英国のEU離脱について - パインブリッジ・インベストメンツ

情報提供用資料
マーケット・レター
2016年6月27日
英国のEU離脱について
英国時間の6月23日(木)に実施された国民投票の結果、英国のEU (欧州連合)離脱が決まりました。
英国は現在、EU加盟国であることにより、EU単一市場における人、モノ、サービス、資本の自由なアクセスなどの恩
恵を享受していますが、一方で、移民問題、英国独自の政策の制限、拠出金の負担などへの不満からEU離脱への支
持が強まったことが、今回の結果につながったと考えられます。
市場参加者の多くは残留派の票が上回ることを事前に予想していたことから、開票が進み離脱が優勢になると、同時
間に市場が開いていた日本を初めとしたアジア各国の株式市場は急落し、為替の円高が進み、またその動きが欧州、
米国の金融・証券市場に広がり、リスク回避的な動きが想定以上に進行しました。
【主要通貨の推移】
【米国ドル】
【ユーロ】
(円/ユーロ)
(円/米国ドル)
112
124
110
122
120
108
118
106
116
104
114
102
112
100
98
6月1日
110
6月7日
6月13日
6月17日
6月23日
108
6月1日
6月7日
6月13日
6月17日
6月23日
【英国ポンド】
(円/英国ポンド)
160
【23日から24日の主要通貨の動き】
155
150
145
6月23日
6月24日
変化率
円/米国ドル
105.74円
102.22円
-3.3%
円/ユーロ
120.05円
113.65円
-5.3%
円/英国ポンド
156.60円
139.80円
-10.7%
140
135
130
6月1日
6月7日
6月13日
6月17日
6月23日
出所:ブルームバーグ(2016年6月1日から2016年6月24日、日次)
当コメントは、パインブリッジ・インベストメンツの運用関係者の作成したコメントを基に作成しています。
■当資料は、「英国のEU離脱」に関する参考情報の提供を目的として、パインブリッジ・インベストメン
ツが作成した参考資料です。金融商品取引法に基づく開示書類ではありませんし、特定の有価証券
の売買、ファンド、商品を勧誘、推奨するものではありません。■当資料は、信頼できると考えられる
情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性・完全性について当社が責任を負うものではあり
ません。当資料中の記載事項、数値、図表等は、当資料作成日時点のものであり、市場の環境やそ
の他の状況によって予告なく変更することがあります。なお、当資料中のいかなる記載事項も、将来
の投資機会または運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。
パインブリッジ・インベストメンツ株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第307号
加入協会/一般社団法人投資信託協会
一般社団法人日本投資顧問業協会
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
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マーケット・レター
2016年6月27日
【主要株式市場の推移】
17,500
【日本】
(円)
2,140
17,000
2,120
16,500
2,100
16,000
2,080
15,500
2,060
15,000
2,040
14,500
13,500
6月1日
6,400
2,020
日経平均株価
14,000
6月7日
(ポイント)
6月13日
6月17日
6月23日
1,980
6月1日
6,200
10,000
6,100
9,800
6,000
9,600
5,900
9,400
6月7日
6月17日
6月23日
【23日から24日の主要株式市場の動き】
6月23日
6月17日
6月23日
【ドイツ】
ドイツDAX
9,200
6月13日
6月13日
10,400
10,200
5,700
6月1日
6月7日
(ポイント)
6,300
英FTSE100
S&P500種指数
2,000
【英国】
5,800
【米国】
(ポイント)
6月24日
9,000
6月1日
6月7日
6月13日
6月17日
6月23日
【23日から24日の各国10年国債利回りの動き】
(単位:%)
変化率
6月23日
6月24日
変化幅
日本
-0.14
-0.17
-0.03
-3.6%
米国
1.75
1.56
-0.19
6,138.69
-3.1%
英国
1.37
1.09
-0.28
9,557.16
-6.8%
ドイツ
0.09
-0.05
-0.14
日本
(日経平均)
16,238.35
米国
(S&P500)
2,113.32
2,037.41
英国
(FTSE100)
6,338.10
ドイツ
(DAX)
10,257.03
14,952.02
-7.9%
出所:ブルームバーグ(2016年6月1日から2016年6月24日、日次)
■当資料は、「英国のEU離脱」に関する参考情報の提供を目的として、パインブリッジ・インベストメン
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ません。当資料中の記載事項、数値、図表等は、当資料作成日時点のものであり、市場の環境やそ
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2016年6月27日
【今後の見通し】
短期的には、各国中央銀行の流動性供給などにより、市場は次第に落ち着きを取り戻すと見ています。また、今回の
国民投票の結果を受けて、ただちに英国がEUから離脱するわけではなく、今後、約2年間の交渉期間を経て離脱手続
きが進められることが想定されます。従って、その間は、英国は引き続きEU内に留まることになり、これまでどおりEU
域内と英国との間の経済活動、旅行や移住などの人の移動なども制約なく行われ、金融サービスにも大きな支障は
出ないと考えられます。
一方、中長期的な観点からは、以下のような懸念材料が市場を揺さぶる要因となることが考えられます。
・離脱プロセスの不確実性
今回の国民投票の結果には法的拘束力はありません。離脱実現に向けては、EU条約第50条に基づく離脱通告が必要と
されています。この離脱通告を行った時点から離脱プロセスが開始され、2年間の期限で、英国とEU間で離脱交渉が進め
られることになります。しかしこの離脱通告を巡っては、離脱する側の英国と離脱される側のEUには意見の対立が起こる
ことは容易に想像され、特に英国のキャメロン首相が辞意表明したことで、開始されるまでには一定の時間を要する可能
性が高く、さらに離脱通告後も、EU加盟の27カ国との離脱協定の締結交渉に加え、離脱後のEUとの新協定の締結交渉、
さらにEU域外の他国との交渉などを並行して行う必要があり、これらの交渉の進捗や展開には不確実性が伴うことが予
想されます。
・離脱後のEUとの関係性
離脱プロセスの中では、英国がEUとの間でどのような新しい関係を構築するかが焦点の一つとなっています。特に貿易に
関する協定の形態は重要です。英国がEEA(欧州経済領域;例 ノルウェー等)に参加してEUと比較的緊密な関係性を維
持するのか、EU各国と個別に二国間協定を結ぶのか(例 スイス等)、関税上の恩恵がないWTO(世界貿易機関)ルール
に従うことになるのかなどによって、今後の経済への影響度合いが変わってくると考えられます。
・スコットランド独立機運の再燃が及ぼす英国全体への影響
英国の正式名称がグレートブリテンおよび北アイルランド連合王国となっているように、英国は、グレートブリテン内にある
3地域(イングランド、ウェールズ、スコットランド)およびアイルランド北部の北アイルランドの4地域からなる連合王国です。
この中でもスコットランドは、否決はされたものの、2014年に独立の是非を問う国民投票が行われており、また今回も全地
域でEU残留派が多数を占めたことで独立運動の機運が再び急速に高まっています。さらに、そもそも地続きではない北ア
イルランドにもその動きが波及しており、現在の英国としての統治体制が崩れていくリスクも想定しておかなければなりま
せん。
・EUの求心力の低下
英国の国民投票の結果を受けて、他のEU加盟国においてもEU離脱派の動きがさらに高まる可能性があります。イタリア
では、先日、EU懐疑派の政党出身候補者がローマ市長に選ばれました。来年選挙を控えるオランダ、フランス、ドイツなど
ではEUに懐疑的な政党が勢力を伸ばす懸念もあり、チェコ、フィンランド、デンマークなどでもEU懐疑派が一部で勢力を伸
ばす動きが見られます。今回の英国のEU離脱選択はこれらのEU懐疑派を勢いづかせる可能性もあり、EUに対する求心
力の低下が今後も懸念されます。
当コメントは、パインブリッジ・インベストメンツの運用関係者の作成したコメントを基に作成しています。
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2016年6月27日
・英国EU離脱に伴うマクロ経済に及ぼす影響
上記のように離脱プロセス及びEUとの関係構築手段に不確実性があるため、マクロ経済に及ぼす影響予想も不確実と考
えられますが、現時点で想定されている経済的影響は以下のとおりです。
英国・・・・ 英国財務省の発表した英国の実質GDP見通しでは、予想に幅こそあるものの、成長率はマイナスに働くと予想
されています。また格付け会社ムーディーズは「英国のEU離脱は英国格付けにネガティブな見通し」と発表して
います(本年3月22日)。
欧州圏・・・ユーロ圏実質GDPに与える影響は軽微と予想されていますが、英国に続く離脱国が出てくる可能性の高まりが
懸念されている他、英国格付けの引き下げによってユーロ圏の国債格付けにマイナスの影響を及ぼす可能性
があると思われます。
日本・・・・ 日本の国内企業の売上高全体に占める英国現地法人シェアは数パーセントと軽微です。しかし英国を含む欧
州経済圏の低迷に伴うグローバルな消費低迷や為替の円高等が懸念され、日本企業の業績動向には注意が
必要です。
このように、英国のEU離脱をめぐる周辺環境には数々の不透明性があり、またそのすべてが流動的であることから、
当面は、こうした見通しへの変化により市場は上下に揺さぶられながらも、引き続きリスク回避的な流れが継続すると
思われます。当社では、こうした状況の変化を注視しながら、適宜、情報提供を続けていく所存です。
当コメントは、パインブリッジ・インベストメンツの運用関係者の作成したコメントを基に作成しています。
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