学校便り5月号 (PDF 214.5KB)

「カストーディアル」(4月25日の児童朝会での話 から)
校長
鶴田
浩二
■皆さんがよく知っている「東京ディズニーランド」そのディズニーランドがお客様に
夢と感動をプレゼントするために一番力を入れている仕事は何でしょうか?ヒントはカス
トーディアルと呼ばれている仕事。正解は「掃除係」です。 ディズニーランドでは、お客
様に夢と感動をプレゼントするために、ゴミ一つ落ちていない、きれいな場所を目指して
掃除をしているのです。今日はその掃除係の中でも、ナイトカストーディアルと呼ばれて
いる「夜の掃除係」について話します。
ナイトカストーディアルは毎日夜中の12時から朝の7時まで、あの広い園内をブラシ
を使って水洗いをしたり、トイレを掃除したりしているのです。 ナイトカストーディアル
には具体的な掃除目標があるそうです。それは、
「赤ちゃんがハイハイしても大丈夫なくら
いきれいにする。」こと。それだけ徹底してブラシでゴシゴシ水洗いします。
ディズニーランドでは、彼らがどんな仕事ぶりなのかを知るために、役員がこっそりナ
イトカストーディアルになって真夜中の掃除をするらしいのです。ある夜、その役員がト
ゥモローランドの大きなトイレを掃除しようとした時に 、一人の若いナイトカストーディ
アルが壁の向こうのトイレを掃除していることに気付きました。ところがそのトイレから
は話し声が聞こえてきます。一人のはずなのになぜ?実はその若者は便器に対して話しか
けていたのでした。役員はびっくりして、なぜ便器に話しかけているのか 尋ねました。
「僕は自分で希望して、この職業を選んだのだけれど、この仕事が嫌で嫌で仕方があり
ませんでした。夜は寂しいし、こんな広い所を少ない人数でピカピカにするのはつらい。
何度もやめようと思いました。でも本場アメリカのディズニーランドに行って考え方が変
わったんです。なぜなら、向こうのナイトカストーディアル が、
「こんなに素晴らしい仕事
をどうして嫌がるんだ。僕は全然寂しくないよ。なぜだか教えてやろうか。」と言ってトイ
レに連れて行ってくれたときのこと。「これはみんな僕の友達。名前もあるんだ。」と言っ
て、ずらっと並んだ便器を「トム、ジャック・・・」と順番に呼んで紹介してくれました。
「僕は毎晩彼らと話しながら仕事してるんだ。」と言うなり、彼は「トム、元気かい。そう
か、今日は思い切り汚されたからきれいにしてくれって ?よし、思いっきりきれいにして
あげるよ。」なんて言いながら掃除していくんです。「こうしてきれいにしてあげると、便
器も喜ぶし、お客さんも喜ぶんだ。そして僕も楽しいよ。」
よし、僕もこれでいこう。そう思って、日本に帰ってきてから頑張っているん です。
ナイトカストーディアルの若者はこんな話を役員にしたそうです。・・・
掃除することは素晴らしいこと。
「ゴミ一つ落ちていない床、ホコリの無い壁や机、そし
て、きちんと整理された机の中、ロッカー、そして掃除用具入れ」にすることを目標にし
て、今年一年間頑張っていきましょう。そうすれば、きっと、夢と感動で一杯の一小にな
るはずです。■
もちろん、学校全体で取り組む目標は掃除の他にも大切なことがたくさんありま すが、
今年は特に、掃除の大切さを説く機会を増やしていきたいと思います。