本編.

第3次北上市健康づくりプラン
健康きたかみ21
素案
平成28年6月
北
上
市
(ご
あ い
さ
つ)
目 次
第1章 計画策定にあたって ...................................................
1 計画策定の趣旨 .............................................................
2 計画の位置づけ .............................................................
3 計画の期間 .................................................................
4 計画の策定体制 .............................................................
第2章 健康づくりの現状と課題 ................................................
1 北上市の現状 ...............................................................
(1) 人口、世帯の推移と動態 ...................................................
(2) 死因別死亡率等の経年変化 .................................................
(3) 国民健康保険年間医療費の推移 .............................................
(4) 母子保健の概要 ...........................................................
2 第2次健康づくりプランの検証 ...............................................
(1) 第2次健康づくりプランの検証の目的と方法 .................................
(2) 第2次健康づくりプランの全体目標への達成状況 .............................
(3) 領域別の検証 .............................................................
(4) 地域・関係団体との課題 ...................................................
第3章 第3次健康づくりプランの基本的な考え方 ................................
1 第3次健康づくりプランの方向 ...............................................
2 北上市の社会背景 ...........................................................
3 第3次健康づくりプランの基本理念と基本目標 .................................
4 第3次健康づくりプランの基本施策 ...........................................
5 施策体系 ...................................................................
第4章 基本目標を実現させるための取組み ......................................
基本施策1 健康的な生活習慣を身につける .......................................
重要施策 ...........................................................
基本施策2 親と子どもの健やかな成長を支援する .................................
基本施策3 健康づくりの社会環境を整備する .....................................
第5章 計画の推進体制 .......................................................
1 関係機関との連携と役割 .....................................................
2 計画の進行管理 .............................................................
3 市の体制 ...................................................................
資料編
1
1
1
2
2
3
3
3
4
5
6
9
9
9
10
20
21
21
21
22
23
25
27
27
38
39
40
45
45
45
46
第1章
1
計画策定にあたって
策定の趣旨
急速な高齢化や生活習慣の変化により、疾病全体に占める生活習慣病の割合が増加して
います。
当市においては、平成23年3月に「第2次北上市健康づくりプラン」を策定し、市民主
体の健康づくりを目指して領域別に応じた目標を設定し、総合的かつ効果的に推進をして
きました。
この間、人口減少やさらなる少子高齢化の進行、価値観やライフスタイルの多様化など
健康づくりを取り巻く環境は大きく変化し、それぞれの領域において新たな課題が生じて
きています。
国では、平成24年7月に「健康日本21(第2次)」を策定し、少子高齢化や疾病構造の
変化が進む中で、生活習慣及び社会環境の改善を通じて子どもから高齢者まで全ての国民
が共に支え合いながら希望や生きがいを持ち、乳幼児期、青壮年期、高齢期に応じて健や
かで心豊かに生活できる活力ある社会の実現を目指しています。
岩手県でも、平成26年3月に「健康いわて21プラン(第2次)」を策定し、県民の健康
増進の総合的な推進を図るための基本的な事項を示し、社会全体が健康づくりサポーター
として県民の健康を支援し、もって、県民の健康寿命の延伸を目指しています。
この計画は、少子高齢化や生活習慣病予防やがん対策など今後取り組むべき課題を明ら
かにした上で、健康寿命の延伸を図り、市民一人ひとりが健やかで生き生きとした生活を
送ることができるように、地域、学校、行政、関係団体がそれぞれの特徴を生かしつつ連
携して健康づくりを推進するための新たな「北上市健康づくりプラン」となるものです。
2
計画の位置づけ
本計画は、健康増進法第8条第2項に基づく「市町村健康推進計画」とし、市民の健康
増進や、生活習慣病の発症予防、社会生活を営むために必要な機能の維持向上を支援して
いくために策定します。
本計画は、「北上市総合計画」の基本構想の理念に基づく部門別計画に位置づけられて
います。
また、「北上市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の中でも、全ての世代が安心して暮
らせる健康長寿都市の実現を掲げており、総合計画、総合戦略と整合性を図っていきます。
さらに、「北上市食育推進計画」「北上市国民健康保険保健事業実施計画」「北上市こ
ども・子育て支援事業計画」「北上市高齢者福祉計画・北上市介護保険事業計画」など市
の保健福祉部門における諸計画や「北上市スポーツ推進計画」と整合し、連携を図ってい
きます。
1
【関連計画との関係図】
【市】
北上市総合計画
北上市まち・ひと・しごと創生総合戦略
整合
勘案
【国】 ○健康日本21
○健やか親子21
勘案
【県】
北上市健康づくりプラン
整合
連携
○健康いわて21プラン
○イー歯トーブ8020プラン
北上市国民健康保険保健事業実施計画(国保データヘルス計画)
北上市食育推進計画
北上市子ども・子育て支援事業計画
北上市高齢者福祉計画・北上市介護保険事業計画
北上市スポーツ推進計画
…
3
計画の期間
本計画は、5か年計画とし、平成28年度から32年度までを計画期間とします。
第2次計画
平成23年度~27年度
4
第3次計画
平成28年度~32年度
計画の策定体制
本計画の策定にあたっては、市民の意見を反映するために、アンケート調査を実施し、
市民の健康に対する意識や生活の実態、ニーズ等の把握に努めました。
また、関係行政機関、農業・商工業関係者、医療・福祉関係者、学識経験者等で構成さ
れた北上市健康づくり推進協議会において、幅広い見地から意見を聴取しました。
さらに、パブリックコメントを実施し、市民の意見を計画に反映させました。(予定)
2
第2章
1
健康づくりの現状と課題
北上市の現状
(1) 人口・世帯数の推移と動態
本市の総人口は、平成22年に9万4千人台から9万3千人台に減少し、その後9万3
千人台で推移しています。
世帯数及び65歳以上のひとり世帯の数は、人口の減少に反して増加を続けています。
特に、65歳以上の女性のひとり世帯数が増加しています。
人口の推移
人
95,000
94,000
93,000
92,000
91,000
90,000
94,321
94,311
94,679
94,911
94,142
93,138
平成17年
18年
19年
20年
21年
22年
93,549
93,752
93,495
93,368
23年
24年
25年
26年
(資料 県保健福祉年報
各年10月1日)
世帯数の推移
世帯
36,000
34,000
32,000
33,623
32,659
33,192
33,704
33,626
20年
21年
34,027
34,612
35,305
35,529
35,874
24年
25年
26年
30,000
平成17年
18年
19年
22年
23年
(資料 県保健福祉年報 各年10月1日)
世帯
65歳以上のひとり世帯の推移
4,000
3,000
2,000
1,000
0
2,465
2,594
2,725
2,890
1,798
1,924
2,030
2,125
2,234
2,348
537
588
637
676
741
802
857
935
1,012
1,116
平成17年
18年
19年
20年
21年
22年
23年
24年
25年
26年
男
女
(資料 長寿介護課調べ 各年9月末)
3
自然動態は平成21年を境に出生数より死亡数が増加しています。
社会動態は、転入、転出の異動の差はあるものの、全体的に減少傾向にあります。
(単位
自然動態
出生
879
878
平成17年
18年
830
836
19年
20年
947
885
871
837
851
死亡
948
931
875
866
21年
人)
804
818
22年
23年
943
901
827
785
24年
25年
782
26年
(資料 県保健福祉年報 各年10月1日)
転入
社 会 動 態
転出
人)
3 , 9 7 6
3 , 7 5 3
3 , 5 3 7
3 , 4 1 6
(単位
3 , 7 9 4
3 , 3 9 9
3 , 1 1 2
3 , 3 6 2
3 , 2 0 6
3 , 0 8 2
3 , 3 5 34 , 3 8 73 , 3 7 3
3 , 1 9 7
3 , 2 0 0
3 , 0 6 3
3 , 0 0 23 , 0 7 93 , 0 5 7
2 , 8 4 4
平成17年
18年
19年
20年
21年
22年
23年
24年
25年
26年
(資料 市民課調べ 各年10月1日)
(2) 死因別死亡率の経年変化
悪性新生物(がん)や心疾患による年齢調整死亡率※が増加傾向です。自殺死亡率は
徐々に減少しています。
250
282.7
248.6
246.9
200
158.3
150
143.4
100
50
(単位 人口 10 万対)
死因別死亡率の経年変化
300
170.7
275.3
271.7
241.6
194.1
183.9
悪性新生物
178.6
176.4
154.7
154.6
165.8
156.4
152.1
脳血管疾患
肺炎
不慮の事故
83.7
68.0
41.4
41.9
36.3
36.1
33.1
28.9
32.2
31.0
28.8
26.7
23.6
平成21年
22年
23年
24年
25年
26年
63.1
0
心疾患
60.8
54.5
自殺
41.8
26.8
(資料 県保健福祉年報)
4
悪 性 新 生 物 部 位 別 割21~26年
合 ( 平累
成積 )
その他
2 1 . 9 0 %
肺・気管
1 9 . 4 4 %
白血病
2 . 0 5 %
子宮
1 . 7 7 %
胃
1 2 . 9 6 %
乳房
4 . 0 2 %
食道
肝
2 . 8 6 6 %. 9 6 %
腸
胆のう
1 3 . 4 4 %
膵
6 . 7 5 %
7 . 8 4 %
(資料 県保健福祉年報)
※年齢調整死亡率…人口構成の異なる集団間での死亡率を比較するために、死亡率
を一定の基準人口(昭和60年モデル人口)に当てはめて算出した
指標
(3) 国民健康保険年間医療費の推移
国民健康保険一般被保険者の医療費は、全国、岩手県に比べ少ないものの年々増加し
ています。
円
250,000
245,427
239,353
240,000
245,306
233,980
231,284
230,000
220,000
226,024
218,342
210,000
200,000
211,733
205,200
平成20年度
229,464
225,356
218,652
北上市
岩手県
全国
214,409
209,439
206,749
21年度
22年度
23年度
24年度
(資料 国保中央会「国民健康保険の実態」)
5
(4) 母子保健の状況
■ 出生率
出生率は年々減少しています。
10
9 . 2
8 . 6
9
(単位
8 . 8
8 . 7
8 . 4
8 . 4
8 . 5
8 . 5
8
7
7 . 4
8 . 3
7 . 3
7 . 1
8 . 2
8 . 2
7 . 1
7 . 1
出生千対)
北上市
岩手県
8 . 0
全国
6 . 9
6
22年
平成21年
23年
24年
25年
26年
(資料 県保健福祉年報)
■ 出生に対する低体重児の割合
低体重児の割合は、6年間で8~12%の間で上下しているものの、徐々に減少傾向に
あります。
13
%
1 1 . 6
12
1 2 . 1
1 1 . 6
11
1 0 . 2
10
9
9 . 6
9 . 6
9 . 6
9 . 4
9 . 0
9 . 0
北上市
9 . 8
9 . 9
9 . 7
9 . 6
9 . 6
9 . 3
22年
23年
24年
全国
9 . 6
8 . 8
8
平成21年
岩手県
25年
26年
(資料 県保健福祉年報)
■ 乳児死亡数
乳幼児の死亡は、一桁台で推移しています。
(単位
人)
内訳
月齢
総
数
4
週
未
満
平成21年
7
6
22年
3
3
23年
1
24年
2
25年
0
26年
1
年
24
か週
月~
未
満
2
か
月
3
か
月
4
か
月
5
か
月
6
か
月
7
か
月
8
か
月
9
か
月
10
か
月
11
か
月
1
1
2
1
(資料 県保健福祉年報)
6
■ 乳児主要死因別死亡数
(単位
内
総
項目
数
及
び
心
血
管
障
害
年
特
異
的
な
呼
吸
障
害
そ
の
他
の
周
産
期
に
先
天
異
常
詳
細
不
明
の
未
熟
児
脳
炎
及
び
気
管
支
炎
有
害
作
用
不
慮
の
事
故
及
び
人)
訳
そ
の
他
の
外
因
悪
性
新
生
物
血
症
含
む
)
敗
血
症
(
新
生
児
敗
心
疾
患
そ
の
他
の
全
死
因
平成21年
7
1
1
5
22年
3
1
1
1
23年
1
24年
2
25年
0
26年
1
1
1
1
1
(資料 県保健福祉年報)
■ 周産期死亡率
当市の周産期死亡率※(出生千対)は、減少傾向にあります。
14
12
(単位
1 1 . 5
出生千対)
10
7 . 3
8
6
4
5 . 4
4 . 2
6 . 2
北 上 市
6 . 0
6 . 0
4 . 9
4 . 2
4 . 1
4 . 0
2
岩手
5 . 2
3 . 9
全国
3 . 7
3 . 7
3 . 6
2 . 5
1 . 3
0
平成21年
22年
23年
24年
25年
26年
(資料 県保健福祉年報)
妊娠満22週以後の死産数+早期新生児死亡数
※ 周産期死亡率…
×1,000
出生数+妊娠満22週以後の死産数
7
■ 妊娠週数別自然・人工別死産数
自然死産は横ばい、人工死産は減少傾向で推移しています。
(単位
年
平成21年
総数
自然
内 死産
訳 人工
死産
22年
23年
24年
25年
人)
26年
24
26
24
19
17
15
総数
9
10
11
6
9
7
妊娠12~21週
5
7
5
4
6
6
妊娠22週以上
4
3
6
2
3
1
総数
15
16
13
13
8
8
妊娠12~21週
15
15
13
13
8
8
妊娠22週以上
0
1
0
0
0
0
(資料 県保健福祉年報)
■ 妊娠届出数及び妊娠届出週別割合
早期妊娠届出(11週以内)の割合が徐々に増加しています。
妊娠届出者数
(人)
年度
妊娠届出週別割合
11週以内
12~19週
20~27週
28週以上
平成21年度
827
85.4%
13.0%
1.0%
0.6%
22年度
832
85.3%
13.1%
1.1%
0.5%
23年度
795
85.0%
13.2%
1.3%
0.5%
24年度
819
88.0%
11.0%
0.9%
0.1%
25年度
807
87.5%
11.0%
1.0%
0.5%
26年度
759
90.4%
8.3%
0.9%
0.4%
(資料
健康増進課調べ)
■ 乳幼児集団健康診査受診率
すべての乳幼児集団健診診査で受診率が徐々に高くなっています。
99
%
98.6
97.6
97.6
98.7
97.8
98
97.2
97
96.3
96
98.5
96.8
97.0
96.6
96.4
96.1
95.8
97.3
97.0
97.4
96.5
98.1
97.2
97.0
96.9
4か月
10か月
96.0
1歳6か月
95
2歳6か月
3歳6か月
94.1
94
93.9
93
平成22年度
23年度
24年度
25年度
26年度
(資料 健康増進課調べ)
8
2
第2次健康づくりプランの検証
(1) 第2次健康づくりプランの検証の目的と方法
第2次健康づくりプランの計画期間が終了したことから、これまでの保健活動の推進
状況や目標の達成状況などを把握し、第3次健康づくりプランの課題や方向性を明確に
するために検証を行いました。
検証にあたっては、市民の意識の変化や目標値の達成度や関係団体の活動状況を把握
するため、アンケート調査を行いました。
アンケート内容は、健康管理、体重、口腔保健、食習慣、身体活動、お酒、たばこ、
休養・ストレス、生きがい、地域交流・ボランティア活動等多岐に渡っています。
回答結果は、年代ごとに集計し、これから10領域ごとの現状を把握しました。
このアンケート結果と北上市保健事業実績書等により、目標値に対する検証を行いま
した。
(2) 第2次健康づくりプランの全体目標への達成状況
この健康づくりプランは、平成18年度~22年度までを第1次とし、年代別に目標を設
定し、全年代共通の重点課題を設定せず網羅的に事業展開しました。
第1次健康づくりプランの検証では、妊娠・出産期から乳幼児期では達成された目標
項目が多くあった反面、20歳代以上の青壮年や中高年期では、未達成の目標項目が多い
という結果となりました。
また、価値観やライフスタイルの多様化、核家族やひとり親家庭の増加など、社会環
境の変化により、年代別の目標設定よりも健康の領域別に取り組むことが必要になりま
した。
これを踏まえ、第2次健康づくりプランでは年代の枠を超えて、10領域別に目標を設
定し事業を展開してきました。
一人ひとりが取り組むべき項目の中で、健康的な食生活、継続的な運動習慣、歯みが
きの習慣化、健康診査や各種がん検診への受診等について目標が達成されませんでした。
目標達成がされなかった主な要因として、地域や関係機関との健康課題や事業計画に
関する情報共有が不十分であり、地域や関係機関と連動した活動ができなかったことが
考えられます。
9
(3) 領域別の検証
第2次健康づくりプランでは、10領域に沿って、健康増進を推進してきました。
10領域それぞれの取組み状況と今後の課題は次のとおりです。
① 栄養・食生活(■取組み状況
●見えてきた現状)
■ 望ましい食習慣を身につけることができるよう食育を推進するため、家庭の中で
は食事の大切さを学び、学校やPTA、地域では食事指導講習会や親と子の料理教
室等で、バランスのとれた食事や朝食の大切さなどを学ぶ機会を持ちました。
■ 企業や団体では、安心、安全な農産物を提供し、地産地消の推進に努めました。
● 20~24歳代の野菜や果物の摂取量が他の年代に比べて少なく、ほとんど摂取しな
い人の割合も高いです。
また、岩手中部地区では、塩分摂取量が全国や東北、岩手県に比べて多い状況で
す。
野菜摂取頻度割合
%
100
84.1
80
66.4
64.0
毎日
71.1
61.8
週3~6回
60
週1~2回
47.7
40
34.9
30.4
28.6
24.5
20.6
20
0
14歳
12.3
5.1
7.7
1.5
4.8
0.8
ほとんど食べな
い
8.3
1.3
7.1
1.3
15~19歳 20~24歳 25~44歳 45~64歳
10.9
4.7
0.4
65歳以上
(資料 北上市健康づくりプラン評価に係るアンケート)
%
果物摂取頻度割合
50
40
30
44.0
37.8
31.0
24.6
31.0
23.3
20
10
36.3
34.7
34.1
20.7
15.5
10.3
33.8
27.5
23.2
26.3
24.7 26.2
30.0
毎日
23.0
週3~6回
週1~2回
14.3
13.6
ほとんど食べ(ない
10.9
3.0
0
14歳
15~19歳 20~24歳 25~44歳 45~64歳 65歳以上
(資料 北上市健康づくりプラン評価に係るアンケート)
10
1日あたりの塩分摂取量
g
11.5
11.0
10.5
10.9
11.1
東北
岩手県
11.3
10.2
10.0
9.5
全国
中部保健所
管内
(資料 中部保健所調べ)
(出典 平成22年国民健康・栄養調査、平成16年度及び21年度県民生活実態調査)
課題: 塩分を控えたバランスのよい食事がとれるように取り組んでいく必要があ
ります。
② 身体活動(■取組み状況
●見えてきた現状)
■ 身近に運動できるよう、出前講座や健康教育で普段から気軽に取組むことができ
る運動や情報提供をして、運動気運を高めてきました。
特に、特定健康診査受診者に対しては、結果説明や特定保健指導を通じて体を動
かす大切さを啓発しました。
■ 乳幼児や親だけでなく、保育士・幼稚園教諭向けに子ども時代からの身体活動の
大切さについて学ぶ場を設けました。
■ 地域においては、体育協会や老人クラブ、婦人団体等で、運動する機会を設ける
など取組みました。
● 就労世代で運動習慣がある人の割合が低いです。
運動できない理由として、時間が取れないという人が多いです。また、近くに運
動する場所がない、自分に合った運動がわからないという人や、一緒にする仲間が
いない、運動が嫌いという理由の人の割合も高いです。
%
1日30分以上の運動を週2回以上行っている人の割合
100
80
77.7
82.4
80.5
70.9
72.5
60
50.2
49.8
40
20
29.1
22.3
0
14歳
19.5
27.5
行っている
行っていない
17.6
15~19歳 20~24歳 25~44歳 45~64歳 65歳以上
(資料 北上市健康づくりプラン評価に係るアンケート)
11
50.9%49.5%
仕事等を含めた身体活動習慣のある者の傾向
(平成26年)
78.7%
77.9%
男性 女性
73.6%
69.4%
68.3%
64.8%62.6%
62.4%
65歳以上
20~24歳
運動習慣を持つ者の傾向(平成26年)
男性
女性
35.4%
29.5%
25.3%
25.8%
23.6%
13.9%
20~24歳
25歳~44歳 45歳~64歳
25歳~44歳
45歳~64歳
65歳以上
(資料 北上市健康づくりプラン評価に係るアンケート)
%
1 日 30分以上の運動を週2回以上行っていない人の理由の割合
50
40
30
14歳
20
15~19歳
10
20~24歳
0
運
動
が
嫌
い
時
間
が
と
れ
な
い
身
体
的
理
由
で
近
く
に
い場
所
が
な
一
緒
が
に
い
す
な
る
い
仲
間
教
え
が
て
い
く
な
れ
い
る
人
動自
が分
わに
かあ
らっ
なた
い運
お
金
が
か
か
る
25~44歳
45~64歳
65歳以上
(資料 北上市健康づくりプラン評価に係るアンケート)
課題: 就労世代の運動時間の確保のために、短時間でも健康効果があることを周
知し、気軽に取り組める運動方法の普及が必要です。
③ たばこ(■取組み状況
●見えてきた現状)
■ 母子手帳交付時や母親学級や健康相談で広い世代に、喫煙防止対策を推進してき
ました。
■ 特定健康診査でも問診の場を利用して、喫煙防止の指導を行ってきました。
■ 出前講座では、生活習慣病予防やがん予防のテーマに含めて、禁煙に関する啓発
を行いました。
■ 市内の禁煙外来一覧表を作成し、ホームページに掲載するなど禁煙を希望する人
へ情報提供を行いました。
■ 医師会・歯科医師会・薬剤師会では、小中学校で未成年の喫煙防止の啓発を行い
ました。
● 男女とも喫煙率が高いです。特に20歳代前半でも、男性の4割に喫煙習慣があり
ます。また、家庭内や飲食店での受動喫煙率が全国に比べて高い現状です
12
北上市喫煙率(平成26年)
%
成人喫煙率の地域比較
北上市
(平成26年アンケート)
全国
(平成26年国民栄養・生活習慣調査)
60
50.5
50
44.9
40.7
42.6%
40
27.1
30
34.0% 32.1%
男性
27.7%
女性
20
岩手県
(平成26年県民生活習慣実態調査)
14.6
13.0
18.9% 19.3%
10.9
11.4%
10
5.9%
2.0
0
20~24歳
25歳~44歳
45歳~64歳
全体
65歳以上
男性
受動喫煙があった人の割合
家庭
飲食店
58.6%
50.2%
35.8%
20.5%
北上市
5
4
全国
%
妊 婦 の 喫 煙 者 の 割 合
4 . 3
3 . 7
3 . 8
3 . 3
3 . 1
3
1 . 7
2
1
平成21年 度 22年度
23年度
24年度
25年度
26年度
(資料 北上市健康づくりプラン評価に係るアンケート
及び平成26年度国民栄養・生活習慣調査)
課題: これまで以上に、禁煙や受動喫煙防止の取組みが必要です。
13
女性
8.2%
④ アルコール(■取組み状況
●見えてきた現状)
■ アルコールが健康に及ぼす影響について、母親学級や出前講座等で広く啓蒙をし
てきました。
■ 地域や、事業所の従業員に対し、健康に配慮した飲酒について啓発を行いました。
■ 学校薬剤師による薬剤乱用防止授業の中で、未成年の飲酒による健康への影響に
ついて啓発を行いました。
● 20~24歳代に比較して、25歳から毎日飲酒している者が増加しています。
特に、25歳~44歳で毎日飲酒する者が男性に比べて女性が急増しています。
また、一日の飲酒量が、岩手県や国に比べて多い現状です。
年代別毎日飲酒する者の割合(平成26年)
男性
女性
57.0%
50.1%
35.3%
15.7%
15.0%
25歳~44歳
45歳~64歳
3.1% 1.8%
20~24歳
7.4%
65歳以上
(資料 北上市健康づくりプラン評価に係るアンケート)
1合未満
1~2合
一日の飲酒量
2~3合
3合以上
64.0%
43.7%
39.2%
44.9%
38.7%
14.8%
2.3%
13.9%
2.5%
26年
平成25年
64.3%
51.6%
52.2%
32.5%
33.1%
12.7%
2.6%
26年
平成25年
北上市
12.6%
2.6%
岩手県
24.2%
9.1%
2.7%
23.8%
9.2%
2.7%
26年
平成25年
国
(資料 国保データベース)
課題: 若い世代や女性の現状を踏まえた適量飲酒の指導が必要です。
14
⑤ 口腔保健(■取組み状況
●見えてきた現状)
■ 各年代に適した歯科保健事業に取り組んできました。
乳幼児健診では、乳幼児歯科健診や歯科相談を通じ、むし歯予防のための生活の
基盤づくりを指導しました。
未就学児、小、中学校、地区交流センター等で歯科保健指導を実施し、口腔保健
が健康に及ぼす影響について指導しました。
妊婦歯科検診、成人歯科検診を実施し、口腔疾患の予防、早期発見、早期治療の
必要性を啓蒙しました。
● 年齢が高くなるほど1日の歯みがきの回数が減っていく傾向があります。
年代別1日の歯みがき回数
%
70
60
64.2
57.3
56.8
58.3
54.3
49.8
50
40
2回
3 回以上
41.9
30
29.5
25.7
27.5
27.0
10
5.5
2.3
1.6
0.0
14歳
16.0
15.1
20.1
毎 日では ないが みがい ている
み がいて いない
20.1
20
0
1回
19.1
2.8
1.0
0.5
0.8 1.0
1.3
0.0
0.0
0.0
0.5
15~19歳 20~24歳 25~44歳 45~64歳 65歳以上
(資料 北上市健康づくりプラン評価に係るアンケート)
課題: 子どものときの歯みがき習慣を大人になっても継続できるような取組みが
必要です。
⑥ がん(■取組み状況
●見えてきた現状)
■ 各種がん検診事業を実施し、がんの早期発見、早期治療をこころがけるように推
進してきました。
■ より市民に身近な地区公民館等で実施したり、検診日程を増やしたり、休日や夕
方に受診できるよう検診会場や時間帯を考慮した検診を実施しました。
■ 受診日程に配慮しながら受診通知書を発送したり、未受診者へは電話等で受診勧
奨を行い、検診受診を促しました。
● がん検診受診率や精密検査受診率が目標値より低い現状です。未受診者から「が
ん検診の必要性を感じていない」や、精密検査未受診者から「がんが分かるのが怖
い」といった理由が挙げられました。
15
各種がん検診受診率
%
50
49.5
45
目標値 50%
46.3
45.8
43.2
43.1
44.3
39.1
40
43.5
42.9
41.3
35
30
34.0
33.9
32.6
33.1
38.5
大腸
37.8
34.4
33.6
乳
33.2
32.7
32.1
23年度
平成22年度
胃
40.1
38.5
肺
41.7
24年度
子宮
31.1
25年度
26年度
(資料 健康増進課調べ)
課題: 気軽に安心して、検診を受けられるような環境づくりが必要です。
⑦ 生活習慣病(■取組み状況
●見えてきた現状)
■ 特定健診の受診率や特定保健指導の指導率を上げるため、休日や夕方に受診でき
るよう健診会場や時間帯を考慮した健診を実施しました。
■ 特定健診会場で保健師コーナーを設け、血圧に関する保健指導を行いました。
■ 特定保健指導の対象者に結果説明会を開催し、個人へ結果票を直接渡し、健康相
談や保健指導を行いました。
■ 生活習慣病予防のテーマで出前講座を開催し啓蒙しました。
■ 中部保健所では、事業所に脳卒中予防の出前講座を行いました。薬剤師会は、各
薬局や老人クラブで生活習慣病の研修会を実施しました。北上医師会、北上歯科医
師会も生活習慣病予防の知識の普及啓発を行っています。
■ 特定健診の受診率向上に向け、保健推進員が各地区でポスター掲示や呼びかけを
実施しました。
● 特定健診対象者数は増加していますが、受診者数は減少しています。
● 脳血管疾患による死亡率が高くなっています。
● 血圧の有所見率が減少していますが、岩手県より高い状況です。
● 中性脂肪の有所見率は岩手県より高く、割合が増えています。
特定健診対象者及び受診者数
人
16,000
15,041
15,303
15,811
15,926
14,315
12,000
8,000
対象者
受診者
6,356
6,460
6,342
6,261
6,081
4,000
平成22年度
23年度
24年度
25年度
26年度
(資料 健康増進課調べ)
16
特 定 健 診 受 診 率 及 び 特 定 保 健 指 導 実 施 率
%
50
4 1 . 7
40
4 1 . 4
30
平成22年度
4 1 . 8
23年度
4 5 . 8
4 1 . 2
3 7 . 5
3 9 . 4
4 0 . 0
3 4 . 8
24年度
特定健診目標値 50%
特定保健指導目標値 50%
25年度
特定健診
3 9 . 1
特 定 保 健 指 導
26年度
(資料 健康増進課調べ)
(単位
脳血管疾患死亡率比較
人口 10 万対)
179.8
190
170.7
161.5
170
164.5
165.8
161.8
154.7
160.4
156.4
96.5
94.1
91.0
24年
25年
26年
176.4
150
130
110
158.3
159.8
97.2
97.7
平成21年
22年
98.2
90
23年
北上市
岩手県
全国
(資料 県保健福祉年報)
血圧判定 高血圧
(140~/90~mmHg)の割合(40~74歳)
%
26
25.6
25.1
25
24.6
24.3
24
23.7
23.6
23
岩手県
北上市
岩手県
北上市
岩手県
24年
平成23年
北上市
25年
(資料 いわてデータウエアハウス)
中 性脂肪150mg/dl以上の割合(40~74歳)
%
35
30
25
20
4.3
22.9
4.7
25.4
4.6
4.3
5.7
4.5
26.5
22.7
25.1
23.4
岩手県
北上市
岩手県
受診勧奨
保健指導
15
岩手県
北上市
平成23年
24年
(資料
17
北上市
25年
いわてデータウエアハウス)
1日あたりの塩分摂取量
g
11.5
11.0
10.5
11.3
10.9
11.1
東北
岩手県
10.2
10.0
9.5
全国
中部保健所
管内
(資料 中部保健所調べ)
(出典 平成22年国民健康・栄養調査、平成16年度及び21年度県民生活実態調査)
課題: 生活習慣病や脳卒中のリスクとなる高血圧、塩分摂取など生活習慣の見直
しと改善の取組みが喫緊に必要です。
⑧ 親子の健康(■取組み状況
●見えてきた現状)
■ 安心して出産できるように、妊娠期から関係機関と連携を取りながら、相談を充
実させてきました。
■ 親子がともに育ち合うように、乳幼児健診や訪問、相談を実施しながら、個々の
状態に応じた保健指導の充実に努めてきました。
● ひとり親世帯で、女親と子どもから成る世帯が増加しています。
また、父親の育児に参加する人の割合が、多少の増減はあるものの伸び悩み状態
です。
● 乳幼児健診の受診者に対する要観察者の占める割合が増加しています。特に自我
が芽生える1歳6か月児健診で年々増加しています。
ひとり親世帯の推移
%
世帯数
600
70
500
69
400
300
549
439
569
68
67
200
100
0
66
56
平成12年
78
17年
68
22年
父親が育児に参加する人の割合
69.5
68.8
67.9
67.3
66.0
65
64
女親と子どもから成る世帯
男親と子どもからなる世帯
(資料 国勢調査)
18
(資料 健康増進課調べ)
受診児に対する要観察児の占める割合
%
40
33.2
30
35.9
29.8
26.5
4か月
26.8
1歳6か月
20
15.3
12.7
14.7
9.5
10
8.0
9.4
9.0
22年度
23年度
11.6
14.9
3歳6か月
13.5
0
平成21年度
24年度
25年度
(資料 健康増進課調べ)
課題:
ひとり親の増加や1歳6か月児検診での要観察児が増加していることから、
引き続き子育て中の親に寄り添う支援を行うとともに、地域全体で子育てを支
えていく支援や関係づくりが必要です。
⑨ 不慮の事故(■取組み状況)
■ 乳幼児健診や相談訪問指導での中で、乳幼児期の不慮の事故を予防する取組みを
実践してきました。
⑩ こころの健康(■取組み状況
●見えてきた現状)
■ こころの健康に関する情報提供や啓発活動を展開しました。中でも「いのち」の
標語募集や懸垂幕での周知、市民講演会や各地区・職場への出前講座、こころの体
温計事業を行ってきました。
■ 住民一人ひとりの気づきと見守りを促すことを目的に人材育成を行ってきました。
■ 医療が必要と思われる人に、適切な医療へと繋げることを目的としてうつスクリ
ーニングを実施し、保健師も受診勧奨を目的とした電話での健康相談を実施しまし
た。
■ 関係機関との連携を図るため庁舎内に自殺対策連絡会を立ち上げネットワーク
の構築を図りました。
■ 地域においては、北上市社会福祉協議会で、ふれあいデイサービスを通して、児
童、生徒と高齢者との世代を超えた交流を行いました。
■ 企業では、勤労者のこころの健康に関する情報提供をしたり、薬剤師会では老人
クラブでうつ病に関する研修会を実施するなどしています。
● 地域との繋がりに満足している人が20歳代で低くなり、その後、徐々に増加してい
く傾向があります。また、男性では40~50歳代、女性は60~70歳代の自殺が多いで
す。
19
近所・地域の人との繋がりに満足している人の割合
%
70
60
50
40
30
20
10
0
61.1
53.5
49.5
42.6
43.7
3.9
6.8
14歳
15~19歳
59.0
66.0
49.9
満足している
32.0
29.9
40.6
8.7
9.0
9.5
8.9
20~24歳
25~44歳
45~64歳
65歳以上
25.2
満足していない
どちらでもない
(資料 北上市健康づくりプラン評価に係るアンケート)
人
性別、年齢別自殺者数(平成21~26年総計)
30
14
15
10
0
男性
女性
20
20
5
27
25
25
7
3
14
5
7
12
2
12
11
15
7
4
~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60~69歳 70~79歳 80歳~
(資料 内閣府「地域における自殺の基礎資料」(居住地))
課題: 地域でこころの病気を理解し、こころの健康を支え合う環境づくりが必要です
(4) 地域・関係団体との課題
第2次健康づくりプランでは、地域や企業、学校等一体となって健康づくりに取り組
む方向性を示し、健康づくりを推進してまいりました。しかし、個々創意工夫を凝らし
た健康づくりが充実してきた反面、関係機関同士の連携が不足しているという実態が見
えてきました。
また、近年、社会における相互信頼の水準や相互扶助の状況を意味する「ソーシャル
キャピタル」と健康との関連が報告されており、個人の健康に大きく影響する社会全体
が、相互に支え合いながら、健康を守るための環境を整備することが必要となっていま
す。
これらのことから、個人が健康づくりに取り組みやすい社会環境を整備するために、
関係団体で連携を強化していく必要があります。
20
第3章
1
第3次健康づくりプランの基本的な考え方
第3次健康づくりプランの方向
前章では、第2次健康づくりプランの検証を行いました。
検証の結果、複数の領域にまたがる課題が出てきました。特に、生活習慣に関する課題
が多く出ています。
健康づくりプランは、市民が生涯を通じて心身共に健康で安心して暮らすことを支援す
るために、平成15年度から形態を変えつつ策定されてきたプランです。
健康状態を推し量る指標には、死亡率や喫煙率等長期経過に判断が必要なものと、受診
率や健康教育への参加者数など比較的短期間で成果が判断できるものがあります。
生活習慣に関わる課題や、市民一人ひとりが健やかで生き生きとした生活を送ることが
できたかを短期間で評価していくことは難しいことです。
これまでのプランでは、比較的短期間で評価しやすい健康行動の指標での評価としてき
ましたが、長期的目標の視点が欠けていました。さらに社会環境や質的な評価を加えた考
え方も必要となっています。
第3次健康づくりプランでは、これまでの反省をもとに、そのなかから抽出された現状
と共通の課題から、全年代の共通の健康課題を明確にし、健康づくりの推進体制の強化と
して、地域や関係機関に情報発信し、共通認識のもとに、目標を設定し基本理念へ向かっ
て目標達成のために事業を展開していきます。
2
北上市の社会背景
北上市は、企業誘致等により県内外から就業者が増加し、人口構成も就労年齢が他市と
比較して、多くなっています。
それにより、核家族化が進んでおり、子育て世代の親の負担が増えています。
また、勤務体系の多様化により、自分の健康を維持していくことが難しくなってきてい
る人がいます。
さらに、高齢者の一人世帯が増加しており、高齢者の健康や活動などへのきめ細やかな
対応、地域におけるふれあいや助け合いの充実など、関係者の連携による健康づくりの構
築が必要となってきています。
21
3
第3次健康づくりプランの基本理念と基本目標
ここでは、第2次健康づくりプランの検証を踏まえた課題解決と、さらに国や県の健康
づくりの方向性を含めて取組むべき方向を見い出し、基本理念と基本目標を設定します。
子どもから大人まで、それぞれの目指す健康の姿に向かって、各々の力を生かし、とも
に助け合いながら暮らすことができるまちを目指し、次のように基本理念を定めます。
基本理念
子どもも大人も健康に暮らす
そのために、すべての世代が自分の目指す健康に向かって暮らせるような生活習慣を確
立するとともに、市全体で市民一人ひとりの健康づくりを支援する環境をつくっていきま
す。
基本目標
自らの健康課題に気づき自ら取組む
自分の目指す健康をお互いに支える
基本目標は、基本理念に向かって、自助の視点から「自らの健康課題に気づき自ら取組
む」、共助の視点から「自分の目指す健康をお互いに支える」の2点に定めています。
健康づくりは、市民一人ひとりが自ら健康課題に気づき、生活習慣を見直し、改善に取
組むことが基本となります。
しかし、個人の力だけで継続していくことは大変です。
一人ひとりの健康づくりを支えていくため、地域・学校・企業や行政がそれぞれの特徴
を生かしつつ連携し、健康づくりの環境を整えていきます。
また、環境を整えるだけでなく、市民一人ひとりが積極的に参加することが重要となり
ます。
市民全員がお互いに支え合い、健康で暮らせるとともに、幸せや生きがいを見出し、実
感できる社会を目指していきます。
22
4
第3次健康づくりプランの基本施策
基本理念である「子どもも大人も健康に暮らす」を目指し、基本目標に沿って次の3つ
の基本施策を設定します。
【基本施策1】
健康的な生活習慣を身につける
市民の健康への関心が高まっているなかで、健康な高齢期を迎えるためにも年少期か
ら健康的な(食事や運動など)生活習慣を身につけることが重要です。高齢になっても
できるだけ健康で暮らせるために、自分の健康を自分で管理し、習慣づけることができ
るように取り組んでいきます。
また、がん検診や健康診査を受診することでがんや生活習慣病の早期発見、早期治療
に繋がり、治療費の削減にも繋がります。
さらに、北上市は、脳血管疾患による死亡率が高い状況にあり、市も全力をあげて取
り組まなければならない状況です。
このことから、「脳卒中予防」を重要施策に掲げて生活習慣の改善に取り組んでいき
ます
取組み方向
①バランスの取れた食生活と食育の推進
②生涯を通じてからだを動かす習慣づくりの推進
③健診(検診)を受診しやすい環境づくり
④歯と口の健康を保つための習慣づくりの推進
⑤健康診査結果の活用と保健指導による生活習慣の改善の促進
【重要施策】 脳卒中予防対策
【基本施策2】
親と子どもの健やかな成長を支援する
子ども一人ひとりが親や周囲の人たちに支えられながら、その子らしく成長発達して
いくことは、大人になった時の良好なコミュニケーションや自分らしく生きていく力を
養う基盤となります。
そこで、子どもの健やかな成長発達には食事や睡眠などの規則正しい生活を送ること
や親や周囲の大人から「愛されている」と実感できる体験をしていくことがとても大切
です。また、子育て中の親子が地域で孤立せずにともに育ちあうためには、地域の温か
い声掛けや見守りが大切です。
このことから、親の健康づくりを通じて子どもの健やかな成長を促すとともに、親子
23
や地域で楽しめる関係づくりを推進していきます。
また、妊娠期は女性ホルモンのバランスが変化することや体調の変化によって、不安
定になりやすい時期であり、この時期の過ごし方がその後の育児に影響していきます。
そこで、不安を抱えやすい妊娠出産期を安心して過ごすことができる支援をしていき
ます。
取組み方向
こどもが安心して健康に過ごすことができる支援
【基本施策3】 健康づくりの社会環境を整える
日々の生活のなかで地域や職場の中で交流があることは、個人の健康増進だけでなく、
地域全体の健康増進に繋がる重要な要素です。
市民がお互いに健康づくりを学んだり、実践することへの支援を行います。
画一的な健康づくりではなく、地域の特性や地域住民にあった健康づくりや生活環境
に合った健康づくりを推進していきます。
また、食生活改善推進員、保健推進員とともに地域の活動に参加し、それぞれの地域
の情報を活用し、健康づくりに役立てていきます。
取組み方向
①地域で健康づくり活動を行う人材の育成
②こころの変化に対応できる環境づくり
この3つの基本施策を基に、「市民」「地域・学校・企業・団体」「行政」ごとに、そ
れぞれの役割、取組みを示していきます。
24
5
施策体系
以上のことを体系化したものが次の図です。
基本
基本
基本
理念
目標
施策
取組み方向
①バランスのとれた食生活と食育の推進
子
ど
も
も
大
人
も
健
康
に
暮
ら
す
自
ら
の
健
康
課
題
に
気
づ
き
自
ら
取
り
組
む
1
健
康
的
な
生
活
習
慣
を
身
に
つ
け
る
②生涯を通じてからだを動かす習慣づくりの
推進
③健診(検診)を受診しやすい環境づくり
④歯と口の健康を保つための習慣づくりの推進
⑤健康診査結果の活用と保健指導による生活
習慣の改善の促進
【重要施策】脳卒中予防対策
2
自
分
の
目
指
す
健
康
を
お
互
い
に
支
え
る
な
成
長
を
支
援
す
る
親
と
子
ど
も
の
健
や
か
こどもが安心して健康に過ごすことができる
支援
3
環
境
整 を
備 整
え
る
健
康
づ
く
り
の
社
会
①地域で健康づくり活動を行う人材の育成
②こころの変化に対応できる環境づくり
25
第4章
基本目標を実現するための取組み
【基本施策1
健康的な生活習慣を身につける】
① バランスのとれた食生活と食育の推進
主食、主菜、副菜をそろえた食生活を実践していくことが、健康的な体をつくること
に繋がります。
生活習慣病を予防するために、必要な野菜の量や減塩の方法など、食生活の面から健
康を保つための取組みを行います。
■ 取組み内容
○ バランスの取れた食生活と減塩の知識の普及
○ 素材を生かした食品摂取の促進と食育の推進
○「かんたん手ばかり※」の普及
市民が取り組ん 「かんたん手ばかり」を使って主食、主菜、副菜をそろえた食
でいくこと
事ができるようにします。
・望ましい食習慣を身につけることができるよう食育を推進し
ます。
・料理教室などで、減塩や朝食の大切さについて知識を普及し
地域・学校・企
ていきます。
業・団体が連携
・調理済み食品の上手な使い方を学んでいきます。
して取り組んで
・安全、安心な農作物を提供し、地産地消の推進に努めていき
いくこと
ます。
・地元の食文化伝承の場を設け、食文化を後世に伝えていく活
動を進めていきます。
・「かんたん手ばかり」を使って、バランスのとれた食生活の
普及に努めます。
行政が取り組む
・出前講座や健康教室で、減塩の知識の普及を行います。
こと
・乳幼児健診や子育て支援事業等で、食生活の基礎固めができ
るよう、保健指導を充実させます。
■ 目標値
年齢を超えてどの世代でもバランスよく食事をすることは基本なことから、次の目
標値を設定します。
項
現状
(平成26年度)
目
主食、主菜、副菜をそろえた食事をする人の割
合
※
70.8%
目標値
(平成32年度)
73.0%
かんたん手ばかり…自分の手のひらを摂取量の物差しとして、1食の摂取量
を量る方法
27
かんたん手ばかり
1食あたりこれくらいを目安に食べましょう
主
主 食
「ごはん、麺」なら 「パン」なら
両手に軽くのる量
片手にのる量
菜(どれか1つ)
魚1切
肉うす切3~4枚
たまご1個
とうふ1/4丁
その他
(1日の目安)
副 菜
「生の野菜」なら
両手に山盛り
「火を通した野菜」なら
片手に山盛り
(ゆでる・煮る・炒める)
(出典 京都市ホームページ食・ねっと)
人指し指と親指の輪
の中に入る(果物類)
いも
牛乳
中1個
200ml
副菜
主菜
野 菜 な どを 使 った 料 理
で 、 ビ タミ ン やミ ネ ラ
ル 、 食 物繊 維 など を 多
く 含 み ます 。 色や 形 も
さ ま ざ まで 食 事全 体 の
味 や 彩 りを 豊 かに し ま
す。
魚や肉、卵、大豆製品な
どを使ったおかずの中心
となる料理で、たんぱく
質や脂質を多く含みま
す。食材や量、調理方法
によって1食のエネルギ
ーや栄養素量に大きく影
響します。
主食
ご は ん 、パ ン 、め ん 類
な ど で 、炭 水 化物 を 多
く 含 み 、エ ネ ルギ ー の
も と に なり ま す。 主 食
を な に にす る かに よ っ
て 、 お かず が 違っ て く
る の で 、食 事 全体 を 決
める中心の料理です。
その他
食事全体のゆとりやうる
おいを与えてくれる、汁
物、飲物、牛乳、乳製
品、果物などです。1日
全体のバランスを考えて
とります。
(出典
28
厚生労働省ホームページ)
② 生涯を通じてからだを動かす習慣づくりの推進
子どもから大人まで取組めるからだを動かす習慣化を推進し、生活習慣病の予防に繋
げていき、健康上の問題で日常生活を制限されることなく生活できる時期を少しでも長
く保つように、また、高齢になっても介護が必要にならないように、介護が必要になっ
た場合でもできる限り自立した生活を送ることができるように、若年のうちから運動を
継続していくことを目指します。
家事や仕事、農作業など日常生活の中での一定程度の運動効果がありますが、健康の
維持・増進には、活動量をあと少し増やすことが大切です。今より10分多くからだを動
かして活動量を増やし、就労している人や子育て中の人でも健康づくりのための身体活
動ができることなど、広く運動の大切さを周知していく活動を行います。
■ 取組み内容
○ 家事や仕事をしながら実行できる運動の取組み
○ 今より10分多くからだを動かそう
○ 運動する機会や運動施設の情報発信
・自分に合ったからだの動かし方を知り、家事や仕事をしなが
ら、いつでもどこでも楽しみながらからだを動かします。
市民が取り組ん
・近いところへの移動はなるべく徒歩や自転車を使うなど、
でいくこと
「+10(プラス・テン)※」を実践します。
・積極的に外出して、仲間や地域の人との交流を深めます。
・運動を通じて、仲間や地域の人との交流を深めまる機会を設
地域・学校・企
けます。
業・団体が連携
・自分に合った運動方法を相談できる機会を設けます。
して取り組んで
・「+10(プラス・テン)」の実行の機会を設けます。
いくこと
・運動できる機会や施設の情報を発信します
・広報や特定健診時、健診結果説明会、減塩リーダー育成研修
会、健康教室等の事業で家事や仕事をしながら今より10分か
らだを動かすこと(+10)の意義と方法を普及・啓発してい
行政が取り組む
きます。
こと
・からだを動かしたい人が市内の運動施設や機会を知ること
ができるように、広報やホームページで情報を提供してい
きます。
■ 目標値
多忙な就労世帯に運動習慣を定着させるために、特に25歳から44歳に対象として目
標値を定めます。
項
現状
(平成26年度)
目
身体活動を1日1時間以上行っている人の割合
(25歳~44歳)
29
63.7%
目標値
(平成32年度)
67.0%
スポーツ基本法において、「スポーツは心身の健全な発達、健康及び体力の保持
増進、精神的な充足感の獲得、自律心その他の精神の涵養等のために個人または集
団で行われる運動競技その他の身体活動である」と定義されています。
北上市スポーツ推進計画においては、スポーツとは、ウォーキング、ランニング、
ハイキング、キャンプ、登山、ニュースポーツ及び体操等軽スポーツ並びに競技ス
ポーツ、買い物や通勤において移動方法を車から徒歩や自転車に変える等心身の健
康や体力づくりのため目的意識を持って行う身体活動を含むものとすると定義づけ
ています。
本計画では、「心身の健康のために行う身体活動」を、家事や通勤、農作業など、
日常生活でのからだを動かす動作全般を運動と捉え、「今より10分多く毎日からだ
を動かす(+10(プラス・テン))」ことを通じて運動の習慣づくりを推進してい
きます。
軽スポーツ
競技スポーツ
心身の健康のために
行う身体活動
第3次健康づくりプランでは、この部分について、
からだを動かすことを習慣づけることができるよう
に事業を展開していきます
30
いつでもどこでも+10(プラス・テン)
※+10(プラス・テン)
毎日まとまった時間をつくって運動することは容易なことではありません。
そこで、例えば、車の通勤をバスや徒歩にしてみる日を1週間に1回つくってみたり、
歩いて買い物に行ったり、家事の間に「ながら体操」をしたり10分間いつもよりからだを
動かすことを意識して行うことからはじめましょう。
運動量を増やしていくことで、糖尿病、心臓病、脳卒中など生活習慣病やがん、認知症
などのリスクを下げることができます。
(出典 厚生労働省ホームページ)
31
健康のための身体活動チェック!
スタート
毎日60分以上、歩いたり動いている
No
Yes
運動習慣※がある
No
運動習慣※がある
Yes
No
同世代の同性と比較して
歩くスピードが速い
同世代の同性と比較して
歩くスピードが速い
No
このままではあなたの
健康が心配です。いつ
、どこで+10できるか
考えて見ませんか。
1 気づく!へ
Yes
No
Yes
※ 1 回 30分 以
上の軽く汗を
かく運動を週
2日以上、1
年以上続けて
行っている
Yes
目標達成まであと
少し!無理なくで
きそうな+10を始
めるなら今!
2 始める!へ
目標を達成してい
ます。+10で、よ
りアクティブな暮
らしを!
3 達成する!へ
素晴らしいです!一
緒にからだを動かす
仲間を増やしてくだ
さい。
4 つながる!へ
(出典 厚生労働省ホームページ)
32
自分の「プラス・テン」を発見して、実践してみよう!!
日常生活の中で、自分にできる「+10」を見つけて実践してみましょう!
いつもより大きな動作で
掃除をする
出勤前に、ゴミ出しに歩いていく
週1回徒歩で通勤する
天気のいい日は散歩する
歩いて買い物に出かける
いつもと同じ作業でも、
作業面積を広くしたり、
時間をチョット延長して
作業する
近所の人や、家族みんなで体操する
33
③ 健診(検診)を受診しやすい環境づくり
健康維持のために、住民自ら生活習慣病の予防や重症化予防のために行動できるよう
に支援します。
そのためには、受診しやすい環境を整え、健診(検診)の受診率向上を目指します。
また、がんの正しい知識を広く周知するために各団体と協力し、予防を啓発していきま
す。
■ 取組み内容
○ 生活習慣病の早期発見、早期治療のための普及・啓発
○ 受診しやすい環境をつくり、広く知らせる
・特定健診、後期高齢者健康診査等を積極的に受診します。
市民が取り組ん
・健診結果を利用して自分の健康管理に役立てます。
でいくこと
・がん検診を受診してがんの早期発見、早期予防に努めます。
地域・学校・企 ・地域や事業所で健康診査やがん検診の受診を呼びかけます。
業・団体が連携 ・がん検診等の知識を得るために、市で行っている出前講座な
して取り組んで
どを積極的に利用します
いくこと
・受診者が利用しやすい日や時間帯に配慮して、健診(検診)
会場を設置します。
・がん対策基金を活用して各種がん検診の初年度の受診料を無
行政が取り組む
料にするなど、受診しやすい環境を整えていきます。
こと
・健診(検診)の意味と目的を住民が理解し健康管理に役立て
られるように、健診受診の必要性を普及啓発していきます。
・がんの情報を提供し、がんの正しい知識を普及させていきま
す。
■ 目標値
現状
(平成26年度)
北上市の目標値
(平成32年度)
肺がん検診
41.7%
44.3%
40.0%
胃がん検診
31.1%
34.0%
40.0%
大腸がん検診
33.2%
34.4%
40.0%
乳がん検診
37.8%
49.5%
50.0%
子宮頸がん検診
38.5%
45.8%
50.0%
項
目
国が示す目標値
(平成28年度)
各種がん検診の目標値は、国の目標値と整合性を図りつつ、職場での検診や人間
ドックを含めたがん検診対象者、受診者の把握に努めながら、過去5年間の受診率
で高かった数値を目標値にします。
34
現状
(平成26年度)
目標値
(平成29年度)
特定健康診査
39.1%
60.0%
特定保健指導
39.4%
60.0%
項
目
(北上市国民健康保険保健事業実施計画より)
特定健診の目標値については、北上市国民健康保険保健事業実施計画で設定して
いますが、平成29年度までの計画となっていることから、計画の最終年度までの目
標値とします。29年度に次の国民健康保険保健事業実施計画が策定された際に、本
計画もそれに沿って見直します。
④ 歯と口の健康を保つための習慣づくりの推進
歯科疾患と関連する全身疾患の予防、早期発見、早期治療のために、定期的な歯科健
診と歯みがき習慣の推進を図ります。
■ 取組み内容
○ 子どもから大人までの歯みがき習慣の推進
○ むし歯予防や歯周病予防のための定期健診の推進
・定期的に歯科健診を受診します。
市民が取り組ん
・自分に合った歯ブラシや補助清掃用具を選択し、歯みがきを
でいくこと
する習慣を身につけ、継続していきます。
・むし歯や歯周病の罹患者に治療を促します。
地域・学校・企
・歯みがきボランティア活動に参加し、活動を通じて、食後に
業・団体が連携
歯みがきをする習慣をつけます。
して取り組んで
・歯と口の健康の大切さや健康を保つ方法を学ぶ機会を設け、
いくこと
地域全体で口腔保健に取組みます。
・口腔の健全と全身の健康との関連性について知識を普及させ
るため、年齢に応じた歯科保健指導を実施し、自ら歯科疾患
行政が取り組む
予防ができるよう支援します。
こと
・各歯科検診結果を分析し、歯科保健指導重点項目を絞り込み
指導していきます。
・関係団体と連携を図り、歯科に関する情報を共有します。
■ 目標値
歯みがき習慣が失われていかないように、目標値を設定します。
項
現状
(平成26年度)
目
目標値
(平成32年度)
20歳以上で毎日2回以上歯みがきする人の割合
77.4%
85.0%
20歳以上で年1回以上定期的に歯科健診を受け
る人の割合
47.5%
55.0%
35
⑤ 健康診査結果の活用と保健指導による生活習慣の改善の促進
健診を受け、健診結果の内容を確認し改善すべき生活習慣が分かり、自ら取組めるよ
う支援します。
要医療判定者には早期受診を勧め、治療中でもコントロールが不良な方へは治療の必
要性や生活習慣改善について説明します。
また、脳卒中対策として、適正な血圧や体重の管理、適量飲酒、禁煙、減塩にも取組
みます。
■ 取組み内容
○ 健康診査結果の理解を深め、生活習慣の改善に向けた支援
○ 禁煙の啓蒙と受動喫煙に関する知識の普及
○ 適量飲酒の指導
○ 血圧・体重管理・減塩で脳卒中予防対策
・健診結果の説明会や特定保健指導に積極的に参加し理解して
、医療機関の受診や減塩等など生活習慣の改善に繋げます。
市民が取り組ん ・定期的に血圧や体重を測り、健康管理に役立てます。
でいくこと
・たばこの害を理解し自らの行動で自身や周囲の健康を守りま
す。
・適正な飲酒量を知り、健康に配慮して飲酒します。
・企業・団体で行った健診結果は速やかに確認するよう指導し
ます。
・職場や地域の仲間同士で健診結果を確認し合い、お互いの健
康に留意する環境づくりに取組みます。
地域・学校・企 ・市で行う出前講座等を利用して血圧や体重管理の必要性の啓
業・団体が連携
発や減塩活動を積極的に行い、脳卒中予防に繋げます。
して取り組んで ・市・薬剤師会・医師会などの禁煙教育、未成年の飲酒防止教
いくこと
育を通して、タバコ、アルコールの害に関する普及啓発を行
います。
・禁煙を希望する人が、禁煙しやすいように禁煙外来などの情
報提供をします。
・多くの人が出入りする場では、受動喫煙に配慮します。
・特定健診結果説明会の開催や、相談室の紹介等自ら結果を確
認する機会を設け改善点に気づくよう支援します。
・血圧や体重の管理の重要性を特定保健指導、広報等で広く周
行政が取り組む
知し、脳卒中や生活習慣病の予防や重症化予防に繋げます。
こと
・出前講座等でタバコ、アルコールの害を広く普及させ、禁煙
や受動喫煙防止、適量飲酒を勧めていきます。
・食生活改善推進員協議会の協力を得て、減塩リーダーを育成
し、地域でリーダーが活動できるよう支援します。
36
■ 目標値
生活習慣病の原因が顕著に表れた年代の生活習慣を改善することで、全体の改善に
繋がることから、目標を設定します。
項
現状
(平成26年度)
目
目標値
(平成32年度)
血圧を測定する人の割合
31.9%
40.0%
体重を測定する人の割合
73.4%
80.0%
25~44歳での喫煙率
31.9%
26.0%
家庭における受動喫煙があった人の割合
35.8%
25.0%
72%
60%
45~64歳で毎日お酒を飲む人の割合
(男女の合計)
項
現状
(平成26年度)
目
内臓脂肪症候群(メタボリックシンドロー
ム)の該当者・予備軍該当者の割合
目標値
(平成29年度)
24.0%
22.0%
(北上市国民健康保険保健事業実施計画より)
内臓脂肪症候群の目標値については、北上市国民健康保険保健事業実施計画で
設定していますが、平成29年度までの計画となっていることから、計画の最終年
度までの目標値とします。29年度に次の国民健康保険保健事業実施計画が策定さ
れた際に、本計画もそれに沿って見直します
1日あたりの適正飲酒量は?
飲酒は1日あたり純アルコール20gまで(女性や高齢者はより少なめに)
ビール
500ml
日本酒
1合
受動喫煙の害
7%のチューハイ
350ml
ワイン
200ml
ウィスキー
60ml
(主流煙を1とした場合)
ニコチン
一酸化炭素
アンモニア
2.8 倍
副流煙
(受動喫煙)
4.7 倍
刺激性が強い
主流煙
(直接喫煙)
37
46 倍
【重要施策】
脳卒中予防対策
基本施策をより具体的に推進するために、健康づくりの中でも特に課題となっている
脳卒中予防対策に重点を置いて取り組んでいきます。
岩手県の脳卒中死亡率が全国ワースト1となっています。
本市においても、脳血管疾患死亡率が岩手県と同様に数値が高くなっています。
脳 血 管 疾 患 死 亡 率 比 較
190
170
150
130
110
(単位
人口 10 万対)
1 7 9 . 8
1 7 0 . 7
1 6 1 . 5
1 6 4 . 5
1 6 5 . 8
1 6 1 . 8
1 5 4 . 7
1 6 0 . 4
1 5 6 . 4
9 6 . 5
9 4 . 1
9 1 . 0
24年
25年
26年
1 7 6 . 4
1 5 8 . 3
1 5 9 . 8
9 7 . 2
9 7 . 7
9 8 . 2
90
平成21年
22年
23年
北上市
岩手県
全国
(資料 県保健福祉年報)
第3次健康づくりプランでは、脳卒中予防対策として、「基本施策1 健康的な生活
習慣を身につける」で、禁煙、食生活改善、運動習慣などを盛り込んだ取組みを展開し
ていきます。特にも若年のうちから、食事や運動を通して脳卒中の予防に取組みます。
脳 卒 中 予 防
禁 食生活改善
煙
運 動 習 慣
出 前 講 座 等 で の 禁 煙 や 、 受 動 喫 煙 の 害 の 知 識 の 普 及 を
禁 煙
う。
具 体 的 な
食 事 指 導 講 習 会 や 親 と 子 の 料 理 教 室 等 で 減 塩 メ ニ ュ ー や
取 組 み
食 生 活 改 善
ラ ン ス の 取 れ た 食 事 の 実 践 。 減 塩 リ ー ダ ー を 養 成 し 、 一 体
な っ て 活 動 を 行 う 。
身 体 活 動「 + 1 0 ( プ ラ ス ・ テ ン ) 」 を 推 進 し 、 運 動 量 を 増 や し て い く
特 定 健 診 ・ 特 定
栄 養 ・ 食 事
運 動
保 健 指 導
⇒ 減 塩 ・ バ ラ ン
⇒ 生 涯 を 通 じ た
⇒ 受 診 率 ・ 実 施
生 活 習 慣喫 煙 ⇒ 禁 煙
ス の と れ た 食運
事動 の 習 慣 づ く
率 向 上 を 図 り メ
を す る
り を 身 に つ け るタ ボ 該 当 者 、 予
備 群 を 減 ら す
危 険 因 子
喫 煙
高 血 圧
38
メ タ ボ
【基本施策2
親と子どもの健やかな成長を支援する】
子どもが安心して健康に過ごすことができる支援
それぞれの親子の状況に合わせた、具体的な育児方法や望ましい情報提供をしていく
ことで、親も子の共に成長できる支援を行います。
また、子どもの発達の遅れや親側の健康面・精神面、経済面等それぞれの要因により
育児に不安を抱えている親に対して、関係機関と連携しながら、その家庭に合わせた支
援をしていきます。
■ 取組み内容
○ 乳幼児健診や訪問相談による各々の成長発達に応じた個別支援
○ 親子を取り巻く関係機関との連携
○ 地域に向けて、育児の実情を周知
○ 母子手帳交付時の状況把握と必要な支援や関係機関への情報共有
市民が取り組ん
でいくこと
地域・学校・企
業・団体が連携
して取り組んで
いくこと
行政が取り組む
こと
・健やかな子育ての環境を守るため、喫煙や飲酒の害について
理解し、家族で節酒や禁煙に取り組みます。
・乳幼児健診や予防接種を受診します。
・食事や睡眠などの規則正しい生活に心がけます。
・困った時は、専門機関等の相談窓口を利用します。
・普段から、地域の人たちとあいさつし合える関係づくりを心
がけます。
・地域や保育所等の育児教室には積極的に参加します。
・父親も育児に参加します。
・地域の中に、親子の触れ合いの場や育児を楽しめる場を作っ
ていきます。
・育児の経験者が、自らの妊娠期や出産の体験から、アドバイ
スします。
・育児中の親子の現状を理解し、温かい声掛けや見守りをして
いきます。
・祖父母が孫育てについて学ぶ場を作っていきます。
・妊娠期を安心・安全に過ごせるように関係機関と情報共有し
ながら支援します。
・母子手帳交付時に母子手帳の活用方法と伝えるとともに、喫
煙や飲酒の害について情報提供します。
・子育ての専門機関と連携し、個々に状況に応じた子育て支援
情報や相談窓口を紹介します。
・現代の子育て事情を、保健推進員や地区の健康づくり協議会
等と共有し、安心して子どもを育てられる地域づくりに取組
みます。
・親子の触れ合いの場や育児を楽しめる場を作っていきます。
・DVDやスマホなどの望ましい活用を伝えていきます。
・子育て世代包括支援体制について検討していきます。
39
■ 目標値
家庭に合わせた育児や、妊娠期を安心安全に過ごす支援ができるように、目標値を
設定しました。
項
目
現状
(平成26年度)
目標値
(平成32年度)
妊婦の飲酒の割合
7.4%
7.0%
妊婦の喫煙の割合
1.7%
1.5%
98.4%
現状維持※1
1歳6か月児健診でゆったり
した気持ちで子どもと過ごす
ことができる母親の割合
未把握※2
80.0%
1歳6か月児健診で要観察者
の占める割合
34.9%
30.0%
1歳6か月児健診で育児の相
談者がいない人の割合
1.4%
1.0%
妊婦で身近に相談者がいる割
合
※1 身近に相談者がいる割合は、過去の割合から推測し、現状を維持
できるように設定します。
※2 平成27年度より統計を取り始めたため未把握
【基本施策3
健康づくりの社会環境を整える】
① 地域で健康づくり活動を行う人材の育成
バランスの取れた食生活の指導や、減塩について活動する減塩リーダー※1の養成など、
地域での健康づくりに取組むために、食生活改善推進員や保健推進員等の人材を育成し
ていきます。
また、健康づくりの気運を盛り上げていくために、地域の健康づくり活動を支援して
いきます。
40
■ 取組み内容
○ 食生活改善推進員・保健推進員の育成と活動支援
○ 地域づくり及び人材育成の継続、拡大を企業と連携し推進する
市民が取り組ん
でいくこと
・地域で活動する食生活改善推進員の養成や減塩リーダーの育
成に参加します。
・保健推進員の活動に参加します。
地域・学校・企 ・地域で活動する食生活改善推進員や減塩リーダー、保健推進
業・団体が連携
員を支援し、また、一体となって活動に参加していきます。
して取り組んで ・地域や職場で相談を受ける人がゲートキーパー ※2 養成に参
いくこと
加します。
・食生活改善推進員の養成や、減塩リーダーを育成し活動を支
援、活動内容を広めていきます。
・保健推進員の活動を支援します。
行政が取り組む
・地区の健康づくり活動団体と連携して、活動に必要な情報を
こと
提供していくとともに、活動費の一部として地域づくり交付
金を継続していきます。
・ゲートキーパーを養成し、活動を支援します。
■ 目標値
地域の健康づくり活動のパイプ役となる人材を増やしていきます。
現状
(平成26年度)
項目
目標値
(平成32年度)
食生活改善推進員育成研修参加率
57.4%
60.0%
保健推進員全体研修参加率
62.3%
65.0%
項目
現状
(平成26年度)
減塩リーダー延べ養成人数
0人
目標値
(平成29年度)
200人
(国民健康保険保健事業実施計画より)
減塩リーダー延べ養成人数の目標値については、北上市国民健康保険保健事業実
施計画で設定していますが、平成29年度までの計画となっていることから、計画の
最終年度までの目標値とします。
29年度に次の国民健康保険保健事業実施計画が策定された際に、本計画もそれに
沿って見直します。
※1 減塩リーダー
※2
… 自らの塩分摂取の状態に気づき、学んだことを地域で情
報発信する人
ゲートキーパー … 悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聴いて、必要
な支援につなげ、見守る人
41
② こころの変化に対応できる環境づくり
こころの病気について正しい知識を持ち、理解を深めていき、悩みを持っている人も
住みやすい地域社会を作ります。
また、ゲートキーパーなど相談できる人や場所を広く周知し、必要な場合には相談に
つなげるなど、お互いにこころの健康づくりを進めていきます。
■ 取組み内容
○ 相談窓口の周知及び拡大
○ 一人ひとりがこころの健康に関心を持つための啓発の継続
○ こころの健康を支え合う地域づくりの推進
・家族や近所で声を掛け合い、お互いのこころの変化に気を配
市民が取り組ん
るようにします。
でいくこと
・市民講演会、出前講座に積極的に参加し、ゲートキーパーの
役割を理解し、相談先につなぎます。
・地域、職場で相談できる環境をつくり、周囲から声を掛け合
地域・学校・企
います。
業・団体が連携 ・コミュニケーションの場と機会を増やし、孤立化しないよう
して取り組んで
にします。
いくこと
・友人や同僚のこころの変化に気づき、ゲートキーパーの役割
を理解し、相談先に繋ぎます。
・こころの健康相談体制を充実し、また市のホームページで自
分のこころの状態や困った時の相談窓口が分かる「こころの
体温計」について事業の周知に努めます。
・市民一人ひとりが自殺防止について考えていくように、メン
行政が取り組む
タルヘルスに関する情報発信のため地域や市内の企業、団体
こと
へ出前講座や市民講演会を実施します
・ゲートキーパーの役割や、相談先を養成講座の開催や市民講
演会、出前講座などで周知していきます。
・北上市自殺対策計画(仮称)を作成し、関係者の連携協力を
推進し、内容を市民に周知します。
■ 目標値
悩みを抱えている人の周りに、悩みを理解したり相談できる人をたくさん増やして
いきます。
項
現状
(平成26年度)
目
目標値
(平成32年度)
こころに関する出前講座の受講者数
(北上市・中部保健所)
499人
625人
身近に心配事や悩み事を相談できる
人・場所がある人の割合
76.8%
80.0%
42
【市が行う主な実施事業と取組み方向との関係】
取組み方向に沿って各種事業を展開していきます。
生
涯
を
通
じ
た
運
動
の
習
慣
づ
く
り
の
推
進
料理講習会、減塩講習会
○
○
栄養教室、食事指導講習会
○
離乳食教室
○
特定健康診査、健康診査
○
○
特定保健指導
○
○
○
健康相談、成人訪問事業、集団健康教育
○
○
○
検
診
)
取組み方向
健
診
(
バ
ラ
ン
ス
の
取
れ
た
食
生
活
と
食
育
の
推
進
を
受
診
し
や
す
い
環
境
づ
く
り
主な各種事業
歯
と
口
の
健
康
を
保
つ
た
め
の
習
慣
づ
く
り
の
推
進
生
活
習
慣
の
改
善
の
促
進
健 支子
康 援ど
診
も
査
が
結
安
果
心
の
し
活
て
用
健
と
康
保
に
健
過
指
ご
導
す
に
こ
よ
と
る
が
で
き
る
○
○
○
各種がん検診
○
地
域
で
活
動
す
る
人
材
の
育
成
こ
こ
ろ
の
変
化
に
対
応
で
き
る
環
境
づ
く
り
○
○
○
○
○
○
各種歯科健診、各種歯科教室
○
がん対策基金活用事業
○
○
人材育成(こころの体温計事業等)、自殺対策事業
○
妊婦検診事業、両親学級、妊婦訪問事業、妊産婦相談
○
○
乳幼児健診、乳幼児相談、予防接種事業、育児学級
○
○
保健推進員設置事業、研修
○
○
○
○
○
○
○
○
○
食生活改善推進員、減塩リーダー育成研修
○
○
各種出前講座、各地区健康づくり
○
○
○
○
○
○
○
○
広報活動
○
○
○
○
○
○
○
○
43
○
健康づくりイメージ図
健康づくりは、市民、地域、行政がお互いに関わり、連携していくことが重要になります。
それぞれが一つのピースとなって、お互いに関わり合いながら特性をいかしたアプローチ
をしていき、市全体で健康づくりビジョンを完成させていきます。
市民の関わり
市民は、健康づくり活動に参加し、また、参
加しながら地域を活性化させていきます。
保健所
食生活改善推進員
行政
(健康部門)
保健推進員
幼稚園
保育園
自治協
企業
団体
市民
歯科医師会
市民
学校
医師会
行政(まち
づくり部門)
NPO
企業
薬剤師会
行政(スポ
ーツ推進部
門)
市民
行政の関わり
地域の関わり
行政は、市民、地域、食生活改善推
地域(自治協、学校、団体、企業、
進員、保健推進員に対し健康づくりを
医師会等、NPO)は、健康づくり活動
通じて支援していきます。
への参加を高め、また、健康づくりを
通して地域等の活性化を図ります。
また、食生活改善推進員、保健推進
員とともに、市民の健康づくりを支え
ていきます。
44
第5章
1
計画の推進体制
関係機関との連携と役割
本市では、このプランを実現させるために、医師会、歯科医師会、薬剤師会と特定健診
や各種がん検診、地域医療で、介護事業所とは介護予防などで連携を図っていきます。
また、地域の健康づくり関係団体、JA、幼稚園、保育園、小学校、中学校などとも連
携を図り、情報共有しながら市民の健康づくり事業を進めていきます。
さらに、本市では、健康づくり事業に関する課題に対応するため、関係行政機関、農業、
商工業関係者、医療、福祉関係者、学識経験者や市民団体で構成される「北上市健康づく
り推進協議会」を設置しています。
同協議会では、健康づくりの課題や実績を把握・評価し、解決方法の意見をいただいた
りするなど、保健事業の円滑な運営に向けた取組みを行います。
健康づくり事業を推進していくため、関係機関・団体の役割を明確にして相互がスムー
ズに連携して取り組んでいきます。
2
計画の進行管理
計画策定後の進行管理は、PDCAサイクルに沿って、本計画の進行状況の報告を北上
市健康づくり推進協議会へ行い、意見を聴取し、計画推進に反映していきます。
同協議会は、計画期間内の各年度における進捗状況を把握して達成状況を評価するとと
もに、健康づくり事業の諸問題を解決するための協議を行い、計画の実効性の確保と健全
運営の維持に努めます。
市民・地域等
の意見を反映
させて事業計
画を立てる
実
Plan
(計画)
施
Do
(実行)
計画・事業
に活かす
成果の状況
Act
(改善)
課題から、事業
内容の改善、見
直し案の提案
地域の自治会や学校・
企業などと一体となっ
て、健康づくり、地域
づくりを実践する
Check
(評価)
課題の抽出
健康づくり推進協
議会で、成果を評
価、検証する
※PDCAサイクル…事業活動を円滑に進める手法
Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)の4段階を
繰り返すことによって、業務を継続的に改善する。
45
3
市の体制
市では、このプランを実現させるために、市の各部門と連携を図りながら健康づくり事
業を進めていきます。
保健福祉部門
地域づくり部門
教育・子育て部門
産業部門
スポーツ推進部門
また、保健師※、管理栄養士、歯科衛生士など多職種や、保健福祉部門以外の複数の部
署と連携を密にして、市民、地域の健康課題に対処できる体制を推進していきます。
※
保健師の「業務担当制」と「地区担当制」
住民ニーズが複雑化・高度化・多様化していることから、市ではこれまでの母子保健や成人保健
のほか、障がい児の療育、障がい者の支援、介護予防など専門的な健康課題に効果的に対応でき
るように、保健福祉部門の各部署に保健師を配置しています。(業務担当制)
しかし、これだけでは、縦割り行政による弊害のほか、地域とのつながりが希薄になってしま
い、地域全体の健康課題に地域が一体となって対処していくことが難しくなってしまいます。
従って、その地域ごとに住民と接し、その地区が求める健康ニーズに見合った施策を展開し、
その成果を導く活動を担う保健師も必要であることから、これまでどおり保健師を地区ごとに割
り振って担当させます。(地区担当制)
地区担当
業務担当
保健師(障がい者(児))担当
連携
保健師(A地区担当)
(
保健師(C地区担当)
保
健
師
(
保健師(B地区担当)
保
健
師
連携
母
子
保
健
担
当
成
人
保
健
担
当
連携
保健師(介護予防事業)担当
46
A地区住民
B地区住民
C地区住民
)
)
…
市内 16 地区
…