JAXA調達方針 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 I. 基本方針 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」)は、宇宙航空分野の技術の発 展を先導し、国際競争力のある中核的な技術を創出することで、社会に新たな価値を提供し ていくことを目指しています。このためには、JAXA だけでなく、産業界を含む我が国の知 恵を糾合することが不可欠です。この意味で、調達は、JAXA が事業を遂行するための重要 な手段であると考えています。本調達方針は、JAXA の調達活動に関する取組み姿勢を内外 の関係者の皆様に示すために作成したものです。 JAXA は、本方針に基づき、関係法令等のルール及び手続きを遵守するだけでなく、価格 および品質・技術の観点から総合的に最も価値のある成果が期待できるベストバリューを確 保するよう努めます。 また、JAXA は、契約の相手方と対等の立場で取引を行うとともに、相互理解と信頼関係 を構築することに努めます。JAXA の業務は、様々な取引先から調達する物品やサービスに より支えられ、国民や社会に貢献しています。JAXA の使命を果たすためには、取引先との パートナーシップが必要不可欠です。JAXA は、取引先からの改善提案等を集約した結果を 調達活動に反映させることで調達の改善を図ります。 JAXA は、取引先企業の皆様に対して、本方針をご理解いただき、法令等を遵守し適切に 取引を行うことに加え、我が国の宇宙航空技術の向上に資するよう、常に創意工夫を行い、 価値の創出に共に取り組んでいただくことを求めます。 II. 基本姿勢 JAXA は基本方針を実現するため、以下の姿勢で調達に取り組みます。 1.競争性 JAXA は、競争的手法により取引業者の選定を行うことを基本とします。競争手続きを行 うに当たっては、公正で、開かれた、透明性・競争性の高い環境を作るとともに、ベストバ リューを確保するために最適な手法を選択することとします。競争的手法とは、価格評価方 1 式による入札、総合評価方式による入札、技術提案方式、企画競争、参加者確認公募のこと を言います。選定にあたっては、新たなパートナー企業の参入を妨げることがないよう、ま た、我が国全体として産業競争力の向上が図られるよう、客観的かつ公正な評価を行います。 競争的手法によらない場合であっても、ベストバリューの確保に留意しつつ、契約事務 実施要領に定める随意契約基準に適合することを審査の上、随意契約を行うこととします。 2.適正性 JAXA は、関係法令及び関係規則等に定めるルール及び手続きを遵守することに加え、倫 理的配慮を行い、健全な取引慣行に基づき調達を行うことを基本とします。 3.迅速性 JAXA は、JAXA の使命を果たすために必要な物品・サービス等を、適切なタイミングで 迅速に調達できるよう努めることを基本とします。 4.組織横断的体制による調達 JAXA は、調達の初期段階から執行段階までの調達プロセスを通じて、技術担当や契約担 当等関連する職員が連携し、計画的かつ一体的に調達業務に取り組むことが重要であると考 えます。組織を超えた連携を促進する環境を整えることで、調達の品質を向上させ、研究開 発成果の最大化に寄与することを目指します。 5.要求事項の明確化 JAXA は、仕様書や適用文書等の文書において、調達する物品・サービス等に求められる 要求事項を明確化します。また、競争性を最大限高めるよう、ミッション達成に必要な要求 事項を明確化し、新規参入を妨げることがないよう留意します。 6.柔軟な発想に基づく調達企画立案 JAXA は、社会動向や業務上の必要に応じ、コンプライアンスを確保しつつ、柔軟な発想 に基づき、新たな調達方法を企画立案することに努めます。 2 7.人材育成・スキルの向上 JAXA は、研究開発成果の最大化につながる、より質の高い調達を実現するためには、調 達に関わる職員の育成やスキルの向上が必要不可欠と考えます。そのために、研修等を通じ て、人材育成を図ります。 8.ガバナンスとルールの継続的改善 JAXA は、調達に関するルールが適切に運用されるよう、外部からのガバナンスを重視し ます。具体的には、外部有識者からなる契約監視委員会によるチェックにより、調達活動に 適切なガバナンスが働くよう留意し、ルールの実効性向上と継続的改善が図られるよう努め ます。 III. 留意すべき事項 1.利益相反 JAXA は、調達を行う際に生じうる利益相反状態を適切にマネジメントしていきます。 2.環境配慮 JAXA は、 「環境物品等の調達の推進を図るための方針」に基づき、環境に配慮した物品・ サービス等を優先的に調達することにより、地球環境への負荷の軽減に努めます。 3.透明性の確保 JAXA は、締結した契約について、調達対象の名称、契約金額、契約相手方の選定方法、 随意契約とした理由等の情報を JAXA のウェブサイト上で公表します。 また、調達プロセスの透明性の向上を図るため、調達手続きについて JAXA のウェブサ イト上で公表・情報発信をしていきます。 3 IV. 定義 ベストバリュー 契約相手方の選定に際し、買い手に対し最も価値あるサービス を提供する契約の相手方を選択するという考え方。 入札 公告して申込みをさせる競争方式。価格評価方式による入札で は、最低価格による入札を行った者を落札者とする。総合評価 方式による入札では、公告時に提示する評価基準に照らし、 JAXA にとって最も有利と認められる技術及び価格の提案を行 った者を落札者とする。 技術提案方式 性能・機能・技術等の技術的な提案や提案者の技術力・実施能 力等を総合的に評価し、JAXA にとって最も有利と認められる 技術提案を行った者を契約相手方として選定する競争方式。 企画競争 仕様内容の実現方法が複数あるものや民間企業等が有してい るノウハウ・企画等を競争させ、JAXA にとって最も有利と認 められる提案を行った者を契約相手方として選定する競争方 式。 参加者確認公募 随意契約によることができると思料される場合に、想定される 契約相手方の他に契約を実施できる者の有無を確認するため の手続き。 利益相反 JAXA 職員が、個人的な利益又は有利性につながりうる方法で、 JAXA の事業上、経営上その他の判断に影響を及ぼす機会を持 つ状況のこと。 4
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