英国のEU離脱と米国リート市場について(PDF:238k)

スペシャル・レポート
英国のEU離脱と
米国リート市場について
販売用資料
2016年
6月30日
フィデリティ投信株式会社
米国リートの相場動向(英国国民投票後の4日間)
 EU離脱が多数との英国国民投票結果が判明した後の米国リート相場(米ドルベース)は、投票日翌日の24日に
▲0.9%とわずかに下落しましたが、その後は上昇に転じました。世界の投資家が米国リートは英国のEU離脱がもた
らす不透明要因の影響を直接受けにくい資産だと認識していることを示唆した動きといえます。
 為替相場では、24日に3.8%の円高米ドル安となりました。その後はもみ合いながらも円安米ドル高に転じました。円
ベースの米国リートは、24日に円高米ドル安の影響で▲4.7%と下落しましたがその後は持ち直しています。
米国リートと米ドル円の推移(年初来)
米国リートと米ドル円の騰落率と
米ドル円為替レート
米国リート(米ドルベース)(左軸)
米国リート(円ベース)(左軸)
米ドル円(右軸)
(米ドル円)
120
年初来
140
112.2
110
6月24日
6月27日
6月28日
6月29日
米国リート
騰落率(米ドルベース)
12.2%
-0.9%
0.0%
2.1%
1.3%
米ドル円為替レート
120.6
100.8
102.2
101.6
102.5
米ドル円騰落率
-15.1%
-3.8%
1.4%
-0.5%
0.8%
米国リート
騰落率(円ベース)
-4.7%
-4.7%
1.4%
1.6%
2.1%
130
100
95.3
120.6
90
120
80
110
70
102.5
100
60
15年12月31日
16年2月29日
(注)Bloombergよりフィデリティ投信作成。米国リートはFTSE NAREIT Equity REITs
インデックス。左グラフの米国リートは期間初を100として指数化。米ドル円は実数値。
期間は2015年12月末~2016年6月29日、右表の年初来は2016年6月29日時点。
16年4月30日
【英国のEU離脱の米国リートへの影響について】
ポートフォリオ・マネージャーのコメント
 米国リートの相場が安定している理由は、主に以下の三点です。
 一点目は、世界の投資家が“もっとも安全な投資先”の一つとして選んだということです。
S&P500種指数の米国主要企業の収益は、およそ半分が海外で稼がれているのに対
し、米国リートのNOI*の96%は米国で生み出されています。純粋に米国のファンダメン
タルズを反映する資産であると市場関係者の中で改めて再認識されたことが、相対的に
安定した値動きの背景にあると思われます。
 二点目は、米国の商業用不動産のファンダメンタルズが好調であることに変化はないと
いうことです。とりわけオフィスや工場への需要は強く、稼働率は過去最高水準です。英
国や欧州の景気動向とは関係なく、国内での賃金上昇による個人消費の拡大、需給逼
迫による稼働率や不動産価格の上昇が業績拡大に繋がると期待されていることが、相
場を支えています。
ポートフォリオ・マネージャー
スティーブ・ビューラー
 三点目は、しばらくは低コストで資金調達できる環境が継続するとの見方が強まったこと
です。英国のEU離脱の決定を受けて、世界的に不透明感が広がる中で米国の利上げ
観測が遠のいています。しばらく資金調達がしやすい環境が続くことは、業績拡大のドラ
イバーとなるでしょう。
(注)FMR Coよりフィデリティ投信作成。当資料作成時点の見方です。今後予告なく変更されることがあります。
*NOI(エヌ・オー・アイ、Net Operating Income)は、不動産賃貸業から得られるキャッシュフローを示すもので、物件の収益力をはかる指標。
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上記は過去の実績であり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。 最終ページを必ずご確認ください。
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米国リート市場について
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6月30日
フィデリティ投信株式会社
英国のEU離脱のプロセスと、経済や市場への影響
今後のEU離脱までのプロセス

英国は今後、EU条約第50条に基づき、欧州理事会に脱退通告を行い、欧州理事会と脱退に関する協定を結ぶた
めの交渉に入る事となります。その後、脱退の協定が結ばれたら、EU条約は英国に適用されなくなります。協定を
結べなかった場合も通告後から2年でEU条約は英国に適用されなくなるものの、延長する事も可能であり、長期化
する事も十分考えられます。
米国への影響
 経済協力開発機構(OECD)は、英国のEU離脱により世界経済がどれほど下振れするかを試算したレポートを発表し
ました。これによれば、2018年の世界の経済成長率は、英国の残留に比べて英国が1.35ポイント、英国と結びつきの
強い欧州各国が1.16ポイント下振れする見込みです。一方で、米国への影響は相対的に軽微であり、0.24ポイントの
低下に留まると発表されています。これは、米国における主要な貿易相手国がカナダ、メキシコ、中国などであること
が背景にあります。
 なかでも、米国の主要企業に比べて、米国リートは英国や欧州の影響を受けにくいといえます。国際的に活躍してい
る米国リートとして、データセンターを提供するエクイニクスや物流施設を手がけるプロロジスなど海外資産を保有して
いる場合もありますが、米国リート全体のNOI*の国内比率は96%です。つまりは、不動産の賃貸収入の多くを国内で
稼いでいるということです。
 およそ95兆円の運用残高で世界最大級の政府系ファンドといわれるノルウェー政府年金基金は、2010年に初めて不
動産投資を開始して以降、現在では13カ国で不動産を保有しています。先日、リートを含めた不動産への運用上限を
5%から7%に引き上げることを検討していると報道されました。増加額は約1.9兆円に相当します。これまでも米国が
不動産投資のほぼ半数を占めておりましたが、しばらくは英国とEU間でどのような貿易・経済協定が締結されるのか
不透明なことから、英国や欧州への投資に対して米国などのリートや不動産を選好することが期待できるでしょう。
(注)OECD、Bloomberg、FMR Coよりフィデリティ投信作成。
米国リートのNOI* の国内・国外比率
ノルウェー政府年金基金の現在の投資配分
不動産への最大投資比率を
5%→7%へ拡大することを検討中。
国外
4%
国内
96%
(注)FMR Coよりフィデリティ投信作成。2016年6月27日時点。
不動産
3%
債券
36%
株式
61%
(注)ノルウェー中央銀行、Bloombergよりフィデリティ投信作成。投資配分は
2015年12月末時点。
*NOI(エヌ・オー・アイ、Net Operating Income)は、不動産賃貸業から得られるキャッシュフローを示すもので、物件の収益力をはかる指標。
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上記は過去の実績であり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。 最終ページを必ずご確認ください。
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・その他費用:上記以外に保有期間等に応じてご負担頂く費用があります。目論見書、契約締結前交付書面等で
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加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会
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