営農情報局 あなたもチャレンジ! 家庭菜園 夏まきニンジン、 上 手 な 発 芽と管 理 の ポイント 板木技術士事務所●板木利隆 ニンジンはベータカロテンを豊富に含み、粘膜強化や 免疫力アップ、 老化防止などに役立ちます。品種改良が 進み、 カロテン含量が高く、芯までよく着色、 サラダにも向 くなど品質が格段に高まり、 家庭菜園での魅力が増大し てきました。 これからがまきどきの夏まき作型は、 秋の適温条件(18 ~20度) で育つため作りやすく、 中秋から冬にかけて長 期間収穫できるので、 実益の上がるお薦め野菜です。 種まきの適期は7月上旬(関東南部以西の平たん地、 暖地は中~下旬) となるので、発芽と初期生育は天候 の難しい時期に当たります。 そのためこの作型では発芽 をそろえて、初期の生育を順調に進めることが大きなポ イントです。 ざんさ 畑の準備として、前作はなるべく早めに片付け、残渣 を残さないようきれいにし、少なくも20日前ぐらいまでに完 熟した細かな堆肥と油かすなど有機質肥料、 少量の化 成肥料を全面にまき、深さ20cmぐらいによく耕し込んで おきましょう。元肥はやや控えめにし、施肥の主体は盛ん に育ち始めてからにすることです。 手順として、 まき溝はくわ幅で、底面が平らになるよう 丁寧に作り、 土が乾いていたらジョウロで溝全面に、 溝を はみ出さないようにたっぷり灌水し、 底面が平らに落ち着 いたら種まきします。水が溝からはみ出すと、覆土すると き土がぬれていて困ることになります。 覆土は種子がやっと見えなくなる程度(5~7mm) の 薄めとします。覆土した後、 くわの 背で軽く鎮圧し、種子を土になじ ませておきます。 まき終わったら溝全面に細かく 砕いた完熟堆肥または切りわらで 薄く覆って、乾燥や降雨による土 のはね上げ、 地面の固結を防ぎま す。材料は発芽しても取り除く必 要はありません。発芽するまでに 乾燥したら灌水を心掛け、 乾き過 ぎないよう注意します。 発芽ぞろいし、本葉2~3枚ぐ らいに育った頃間引きます。初期 は軟弱なので、 ある程度密にし て共育ちさせることが大切です。 本葉5~6枚になったら第2回の 間引きで、10~12cm株間(品種 差あり) の1本立ちとします。 間引きした後にすぐ追肥する こと。雑草が大変生えやすいの で遅れずに除草することもニンジ ン作りの大切なポイントです。 3 敦賀美方農業協同組合広報誌 カリフラワー等は早・中・晩生品種により播種時 期を変える必要があり、早生種と中~晩生種を同 時期に播種することは避けてください。 果 樹 ★いもち病 ⇒ 常発地は要注意 7月~8月は稲の幼穂形成期から出 穂期に当たり、最も重要な時期です。 中干しをきちんと完了して、雑草や病 害虫の防除を徹底して、良質な米作りをしましょう。 今月はコメの品質・収量を決定する重要な作業 が目白押しです。 「実り多き秋」を迎えるための適期管理を実践 してください。 水稲 いもち病は、過剰生育している水田や稲体が軟弱 で葉色が濃く、葉が垂れている水田で発生しやすく なります。常発地や葉色が濃いところは注意して、 常時観察し発病をみたら防除してください。 ★紋枯病 ⇒ 昨年の発生田は予防を ★温州ミカンの摘果 着果量の多い樹は今月上旬から摘果を実施して ください。なお、樹上部の勢いの強い枝に成って いる果実は、大きくなりますが、果皮が厚くて糖 度の少ない果実にしかならないので、すべて摘果 した方が賢明です。 野菜害虫多発警報!! 今年は高温乾燥日が続き、各種害虫類が多発す ることが懸念されます。特に、アブラムシ類や雑 食性のテントウムシダマシ、ヨトウムシ類の被害 が考えられますから、早期発見・早期防除を徹底 してください。 ○アブラムシ類 アブラムシは多くの仲間がおり、体色は透明、 緑、白、淡黄、黒と様々です。特にほとんどの野 菜類に寄生するモモアカアブラムシには注意が必 要です。 ○テントウムシダマシ 紋枯病は、近年、発生が増加傾向にあります。 前年に発生した水田ではモンカット粒剤やリンバ ー粒剤で予防してください。 ★基肥一発肥料体系水田の水管理 ★こまめな水管理 ⇒ 乳白米、胴割米の発生防止 圃場の水分が不足すると穂肥分の肥料効果の発 現が遅れるので、7月上旬~下旬にかけては、少 なくとも湿った状態を維持し、肥料が適期に効き はじめるようにしてください。 施肥量を少なくしたため、出穂前の葉色が極端 に淡い場合は、乳白米や胴割米の原因になります ので、分施体系の2回目の穂肥時期に「新エコ追 肥」を7kg/10a程度施用してください。但し、 コシヒカリは過剰施用すると倒伏の原因になりま すので注意してください。 各品種とも出穂期前後は、乳白米や胴割米の発 生防止・軽減のため、十分な水が必要です。水不 足の時でも、地域ごとに日割り給水を行うなど水 を有効に使ってこまめな水管理を行ってください。 ★コシヒカリの倒伏対策 7月上中旬頃に葉色が濃く、葉が垂れていたり、 草丈が高い場合には、倒伏の恐れがありますので、 スマレクト粒剤などの倒伏軽減剤の散布を検討して ください。 【圃場を硬めにすると作業がしやすく、倒伏対策に なります】 中干しが十分できなかった圃場は、出穂期以降収 穫期までに間断通水で落水する期間を徐々に長くし て圃場を硬くしていきましょう。(収穫前の早期落 水は米の品質を落とすことがあるので注意してくだ さい。) ★斑点米の原因となるカメムシ類の防除 ⇒ 畦畔雑草類の除草および適期防除 例年2等米以下への格落ち理由の大半は斑点米 が原因となっています。 無人ヘリ防除を行えばカメムシが全滅するわけ ではなく、まず、カメムシにとって住みにくい環 境を作ることが重要です。上位等級比率を維持す るために、カメムシ類の棲家となる畦畔および水 田近辺の雑草地の除草を徹底し、本田へのカメム シの侵入を防止してください。 薬剤防除については、無人ヘリ防除を実施しな い水田では、①1回目は穂揃期 ②2回目は糊熟 初期の最低2回必要です。さらに、カメムシの発 生が多い時は、薬剤の登録に従い仕上げ防除が必 要です。 夏まき野 菜 の 播 種 ★夏まき野菜の播種 成 虫 幼 虫 益虫のテントウムシとよく似た形をしています が、体色は茶色で、黒い点々のある害虫です。成 虫、幼虫とも主にナスやピーマンの葉を食害する 害虫で、そのまま放置しておくと数日のうちに葉 が穴だらけになってしまいます。 ○ヨトウムシ類 ヨトウムシは、ヨトウ蛾の幼虫で、極めて多食 性で、イネ科以外の野菜はほとんど被害を受けま す。老齢の幼虫は体長2cmほどで、日中は土中や 野菜の株元に潜み、夜間に地上部に出てきて野菜 の葉や果実を食害します。「ハクサイやキャベツ の葉がムシに食べられレース状になっているのに 害虫がいない」、というお尋ねが多いのは、日中 地上に姿を見せないヨトウムシに加害されたため です。このように葉は食べられているのに害虫が 見つからない場合は、ヨトウムシの被害の可能性 があります。 夏まき野菜の播種適期が近づきました。夏野菜 の収穫に追われ、ついつい播種が遅れがちになっ てしまいますが、品質のよい夏まき野菜を作るに は適期播種が重要です。下表を参考に、圃場の作 付け計画を早めに立てて、圃場の有効利用に努め てください。夏まき野菜は大量少品目よりも少量 多品目栽培をする方が「作る」、「育てる」楽しみ が倍増します。なお、ハクサイ、ブロッコリー、 表. 夏まき野菜の作付け体系一例 品 種 定植期 収穫開始期 播種期 定植期 収穫開始期 キ ャ ベ ツ 全 品 目 品 種 7月上~中旬 8月下旬 11月下旬 ホウレンソウ 全 品 種 9月上~下旬 - 10月下旬 メキャベ ツ 全 品 種 7月上~中旬 8月下旬 11月上旬 コ マ ツ ナ 全 品 種 8月上旬~9月上旬 - 10月上旬 ハ ク サ イ 早 生 種 8月中旬 9月上旬 11月上旬 ナ ナ 全 品 種 8月中旬~9月上旬 - 10月下旬 中~晩生種 8月下旬 9月中旬 11月下旬 チンゲンサイ 全 品 種 7月下旬~8月下旬 - 早 種 7月上旬 8月下旬 10月下旬 タ ア サ イ 全 品 種 8月下旬~9月下旬 - 10月中旬 中~晩生種 7月中旬 9月上旬 11月下旬 サ ン チ ュ 全 品 種 8月中旬~9月上旬 - 11月上旬 早 8月中旬 10月下旬 ダ イ コ ン 全 品 種 9月上~中旬 9月上旬 12月上旬 ラ ディシュ 全 品 種 8月下旬~9月下旬 - 10月中旬 9月中旬 11月中旬 カ 品 種 9月中旬~10月上旬 - 11月上旬 ブロッコリー カリフラワー 生 生 播種期 種 7月上~中旬 中~晩生種 7月下旬 玉 レ タ ス 全 品 種 8月上~中旬 品 目 バ 品 種 ブ 全 9月下旬 - 11月上旬 敦賀美方農業協同組合広報誌 2
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