焼津市立図書館運営基本方針(案)(PDF:351KB)

焼津市立図書館
運営基本方針
(案)
焼津市教育委員会
平成28年
1 図書館にかかわる国の動き
平成 13 年に「公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準」が制定施行さ
れました。同基準については、公立図書館の健全な発展に資するための、基本
的な姿勢が示されています。
また、平成 18 年3月には、これからの図書館の在り方検討協力者会議によ
る報告「これからの図書館像~地域を支える情報拠点をめざして~」がまとめ
られました。その中では、本を無料で貸し出す場所、学生が勉強するための場
所といったこれまでの図書館のイメージを改め、地域を支える情報拠点と位置
付けられ、地域や住民に役立つ図書館として認識されなければならない、と提
言しています。
そのため、新たにレファレンスサービスの充実、地域の課題解決支援の充
実、紙媒体と電子媒体を組み合わせた情報提供を行うための整備、活字資料以
外の多様な資料の組織的・系統的収集と提供、児童・青少年サービスの充実、
他の図書館や関係機関との連携・協力などがあげられています。
平成 20 年6月の「図書館法」の改正に伴い、平成 24 年 12 月に「図書館の
設置及び運営上の望ましい基準」が施行されました。これらには、社会情勢や
図書館へのニーズの変化に対応した新たな図書館の役割を示しており、市立図
書館事業の実施等に関する基本的な運営方針を策定し、公表するよう努めるこ
ととしています。
2 基本方針策定の趣旨
焼津市立図書館は、大正5年5月に小学校の附属図書館として創立し、大正 11
年6月に公立図書館として知事より認可を得て、図書館サービスを開始しまし
た。その後、昭和 60 年6月に現在の文化センター内に移転し、焼津文化会館、
歴史民俗資料館とともに、焼津市の文化振興の拠点として、現在まで図書館サー
ビスを提供しています。
平成 20 年 11 月に大井川町との合併により、焼津市立図書館が焼津図書館と
大井川図書館の2館となり、平成 22 年1月にシステムの統合、2月に静岡福
祉大学附属図書館との相互協力に関する協定の締結、6月に利用者インターネ
ットパソコンを設置しました。平成 24 年4月には、雑誌スポンサー制度を実
施し、平成 26 年には「焼津市子ども読書活動推進計画(第二次)」を策定しま
した。
また、平成 27 年7月の図書館システム更新に合わせ、図書館ホームページ
の構築、市内に8館ある公民館図書室とのオンライン化を図るなど、図書館サ
ービスの向上を図っています。
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一方、少子高齢化や情報化、グローバル化が急速に変化する社会状況の中、
市民が図書館に求めるニーズは多様化しています。さらに、市民の知的要求や
生涯を通じて学ぼうという意欲は高まる傾向にあり、図書館に求められる役割
は、従来の読んだり、借りたり、調べたりすること以外に、地域の課題解決に
役立つ情報拠点としての役割も大きくなりつつあります。
焼津市立図書館においては、市民や地域の課題解決に役立つ資料の収集や情
報提供の充実、あらゆる利用者層に対応できるサービスの充実など、サービス
体制の強化と再構築、また、各関係機関との連携強化が必要となっています。
このように、大きく変化する状況を踏まえ、市民のニーズに応えられるよ
う、より充実した図書館サービスを実施していくため、「焼津市立図書館運営
基本方針」を策定します。
3 基本方針の位置付け
この基本方針は、「第5次焼津市総合計画」後期基本計画の施策である「生
きる力を伸ばす社会教育の充実」に位置付けられます。
なお、第5次焼津市総合計画の見直しや社会情勢の変化、また時代のニーズ
等により、必要に応じ方針を見直します。
4 基本理念
図書館は、市民の知る権利や学習する権利を保障し、市民が生涯にわたり自
ら学習することができる生涯学習施設です。また、市民が誰でも利用できる
「知の拠点」であり、創造の芽を育てる場だと考えられます。
焼津市立図書館は、「生涯学び、人と地域が育つ、つなげる図書館」を基本
理念とし、市民の身近な情報拠点として課題解決を支援するなど、広範なニ
ーズに対応できるよう、多様な資料及び情報収集に努めているところであり
ます。
また、地域文化の創造の場、生涯学習の場、幅広い世代が集うコミュニテ
ィの場となるよう、様々な企画を実施し、市民が利用しやすい、親しみやす
い図書館を目指します。
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5 基本方針
基本理念である「生涯学び、人と地域が育つ、つなげる図書館」に基づき、
基本方針を次のとおり策定します。
「
を
つなげる図書館
」
(1)
「本と本」
をつなげる
(2)
「人と本」
をつなげる
(3)
「人と人」
をつなげる
(4)
「人と地域」
をつなげる
(5)
「本と地域」
をつなげる
(1) 本と本 をつなげる
過去の本、現在の本、未来の本を有機的につなげ、蓄積していくため、長期
的な視点に立った収集と除籍を継続的に行っていきます。
また、地域の貴重な財産である郷土資料を積極的に収集し、後世に伝えるた
めに適切に保存・管理します。
(2) 人と本 をつなげる
図書館の最も重要な使命として、本をはじめとする資料、情報を、求めてい
る市民に迅速かつ的確に提供し、市民の学習や調査研究、レクリエーション等
に役立つ、暮らしに根差した施設を目指します。
また、情報を求める市民に対応するだけでなく、様々な媒体を介して、自ら
積極的に情報を発信することにより、潜在的な要求を掘り起こし、新たな課題
等を見出し、その要求に応えるための方策を常に模索していきます。
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(3) 人と人 をつなげる
講座や学習会等の開催、ボランティア団体の活動促進等により、人と人とが
つながる場を積極的に提供していきます。
(4) 人と地域 をつなげる
誰もが生きがいを持ち地域で生活できるよう、講座や学習会等の開催、ボラ
ンティア活動への参加を促すこと等により、一人ひとりの居場所を提供すると
ともに、地域の一員としての生活を充実させるための事業を展開していきます。
また、それぞれの調査研究や地域の課題解決等を支援する身近な情報拠点と
してサービスを提供していきます。
(5) 本と地域 をつなげる
読書をとおし、感性や思考力が育まれ、豊かな人間性が育つため、公民館等
の文化施設をはじめ、各種施設との連携事業等を充実させ、地域の身近なとこ
ろに本がある環境づくりに努めます。
6 取り組み方針
(1) 本と本
をつなげる
① 図書資料については、選書会を開催し、市民のニーズや適切な質と量の
確保に努め、図書資料の充実を図ります。
② 「焼津市立図書館資料除籍基準」に基づいた除籍を行い、常に新しく適
切な資料構成の維持に努めます。
③ 焼津市の歴史や文化、自然、産業などに関する、地域の貴重な財産であ
る郷土資料の収集に努めます。
④ 利用者にわかりやすい図書資料の分類及び配置に努めます。
(2) 人と本
をつなげる
① 市民の課題解決や調査研究に応えるため、レファレンスサービスの充実
を図ります。
② 図書館だよりを作成し、図書館事業や図書資料等の情報を市民に提供し
ます。また、ホームページを利用した資料案内、事業案内、予約受付を
実施し、市民への積極的な情報提供に努めます。なお、運用にあたって
は利用者のプライバシー保護の徹底を図ります。
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③ 障害者サービスの充実を図ります。
④ 「焼津市こども読書活動推進計画」に基づき、発達段階に応じた読書活
動の推進に努めます。
(3) 人と人
をつなげる
① 子育て世代や同じ目的を持った人たちの学習の場、コミュニケーション
の場、仲間づくりの場となるような講座や催事の企画に努めます。
② 親から子へと世代間で読み継がれるような上質な資料の提供に努めます。
③ 図書館と関わりを持ち、自主的な活動をする中で、図書館と市民との橋
渡し役となる図書館ボランティアの育成に努めます。
(4) 人と地域
をつなげる
① 地域での居場所、生きがいを持って生活するための場所となるよう、各
種講座や学習会等の事業の実施に努めます。
② 地域で活動する読書ボランティア等の育成及び活用に努めます。
③ 地域を支える情報拠点として機能するよう、情報収集に努めます。
(5) 本と地域
①
②
③
④
をつなげる
市内の公民館図書室との連携を図り、図書資料の充実を図ります。
学校図書館との連携を図り、児童生徒の学習支援に努めます。
歴史民俗資料館や焼津小泉八雲記念館など市内の各文化施設と連携を図
り、市民の生涯学習の支援に努めます。
静岡福祉大学附属図書館と相互に協力し、資料の相互貸借や行事等の共
同開催について連携を図ります。
⑤ 国立国会図書館・県立中央図書館・各市町図書館との相互貸借の連携に
努めます。
発
行 平成28年9月
発行者 焼津市教育委員会
編
集 焼津市立図書館
〒425-0071 焼津市三ケ名 1550 番地
電話:054(628)2334 FAX:054(626)5361
E-mail:[email protected]
ホームページ:http//:toshokan-yaizu.jp/
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