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ピクテ・マーケット・フラッシュ 2016年6月30日
先進国
Pictet Market Flash
米国:個人消費支出は2ヵ月連続で好調な伸びを記録
米国の2016年5月の個人消費支出が2ヵ月連続で増加したことから、GDP(国内総生産)成長率の予想を上方修正
する可能性もあると見ています。一方、世界経済の現状を勘案すると、インフレは当面低位で推移することが予想さ
れます。
図表1:米国の実質個人消費支出の伸び率
個人消費支出:先行きは良好
月次、期間:2007年1月~2016年5月
2016年6月29日、米国商務省経済分析局が発表した5
月の実質個人消費支出は前月比+0.3%と市場予想を
上回りました。また、4月改定値が上方修正されたこと
から、4-5月平均の伸び率は1-3月期比で年率+4.8%と
伸びが際立ちました(図表1参照)。
4
%
リセッション後
の平均 2.3%
3
2
1
0
上記の数値は、米国消費の先行きは明るいと見るピク
テの予想と相容れると考えます。雇用や家計所得の持
続的な伸びが見込まれる中、消費者心理は比較的好
調に推移しており、高位に留まる貯蓄率の一段の低下
もあり得ます。いずれも、個人消費を支える要因となる
はずです。今後の見通しについては、4-6月期、下期と
もに良好な水準を維持するものと考えます。
GDP(国内総生産)成長率についても、4-6月期および
2016年、2017年の通年予想いずれも明るい見通しを
持っており、2016年予想は今年初めての上方修正を
検討することになりそうです。
-1
-2
実質個人消費支出の伸び率(3ヵ月移動平均、年率)
※直近は4~5月2ヵ月平均の年率
-3
-4
-5
07年 08年 09年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年
図表2:米国のコアPCE
月次、期間:2011年1月~2016年5月
3.5 %
前月比
3.0
物価上昇圧力:低位に留まる
FRBの目標2.0%
2.5
2.0
5月のコアPCE価格指数(PCEデフレーター、食品・エ
ネルギーを除く)は、前年同月比+1.6%と市場予想通り
でした(図表2参照)。
労働市場の需給の緩みが明確な縮小基調を示してい
ることから、賃金上昇は加速度を増すことが予想され
る一方、足元の上昇は緩やかな水準に留まっており、
コア・インフレに及ぼす影響も、年内は小幅に留まるこ
とが予想されます。
1.6%
前年同月比
1.5
1.0
0.5
0.0
11年
12年
13年
14年
15年
16年
出所:ピクテグループ
世界経済の現状は、米国の物価上昇をもたらすどころ
か下押し圧力となることも予想されます。実際のところ、
米国の長期のインフレ期待は低下基調を辿っています。
コアPCE価格指数は、年内、2%を下回って推移する
可能性があると見ています。
ピクテ投信投資顧問株式会社
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