客観的見地から泉田知事を評価する談話

平成28年6月28日
客観的見地から泉田知事を評価する談話
加茂市長
小
池
清
彦
この談話は、森市長会長さんや森会長さんと同じ意見の市町村長さ
んと争うための文書ではありません。
このたび新潟県の森市長会長と渡辺町村会長から、実質的に泉田知
事を弾劾する文書が出され、県民に甚大な影響を与えていることにか
んがみ、客観的に泉田知事さんを評価してみた ものであります。
このたび市長会長及び町村会長から出された文書は、森長岡市長が
とりまとめられた文書でありますが、去る4月20日の新潟県市長会
の席上で、突如森会長から原案が示されたものであります。
これに対して、数人の市長が立って、知事を非難する発言を行いま
した。しかし、大部分の市長は、発言をしませんでした。そのあと、
森会長から、この資料は入村副会長(妙高市長)と久住見附市長に取
りまとめていただくので、意見のある方は事務局まで連絡して いただ
きたいとのことでありました。
市長会終了後、私は直ちに森会長に会い、「私はこの資料の作成に
は加わりません。」と申し上げ、森会長も「あ なたの立場はよく分か
っているので、それで結構です。」といわれました。
そもそも、この資料は、泉田知事さんから市長会に推薦依頼が来て
1
いるので、その検討のための 資料だとのことであり、泉田知事に対す
る実質的な弾劾文書として、直接知事宛てに出すものであるとは、私
も全く思わなかったのでありました。他の市長もそうだったと思いま
す。
もし、このような形の重要文書を知事宛てに出すのであれば、市長
全員の会議を開いて最終案を示し、これを直接知事宛てに出すべきか
どうかも含めて、十分に議論すべきものであります。
しかるにこのような手続きは一切なされず、いきなり「本件の取扱
いについては、事前にお知らせすべきところではありましたが、町村
会との調整により、急遽5月27日に入村妙高市長(本会副会長)及
び小林出雲崎町長(町村会副会長)から、県秘書課を通じて泉田知事
にお届けいたしました。また、本日、記者発表(棚入れ)するととも
に、自民党県連等に情報提供することとしております。」という各市
長あての文書を付けて、事後に、この知事に出された文書が送ら れて
来ました。
泉田知事さんは、「この文書は市町村長の総意ではない。」と言って
おられますが、以上の経緯から見て、知事さんの言っておられること
は間違いありません。
次に、この弾劾文書の内容でありますが、次のように多くの点で正
確ではありません。
1
「国や他の関係機関との良好な関係に軋みが生じた。」という点
について
⑴
泉田知事は、厚生労働省と国土交通省から副知事を連れて来て
おられ、この両省庁との関係は、極めて良好です。他の国の省庁
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との関係も良好であります。
また、泉田知事は、国からたくさんのお金を取って来ておられ、
県会議員各位が驚かれることがあるほどであります。
⑵
JRとの関係でありますが、泉田知事が努力されたのは、鉄道
の経営に関する地方の分担金が多すぎるので、これを減らしてほ
しいということであり、もっとJRにお金を出してほしいという
ことでありまして、知事の行動は立派であります。
2
「知事と職員との意思疎通が十分でない。」という点について
私が県当局と一緒に仕事をして感じることは、知事と職員との意
思疎通は、十分に行われております。
むしろ、知事さんは、下にまかせ過ぎるのではないかと思われる
ほどであります。
県の職員も、市町村長の意見をよく聞いてくれます。これは、日
頃知事さんが、そのように指導しておられるからだと思います。
3
「知事自身の意見その他の理由により、事業等に遅れが生じてい
る。」とする点
公平に見て、事業等の遅れはありません。国の財政事情から、国
から県に来る金は、どの県も大幅に減っております。新潟県も裕福
ではありません。こうした中で、知事さんは、よくやっておられま
す。
4
「知事が行った指示により、市町村との関係の中でいくつかの問
題が生じた。」とする点
3
⑴
こうした点は、それほど多くはありません。こうした点があ
れば、関係市町村長は、私が加茂病院の産科等について行った
ように、知事さんに強く申し上げて議論を続けて行くべきです。
⑵
震災がれきの新潟県内での処理について、知事さんが難色を
示しておられる点は、妥当と思います。新潟県内で一たび震災
がれきを処理すれば、その後次々に大量のがれきを処理せざる
をえなくなります。震災がれきは、放射能を帯びたがれきです。
放射線量が許容範囲の中だと いっても、処理量が大量になれば、
放射能は、県内の土壌に蓄積され、取り返しのつかないことに
なるおそれがあります。
他県に対する自分の面子を犠牲にしても頑張っておられる
知事さんは、立派だと思います。
5
泉田県政の優れた点について
⑴
防災体制
知事さんが築き上げられた新潟県の防災体制は、極めて優れ
たものです。おそらく日本一でしょう。事が起きると打てば響
くように対応する立派なものです。
⑵
柏崎刈羽原発について
福島原発が被災したとき、アメリカから日本政府に緊急の連
絡があり、「 4号建屋を守れ。4号建屋は燃料庫なので、これ
がやられると、東北地方全域に、人が住めなくなる。」といっ
て来たといわれています。幸いに4号建屋は守り抜いたわけで
す。
柏崎刈羽原発にも、4号建屋があり、燃料棒がつまっていま
4
す。将来もし、これがやられることがあれば、北陸地方、東北
地方、関東地方一帯は、何百年にもわたって人が住めなくなる
おそれがあります。
即ち、原子力発電所などというものは、日本のような狭い国
土の国につくるべきものではなく、つくるとすれば広大な国土
を持つ国につくるべきものなのです。体を張って、柏崎原発の
再開に慎重論をとなえておら れる泉 田知事さん は、立 派です。
6
泉田県政の評価
以上にかんがみれば、これまでの泉田県政に泉田知事の四選を否
定するような失政は、ありません。
泉田知事さんは、四選されてよい実績を挙げてこられたと考えま
す。
各県に国から来る金が大幅に減らされて、厳しい財政状況の中で
はあられますが、四選後の泉田知事さんにおかれましては、さらに
一層市町村長各位の要望をよく聞かれ、精一杯かなえていただいて、
県民各位お一人おひとりをさらに幸せにして行って下さるよう望
むものであります。
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