平成 28 年度 国家一般職(大卒程度:行政) ボーダーラインについて

平成 28 年度 国家一般職(大卒程度:行政) ボーダーラインについて
国家一般職 (大卒程度:行政) 試験における以下のボーダーラインに関する情報は,全てTACにおける推測であることを
ご了承ください。
なお後日,人事院から平均点,標準偏差,基準点等が公表される予定ですが,現時点においては不明であるため,今年度実施
したデータリサーチの結果と昨年度までの合格状況を踏まえてボーダーラインを推定いたしました。
また,本内容は,行政区分に関する情報である点にもご注意ください。
■ 1.受験状況 ■
一般職(行政)
全地域合計
28 年度
27 年度
26 年度
25 年度
24 年度
23 年度
22 年度
21 年度
採用
予定数
2,460
2,405
2,050
1,975
920
710
1,355
1,455
一次試験
申込者数
受験者数
30,043
30,007
30,173
30,376
33,819
38,817
39,559
32,815
22,569
21,272
20,932
23,723
27,544
28,648
23,906
一次試験
合格者数
7,590
6,360
6,539
3,288
5,091
5,012
6,567
最終
合格者数
実質
倍率
5,137
4,412
4,382
2,147
3,314
3,344
3,888
4.4
4.8
4.8
11.0
8.3
8.6
6.1
平成 28 年度の全地域合計の採用予定数は昨年度と比べ,55 名増加の 2,460 名となりました。全地域合計の申込者数は,昨年
度より 36 名の増加となりました。したがって,現時点における全体の名目倍率(全地域合計の申込者数/全地域合計の採用予定
数)は,昨年度よりやや低下し,約 12.2 倍(昨年度:約 12.5 倍)となっています。
また,受験率(全地域合計の受験者数/全地域合計の申込者数)が昨年度と同じ約 75%程度であると仮定した場合,今年度の
全地域合計の受験者数は 22,500 名前後になると予想され,昨年度と同様に最終合格者が採用予定数の約 2.1 倍前後とした場合,
今年度の最終合格者数は 5,150 名前後になることが予想されます。その結果,全体の実質倍率(全地域合計の受験者数/全地域
合計の最終合格者数)は,昨年度と同程度の約 4.4 倍前後になることが予想されます。
※
採用予定数は 6 月 23 日時点における数値であり,今後変動する可能性がありますので,人事院のHP等で最新の情報をご確認ください。
■ 2.最終合格の予想ボーダーライン(択一合計)■
①
関東甲信越地域
46 点前後
② その他の地域
46 点±α
※ 基礎能力に比べて専門択一の配点比率が高いため,択一試験の素点合計が同程度でも合否が分かれる可能性があります。
一般的に専門択一試験の点数が低かった場合、基礎能力試験で点数を上積みする必要があり、その場合の択一合計点は 46 点より高い
点数が必要になります。一方、基礎能力試験の点数が低かった場合、専門択一試験で点数を上積む必要がありますが、その場合の択一合
計点は 46 点より低い点数でも合格する可能性があります。
《予想例》基礎能力試験が 22 点前後の場合、専門択一試験は 24 点前後が必要
※ 一次合格や最終合格を果たすために必要な点数は地域差があるため,αの値も地域差があり,また年度によって差が生じるため,予想
は非常に困難となります。例年,実質倍率の高い地域では+5 点前後,その他の地域では-2~+2 点前後と考えられます。
今回の調査において,択一試験の平均点は基礎能力が約 23.1 点,専門択一が約 25.4 点となり,昨年度の調査と比べ基礎能力
が約 1.5 点低下し,専門択一は約 1.9 点低下しました。択一試験合計の平均点は約 48.5 点になり,昨年度の調査と比べ約 3.4
点低下する結果となりました。今回の調査結果を見る限り,今年度の試験の難易度は昨年度と比べ,基礎能力、専門択一ともに
やや難化したと考えることができます。
今年度の実質倍率が 4.4 倍であると仮定し,今回の調査結果を択一試験の成績のみで機械的に全地区一括で当てはめた場合,
択一試験合計 54 点前後(得点率:67.5%)が最終合格のボーダーラインとなります。
しかし,これでは高すぎる感が否めません。おそらくこれは,データリサーチの参加者が,本試験でよい手応えを実感した受
験生に偏っているためであると思われます。
これらのことから,今年度は採用予定数の増加,及び実施倍率が同程度との予想を考慮すると,関東甲信越地域における最終
合格のボーダーラインは,択一試験合計で 46 点前後(得点率:57.5%)ではないかと推定されます。
ただし,基礎能力に比べて専門択一の配点比率が高いため,基礎能力の素点が低かったとしても専門択一の素点が高い場合,
択一試験合計が 46 点以下となるような方でも合格される可能性はありえます。
なお,択一試験には基準点(平成 27 年度:基礎能力 12 点、専門択一 12 点)が設定されますので,この基準点をそれぞれの
試験種目で超えていることが前提となるでしょう。
また,国家一般職試験は地域差が激しいために,関東甲信越地域以外の場合,最終合格のボーダーラインが関東甲信越地域と
比べて増減する傾向があります。したがって,正確なボーダーラインの予想は非常に難しく,あくまでも一応の目安にすぎない
という点についてはくれぐれもご注意ください。
■ 3.昨年度のボーダーライン【関東甲信越地域】(27 年度 TAC 合否調査アンケートより抜粋) ■
受験者
教養
専門
素点
択一
(素点)
(素点)
合計
得点率
結
果
順
位
17
160
726
1261
1450
1532
1560
1625
1823
No.1
No.2
No.3
No.4
No.5
No.6
No.7
No.8
No.9
29
29
25
25
22
25
23
24
21
33
32
24
25
26
28
27
33
27
62
61
49
50
48
53
50
57
48
78%
76%
61%
63%
60%
66%
63%
71%
60%
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
No.10
No.11
No.12
25
22
20
30
32
27
55
54
47
69%
68%
59%
○
○
○
No.13
No.14
No.15
21
23
26
26
24
21
47
47
47
59%
59%
59%
×
×
×
国家一般職試験の場合,一次試験の合否は,択一試験
(基礎能力・専門択一)の結果のみによって決定されま
すが,最終合格者は,択一試験・論文試験・人物試験の
総合評価で決定されます。右表の No.1~No.9 の受験者か
ら,論文試験・人物試験の結果次第で順位や合否が変動
することが分かります。
なお,合否の判定は,標準点によってなされるため,
No.13~No.15 の受験生のように,一次試験を突破した受
験生と同程度の択一試験の合計点数であるにも関わら
ず,一次試験で不合格になっている点にもご注意くださ
い。国家一般職試験の合格者の決定方法や標準点等に関
する詳細は,人事院のHPを参照してください。
※結果(◎=最終合格,○=一次のみ合格,×=一次不合格)
■ 4.二次試験(人物試験)について ■
試験種目
配点比率
一次試験
二次試験
基礎能力
専門択一
論文試験
人物試験
2/9
4/9
1/9
2/9
国家一般職(行政)試験の配点比率は,上表の通りです。択一試験(基礎能力・専門択一)の配点比率が全体の6/9と非常
に大きな割合を占める一方,択一試験と同日に実施された論文試験は一次試験の合格者を決定する際には考慮されない点や,配
点比率も1/9と非常に小さな割合しかない点が,国家一般職試験の特徴です。
例年,択一試験の結果が芳しくなかった受験生の中には,二次試験での逆転の可能性は低いと考え,あきらめてしまう方もい
ますが,最終合格者は択一試験(基礎能力・専門択一)
・論文試験の筆記試験と人物試験の総合評価によって決定されます。ま
た,人物試験の判定(A,B,C,D,E の 5 段階評価)が最下位の E 評価とされた場合,いかに一次試験の結果が良かったとしても,
最終合格の対象者から除外されてしまう点にも注意が必要です。したがって,一次試験の結果に関わらず,最後まであきらめず
に人物試験の対策を行ってください。
■ 5.官庁訪問について ■
国家一般職(行政)試験では,
「最終合格」を果たしたからといっても,必ずしも「採用」されるとは限らない点に注意が必
要です。国家一般職試験を通じて採用されるためには,
「官庁訪問」が不可欠です。
今年度の官庁訪問は最終合格発表日と同日の 8/22(月)午前 10:00 より開始されます。「官庁訪問で得られる内々定は最終
合格時の点数(順位)で決まる」と考えている受験生もいますが,
「最終合格」と「採用」は,全く異なるプロセスで決定されま
す。したがって,一次試験で順調に得点できた方も,一次試験の結果に多少の不安を抱えている方も,まずは第二次試験の面接対
策の準備をしっかりと行い、それから官庁訪問の準備を整えていきましょう。最後まであきらめずにがんばって取り組んでいた
だきたいと思います。
皆様の今後のご健闘を,講師・スタッフ一同祈念いたしております。
以上
TAC公務員講座