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-
【 プログラム 】
【14 時 - 14 時 10分】
司会・開会 建設トップランナー倶楽部幹事
砂子邦弘
趣旨説明 建設トップランナー倶楽部代表幹事 米田雅子
来賓挨拶 国土交通大臣 石井啓一(調整中)
農林水産大臣 森山 𥙿𥙿𥙿(調整中)
内閣総理大臣補佐官 和泉洋人
国土交通省技監 森 昌文
元農林水産事務次官 皆川芳嗣
【14時 10分 - 14時 50分】 第1部 豪雨による河川洪水との闘い
アドバイザー 国土交通省 建設流通政策審議官 海堀安喜
農林水産省 危機管理・政策評価審議官 塩川白良
平成 27年 9月 関東・東北豪雨による鬼怒川洪水と宮戸川の災害復旧 五霞建設社長 菊地和幸 茨城県
平成 26年 8.17 高山豪雨(中山間地における河川氾濫)
新井組社長 新井裕輔 岐阜県
各 20 分(アドバイザーコメント含む)
【14 時 50分 - 15 時 50分】
第2部 山地崩壊への新たな取り組み
アドバイザー 国土交通省 近畿地方整備局長 池田豊人
林野庁 森林整備部長
本郷浩二
シラス台地と深層崩壊への地域建設業の闘い 豊明建設社長 林 正英 鹿児島県
奇跡の茶畑
天竜建設業協会会長 長谷川智彦 静岡県
立山砂防からネパール砂防へ
丸新志鷹社長 志鷹新樹 富山県
各 20 分(アドバイザーコメント含む)
【15 時 50 分 -16 時 05 分】 休 憩
【16 時 05 分 -16 時 35 分】
第3部 鼎談 「激化する豪雨の予報と対策 - リスクコミュニケーションのあり方 -」
国土技術研究センター理事長 谷口博昭
国土交通省 水管理・国土保全局河川計画課長 平井秀輝
気象庁 参事官 ( 気象・地震火山防災 ) 弟子丸卓也
【16 時 35 分 -17 時 45 分】
第4部 パネルディスカッション 「激化する豪雨と戦う地域建設業」
パネラー 国土技術研究センター所長
大石久和 農林水産省 農村振興局長 佐藤速水
林野庁 次長
沖 修司 長崎県建設業協会会長 谷村隆三 長崎県
佐久間建設工業社長 佐久間源一郎 福島県
コーディネータ 建設トップランナー倶楽部代表幹事 米田雅子
【17 時 45 分】
閉会の言葉 フォーラム実行委員長
丹羽庸介 愛知県
年 第 回 建設トップランナーフォーラム
主 催:建設トップランナー倶楽部 後 援 : 日本青年会議所建設部会 全国建設業協会 日本プロジェクト産業協議会 建築技術支援協会 地方建設専門紙の会 建設コンサルタンツ協会
平成
会 場:イイノホール Room A (大会議室 ) 東京都千代田区内幸町 2-1-1
激化する豪雨 と戦 う地域建設業
-
日 時:平成 28 年 6 月 24 日(金) 14 : 00 ~ 18 : 00 目 次
開催趣旨 建設トップランナー倶楽部代表幹事 米田雅子 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
来 賓 挨 拶 国 土 交 通 大 臣 石 井 啓 一
来 賓 挨 拶 農 林 水 産 大 臣 森 山 𥙿 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
第1部 豪雨による河川洪水との闘い
平成 27 年 9 月 関東・東北豪雨による鬼怒川洪水と宮戸川の災害復旧 五霞建設社長 菊地和幸 ・・・4
平成 26 年 8.17 高山豪雨(中山間地における河川氾濫) 新井組社長 新井裕輔 ・・・・・・・・・8
第2部 山地崩壊への新たな取り組み
シラス台地と深層崩壊への地域建設業の闘い 豊明建設社長 林 正英
・・・・・・・・・・・・12
奇跡の茶畑 天竜建設業協会会長 長谷川智彦
・・・・・・・・・・・・16
立山砂防からネパール砂防へ 丸新志鷹社長 志鷹新樹
・・・・・・・・・・・・20
第3部 鼎談 「激化する豪雨の予報と対策 - リスクコミュニケーションのあり方 -」
国土交通省 水管理・国土保全局 防災課長 平井秀輝 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
気象庁 参事官 ( 気象・地震火山防災 ) 弟子丸卓也 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
第4部 パネルディスカッション 「激化する豪雨と戦う地域建設業」
佐久間建設工業社長 佐久間源一郎 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32
長崎県建設業協会会長 谷村隆三
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34
参考資料
農林水産省
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36
林野庁
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37
幹事一覧表
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
開催趣旨
平成 28 年 第 11 回 建設トップランナーフォーラム
- 激化する豪雨と戦う地域建設業 日 時 / 平成 28 年 6 月 24 日 ( 金 ) 14:00 ~ 18:00
会 場 / イイノホール Room A ( 大会議室 ) 東京都千代田区内幸町 2-1-1
開催趣旨
建設トップランナー倶楽部代表幹事 米田雅子
日本列島の地震活動が活発化し、気候が変動するなかで、地震、火山の噴火、記録的な豪雨や豪雪、
大型化する台風、頻発する竜巻など、日本では災害外力が高まっています。戦後の開発で、人間の
社会経済活動・居住空間が災害危険地域にまで広がったなかで、高まる災害外力からどうやって地
域の人々の暮らしや社会基盤を守っていくかが、地域建設業の大きな課題となっています。
建設トップランナー倶楽部は、これまでインフラの町医者をめざして、「地域防災の担い手」、「社
会インフラの守り手」、「複業による雇用の支え手」として頑張ってきました。このたびは「地域防
災の担い手」としての役割を取り上げます。近年の地域建設業は、防災、発災時の初動対応、復旧
工事での活躍が期待されており、国土強靭化に関わる新たな挑戦も始まっています。
本フォーラムでは、全国規模で多発する激化する豪雨災害に焦点をあてます。豪雨と戦う地域建設
業の事例を、登壇順に、茨城県、岐阜県、鹿児島県、静岡県、富山県、長崎県、福島県の建設経営
者が発表します。また、豪雨の予報と対策、リスクコミュニケーションのあり方について鼎談で探
ります。さらに、パネルディスカッションでは、豪雨の激化に対して基盤整備はどう対応していく
のか、災害時の初動対応や復旧における官民連携のあり方について、災害現場での奮闘の事例をも
とに議論します。
本フォーラムが、日本列島の各地域の豪雨災害の軽減対策を検討する一助となることを祈っています。
- 1 -
来賓挨拶
地域防災を担う地域建設業への期待
国土交通大臣 石井 啓一
第 11 回建設トップランナーフォーラムの開催に
一方、我が国の建設業が直面する課題として、団
あたり、一言御挨拶を申し上げます。
塊世代等の大量離職を控え、建設現場における生産
皆様には、日頃より国土交通行政の推進につき、
性の向上、将来の担い手の確保・育成があります。
格別の御理解・御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
建設業が引き続きその役割を果たしていくために
建設トップランナー倶楽部に参加されている皆様
は、将来を見据え、産業全体の力を高めていくこと
におかれましては、地域防災や老朽化への対応、林
が必要です。
建協働などの「複業化」による地方産業創出に挑戦
そのため、国土交通省では、2016 年を「生産性
されていることに、心より敬意を表します。
革命元年」と位置付け、本年 3 月、省内に「国土交
平成 28 年熊本地震により、熊本地方を中心に甚
通省生産性革命本部」を設置し、省の総力を挙げ、
大な被害が発生しました。お亡くなりになられた方々
i-Construction などの取組をスタートしたところです。
に対して謹んで哀悼の意を表しますとともに、負傷
また、建設業の担い手の確保・育成を図るため、
された方々、被災された方々に心より御見舞い申し
適切な賃金水準の確保、社会保険への加入促進、若
上げます。被災地の皆様が、一日も早く元の暮らし
者や女性の活躍推進や、技能労働者の資格や就労実
を取り戻していただけるよう、今後も政府一丸となっ
績等を蓄積する「建設キャリアアップシステム」の
て、被災地の復旧・復興に全力で取り組んで参ります。
導入に取り組んで参ります。
地域の建設業の皆様におかれましては、発災直後
災害に強い地域づくりの推進のため、また、地方
から、被災した道路・河川・港湾等の復旧工事、緊
の成長や活力を取り戻すため、地元に精通した地域
急物資の輸送、給水活動支援等に対応していただい
の建設業に活躍していただけることが重要です。
「地
たところです。昼夜を問わない活動に御礼申し上げ
域防災の担い手」、「インフラの守り手」である地域
るとともに、一日も早い復旧・復興に向けて、引き
の建設業が、使命感や誇りをもって取り組むことが
続き御尽力お願いいたします。
できるような業界となるよう取り組んで参ります。
我が国の建設業の使命は、国民生活や経済活動の
皆様には、今後とも、安全で快適な暮らしを求め
基盤である社会資本や住宅の整備・維持管理を通じ
る国民の多様なニーズに応えるための技術の向上、
て、我が国の経済社会の発展に貢献することです。
業界の健全な発達や担い手の育成のため、引き続き
特に、地域においては、防災・減災、老朽化、イン
御尽力いただきますようお願いいたします。
フラメンテナンス等の担い手として、重要な役割を
結びに、皆様のますますの御発展を祈念いたしま
果たしています。
して、御挨拶とさせていただきます。
- 2 -
来賓挨拶 トップランナーフォーラム開催によせて
来賓挨拶
「農政新時代」の下での農政改革の実行に向けて
農林水産大臣 森山 𥙿
第 11 回建設トップランナーフォーラムの開催に当
産業への転換」として体質強化対策を集中的に講ず
たり、一言ご挨拶を申し上げます。
るとともに、「経営安定・安定供給のための備え」
建設トップランナー倶楽部に参加されている皆様
として、経営安定対策の充実等を講ずることとして
方には、建設業本来の業務を中核にしつつ、農林水
おります。また、併せて、農林水産業の成長産業化
産業をはじめとした「複業化」や新しい地域建設業
を一層進めるため、検討の継続項目として 12 項目
の構築にチャレンジされていることに対し、心から
を掲げ、本年秋を目途に具体的内容を詰めていくこ
敬意を表する次第です。
ととしております。
また、日頃、我が国の農林水産業の発展にご理解
こうした取組によって、次世代を担う生産者が、
とご協力を頂いておりますことに対し、厚く御礼申
明日の農林水産業に夢と希望を持って経営発展に積
しあげます。
極果敢に取り組み、所得の向上を図ることが可能に
現在、農林水産業をとりまく情勢は、農業就業者
なるよう、TPP対策を推進してまいります。
の高齢化や農地の荒廃など、厳しい状況にありま
一方、熊本地震から2ヶ月余りが経ちました。農
すが、海外への輸出や6次産業化へのチャレンジ、
林水産省としても、5 月に「平成 28 年熊本地震に
100ha を超える大規模経営の出現といった新しい動
よる被災農林漁業者への支援対策」を措置するなど、
きも広がっています。今後、こうした「芽」を大き
熊本地震への対応については、引き続き、万全を期
く育て、農林水産業の展望を切り拓くとともに、地
して、全力で復旧、復興に当たってまいります。
域資源を次の世代へと継承していく必要があります。
このような中、農政を取り巻く課題の解決には、
このため、安倍内閣として「農林水産業・地域の活
現場の皆様のお力添えが欠かせません。農政改革の
力創造プラン」をとりまとめたほか、平成 27 年3月
推進、災害からの復旧、復興に当たっては、皆様か
には新たな「食料・農業・農村基本計画」を閣議決定
らもご協力を賜れればと考えております。
しました。これらに基づき、農業の構造改革、国内外
今年度のフォーラムが盛大に開催され、地域建設業
の新たな需要の取込み等を通じて農業や食品産業の成
の複業化の更なる前進、
「地域防災の担い手」
、
「復業
長産業化を進める産業政策と、構造改革を後押ししつ
による雇用の支え手」のトップランナーとしてのます
つ、農業・農村の多面的機能の発揮を進める地域政策
ますのご活躍につながることを期待しております。
を車の両輪として、施策を展開しております。
農林水産省としても、それぞれの事例から現場の
また、昨年 10 月のTPP合意を受けた新たな国
知恵をいただき、今後の農林水産政策の更なる検討
際環境の下においても、生産者が安心して再生産に
に活かしていきたいと考えております。
取り組めるよう、昨年 11 月に取りまとめた「総合
最後になりましたが、皆様方の益々のご発展を祈念
的な TPP 関連政策大綱」に基づき、「攻めの農林水
いたしまして、挨拶とさせていただきます。
- 3 -
関東・東北豪雨による鬼怒川洪水と宮戸川の災害復旧
株式会社 五霞建設 代表取締役社長 菊地和幸
〒306-0305 茨城県猿島郡五霞町冬木 730-1
TEL 0280-84-0577
豪雨の概要
2015 年 9 月 7 日に発生した台風 18 号は 9
月 9 日に東海地方へ上陸したのち、同日夜
に日本海で温帯低気圧になった。この台風
による直接の被害はほとんどなかったが、
日本海を北東に進む温帯低気圧に太平洋上
から湿った暖かい空気が流れ込み、日本の
東の海上から日本列島に接近していた台風
17 号から吹き込む湿った風とぶつかったこ
とで線状降水帯が発生。関東地方北部から
東北地方南部を中心として 24 時間雨量が
300 ミリ以上の豪雨とそれに伴う大規模な
被害をもたらした。
台風が温帯低気圧に変わった後も日本海
にある低気圧への南風と、台風 17 号からの
東風がぶつかることで南北に連なる雨雲が
継続して発生。関東地方北部を中心に豪雨となり、9 月 7 日 0 時
出典:気象庁
から 10 日 17 時までのアメダス観測値によれば、24 時間雨量として 10
日の朝までに栃木県の日光市五十里で 551.0 ミリ、日光市今市で
541.0 ミリなど栃木県内の各所で 300 ミリ以上を観測。また、期間降
水量は今市で 645.5 ミリ、五十里での 622.0 ミリ、今市の 597.0 ミ
リ、土呂部の 561.5 ミリなど栃木県の各所で 400 ミリ以上を観測し
た。9 月 10 日 0 時 20 分、気象庁は栃木県全域に対し、さらに 7 時 45
分には茨城県のほぼ全域に対して大雨特別警報を発表した
災害発生
参考・引用:Wikipedia
降り続いた雨により河川水位が急上昇。鬼怒川をはじめ栃木県から流
れ込むほとんどの河川が一気に警戒水位を超えていき、多くの箇所で
決壊や破堤が確認される。特に鬼怒川では10日早朝より越水や漏水
が発生し、同日12時50分に常総市三坂で破堤が確認される。これ
により関東鉄道常総線が浸水し、全線での運休となる大きな被害を受
けた。また、決壊から9時間後の同日22時頃には市役所駐車場に濁
流が到達。翌0時過ぎには市役所が浸水した。当協会管内において
は、宮戸川・西仁連川が破堤・決壊が発生し、その時刻はパトロー
ル記録により9月9日23時頃と推定された。参考・引用:Wikipedia
- 4 -
9 月 9 日 23:50 頃五霞町の降雨状況
出典:weathre.yahoo.co.jp
第1部 豪雨による河川洪水との闘い
茨城県建設業協会境支部の対応
早朝5時から正副支部長が自主パトロールを開始
し、5時30分には茨城県境工事事務所に集合。各河
川の情報収集と対応策の検討開始。道路冠水が多箇所
で発生しているため、災害協定を基にした全支部員の
自主パトロールが困難な状況であった。その状況の中
でも対応できる企業がパトロールを行い、被災状況が
入り始める。特に宮戸川・西仁連川の被災が激しく現
地調査委に向かった当社(五霞建設)が宮戸川の復旧
を担当した。その対応中に鬼怒川が破堤し、茨城県建
9/10 午前 6 時頃 宮戸川破堤地点から2キロ下流の地点
道路と水田が完全に水没している
設業協会常総支部からの状況報告と協力依頼があったが、
人手不と不通となった道路が多すぎて対応が困難であった。
出典:気象庁
応急復旧の開始
雨量と宮戸川水位の関係
出典:茨城県境工事事務所
当社(五霞建設)が担当した宮戸川は河川幅も狭く大変小さな河
川だが、流域面積が広く水位の増減が大変激しい河川である。こ
の災害における一番の問題点は堤防幅が大変狭いために破堤側へ
の車両・重機の搬入ができない状況であった事。そのため復旧方
法は右岸からクレーンを使った資機材の搬入のみの選択しかなか
った。よって復旧方法はシートパイルを使用してバイブロハンマ
ーで破堤部分を締切る工法を選択した。破堤翌日 10 日朝に 55t
クローラークレーンを搬入し、夕方から SP-3 型 8.5mを打設開
始。決壊から 4 日後の午前中に左岸破堤部分の締め切りが完了。
宮戸川の破堤状況
午後から右岸の崩落個所の打設に入る。地元の県会議員の協力を
得て、地権者からの土地借り受けなどの手配。地域住民の皆様か
らは過去の災害や洪水の歴史など復旧に関して大変な協力と情報
いただけた。をしてもらいスムーズな復旧に尽力いただいた。ま
た、小規模河川の復旧において大変苦労した点は、大きな河川で
は高水敷があり、水位が下がるとともに低水路を流れ流出がとま
る構造であるため、応急復旧作業の効率が非常に良い。宮戸川の
ような小規模河川の場合は高水敷がなく、流出が続く中での作業
となるため大変危険であるととともに非常に効率が悪い。
- 5 -
鋼矢板での応急復旧状況
フェイスブックを利用した情報発信
今回の災害ではフェイスブックを利用した情報の発
信を行ってみた。
内容は難しいものでなく、被災箇所の現状と進行度合
い・支部の取り組みを隠すことなく発信を行った。と
にかく「自分が市民の立場だったら何が知りたいか」
を一番に考えてページに書き込んだ。
見ていただいた方から勇気が出る書き込みをいただく
ことができた。また、我々の活動について理解を得ら
れたことは大変ありがたかった。
激しい流れの中で危険を伴う復旧作業
情報発信の利点と問題点
利
点 1
災害現場の状況をリアルタイムに伝えることができる
2
我々の活動を現場からダイレクトに伝えることができる
3
市民の皆様からの声を直接聞くことができる
4
会員間・復旧企業・行政機関の情報伝達ツールとしての活用ができる
問題点 1
リアルタイムでの発信なのでマイナスの情報を発信する可能性がある。
2
正確な情報ばかりでない可能性がある。
3
個人情報保護の担保が難しい
4
リアルタイムがゆえに現場での事故や失敗。不要な内容の発信のコントロールが難しい
フェイスブックに掲載した記事と市民の皆様から頂いたコメント
- 6 -
第1部 豪雨による河川洪水との闘い
地域建設業者の使命と責任
応急対応ができるのは建設機械を所有または手配ができ、資機材を即時に
搬入することができる地元建設企業しかいない。自分たちも被災者ではある
が全力で地域の安全と安心を担保していかなければならない。一刻を争う事
態ではあるが、やり直しがきかない状況であるので復旧に当たっては慎重な
工法選択と資機材の手配が求められていた。
工法検討の間は必ず必要となる仮設道路や仮設排水など手が付けられる部
連日連夜開かれた本部対策会議
分から施工を進めていた。
とにかく地域の皆様の不安を一刻も早く無くしたい。一刻も早く復旧に着
手することが安心への第一歩であると感じていた。地域の皆様からは「あん
なに早く作業に着手するとは思わなかった。
」「これで安心して眠る事ができ
る。
」などとのお声がけをいただいた時は「自分も含め復旧に携わっている茨
城県土木部職員皆様や当社社員も被災していた人がいて非常に厳しい状況で
あったが、この作業に関わることで地域に貢献できて本当に良かった」と地
域建設業者の使命を改めて感じることができた。
地域皆様の安心のために
活動動画の作成
今回の災害においては記録を残すことにも注意を
払った。大量の写真を携帯電話で撮影し、その画像
を用いたスライド動画を作成した。復旧の現場にお
いては作業に没頭するのでなかなか記録を残すこと
ができないが、携帯電話を利用して頻繁に状況写真
を撮影した。
茨城県建設業協会の理事会や神奈川県のイベン
ト、関東建設青年会議と国土交通省関東地方整備局
活動記録(スライド)を作成した
様との意見交換会・総会でも見ていただき好評をい
ただいた。
見ていただいた皆様からは我々建設業社が昼夜問わず懸命に災害復旧を行う状況を記録することで、今後の活用
や建設業が地域を守るための活動が広く市民の皆様に知っていただくツールとして高い評価をいただいた。
- 7 -
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降り始めからの総降雨量
(8 月 14 日 19 時~18 日 11 時)
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第1部 豪雨による河川洪水との闘い
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第1部 豪雨による河川洪水との闘い
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45&C-4
こんにちは!
2014 年 8 月 27 日
さっき母と電話で話しました。
こんなに早く家に帰れるなんて、皆さんのおかげですと泣いていました。
仕事場が床上浸水したようで、これからも大変ですが、命があった事に本当に感謝しています。
本当に本当にありがとうございました。
´¶yĪ?ˆaÂî?’Ƥ?4E>ż•/K+;@åƋĥ>āNKŸ;-9ƍJ>ð!;‰>2?{
¯õOç(õ.C-4łÈŐłđ?ŮñíĐzĥ>ƸI0sì”ƣ/K:M!ŝx·œ?Ŷė˜O(
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シラス台地と深層崩壊への地域建設業の闘い
一般社団法人鹿児島県建設業協会鹿屋支部 理事
豊明建設株式会社 代表取締役 林 正英
〒893-0005 鹿児島県鹿屋市共栄町16-4
TEL 0994-43-3322 http://www.houmei.jp
破局噴火が創りだしたカルデラ壁
① 現存する鹿児島南部のカルデラ
・姶良(あいら)カルデラ:鹿児島県中央部にある錦江湾の北
側の湾奥に存在。形成時期は 2 万 2000 年前。桜島を南端
の外壁とする。湾奥の最深部は水深 200m。カルデラ壁は
垂水側では海抜 500m~600mの外輪山が湾を取り囲む。平
均傾斜 45 度の急がいが海中にまで落ち込む。
・阿多カルデラ:錦江湾中央から湾出口にかけて存在。形成
時期は 8 万 5000 年前。湾中央部の最深部の水深は 230mの
深海である。
・鬼界カルデラ:錦江湾南沖合いの海中。硫黄島・竹島を北
側の外壁とする。形成時期は 6300 年前。カルデラ噴火の
噴出物である鬼界アカホヤは東北地方や朝鮮半島でも見つ
かっており、極めて巨大な規模の噴火であった。その為、
鹿児島のカルデラとシラスの分布域
九州の縄文人は壊滅的な打撃を受けた。日本で起きた最後の「カルデラ破局噴火」である。
ⓒGoogle
② シラス台地
九州南部には、シラス(白砂)と呼ばれる
白色の地層からなる台地が拡がっている。
この大部分は姶良カルデラから噴出した火
砕流の堆積物で、軽石の間を火山灰が埋め
雑然と積み重なった堆積層である。厚さは
最大で 100mを超え、およそ 60 ㎞離れたと
ころにまで分布している。
③ 火山地域と深層崩壊
・桜島:大正3年の大噴火でそれまで陸地か
ら離れた島だったが、この時流れ出た溶岩 桜島大正大噴火(鹿児島県立博物館提供)
により、大隅半島と地続きになった。
・霧島新燃岳:2011 年 1 月 27 日、爆発的噴火
・口永良部の新岳:2015 年5月 29 日噴火し噴煙が火口から約 10,000 メート
ルの高さまで達し噴火警戒レベル5(避難)となり、全島民が島外避難した。
新燃岳の噴火
■火山性土壌:南九州ではこのように火山活動に由来する火山灰や降下軽
石が厚く堆積している。
■深層崩壊:堆積層の構造や風化度の差異による透水層と難透水層の境界部
で発生する場合が多く、多量の降雨に伴い発生するが、降雨ピーク後に発生
することもある。特徴は表層だけでなく深層の地盤までが崩壊土塊となり、規模の大きな崩壊現象が起きる。
土石流に立ち向かう地元建設業者
①垂水市牛根境のカルデラ壁崩壊現場
②垂水市深港橋上流のカルデラ壁崩壊現場
垂水市のカルデラ壁崩壊現場(2 ヶ所)
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ⓒGoogle
第2部 山地崩壊への新たな取り組み
① 牛根境のカルデラ壁崩落
■発生日時:平成 24 年 6 月 22 日
■経過:連日続く長雨影響の為、牛根境地区において斜面崩落により国道 220 号が封鎖された。21 日にも軽微な
崩落があり歩道にまで土砂が流れた。夜間に起きた為応急的に土砂撤去を行い大型土嚢にて養生を行ったが夜
明けに崩落箇所付近を調査したところまだ崩落する可能性があるとして警戒していた矢先、大規模な崩落が発
生し国道 220 号が寸断された。地元建設業者は、国道 220 号の安全な解放を目指し作業に取り掛かった。主な
作業内容としては土砂撤去・鋼材による防護柵の設置である。
牛根境航空写真
牛根境状況写真
牛根境状況写真
牛根境夜間作業
牛根境夜間作業
■復旧工事を行う際の重点項目
・施工班及び重機の確保:施工班及び重機の確保については兼ねてより災害協力下請け会社等に連絡し必要な人
員及び重機の確保を行った。
・二次災害への安全対策:安全対策として崩落箇所付近に監視員小屋があった為無線で連絡を取り合い作業箇所
にも安全合図者を設け必要に応じハンドスピーカーにてサイレンを鳴らし避難することとした。実際の作業場
では 10 回程度崩落があり避難を行った。
■本復旧工事を行う際の重点項目
・二次災害を起こさない。
・国道 220 号で交通事故を起こさせない。
・崩落危険個所の監視強化:・XバンドMPレーダ雨量情報
・鹿児島県土砂災害発生予測情報システム
・ワイヤーセンサーと警報機(パトライト)
・遠隔監視カメラ(パソコン、携帯連動。NETIS)
・傾斜計の設置
※降雨時は監視員による監視には限界が有り危険が伴う
為、遠隔監視カメラを設置し法面崩壊部及び下部のポ
ケット(土石流が工事現場まで一気に流れ下るのを防ぐ
為に仮に設けた)を現場事務所と大隅河川国道事務所
垂水出張所で共に監視できるようにした。
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② 深港橋上流のカルデラ壁崩落
■発生日時:2015 年 6 月
■問題点
・各管理区間が異なる為、施工方針
の統一を図る必要があった。
国道:大隅河川国道事務所。
山林:大隅地域振興局。
河川:垂水市
深港仮設スリット
深港第二波
深港第二波
・土砂崩落による施工区間における 土石流到達時間が 2 分弱の為、二次災害対策
・国道封鎖(車道・歩道)による交通への影響
・土石流により床下浸水家屋及び耕作物地権者への配慮
・土砂仮置き場での海上への土砂流失対策
・二次災害対策として監視箇所を 3 カ所設置。サイレンにて作業者への退避合図を行っ
た。重機オペレーターへも同一の無線を持たせ崩落状況を瞬時に伝え速やかな退避を
行えるように徹底した
土砂置き場大型土嚢
・地元住民及び地元企業就業者・近隣小学校・近隣保育施設より徒歩での通行を認めて欲しいとの声が多く上げ
られ、橋の通行は危険と判断し旧国鉄線路跡を利用するルートを確保した。
・撤去土砂は河川の水を含んだ軟弱土砂である為、土砂置き場の環境対策を行う必要があった。土砂置き場周辺
を大型土嚢で囲みまた、数か所に簡易な沈砂池を設け海への流失防止を行うとともに地元魚業団体にも理解を
求め土砂仮置き場周辺においては防塵散水に努めた。
・建設業協会鹿屋支部の垂水地区の会員の連携がうまくいった。
ま
と
め
■鹿児島では「人が死ななければ梅雨が明けない」と言われている。
・鹿児島県の平均降雨量は 2300mm程度であるが、近年、局地的に短時間で降る豪雨が増えてきた、加えて台風
の大型化と長寿命化が進んでいる。
・桜島で溶岩流出を伴う大噴火が発生した場合は現状復旧は不可能である。
・災害時における、国、県、市町村など自治体の支援、防災における地域活動に率先参加する。また日頃から水
防工法、火山噴火による複合災害(地震・津波・火砕流・土石流・降灰・溶岩流)対策などに対応する為に社員
教育訓練を実施し、建設業協会の会員企業間の資機材確保状況を常に連携し把握しておくこと。
・自分たちの住む地域がどのような場所であるのかをしっかり把握する事!
■守りの防災から攻めの防災
・避難や防災マップ配布など守りの防災から避難しなければ成らない事象を無くすための施策や対策に投資し、
もっとインフラの整備を行う攻めの防災に力を入れる事も大事である。
・高齢化社会で労働力が弱く、経済的に貧しい地域で限界集落が多い。加えて防災上危険箇所が多い
・南大隅町の船石川(阿多カルデラ壁、土石流が発生)は先行投資した二つの砂防堰堤が深層崩壊の土石流第一
波から第三波の土砂を食い止めた 災害の予知が的中した事例である。崩壊はほとんど雨が降っていない時に
発生。しかし崩壊前の一か月間の総雨量は 1,000mmを超えていた。
船石川土石流発生時
船石川整備完了
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第2部 山地崩壊への新たな取り組み
■建設業の役割は
・建設業の実態を理解し人材不足、資機材不足、経営困難の中、いかにしてお互い協力し地域に貢献するかをと
ことん考える事。今回の熊本地震の災害復旧において、がれきの撤去一つ取ってみても、ボランティアの方々
が出来るものとプロでなければできないものに二分化された。プロ集団とアマチュア集団である。私たちは
プロ集団として災害に立ち向かわなければならない。
■社員の防災意識の高揚
・災害の基本である自助、共助などの社内教育で作業員自ら防災意識を高める研修会等の実施、並びに出水前に
近隣の危険箇所、身の回りの対策など減災に努める。
今後の課題(異種の道)
垂水市早崎~桜島口~牛根~福山に至る国道 220 号線。急峻かつ、もろいボラ層のカルデラ壁。人々は狭い扇
状地に寄り添って暮らす。豪雨による深層崩壊が多く発生し幾度となく通行規制が行われる区間である。その
大部分は垂水市であり、この垂水市の中央部の山林は鹿児島大学農学部の演習林である。その面積は垂水市の
1/5 を占める。そこで、異種の道ネットのモデル事業としてこの区間を国土交通省、鹿児島大学、垂水市、鹿児
島県、森林事業者、通信事業者、そして建設事業者と一緒になっていくつかのルートを見つけ、命をつなぐ道と
して活用する事を考えていきたい。
鹿児島大学 農学部 附属演習林(垂水市内の赤枠部分) ⓒGoogle
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第2部 山地崩壊への新たな取り組み
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第2部 山地崩壊への新たな取り組み
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- 19 -
立山砂防からネパール砂防へ
丸新志鷹建設株式会社
〒930-1406
TEL
代表取締役社長
志鷹新樹
富山県中新川郡立山町芦峅寺 49 番地
076-481-1201(代)
http://www.shitaka.co.jp
丸新志鷹建設株式会社は、1992 年にネパールの首都カトマンヅに支店を開設いたしました。
それから 24 年の年月が流れ、漸く国際入札にも参加できるようになりました。その間、国政
は王制から共和制に変わり憲法の制定などの問題とともに、昨年の大地震など多くの課題を抱
えながらの企業運営です。
この国は、足りないものばかりですが、我々中小建設業者にとっては多くの仕事があり、や
りがいのあるところです。
ネパールエヴェレスト山群
定期バス
西ネパールの段々畑
地震直後
災害(土砂ダム)
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第2部 山地崩壊への新たな取り組み
① 国際交流からの始まり
立山の麓にある芦峅寺とエヴェレストの麓のクムジュンは、山岳ガイドの村として栄えてい
ました。1970 年に三浦雄一郎さんがエヴェレスト大滑降を敢行した時、芦峅寺の登山家佐伯
富男さんがサポートすることとなり、その時のシェルパとの親交がきっかけで、1991 年立山
芦峅小学校とヒラリー・クムジュンスクールとが姉妹校の調印をされました。両校の交流と並
行して、弊社がネパール人研修生の受入れやネパール支店を開設しました。
立山芦峅小学校クムジュンスクール友好訪問
クムジュンスクール訪問
ネパール研修生
ヒラリーとテンジン
三浦雄一郎と立山エヴェレスト友好協会
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② 工事の変遷
初めて国際入札に参加したのは 2004 年でした。落札したのは、首都カトマンヅにメラムチ
川から飲料水を送水するためのアクセスロードの建設工事でした。契約は、2005 年 2 月 1 日
の国王によるクーデターのため、2008 年 4 月まで 3 年以上も延期されました。その後も地権
者の同意の取り付け、マオイストの妨害などに合い 18 ヶ月の工期が 6 年 5 ヶ月かかりました。
しかし、粘り強く工事を完成させたことが評価され、その後の工事につながって行きました。
JICA の工事も学校支援プロジェクトから始まり、小水力発電所工事へとつながり、ネパール
大地震のあとの復旧プロジェクトにも参加しています。
一方、ブータン王国においても、メラムチアクセスロードの実績を基に国道の入札参加が与
えられ、2012 年から 2014 年まで 3 件の道路工事を 32 ヶ月で施工させてもらいました。
メラムチアクセスロード
カルナリ河灌漑用水取水口
JICS 学校支援プロジェクト
JICS 西ネパール小水力発電所取水口
ブータン国道工事新聞記事
- 22 -
第2部 山地崩壊への新たな取り組み
③ 砂防技術を生かした法面対策工事
ネパールは世界有数の土砂生産国であることから、1976年にネパール政府から自然災害
防止対策の一環として、日本に専門家の長期派遣を要請されました。治水砂防技術の支援
と啓発・普及を促進し、両国間の友好に資するためのもので、多くの砂防関係者が活躍され
てきました。とりわけネパール治水砂防技術センターには、立山砂防事務所の所長クラスの
皆様も赴任しておりました。
また、ブータン王国においても道路工事を行なっていましたが、法面保護は皆無であり、
崩れたら片付ければいいということが当たり前でした。このたため、日本の日鉄住金建材㈱
が京都大学と提携し、JICA やブータン道路局に法面保護の重要性とその工法について提案
をした結果、試験施工を首都ティンプー郊外で行うこととなり、当社が施工面で請負いまし
た。この工法が、ブータン政府やインドの発注機関の評価を受け、発注されるようになりま
した。これらは、日本の砂防技術で培われたものであり、立山砂防に於いて経験させて
もらった貴重なものです。
立山砂防堰堤(真川 2 号)
ネパール砂防堰堤(ナルコーラ)
立山砂防(有峰山腹工事)
ブータン(マンデチュノンフレーム工法)
④ 今後の展開
インドは経済発展と慢性的な電力不足を補うために、ネパールやブータン等の周辺国に水
力発電所の建設投資を行う予定です。ネパールは、カトマンヅ大地震の復興に加えて水道事
業や道路改良事業などインフラ整備事業が予定されています。また、ブータンは、平坦地が
少なく都市計画事業や道路事業、法面保護事業が見込めます。但し、国際入札で勝ち抜いて
行く為には、マンパワー、ファイナンス、そして信頼と技術、適用性などのリスクもありま
す。このため、1年を通して安定した施工と受注を確保するためには、現地職員の教育訓練
が必須です。海外事業では、日本の砂防技術を大いに役立ていきたいです。
- 23 -
鼎 談
激化する豪雨の予報と対策
- リスクコミュニケーションのあり方 国土技術研究センター理事長 谷口博昭
国土交通省 水管理・国土保全局 防災課長 平井秀輝
気象庁 参事官 ( 気象・地震火山防災 ) 弟子丸卓也
国土交通省
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第3部 鼎談 「激化する豪雨の予報と対策 - リスクコミュニケーションのあり方 -」
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- 26 -
5
第3部 鼎談 「激化する豪雨の予報と対策 - リスクコミュニケーションのあり方 -」
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7
- 27 -
気象庁
激化する豪⾬の予測
気象庁
地球上では太陽の熱と地球の⾃転により様々な⼤気現象が
現れる
⼤気現象は、地球上の⼤気の動きや温度・湿度の変化をとらえ
ることにより、将来の状態をある程度予測することができる
では、局地的・集中的に発⽣する豪⾬はどのように予測され、
どのように伝えられるのか
地上から上空にわたる大気の観測
豪⾬は予測できるのか
[空間スケール]
(現象の大きさ)
気象庁
大気中の現象は特有の空間 時間スケ ルを持っている
大気中の現象は特有の空間・時間スケールを持っている
小さな規模の現象はより大きな規模の現象の一部となっており、その影響を受けている
空間的・時間的に規模の小さな現象ほど、いつ/どこで発生するか予測することは困難
ブロッキング
10000km
高気圧
低気圧
1000km
台風
前線
100km
100k
大まかな位置や規模などが予測可能
線状降水帯
k
10km
積
積乱雲
数百キロ程度の領域の
どこかで発生する可能性が
数日前から予測可能
1km
100m
竜巻
ダウンバースト
1分
1時間
個々の現象がいつどこで発生するかを
数時間前から予測することは困難
1日
- 28 -
1週間
台⾵などに伴う⻑時間・広
範囲の⼤⾬の可能性は早い
段階から予測しやすい
これらが組み合わさって極
端な⼤⾬となることがある
線状降⽔帯などによる短
時間の猛烈な⾬の場所や
時間は数時間前でも予測
が難しい
[時間スケール]
(現象の寿命)
第3部 鼎談 「激化する豪雨の予報と対策 - リスクコミュニケーションのあり方 -」
平成27年9⽉関東・東北豪⾬
9⽉7〜11⽇ 栃⽊県、茨城県、宮城県を中⼼に⼤⾬
今市(栃⽊県⽇光市)で24時間降⽔量541.0mm
今市(栃⽊県⽇光市)で24時間降⽔量541 0
(7⽇〜11⽇の総降⽔量647.5mm)
気象庁
台⾵第18号及びこの台⾵から変わった低気圧の東側に
連なる幅100〜200kmの南北に伸びる降⾬域の中に多
連なる幅100 200kmの南北に伸びる降⾬域の中に多
数の線状降⽔帯が近接して発⽣し⼤⾬となった
死者8名、負傷者49名
住家全壊24棟 半壊12棟 ⼀部損壊94棟
住家全壊24棟、半壊12棟、
部損壊94棟
床上浸⽔7,280棟、床下浸⽔12,035棟など
台⾵18号から
台⾵18
号から
変わった低気圧
9⽉9⽇16
16時
時
台⾵17
台⾵
17号
号
9⽉9⽇16
16時
時
数値予報モデルによる関東・東北豪⾬の予測
2⽇前には⼤⾬をもたらす⼤きな⼤気構造が予想されていた
気象庁
実際の降⽔の分布
太平洋から関東地⽅にかけて暖湿
な気流に伴う降⽔域が予想されて
いる
9⽉10⽇3時の解析⾬量
太平洋から関東地⽅にかけて流れ込む暖湿な気流
に沿って強い降⽔の領域が現れている
全球数値予報モデル 9⽉7⽇21時を初期値として
⾏った9⽉10⽇3時の降⽔分布予報(FT=54)
1⽇程度前に降⽔の集中を予想しているが詳細な位置と⾬量は不確実
太平洋から関東地⽅に暖湿な気
流に伴う帯状に集中した強い降
⽔の領域が⻑時間持続すること、
降⽔域がゆっくりと東に進むこ
とが予想されている
実際の降⽔域と⽐べると降⽔の
領域が全体に⻄に50-100kmず
れている
9⽇18時(FT=9)
10⽇00時(FT=15)
10⽇06時(FT=21)
領域数値予報モデル(MSM) 9⽉9⽇9時を初期値として⾏った降⽔分布予報
- 29 -
関東・東北豪⾬における⽇光市を対象とした警報等
⼟砂災害警戒情報
(11日05:15解除)
14:25
注意報
⼤⾬警報・注意報
警報
特別警報
3
府県気象情報
5
4
6
71
21:50
(6:23)
10⽇6時ま
24時間に多
10⽇6時までの24時間に多い
所で250ミリ
その後も、湿った空気が流れ
込むため10⽇も⼤⾬が続く
2
4
3
⼤⾬と雷及び突⾵に関する栃⽊県気象情報
台⾵第18号に関する栃⽊県気象情報
1
8日11時55分
(11日06:15注意報に切替
12日03:58解除)
00:20
07:41
22:31
栃⽊県では、9⽇朝から10⽇
にかけて1時間40ミリの激し
い⾬の降る 所がある⾒込みで
す。⼭地を中⼼に総⾬量が多
くなり、⼤⾬となるおそれが
あります。
9⽇12時までの24時間に予
想される⾬量は、150ミリ の
⾒込み。
その後、9⽇12時から10⽇
12時までの24時間に予想さ
れる⾬量は 、200ミリから
300ミリ の⾒込みです。
気象庁
0:07
(22:16)
9⽇夜遅くにかけて1時間80ミ
夜遅く
時間
リの猛烈な⾬、10⽇も⾮常に
激しい⾬。
総⾬量が400ミリを超えるな
ど50年に⼀度の⼤⾬の地域が
ある。今後さらに200ミリ、
記録的な⼤⾬の可能性あり
0時20分に⼤⾬特別警報を発表しまし
た。栃⽊県では、これまでに経験した
ことのないような⼤⾬となっています。
最⼤級の警戒をしてください
栃⽊県⽇光市今市
9⽉の⽉降⽔量の
平年値280.0ミリ
9/9
9/10
気象庁が段階的に発表する防災気象情報
気象庁
⾼解像度降⽔ナウキャスト
定期的に発表
降⽔短時間予報
天気分布予報
ナウキャスト
(降⽔・雷・⻯巻)
天気予報
週間天気予報
1週間前
先⾏時間
5⽇前
3⽇前
3時間前
1時間前
⻯巻注意情報
気象庁では先⾏時間の異なる防災気象情報を段階的に発表している
記録的短時間
⼤⾬情報
先⾏時間が短くなるほど
⇒
対象地域や期間、現象の強さ(⾬量など)は正確になる
⇒
状況が切迫し、避難等の安全確保⾏動の選択肢は狭まる
気象は時間とともに連続的に変化するため決断のタイミングが難しい
⇒
事前に「いつ」「どの⾏動をとるか」決めておく
(※⼈によって適当な安全確保のタイミングや⽅法は異なる)
災害につながるような気象現象の発⽣が
予想される場合に随時に発表
(⼤⾬)特別警報
⼟砂災害警戒情報
指定河川洪⽔予報
気象警報・注意報
(⼤⾬に関する)○○県気象情報
台⾵に関する気象情報(台⾵予報)
- 30 -
6
第3部 鼎談 「激化する豪雨の予報と対策 - リスクコミュニケーションのあり方 -」
平成26年8⽉20⽇の広島市の豪⾬から⾒える課題
平成26年8⽉20⽇未明、広島と⼭⼝の県境付
近で次々と発⽣した3〜5個程度の積乱雲で
近で次々と発⽣した3 5個程度の積乱雲で
形成された積乱雲群(バックビルディング形
成*)がさらに複数連なって線状降⽔帯(幅
20〜30km、⻑さ約100km)となり記録的な
集中豪⾬を引き起こした。広島市三⼊で4時30
分までの3時間で217.5ミリ。
 九州から中国地⽅にかけての暖かく湿っ
た空気の流⼊は前⽇から予測されていた
が、深夜の局所的な⼤⾬を明るいうちか
ら正確に予測することはできなかった。
 深夜に短時間で記録的な集中豪⾬となり
対応が難しかった。
⼟⽯流が集中的に発⽣し死者74名。
解析⾬量
気象庁
平成26年8⽉20⽇3時
監視・予測技術
⁃ ①⽔蒸気の監視技術の⾼度化②数値予報の着実な⾼度化③線状降⽔帯のメ
カニズムの解明を進めることが必要
防災気象情報
⁃ 夜間の避難を回避するため、確度が⾼くなくとも警報級の減少になる可能
性があることなど、早い段階から⼀段⾼い呼びかけの実施ができないか
⁃ 今後予想される⾬量等の推移や危険度をよりわかりやすく、より確実に提
供できないか
⁃ ⾬量などの実況情報をより迅速に発表することができないか
⁃ 避難勧告等の対象範囲の判断を⽀援するため、メッシュ情報の充実や利活
⽤の促進が必要ではないか
※バックビルディング形成
• 降⽔域の先端で発⽣した対流セル(積乱雲)が後⽅へ移動した後に、次々と先端の同じ
場所に新しい対流セルが発⽣する。
• 降⽔域内は対流セルが世代交代を繰り返しているにもかかわらず定常な状態で激しい⾬
が降り続く。
が降り続く
• 下層の⽔蒸気の流⼊や下層と中層の相対的な⾵向⾵速の違いなど複数の条件が重なるこ
とにより局所的に発⽣する現象であり、予測が難しい。
激化する豪⾬への対策に向けて
気象庁
交通政策審議会気象分科会提⾔(平成27年7⽉29⽇)
新たなステ ジに対応した防災気象情報
新たなステージに対応した防災気象情報
基本的⽅向性
○社会に⼤きな影響を与える現象について、可能性が⾼くなくとも発⽣のおそれを積極的に伝えていく。
○危険度やその切迫度を認識しやすくなるよう
分かりやすく情報を提供していく
○危険度やその切迫度を認識しやすくなるよう、分かりやすく情報を提供していく。
① 時系列で危険度を⾊分けした分かりやすい表⽰
④ 実況情報の提供の迅速化
○ 今後予測される⾬量等や危険度
の推移を時系列で提供
○ 危険度を⾊分け
迅速な安全確保⾏動を促進する観点から、記録的
○ 迅速な安全確保⾏動を促進する観点から
記録的
短時間⼤⾬情報をこれまでより最⼤で30分早く発表
【改善策】
平成xx年x月x日11時xx分xx気象台発表
xx市
[発表]大雨(土砂災害、浸水害),洪水警報
高潮注意報
[継続]暴風,波浪警報 雷注意報
今日
9時
雨量(mm)
【現在】
明日
12時 15時 18時 21時 00時 03時 06時 09時
10 30 50 80 50 30 10
0
0
12
15
4
0.6
12
15
3
0.6
大雨 (浸水害)
(土砂災害)
(
砂災害)
洪水
注意報・警報
(⽂章形式)
風
陸上(m/s)
海上(m/s)
波浪 (m)
高潮 (m)
15
20
4
0.6
20
25
6
0.6
20
25
6
1.3
25
30
8
1.8
20
25
6
1.8
20
25
6
0.6
15
20
4
0.6
② 翌朝までの「警報級の現象になる可能性」の提供
⑤ メッシュ情報の充実・利活⽤促進
○ メッシュ情報の充実
○ さまざまな地理情報との重ね合わせ
○ メッシュ情報の利活⽤促進
○ 夜間の避難を回避するため、可能性が⾼くなくても、
「明朝までに警報級の現象になる可能性」を
⼣⽅までに発表
道路や河川、鉄道などの地理情報と
道路や河川
鉄道などの地理情報と
重ね合わせてメッシュ情報を提供
③ 数⽇先までの「警報級の現象になる可能性」の提供
○ 台⾵等対応のタイムライン⽀援の観点から、
数⽇先までの警報級の現象になる可能性を提供
日付
警報級の 雨
可能性
風
明日
-
-
明後日
中
中
(金)
高
高
(土)
高
高
継続的・中⻑期的に取り組むべき事項
(日)
-
中
○ 市町村等への⽀援や住⺠への普及啓発活動の継続
○ 分かりやすい防災気象情報となるよう不断の⾒直し
- 31 -
第 4 部 パネルディスカッション
激化する豪雨と戦う地域建設業
パネラー 国土技術研究センター所長 大石久和
国土交通省 国土交通審議官 西脇隆俊 農林水産省 農村振興局長 末松広行
林野庁 次長 沖 修司 長崎県建設業協会会長 谷村隆三 佐久間建設工業社長 佐久間源一郎 コーディネータ 建設トップランナー倶楽部代表幹事 米田雅子
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- 32 -
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第4部 パネルディスカッション 「激化する豪雨と戦う地域建設業」
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20Ą40.—·R14N~Ìë°
- 33 -
(一社)長崎県建設業協会
会長 谷 村 隆三
・昭和57年(1982)7月23日 34年前 ~私は33歳~
・梅雨末期というより例年は梅雨の明けている頃
・先行した長雨のあと突然時間187ミリの豪雨 /観測史上最大
・土砂災害、河川災害、道路・都市災害が直撃
・人々の恐怖感と記憶は薄れるが、政治と行政は「災害に備える
システム」として後世に残す責任がある
・復旧事業や減災工事は、個人の法的権利の制約が必要
復旧復興助成と相互関係
・指揮命令系統 縦割りからピラミッド型へ
・自助、共助、公助
・災害シミュレーション
・不十分だった河川護岸の改
修 危機意識の欠如
・斜面地開発に伴う多くの水路
と早い流下スピード
・合流する河川の処理能力不足
江戸時代のまま
・強度不足 観光地石橋群は流
木などによる川の氾濫を防ぐた
め、もともと石積みが壊れる落
橋を前提としていた
・中島川 拡幅工事は石橋の移
転計画 もあったが、現地保存
するため 暗渠 バイパスとした
- 34 -
第4部 パネルディスカッション 「激化する豪雨と戦う地域建設業」
・平地が少なく、斜面地に住宅
が密集する長崎の特殊性
・計画性のない斜面地開発
・死者行方不明299名のうち
8割は土砂災害によるもの
山津波
・地名に残る土地の脆弱性
先人のメッセージ
・交通不能 /県市町村道の利
用/複数交通網の必要性
・市内に入る幹線が寸断 、高速
道はまだなく、国道34号の開
通に総力
・8月15日精霊流しに間に合い
打ちひしがれていた市民に元
気 河川国道事務所陣頭指揮
・上下水道、電気ガス、電話も
ダメ 無線、ハム、自転車が
活躍
・緊急災害放送の陳腐化
- 35 -
農林水産省
平成28年熊本地震による被災農林漁業者への支援対策のポイント
第1弾(5月9日(月))
第2弾(5月18日(水))
補正予算で措置される復旧予備費を活用して実行できる対策
補正予算を待たずに、既存の事業の運用を工夫することなどによ
り実行できる対策
・ 被災農業者向け経営体育成支援事業について、
①補助率の引上げ(補助率 1/2)、
②撤去費用に対する助成、
③加工用施設等を対象に追加
・被災農業者向け経営体育成支援事業の発動(補
助率 3/10)
・ 災害関連資金の特例措置の実施
貸付限度額の引上げ、当初5年間無利子化
主
・ 手作業による選果、他の集出荷施設等への輸
送経費等への助成
な
・ 牛・豚マルキンの生産者積立金の納付免除、簡
易畜舎の整備や家畜導入等に要する経費の助
成
対
・ 被災農業者等の雇用支援
・ 農林水産業共同利用施設や卸売市場等の再建・修
繕に対する支援
・ 作物転換する際の種子・種苗の購入、農作業委託
等に対する支援
など
・ 被災した畜産農家等の地域ぐるみでの営農再開、
体質強化を進める取組に対する支援
策
・ ため池等の災害の未然防止、小規模な水路補修、
復旧と一体となり「創造的復興」にも資する大区画
化に対する支援
・ 山地の復旧支援、木材加工施設の再建に対する支
援
・ 水産荷さばき施設等の再建・修繕に対する支援
など
農政改⾰の進捗状況
○ 25年12⽉に決定された「農林⽔産業・地域の活⼒創造プラン」に基づき、産業政策と地域政策を⾞の両輪とす
る農政改⾰を進めてきたところ。
○ 新たな国際環境の下でも、⽣産者の持つ可能性と潜在⼒をいかんなく発揮できる環境を整えることで、次の世代
に対しても⽇本の豊かな⾷や美しく活⼒ある地域を引き渡していく。
「農林⽔産業・地域の活⼒創造プラン」(H25.12決定、H26.6改訂)
⽣産現場
の強化
農地中間管理機構の創設
⽶政策の⾒直し
経営所得安定対策の⾒直し
⽇本型直接⽀払制度の創設
⼈⼝減少社会における
農⼭漁村の活性化
多⾯的機能
の維持・発揮
「総合的なTPP関連政策⼤綱」(H27.11決定)
需要フロンティア
の拡⼤
〜農政新時代〜
新たな国内ニーズへの対応
⽣産者の持つ可能性をいかんなく発揮できる環境整備
FBI戦略による輸出拡⼤
⾷の安全と消費者の
信頼の確保
ICTを活⽤した
スマート農業の推進
6次産業化の推進
バリューチェーン
の構築
TPP⼤筋合意
農協・農委等の改⾰の推進
「⾷料・農業・農村基本計画」(H27.3改訂)
H27.10
『攻めの農林⽔産業への転換』
成⻑産業化に取り組む⽣産者が
その⼒を最⼤限発揮
『経営安定・安定供給のための構え』
⽣産者の不安を払拭
『検討の継続』
夢と希望の持てる農政新時代を創造
地域政策:美しく活⼒ある農⼭漁村の実現
林業の成⻑産業化 ・ ⽔産⽇本の復活
⽇本の豊かな⾷や美しく活⼒ある地域を次世代へと継承
- 36 -
「
強くて豊かな農林水産業」
と
「
美しく活力ある農山漁村」
を実現
産業政策:農林⽔産業の成⻑産業化
参考資料
林野庁
山地災害の発生件数は減少傾向で推移
 森林の成熟化にともない、土砂の崩壊の防止や、土壌の侵食・流出の防止といった森林の有する多面的機能の発揮が
図られ、山地災害の被害額・発生件数は、年毎にバラツキはあるものの、概ね減少傾向で推移。
 山地災害の被害額・発生件数の推移
20,000
4,000
2,688
発生件数
被害額
3,049
15,000
箇
所
数
(
箇
所
)
3,000
2,742
1,379
2,536
2,111
2,039
1,932
10,000
被
害
2,082
1,045
1,594 1,595
1,421
642
1,286
1,178
941
690
1,209
1,169
6,156 6,074
1,107
615
985
801
865
8,429
911
1,167
9,886
733
11,793
526
8,162
473 3,856
618
633
3,646
6,497
4801,170 282
364
2,363
8,054
5,478
2,076 2,322
872
3,767
3,301
5,783
5,230
1,364
1,392
1,086
2,112
2,261
2,844
2,379
2,018
1,794
1,623
1,6961,804 2,204
2,000 額
18,344
5,000
6,979
0
S56
S58
S60
S62
H1
H3
H5
H7
H9
H11
H13
H15
H17
H19
H21
H23
1,000
(
億
円
)
0
H27 (年)
H25
資料:林野庁業務資料
 人工林の林齢構成の推移
250
(万ha)
昭和41年度
200
面
積 150
大阪府泉南地域(昭和初期から中期)
100
平成24年3月末現在
約50年後
資源の成熟化
現在の泉南地域の山々
50
0
(林齢)
岡山県玉野市(昭和25年頃)
資料:林野庁「森林資源の現況」(平成24年(2012年)3月31日現在、林野庁「日本の森林資源」(昭和43年(1968年)3月)
現在の玉野市の山々
近年の集中豪雨等により激甚な災害が頻発
 山地災害の発生原因別の山地災害発生件数の推移をみると、年毎にバラツキは大きいものの、豪雨や台風に起因するも
のの割合が大きい。
 近年、局所的な集中豪雨が増加傾向にある中、1箇所あたりの被害額は増加傾向にあり、山地災害による被害は激甚化。
 山地災害の発生件数(発生原因別)の推移
4,000
3,000
箇
所
数 2,000
(
箇
所
)
約9割は、
豪雨や台風
による被害
 豪雨等による山地災害は激甚化の傾向
その他
地震
豪雨
台風
平成26年広島県豪雨災害
平成27年関東・東北豪雨災害
1箇所あたりの被害額の推移(豪雨・台風によるもの)
1,000
0.50
0
資料:林野庁業務資料
「IPCC第5次評価報告書」では、今世紀末までに
極端な降水がより強く、頻繁となる可能性が非常に
高いことが指摘されている。
被
害
額
(
億
円
/
箇
所
)
0.40
過去10年間の平均値
0.30
0.20
0.10
0.00
資料:林野庁業務資料
- 37 -
集中豪雨により発生した山地災害への対応と治山事業の効果
 山地災害発生時には、都道府県等への支援や災害復旧事業・治山事業により、早期復旧・整備を実施。
 計画的に治山施設が設置されていた箇所では、治山施設が効果を発揮し、下流への被害を軽減。
 山地災害発生時における都道府県等への支援
【近年の豪雨災害における対応状況】
○ 平成27年関東・東北豪雨災害
都道府県等の要請を受け、林野庁や森林管理局等の治山担当職員や(独) 森林総合研究所
等の専門家を派遣し、現地調査を実施するなど、早期復旧に向けた支援を実施
・ヘリコプターによる被害調査の実施
・林野庁や森林管理局の治山担当職員及び森林総合研
究所の専門家を派遣し、現地調査を実施
等
○ 平成26年広島県豪雨災害
上空から被災状況を確認
応急対策等の技術的助言
測量支援
・政府現地災害対策室に林野庁や森林管理局の担当職
員を派遣。
・ヘリコプターによる被害調査の実施
・林野庁や森林管理局の治山担当職員及び森林総合研
究所の専門家を派遣し、現地調査を実施
等
設計支援
 復旧に向けた対応
 治山事業の効果事例
・ 広島県豪雨災害(H26.8)への対応状況
・ 九州北部豪雨(H24.7)の際の事例
二次災害防止のため大型土嚢の設置など応急対策を実施するとと
もに、治山ダムによる荒廃渓流の安定化や山腹工による崩壊地の
復旧を実施中
計画的な治山施設の設置により土石や流木を捕捉し、
下流への被害を軽減(地元新聞でも効果について報道)
治山えん堤による土砂捕捉
大型土嚢の設置による応急対策
流木止めによる捕捉
下流への被害は
ほとんどなし
治山ダムの設置状況
災害発生時の対応はもとより予め対策を実施し、被害の防止・軽減を図ることも重要
近年の集中豪雨等により激甚な災害が頻発
予防治山対策の強化に向けて
 平成28年度から「緊急予防治山事業」を創設し、山地災害の発生が特に懸念される地区において緊急的・重点的に予防対策
を実施。
 また、航空レーザ計測や人工衛星を活用し、山地災害の発生の恐れがある箇所を特定し、効果的に予防対策を実施する方針。
 予防対策の実施事例
 予防対策実施に向けた新たな取組方向
• 台風により小規模な崩壊が発生し、渓流内に土石等が堆積。今後の
降雨等により流出の恐れがあることから、谷止工を設置し、侵食と
堆積土砂の流出を防止
施工前
小規模崩壊
・ 航空レーザ計測の活用
地形情報を3次元で解析でき、空中写真等では特定が困難だった森林
区域の亀裂箇所等の特定が可能
施工後
土石の堆積
空中写真
空中写真では判読
できなかった森林
内の亀裂がわかる
赤色立体地図
資料:森林・林業分野における航空レーザ計測積算ハンドブック((一社)日本林野測量協会)より
• 風化の進んだ岩盤において、今後の降雨等により落石のおそれが高
いことから、落石防護工や固定工を施し、落石の抑止及び発生源で
ある風化岩盤の点在する山腹斜面を保全
施工前
・ 人工衛星の活用
施工後
人工衛星により、宇宙から地表面の変動を監視でき、地震や火山活
動、地すべり等に伴う地表面の変動をとらえることが可能
2014年9月19日から2015年
6月26日の解析の結果、斜面変動
の可能性が確認された。
長野県大鹿村
小渋川地区
資料:地理院SARマップより
平成28年度からは「緊急予防治山事業」を創設
山地災害が発生する恐れのある箇所を特定
山地災害の発生が特に懸念される地区において緊急的・
重点的に予防対策を実施するなど、予防対策を強化
効果的に予防対策を実施することが可能
山地災害による被害の防止・軽減に向け、事前防災・減災としての治山対策を推進
- 38 -
参考資料
建設トップランナー倶楽部 幹事企業の取り組み
- 39 -
大震災からの復旧 - 知られざる地域建設業の闘い
著者:米田雅子 + 地方建設記者の会
発行:建通新聞社、A5 版
刊行:2011 年 11 月
単行本 縦割りをこえて日本を元気に
著者:米田雅子
発行:中央公論新社、四六判
刊行:2014 年 10 月
- 40 -
建設トップランナーフォーラム実行委員会
代 表 米田雅子 日本学術会議会員 / 慶應義塾大学特任教授
フォーラム実行委員長 丹羽庸介
フォーラム実行委員 砂子邦弘、木村洋一、深松 努、小野貴史、文字正和、佐藤晃俊、長瀬雅彦、加藤 徹、小島将揮
協 力 地方建設専門紙の会 比良博行、小林 務、小島義弘、建設新事業施策研究会(21 道県) 資料集・HP 作成 小野口弘美 事 務 局 大里茂登子、中川寛子
〈本資料の連絡先〉
建設トップランナー倶楽部事務局
〒 113-0023 東京都文京区向丘 1-5-4 ワイヒルズ 2 階 米田事務所内 TEL : 03-5876-8461 FAX : 03-5876-8463 Eメール:[email protected] ホームページ:http://www.kentop.org/