自己組織化を利用したナノカーボン 材料の新規配列化プロセスと 次世代デバイス応用 研究責任者 : 河原敏男 (中部大学 超伝導センター 教授) コーディネータ: 井上隆敬 (中部大学 研究支援センター 客員教授) 研究背景 グラフェン開発ロードマップ グラフェンデバイス K S Novoselov et al. Nature 490, 192-200 (2012) プロセス開発;中部大グループ グラフェン 層数制御& 直接成長 CNW(数層 グラフェン) 配列化 次世代LSI グラフェン 配列化 高速ナノデバイス ナノ熱制御 配線技術 2 10-6 ユビキタスな 高度情報化 社会 IDS (A) 1 10-6 0 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 -1 10-6 -2 10-6 -3 10-6 -4 10-6 -5 10-6 -1 2012 -0.5 0 VDS (V) 0.5 集積化 超低消費電力LSI 1 2015 2020 2030 発表概要 [背景] グラフェン は、1原子厚さの炭素原子シートで、その卓越した電子移動度や 物性値から、新しいナノエレクトロニクス材料として期待されている。 [研究成果] 1.このグラフェンをチャネルとした電界効果トランジスター(FET)を開発する ため、グラフェンの「成長」とチャネルの「構造形成」を同時に行う「グラ フォエピタキシ技術(配列化プロセス)」を開発した。 2.この「配列化プロセス」を用いて作製した電界効果トランジスタ(FET)の 電気的特性について発表する。 3. このグラフェンFETの応用例として、25 mVという超低電圧で作動する FETの基本動作を確認した。これは、生体の情報伝達の動作原理(確率 共鳴現象)を模倣したものである。 [応用例] [波及効果] 高移動度グラフェントランジスター 高クロック動作次世代LSI 超低消費電力素子 ユビキタス時代のIT機器に 対応する素子への展開 研究開発成果1 CNW:数層のグラフェンの配列化 ランダム成長 触媒なしに成長するナノカーボン材料 数層のグラフェンから構成される 配列化成長 触媒を用いない 配列化プロセスにより 電子デバイスとして応用? 特願2011-149002, PCT/JP2012/066295 自己組織化により 配列させるプロセスを 開発 (Ref: 河原他, 応物, 愛媛・松山大学(2012)) 研究開発成果2 数層グラフェン電界効果トランジスタ FETのチャネル部で配列化 両極性半導体 2 10 -9 1 10 -9 (A) 3 10 -9 Vg (V) -5 0 5 I DS 0 -1 10 -9 -2 10 -9 -9 -3 10 -1 -0.5 0 V DS PCT/JP2012/071297 0.5 1 (V) 動作モードの解明→TEMやラマン測定 ⇒欠陥制御が鍵 ナノ構造による電界集中 (Ref: 河原他, ACSIN12, つくば(2013)) 研究開発成果3 配線材用金属相と確率共鳴(SR)特性 • 金属特性の配列化素子も作製 • ノイズによる増幅率向上で低消費電力モード 8 10-5 6 10-5 IDS (A) 4 10-5 2 10-5 0 -2 10-5 -4 10-5 1Vで100μA以下程度流れる ⇒抵抗は10 kΩ超程度 -6 10-5 -8 10-5 -1 -0.5 0 VDS (V) 0.5 ノイズ無し 1 (Ref: T. Kawahara et al., Jpn. J. Appl. Phys. 49 (2010) 02BD11.) 新技術の特徴、従来技術・競合技術との比較 ナノカーボン材料のための新規プロセス • ナノカーボン材料から触媒フリーで自己組 織化によりデバイス構造構築可能 • リフトオフ等の付帯プロセス不要のためプ ロセスの簡略化が可能 • 材料成長と独立しているため、成長プロセ スの自由度が高い • 生体の動作原理をベースとする低消費電 力トランジスタ 想定される用途 カーボン材料による未来の低炭素社会 • 高キャリア移動度グラフェントランジスタ • 高クロック動作の次世代LSI • 現状のLSIに対して消費電力が1/300の 超低消費電力素子 高速&低消費電力CPU プロセス ナノカーボン 材料 低炭素& 高度情報化 社会 高感度センサ 太陽電池 実用化に向けた課題 • トランジスタ動作特性のさらなる向上 – ナノカーボンの形状精密制御、 欠陥制御 – オン・オフ比向上、電極安定化 • 高品質化プロセスとの組み合わせ • デバイス作製用具体的レシピの開発 – リーク電流低減、トップゲート構造、 電極プロセス • グラフェンFET開発の全日本体制構築 グラフェン 直接成長 集積回路 開発 本技術に関する知的財産権 • 発明の名称:カーボンナノウォール配列体およびカーボ ンナノウォールの製造方法 出願番号:特願2011-149002, PCT/JP2012/066295 出願人:中部大学、大阪大学、北海道大学、日新電機 発明者:河原敏男、松本和彦、岡本一将、 宇都宮里佐、 松葉晃明、松本均 • 発明の名称:薄膜トランジスタおよびその製造方法 出願番号:PCT/JP2012/071297 出願人:中部大学、大阪大学、北海道大学、日新電機 発明者:河原敏男、松本和彦、岡本一将、 宇都宮里佐、 松葉晃明、松本均 10 想定される技術移転 • 各種グラフェン成長法により成長させた グラフェントランジスタ用プロセス 直接成長、グラフォエピタキシー • ナノカーボン材料の卓越したキャリア移動 度・熱伝導率を活かした配線材・パッケー ジング等を既存LSI用プロセスに導入 高電流密度線材、高熱伝導率部材 • 超低消費電力集積回路の素子設計・作 製技術 確率共鳴理論 ⇒ノイズ活用技術 移転技術を実用化するために、企業の量産能力、製品化への ノウハウを加えた共同研究を行う。(技術移転) お問い合わせ先 〒487-8501 愛知県春日井市松本町1200 中部大学 超伝導センター 河原敏男 教授 TEL: 0568-51-9314 FAX: 0568-51-9413 E-Mail: [email protected] 中部大学 研究支援センター コーディネータ 井上隆敬 客員教授 TEL: 0568-51-4852 FAX: 0568-51-4859 E-Mail: [email protected]
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