平成２８年６月（第２回）定例会文教民生委員会委員長報告ただいま議題となりました議案第５０号工事請負契約締結の件（黒石小学校校舎増築（建築主体）工事）外１件について、付託されました文教民生委員会の審査の結果及び審査の概要を御報告申し上げます。まず、審査の結果でありますが、議案第５０号については全会一致をもって、また、請願第１号については賛成少数をもって、本日お手元に配付の委員会審査報告書及び委員会請願審査報告書に記載のとおり決定いたしました。次に、審査の概要について申し上げます。請願第 1 号学校法人山口朝鮮学園への補助金停止に関する請願についてであります。本請願は、宇部市議会に対して、宇部市政による学校法人山口朝鮮学園への補助金停止の違法性あるいは適法性を明らかにするために法的検証を早急に開始し、その結果に基づいた法的統一見解をまとめ、公表すること、また、その見解に基づいて、宇部市行政に適切な対応を行わせることを求めるものです。本請願の審査に当たっては、まず、請願者を参考人として招致し、その趣旨についての説明を求めました。参考人からは、・日本が民族教育権を認め、それを朝鮮学校にも認めていることから、日本はこれを擁護する義務を負っており、その責任を放棄するのは権利の侵害に当たること・当事者抜きに施策が進められることのないよう、朝鮮学校の現状を十分把握されたいこと・この補助金の停止は、朝鮮学校に通う子供たちに対する権利侵害行為であることから、近視眼的で拙速な判断をせず、未来志向の成熟した対応、人を大切にする政策を選択、実施されたいこと以上３点の説明がなされました。 1 これに対して、委員からは、・諸外国における外国人学校への助成の状況はどうか・「普通地方公共団体は、その公益上必要がある場合においては、寄附又は補助をすることができる。」としている地方自治法第２３２条の２の規定との関連はどのように考えるかなどについて質疑がありました。参考人に対する質疑の終了後、執行部に対して、当該助成金を停止するに至った経緯についてただしたところ、山口朝鮮学園への助成金については、平成５年度から平成１９年度までは宇部朝鮮初中級学校に対して交付していた。平成２０年４月に宇部校が休校になったことに伴い、山口朝鮮初中級学校として下関校に統合された後も継続して助成金の交付を行ってきたが、平成２６年度以降は、助成金等を含めた全体の事務事業の見直しの中で、朝鮮学校以外にも本市の子供たちが市外の私立中学校に通学しており、公平性の観点から、市として、山口朝鮮学園への助成金について予算計上を行わないこととしたものであり、法的には問題ないと考えているとの説明がなされました。これに対して委員からなされた主な質疑を申し上げますと、まず、市として、本請願における民族教育とはどのようなものと認識しているかとただしたところ、朝鮮民族の言葉や文化を学ぶものであると認識しているとのことでした。次に、当該助成金を停止する際に、憲法や我が国が批准している国際条約に照らして問題がないか検証したかとただしたところ、当該助成金制度の廃止については、日本国憲法やさまざまな条約まで研究したものではなく、あくまで地方自治体としての本市の権限と責任をもって、公平性の観点から廃止したものであるとのことでした。以上のような質疑の後、討論において、本請願は、当該助成金が停止されたことについての違法性または適法性をこの場で判断することを求めるものではなく、今後、宇部市議会として、法的検証を行ってしかるべきであるとの賛成討論がなされましたが、採決の結果、賛成少数をもって不採択とすべきものと決定いたしました。 2 以上が、本委員会における審査の概要であります。その他の議案につきましては、本席から特に御説明申し上げる事項はありません。よろしく御審議くださるようお願いいたしまして、文教民生委員会の報告を終わります。 3