5.働き始めてから (1)労働時間と賃金について ほうてい ろうどう じ か ん 労働時間は週 40 時間、1 日 8 時間が原則です。これを法定労働時間といいます。こ わりましちんぎん の法定労働時間を超えた場合には、会社は割増賃金を支払わなければなりません。 さいていちんぎん 都道府県ごとに、労働者を雇う時の最低賃金がきまっていて、アルバイトであっても、 それを下回る賃金の取り決めは違法となります(罰則あり)。 (2)休憩時間・休暇・休日について 会社は、労働時間が6時間を超える場合には少なくとも 45 分、8時間を超える場合 には少なくとも1時間以上の休憩時間を与えなければなりません。昼休み中の電話に備 えて電話番などの役割を与えられていたら、昼休みをとったとは言えず、別途休憩時間 を申し出ましょう。 休憩を与えられずに長時間労働を強いられるような働かせ方は違法です。また、平 成 26 年 11 月1日より、健康で充実して働き続けることのできる社会を実現するため、 か ろ う し とう ぼ う し たいさくすいしんほう 「過労死等防止対策推進法」が施行されています。 また、会社は、1週間に少なくとも1日、あるいは4週間を通じて4日以上の休日を 与えなければなりません。これとは別に、一定期間(最低6か月)働き続けた場合に、 ね ん じ ゆうきゅう き ゅ う か 労働者の権利として年次 有 給休暇を取得する事ができます。アルバイトでも取得可能で あり、働く日数に応じて休みをとれる日数が決まります。 6 (3)社会保険 しゃかい ほ け ん ほしょう 社会保険とは、もしもの時に備えて事前に保険料を支払い、事故が起きた際に保障を ろうさい ほ け ん こ よ う ほ け ん けんこう ほ け ん こうせいねんきん 得る仕組みです。日本の社会保険制度では、労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金 ほ けん 保険等があります。 仕事中や通勤時にけがをしたり病気になったとき、治療費や休んだ日 ちんぎんほしょう の賃金保障を受けることができます。アルバイト・パートにも適用さ ろうさい ほ け ん 労災保険 れます。仕事中にけがをした場合、通常会社が手続きを行いますが、 ろうどうきじゅんかんとくしょ 会社がとってくれない時には労働基準監督署に連絡しましょう。 労働者が失業した場合などに手当が支給されます。他に、育児や介 こ よ う ほ け ん きゅう ふ 雇用保険 しょくぎょう く ん れ ん 護のための給付や、職 業訓練を受ける際の給付などがあります。詳 しくはハローワークにお問い合わせください。 いりょうひ 労働者やその家族がけがや病気をしたとき医 療費が支給されます。 けんこう ほ け ん 健康保険 労働者がけがや病気で会社を休んでいるときや、出産・死亡時など にも手当金が支給されます。 こうせいねんきん ほ け ん 厚生年金保険 労働者が高齢になって働けなくなったとき、障害を負ったり亡く きゅうふ なったりしたときに給付を受けられる制度です。 (4)出産時・育児・介護の制度 さ ん ぜ ん さ ん ご きゅうぎょう ・産前産後 休 業 女性は出産予定日の6週間前から休業を会社に申請できます。また、原則として産後 8週間の産後休業の取得が保障されています。 ・育児に関して い く じ きゅうぎょう 育児休業は、男女とも申請すれば取得できます。期間は、原則として子が 1 歳に達す か ん ご きゅうか しょうがっこう る日までとなります(一定の場合には 1 歳6か月)。また、子の看護休暇として、小学校 しゅうがくまえ よういく 就学前の子を養育している場合に、子 1 人であれば年 5 日、子2人であれば年 10 日取 得できます。また、3 歳未満の子を育てているときには、短時間勤務が認められます。 ・介護に関して か い ご きゅうぎょう よ う か い ご じょうたい 介護休 業は、対象家族が要介護状態に至るごとに 1 回、通算して 93 日まで取得でき ます。介護休暇に関しては、要介護状態の家族が 1 人であれば年 5 日、2 人以上であれ ば年 10 日取得できます。 ※平成 29 年1月に改正育児・介護休業法が施行されます。 7
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