この事例の詳しい内容

青山学院大学
発注状況の透明性を確保
クラウドサービスの利用で早期稼働を実現
導入の狙い
文部 科 学 省 が 発 表した 新ガイドラ
インに対応したい
現場発注状況の把握を実現したい
導入システム
調達・購買業務支援サービス
『たのめーるプラス』
導入効果
現場発注状況の透明化を促進
支払い漏れなどのトラブルを削減
一部の事務作業を効率化
2024年の創設150周年を見据えた
「AOYAMA VISION」
に基づき、
さまざまな取り組みを推進している
青山学院大学では、文部科学省による「研究機関における公的研究費の管理・監査
のガイドライン
(実施基準)」の見直しに対応するため、調達・購買業務支援サービス
— U S E R P R O F I L E ———————————————————
青山学院大学
●業種:教育
『たのめーるプラス』を短期間で導入。20万円未満の現場発注が認められる購買
に活用することで、発注状況の把握を可能にするほか、支払い漏れなどのトラブル
の削減も実現している。
●事業内容:文学部、
教育人間科学部、経
済学部、法学部、経営学部、国際政治経
済学部、総合文化政策学部、理工学部、
社会情報学部、地球社会共生学部、大
学院ほか
●教職員数:910名
(2015年5月1日現在)
「地の塩、世の光」
をスクールモットーとして掲げ、
教育・研究活動を推進
2015年10月取材
文部科学省の新ガイドラインを受け
研究費での現場発注状況を透明化
して開校したのが「青山学院大学」だ。
学部・学科・大学院の新設、改組などに
より拡充を進め、現在、青山キャンパス・
青山学院は、明治初期、アメリカのメ
相模原キャンパスに合わせて10学部・
ソジスト監督教会から派遣された3名
24学科・12研究科を擁している。
の宣教師によって創設された3つの学
2014年に創設140周年を迎え
校を源流としている。1927年、女子系
た同校は、150周年にさらなる飛躍
と男子系の学校を統合し、現在の青山
を遂げることを目指し、
「A O Y A M A
学院の土台が築かれた。そして、戦後
VISION」を策定した。
1949年、学制改革により新制大学と
「『AOYAMA VISION』では
『すべ
1
青山学院大学
ての人と社会のために未来を拓くサー
のかということが課題となったのです」
バント・リーダーを育成する総合学園』
と相模原事務部 庶務課 施設担当 三
という目標を打ち出しています。つま
條 久美子氏は新ガイドラインへの対
り、世の中のしもべとなって人と社会
応についての課題点を説明する。
に仕え、下支えする人材を育成するこ
従来の20万円未満の手続きでは、
とを目指すということです。そのため
領収書や請求書を受け取った段階で初
の具体的な取り組みを七つのAction
めて支出内容を把握できる仕組みだっ
として定め、現在それを推進していま
たため、発注段階で支出財源を特定す
す」
と庶務部 施設課 課長の菊地 大介
ることが難しい。
氏は「AOYAMA VISION」について
「青山学院大学では、2012年度よ
説明する。
り、教員による現場発注状況について、
青山学院大学では、自由で円滑な研
即座に関係部署が把握できるシステム
究を促進するために、20万円未満の
を構築しようと検討していましたが、思
調達に関しては発注担当部署を介さず
うような進展はみられませんでした。し
に現場の教員が直接発注できることに
かし、新ガイドラインを受けて、2014
なっている。このルールにより、備品や
年度中にその取り組みを実施するとい
用具などが必要になった場合、迅速に
う方針を決めました。まずは発注段階
購入し、スムーズに研究を継続できる
に教員がその内容をメールで連絡する
ようになっているが、個別にさまざまな
という方法を検討しました。しかし、こ
サプライヤーに発注するため、大学が
の方法では忙しさに紛れて連絡漏れが
その状況を把握するために煩雑な作
発生するなどの懸念があるため、ほか
業が必要となる。
の仕組みが必要だと考えたのです」と
一方で、文部科学省が2007年に
三條氏。
策定した「研究機関における公的研究
費の管理・監査のガイドライン(実施
基準)」についての見直しが進められ、
2014年2月に改正版の新ガイドライ
庶務部 施設課 課長
菊地 大介氏
「青山キャンパスではシステムに不慣れなス
タッフが多かったのですが、大塚商会さん
に丁寧に説明していただけたので、とても
助かりました」
相模原事務部 庶務課 施設担当
三條 久美子氏
短期間で導入可能な
『たのめーるプラス』
を採用
ンが発表された。本ガイドラインは、公
青山学院大学では現場発注の課題
的研究費の不正使用対策を目的として
解決についての検討が進められたが、
策定されたが、その後も不正使用が後
そこで対策として浮上したのが、以前
を絶たず、社会問題として大きく取り
大塚商会から提案された調達・購買業
上げられたことから、このたびのガイド
務支援サービス『たのめーるプラス』
ライン強化が実施された。
の活用だ。
「新ガイドラインでは、
『発注段階で
「2013年の夏にほかの大学の事例
の支出財源の特定を行い、予算執行
も交えて大塚商会さんから『たのめー
の状況を遅滞なく把握できるようにす
るプラス』を紹介していただきました。
る』
と定められています。20万円以上
このシステムを通じて発注を行えば、
の支出については発注担当部署が把
発注状況の透明化が図れると考えたの
握できるので問題ありませんが、20万
ですが、予算の問題もあることからす
円未満の現場発注分の対策をどうする
ぐに導入することにはなりませんでし
2
「大塚商会さんに万全にサポートしていた
だけたことは本当に素晴らしかったと思いま
す。システム利用拡大に向けてこれからも
期待します」
相模原事務部 庶務課 施設担当
宮川 令氏
「非常にタイトなスケジュールだったのです
が、大塚商会さんから的確な提案とアドバ
イスをいただけたので、スムーズに作業を進
めることができました」
た」
(三條氏)
が、導入決定後わずか2カ月ほどでシ
『たのめーるプラス』は大塚商会がク
ステムの準備を整えた。
ラウドで提供し、さまざまな業種・業態
「スケジュールはかなり厳しかったの
のサプライヤーを登録することが可能
ですが、事前に何度か打ち合わせの機
だ。また、ビックカメラ
(電化製品)、モ
会を設けていただけたこともあり、な
ノタロウ
(工具)、ミスミ
(工具、金型)
と
んとか期限までに準備できました。外
いったWebカタログサイトを持つサプ
部カタログ連携のサプライヤーに加え
ライヤー各社と連携することが可能な
4社を登録した状態で限定的に稼働を
ため、
『たのめーるプラス』内に商品マ
開始しました」
と相模原事務部 庶務課
スターを登録する作業が不要となる。
施設担当 宮川 令氏はシステム準備の
さらにクラウドで提供されるため、短期
過程を振り返る。
間での導入が可能だ。
一方で青山キャンパスも相模原キャ
「2014年の7月に
『たのめーるプラ
ンパスに続いて2014年12月に『た
ス』の導入を本格的に検討し始めたの
のめーるプラス』の導入を決定した。
ですが、ちょうどそのタイミングで大塚
「 本 来は相 模 原 キャンパスと同 時
商会さんから展示会の案内が届きまし
にスタートしたかったのですが、スケ
た。そこであらためて詳しい話を伺っ
ジュールの都合で、2015年4月の稼
たところ、
『たのめーるプラス』は短期
働開始予定で準備を進めました」
(菊
間で導入できるので、2014年度中に
地氏)
間に合うということが分かりました。ま
た、理工学部を抱える相模原キャンパ
なるため、そうした商品を扱うサプライ
システムのメリットが認識され、
利用率が徐々に高まる
ヤーと連携できるという点も魅力的で
稼働開始後、
『たのめーるプラス』の
した。その後、他社のサービスもいく
活用は徐々に広がっている。
つか調べたのですが、サプライヤーが
「相模原キャンパスにおける2015
指定されている、商品に偏りがある、高
年1~3月については、残予算が少な
スでは工具などの特殊なものが必要と
額な導入コストが必要、カスタマイズ
かったこともあり、
『 たのめーるプラ
ができないなどの理由でいずれも満足
ス』の利用率も低かったのですが、4月
できるものではありませんでした」
と三
以降は増加しています。全ての調達を
條氏は
『たのめーるプラス』の評価ポイ
『たのめーるプラス』で行えるわけで
ントについて説明する。
もなく、その活用を強制するつもりも
青山学院大学は、青山キャンパスと
なかったのですが、外部カタログ連携
相模原キャンパスを運営しているが、
のサプライヤーについては優遇された
『たのめーるプラス』は2014年11
法人価格を設定していただけたことも
月に相模原キャンパスが先行して導入
あり、徐々に活用が広がってきました。
することが決定。大学としては、2014
2015年度については4月から10月
年度中に稼働させることを目標として
末までに500件強の利用実績があり
いたため、早急に
『たのめーるプラス』
ます」と三條氏は『たのめーるプラス』
を活用できる状態にする必要があった
の利用状況について説明する。
3
青山学院大学
青山キャンパスにおいても利用実績
さらに広げていくこと
を積み重ねていると菊地氏は言う。
を目指していく。
「教員からは『分かりやすくて便利な
「 相 模 原 キャンパ
システムだ』
という感想も寄せられ、青
スでは新たなカテゴ
山キャンパスでも利用数は順調に増加
リーを登録できる見
しています。今後登録サプライヤーや
通しになりましたが、
商品を増やしていけばさらに利用率は
このように調達でき
高まっていくでしょう。また、今回この
る 商 品 の バリエ ー
システムを導入したことによって、不正
ションを 広 げること
防止に対する認識が高まり、教員によ
で、
『たのめーるプラ
る立て替え購入は極力控えるという考
ス』の利用率をさらに
え方が浸透してきていると思います」
高めていきたいと思います。さらに20
学内の会計システムとの連携は簡単
万円未満に限らず、もう少し高い金額
な操作で実現させている。
の調達にも
『たのめーるプラス』
を活用
「会計情報については
『たのめーるプ
したいと考えています。そのためには
ラス』からCSVファイルで取り出せる
経理部門と共に検討する必要がありま
ので、それを活用することで学内の会
すが、着実に実現していく見通しです。
計システムと簡単に連携させることが
また現時点では手間が煩雑になること
できます。これを活用し、
『たのめーる
から検収処理については、システム上
プラス』
での購入分については、もとも
行っていないのですが、さらに適正な
と教員が行っていた手間を経理部門で
管理を行っていくためにも将来的には
代行するという試みを一部の学部で試
活用していきたいと思っています」
(三
験的に始めました。また、精算時には教
條氏)
員が手書きで起票した書類に領収書あ
最後に三條氏は、システム活用と研
るいは請求書を添付し、それを学科受
究活動支援の両立が重要だと語る。
付のスタッフによる手続きが必要なの
「今後も『たのめーるプラス』をはじ
ですが、教員が提出を忘れて支払い漏
めとしたさまざまなシステムを活用す
れが発生するということもありました。
ることでコンプライアンス要請にしっか
しかし、システムから経理部門が発注
りと応えていきたいと思いますが、私
情報を把握できるので、支払い漏れを
たちの役割は教員の研究活動をサポー
防ぐことができる上、教員が手書きで
トすることであって、決して研究を止め
起票する手間が省けます。これは学科
ることではありません。システムを効果
受付のスタッフにも好評で、もっとサプ
的に活用しつつ、研究活動の促進を後
ライヤーを増やしてほしいという要望
押ししていくことが重要だと認識してい
も上がっています」
と宮川氏は語る。
ます」
クラウドを介して必要な資材・用具をスムーズに発注できる
青山学院大学は、今後も社会のさま
発注可能な商品を増やすことで
さらに効果的なシステム活用を促進
ざまな要請に応えながら、質の高い教
育・研究活動を展開する。
青山学院大学のホームページ
http://www.aoyama.ac.jp/
今後は
『たのめーるプラス』の活用を
・会社名、製品名などは、各社または各団体の商標もしくは登録商標です。
・事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
・この記事は2016年5月に作成されました。
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