隅田川の上で

隅田川の上で
お茶の
時間
あります
︱
ね、ね、
ズバリ、
お金の話です
うーん
ちょっと
間に合わない
です
?
え
っ
でも、みんなに
見られて
写メとか
撮られ
ますヨ∼
ぜんぜん
いいですよ
はまり
きゆう
浜離宮という庭園が
東京にあることは
知っていたのですが
浜離宮から出航して
いる船に乗り、浅草に
行ってみる取材だったので
心残り
この池に飛び込んだら
万円くれるって
言われたら
やりますか
うーん
だって
万円ですよ
?
あっ、茶屋も
ある
そして、こんな清々しい
庭園でわたした ち が
していた話とは 、
池もある
だってそのま ま
タクシーで帰 っ て も
おつりきます も ん
10
10
!
!
はじめて行って、その
のどかさにホッと
しました
都会のオアシス
茶屋はあきらめ
ました
そんなの
余裕でやりますよ
落ちた振りして
ま、いいか
緑もきれいだし
えっ
飛び込むん
じゃなくて、
ゆっくり
入るなら
やるかな
なんて話をしつ つ 、
乗船場へ
船だっ
売店で生ビールを買って
カンパイです
どーもー
川沿いには、味わいのある
古いマンション が
たくさん建って い て 、
もしも、わたし が
あそこに住んでいたなら
へ∼∼ 船の中は
ファミレス
っぽい席だ∼
平日のお茶の時間に
ビールって、
大人ですね∼
ふいに、
春も、夏も、
秋も、冬も
ガラガラだ
浜離宮から浅草まで
約 分
家に帰ったら
まずカーテンを開け
﹁あのマンションの
ベランダから
川を眺める自分﹂
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いいじゃん
いいじゃん
水が
近いですね
隅田川にかかる
たくさんの橋をくぐって
船は進んでいきます
を、想像するのです
川を見るのでしょう
そして、
ほんのひととき、
ベランダに出て
こう思うのです
雑誌
スマホ
メガネ
原稿用紙
わたしはあのマンションに
住むことを望ん で は
おらず、
喫茶店が
自分の部屋化
していることあります
﹁川が見える部屋で
よかった﹂
お茶の時間に
ペンケース
手帳
けれど、
想像で暮らして
みただけなのです
あそこに
住んだら
いい眺めで
しょうね∼