド軟膏塗布は皮膚炎の軽減に 寄与するというエビデンスはないです Radiation dermatitis grading ATLAS for clinical trials (RD grading ATLAS) ◆座長 院長補佐兼外科部長兼がん治療センター長 袖山 治嗣先生 ◆講師 第一放射線科部長 兼がん治療センター副センター長 岡嵜 洋一先生 ◆『皮膚トラブルがおきたときにはどんなお薬がよいか』の質問では『ワセリンではなく、 アズノール軟膏が抗消炎作用もありよいでしょう』と意見交換もありました。 ★当院は国が指定する「地域がん診療連携拠点病院」です。 がん対策は、平成 19 年 4 月に施行されたがん対策基本法の基本理念にのっとり推進されてい ます。そのなかで、厚生労働省は、全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるよう、 がん診療連携拠点病院の整備をすすめています。 ★地域がん診療連携拠点病院には以下の役割があります。 ◆専門的ながん医療の提供 ◆地域におけるがん診療連携協力 ◆がん患者さんに対する相談 支援及び情報提供 事務局:がん診療連携課(内線 2205)
© Copyright 2024 ExpyDoc