AXELL Review 2016

アクセルをより知っていただくための I Rマガジン
第21期報告書
2015.4.1▶▶2016.3.31
証券コード:6730
社長メッセージ
アクセルを知る
4step
会社概要/
株式の概要
P3
P1
P7
ご挨拶
第24期(2019年3月期)の業績目標に向けて
着実に歩みを進めています。
株主の皆さまにおかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。
ここに第21期
(2015年4月1日~2016年3月31日)
の株主通信をお届けします。
第21期は、厳しい市場環境に加えて研究開発費の増加もあり、対前期比較で減収減益
の業績となりましたが、中長期的な業績目標に向けていくつかの成果も見えてきました。
株主の皆さまにおかれましては、
このような取り組みの進捗状況をご理解いただき、引き
続きのご支援を賜りますよう、
お願い申しあげます。
代表取締役社長
松浦 一教
4step
アクセルを知る
step
1
特徴
製造委託
製造設備を持たないファブレス半導体
メーカーとして、リソースを研究開発と
マーケティングに集中。
市場の最新動向を的確に捉え、独創的な
技術で顧客ニーズに応えた製品開発を実
現しています。
仕入れ
半導体
製造会社
情報収集・
マーケティング
販売
代理店
販売
市場
step
2
step
2
市場
パチンコ・パチスロ機市場
当社の主な事業領域はパチンコ・パチスロ機市
場です。
総売上高に占める
主力製品であるグラフィックスLSIの 市場シェ
パチンコ・パチスロ機市場向け製品の割合
アは約50%。
トップメーカーとして、革新的な
(第21期)
97%
技術と付加価値の高い製品で、市場ニーズに応
えています。
ほかにもLEDドライバLSIやメモリモジュールな
ど、パチンコ・パチスロ機のエンターテインメン
ト性を高める演出周辺製品でも着実な実績を積
み上げています。
グラフィックスLSI
組み込み機器市場
LEDドライバLSI
メモリモジュール
その他
医療機器や建設機器のモニターなど、さまざまな組み込
パソコン・スマートフォンのブラウザで再生できるソ
み機器に最適なグラフィックスLSIを提供しています。
フトウェアムービーコーデック
「H2MD」などのソフト
ウェア製品などの販売も行っています。
グラフィックスLSI
1
Review
第21期報告書
step
3
成長戦略
現在
グラフィックスLSI
グラフィックスLSIのシェアアップ
1
CPU
サウンド・LED制御
グラフィックス
開発支援ツール
パチンコ・パチスロ機専用開発環境による開発効率化
メモリモジュール
システムビジネスへの展開
2
新領域
3
1
グラフィックスLSIの
シェアアップ
グラフィックスLSIの高機能化や
開発支援ツールによる顧客への
開発サポートなどにより、当社の
グラフィックスLSIの付加価値を
高め、
さらなるシェア拡大を目指
します。
step
4
2
新たな演出周辺製品の開発
システムビジネスへの
展開
グラフィックスLSIを核に、関連す
る電子部品やメモリモジュール
なども1つのシステム製品として
販売することで、顧客開発の効
率化と当社製品の販売単価上昇
を目指します。
業績目標
アクセルは、step3 の「成長戦略」
により、第24
売上高180
期(2019年3月期)
にROE15%、
億円達成を目標に活動しています。
売上高
パチンコ・パチスロ機の演出関
連部材には、現在の当社の事業
領域以外にも多くの周辺製品が
あります。それらの領域でも新
たな製品を開発し、事業規模拡
大を目指します。
売上総利益
の健全性や株主価値を測るために使用されます。
ROE
目標ROE15%
目標売上高180億円
(億円)
200
150
1%
※「ROE(Return on Equity)」
は、企業が株式市場から調達した資金に対し
て、1年間の活動でどれだけの利益を生み出したかを示す指標です。経営
新たな演出周辺製品の
開発
3
100
50
100
89
41
市場規模
290万台
0
2%
第21期
2016年3月
(実績)
40
市場規模
290万台
(想定)
市場規模
250万台
第22期
2017年3月
(計画)
第24期
2019年3月
(目標)
第21期報告書
Re vie w
2
社 長 メッセ ー ジ
品「AG5」への移行が順調に進んだものの、主要
顧客の販売動向などの影響もあり、販売個数は前
期実績より18万個減少となる108万個にとどま
りました。
メモリモジュールやLEDドライバLSIな
ど、同市場向けのその他製品も、主要顧客の製造
計画の見直しなどにより、前期実績を割り込む結
果となりました。以上により、第21期の売上高は
8,982百万円(前期比19%減)
となりました。
代表取締役社長
販売費及び一般管理費は、
研究開発費を2,807百
松浦 一教
万円(同44%増)計上するなど積極的な開発投
資を実施したことから、総額では3,857百万円
第21期(2016年3月期)の業績
(同25%増)
となっています。その結果、営業利益
前期比で減収減益となりましたが、
は244百万円(同85%減)、経常利益は220百万
業績目標に向けた成長戦略に
円( 同 8 7%減 )、当 期 純 利 益は1 1 3 百 万 円( 同
いくつかの成果が見えてきました。
第21期のパチンコ・パチスロ機市場は、昨年実
第 2 1 期は厳しい 市 場 環 境に加えて、多 額 の
施された業界の自主規制によって、当社の市場規
研究開発費の計上もあり、対前期比較で減収減
模の目安となる新台販売数が前期の310万台か
益 の 決 算となりました。一 方で、グラフィックス
ら290万台まで減少したと分析しています。
この
LSIのシェアアップを目指す取り組みの要諦とな
ような環境下で、主力のグラフィックスLSIは、新製
る顧客の開発支援ツール「DUKE」のリリースや
(百万円)
■ 損益計算書
(要約)
(百万円)
■ 貸借対照表
(要約)
第20期
第21期
増減率
11,073
8,982
△19%
売上原価
6,342
4,880
△23%
売上総利益
4,731
4,101
△13%
売上高
販売費及び一般管理費
(研究開発費)
3
90%減)
となりました。
3,086
(1,948)
3,857
(2,807)
25%
(44%)
営業利益
1,645
244
△85%
経常利益
1,659
220
△87%
当期純利益
1,115
113
△90%
Review
第21期報告書
第20期
第21期
増減率
流動資産
13,689
11,061
△19%
固定資産
872
1,095
25%
資産合計
14,562
12,156
△17%
流動負債
969
843
△13%
固定負債
35
56
61%
負債合計
1,005
900
△10%
純資産合計
13,556
11,256
△17%
負債・純資産合計
14,562
12,156
△17%
Message from the President
システムビジネスの展開を加速させるメモリモ
境などを考慮し販売個数は96万個(第21期比
ジュールの新製品の量産開始、多画面を搭載す
12万個減)を計画しています。そのうち約5万個
る機種の低コスト化を実現する製品の開発完了
は、グラフィックスLSIを核に周辺回路や部品を統
など、第24期の業績目標に向けた取り組みでい
合したモジュール製品での販売を計画していま
くつかの成果が見えてきました。
す。モジュール製品はLSI単体での販売に比較し
て単価が高いため、販売個数の減少に対して売
第22期(2017年3月期)の見通し
上高では若干の減少にとどまる見込みです。グラ
市場環境の厳しさは継続するも
フィックスLSI以外では、
メモリモジュール製品の
システムビジネスの拡充により
拡販に注力します。同製品は、従来、特定の顧客
増収増益を見込んでいます。
向けに販売していましたが、機能の向上を図った
第22期は昨年から続く自主規制の影響に加
うえで第21期より汎用製品として販売を開始し
え、本年5月の伊勢志摩サミットに合わせた新台
ています。当社の技術・ノウハウを詰め込み、信
設置の自粛の影響から、上期は厳しい状況が続く
頼性とコスト低減を実現していることから、顧客
と想定しています。下期以降、自主規制の影響は
からの評価も高く、採用見込みと需要動向を検
徐々に薄れてくるものと見ていますが、市場の回
討した結果、売上高は第21期を大幅に上回ると
復度合いは不透明な状況です。
こうした状況から
予測しています。このような分析をもとに、第22
第22期におけるパチンコ・パチスロ機の新台販
期の売上高は10,000百万円(第21期比11%
売数は第21期比で40万台減少となる250万台
増)を計画しています。
を前提として業績計画を策定しました。
販 売 費 及び 一 般 管 理 費は3 , 7 0 0 百 万 円( 同
主力製品であるグラフィックスLSIは、市場環
4%減)、研究開発費は 2,800百万円(同0%減)
■ 第22期の業績予想(百万円)
■ 販売費及び一般管理費の推移
第21期
第22期
(計画)
増減率
8,982
10,000
11%
研究開発費
その他
(百万円)
売上高
売上原価
4,880
6,000
23%
売上総利益
4,101
4,000
△2%
4,000
3,268
3,086
3,000
1,177
1,137
2,090
1,948
2,000
販売費及び一般管理費
(研究開発費)
3,857
(2,807)
3,700
(2,800)
△4%
(△0%)
営業利益
244
300
23%
経常利益
220
300
36%
当期純利益
113
200
76%
1,000
0
第19期
2014年3月
第20期
2015年3月
3,857
3,700
1,049
900
2,807
2,800
第21期
2016年3月
第22期
2017年3月
(計画)
■ 第21期以降の研究開発費の増加要因
次世代主力製品
AG6の開発スタート
・ 先端プロセスの採用によりコスト負担大
業績目標に向けた
積極的な開発投資
・パチンコ・パチスロ機向け統合開発環境
・ 演出周辺製品などの新製品開発
第21期報告書
Re vie w
4
社 長 メッセ ー ジ
を計画しています。研究開発費は第21期に引き
を賜りたいと存じます。
続き積極的な投資を計画しており、第22期にお
また、第21期においては資本効率の向上を目
いては次世代グラフィックスLSI「AG6」の開発と
的とした自己株式の取得を実施しました。121万
顧客の開発支援ツール「DUKE」の機能拡張に多
株(発行済株式総数の約10%)を取得し、従来保
くの投資を行います。以上により、第22期の営業
有していた自己株式と合わせて全株を消却しまし
利益は300百万円(同23%増)、経常利益は300
た。当社は経営指標にROEを掲げており、内部留
百万円(同36%増)、当期純利益は200百万円
保と資本効率のバランスを十分に斟酌した資本
政策を重視しています。
(同76%増)を計画しました。
株主還元
中長期の成長戦略
資本効率の向上のため、
目標達成に向け、
自己株式を取得しました。
重点施策を着実に実行しています。
第21期及び第22期は、将来の成長に向けた積
当社では2ページに記載している成長戦略で、
極的な研究開発費を投じており、従来に比較して
第24期に売上高180億円、ROE15%を業績目標
利益水準が低下しています。
こうした状況から、第
として掲げています。
21期の配当は1株当たり年間10円(中間5円、期
①「グラフィックスLSIのシェアアップ」について
末5円)、第22期も1株当たり年間10円(期末10
は、次世代製品「AG6」の量産と顧客の開発支援
円)の計画とさせていただきました。研究開発費は
ツール「DUKE」
による顧客との関係性の強化で、
持続的な成長に必要な投資と捉えており、
ご理解
65%程度までシェアを拡大させたいと考えてい
■ 配当金の推移
株主還元方針
配当金
(年間)
● 株主還元については配当を基本として実施
(※)
配当性向
(単体)
101.5
(円)
(%)
100
120
● 配当額の算定方針は以下の通り
・業績に連動した配当の実施(配当性向50%が基本)
・配当性向50%で算出した結果、前年配当額を下回る
90
75
61.2
場合には従前の水準を考慮
※株主還元の公平性、効率性を鑑み、現時点では株主優待の導入は検討してい
ません。
65.3
60
55
55
56.0
25
30
10
0
第19期
2014年3月
5
Review
第21期報告書
50
第20期
2015年3月
第21期
2016年3月
10
第22期
2017年3月
(計画)
0
Message from the President
ます。②「システムビジネスヘ の 展 開 」は、グラ
の融合で、当社の主力市場であるパチンコ・パチ
フィックスLSIのモジュール製品とメモリモジュー
スロ機市場に加え、同社が推進する戦略4市場
ル 製 品 がリードします。グラフィックスL S I のモ
(産業機器・車載機器・モバイル機器・民生機器)
ジュール製品は、複数の顧客において採用が内定
に向けた共同開発などで、新たな事業の創出を
するなど、順調な立ち上がりを見せています。③
目指します。
「新たな演出周辺製品の開発」については複数製
品の開発が進んでおり、一部製品についてはすで
経営機構
に採用が内定しています。当社ではこのような取
監査等委員会設置会社への移行で、
り組みを有機的に展開し、第24期の業績目標を
コーポレート・ガバナンスを強化します。
達成したいと考えています
(詳細はP2参照)。
さらに、その先の成長を見据え、パソコン・ス
当社はコーポレート・ガバナンスを一層充実さ
マートフォンのブラウザで再生可能なソフトウェ
せるため、監査等委員会設置会社へ移行しまし
アムービーコーデック
「H2MD」などのIP製品の
た。監査等委員会設置会社移行後の新しい経営
拡販にも注力しています。
「 H2MD」に関しては、
体制では、取締役の半数を独立社外取締役とす
事業を加速させる観点からヤフー株式会社の子
ることで取締役会の監査・監督機能を強化しまし
会社であるリッチラボ株式会社と動画広告の表
た。今後も経営の健全性、透明性、効率性を高め
現拡大に向けた事業で協業することにしました。
ることにより持続的な成長を目指していきます。
また、本年4月にはザインエレクトロニクス株式
株主の皆さまには、当社の状況と方針をご理解
会社との業務提携に合意しました。同社が得意と
いただき、引き続きご支援ご指導を賜りますよう
するアナログ技術と当社が得意とする大規模LSI
お願い申しあげます。
■ 業績目標
■ 2019年3月期以降に向けて
(その他市場への取り組み)
売上高
売上総利益
ROE
目標ROE15%
目標売上高180億円
(億円)
200
150
100
50
1%
M&A、
アライアンス等も
検討
2%
ソフトウェア
IP製品
「H2MD」等
100
89
41
市場規模
290万台
0
その他
第21期
2016年3月
(実績)
40
市場規模
250万台
第22期
2017年3月
(計画)
市場規模
290万台
(想定)
パチンコ・
パチスロ機向け
製品
組み込み機器
向け製品
第24期
2019年3月
(目標)
第21期報告書
Re vie w
6
会社概要/株式の概要
会社概要
所有者別分布状況
設立年月日
1996年2月1日
資本金
10億18百万円
社員数
84名
事業内容
役員
金融商品取引業者 0.99%
(株主数26名 株式数110,287株)
外国法人等 15.43%
半導体集積回路及び半導体集積回路を
組み込んだプリント基板の設計、製造、販売
● ゲーム機器の設計、
製造、販売
● 事務機器の設計、
製造、販売
● インターネッ
トを利用した各種情報提供サービス業
● 画像又は音声に関する圧縮伸長処理技術の
開発、販売
● ソフトウェアの開発、
販売
● 前各号に付帯する一切の事業
発行済
株式総数
●
取締役社長
(代表)
取締役副社長
(代表)
取締役
取締役
取締役
(監査等委員)
取締役
(監査等委員)
取締役
(監査等委員)
取締役
(監査等委員)
松浦 一教
斉藤 昭宏
千代 進弘
蟹江 幸司
吉田 良樹
鈴木 眞巨
三村 勝也
五十島 滋夫
株
株主メモ
事業年度
毎年4月1日から翌年3月31日
定時株主総会
毎年6月
公告方法
発行済株式総数
11,187,749株
株主数
5,486名
三菱UFJ信託銀行株式会社
同連絡先
〒137-8081
東京都江東区東砂七丁目10番11号
三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部
TEL 0120-232-711
(通話料無料)
株式に関するお手続きについて
持株数
(株) 持株比率
(%)
(1)
株主さまの住所変更、配当金の振込指定、その他各種お手続きにつきまして
は、原則、口座を開設されている口座管理機関
(証券会社等)
で承ることとなっ
ております。口座を開設されている証券会社等にお問合わせください。株主名
簿管理人
(三菱UFJ信託銀行)
ではお取り扱いできませんのでご注意ください。
1,243,200
11.11
849,000
7.58
831,400
7.43
(2)
配当金の口座振込のご指定につきましても、
お手続きは配当金振込指定書を
各口座管理機関を経由してお届けいただくこととなっております。従来同封い
たしておりました当社専用の
「配当金振込指定書」
は同封を取りやめておりま
す。振込指定のお手続きにつきましては詳しくは各口座管理機関にお問合わ
せください。
市原 澄彦
595,800
5.32
柴田 高幸
594,800
5.31
(3)
未受領の配当金につきましては、三菱UFJ信託銀行本支店でお支払いいたし
ます。
松浦 一教
388,800
3.47
奥村 龍昭
369,000
3.29
森屋 和喜
335,600
2.99
株式会社アバールデータ
260,000
2.32
日本トラスティ・サービス信託銀行
株式会社
(信託口)
182,200
1.62
佐々木 譲
緑屋電気株式会社
BBHFORFIDEL
ITYLOW-PRICEDSTOCKFUND
(PRINCIPALALLSECTORSUBPORTFOL
IO)
(注)
自己株式は保有しておりません。
7
電子公告により当社ホームページ
(http://www.axell.co.jp/)
に掲載いたします。
お知らせ
株主の状況
株主名
3月31日
(中間配当を実施する場合は9月30日)
株主名簿管理人
特別口座
口座管理機関
株式の概要
23,112,000株
3月31日
(その他必要があるときは、
あらかじめ公告いたします)
ただし、
電子公告によることができない事故その他のやむを得ない事由が生
じたときは、
日本経済新聞に掲載いたします。
緑屋電気株式会社
岡谷エレクトロニクス株式会社
アヴネット株式会社
発行可能株式総数
その他の法人 13.36%
(株主数37名 株式数1,494,600株)
個人・その他 61.04%
http://www.axell.co.jp/
URL
(株主数81名 株式数1,726,227株)
(株主数5,322名 株式数6,829,135株)
期末配当金
受領株主確定日
〒101-8973
東京都千代田区外神田四丁目14番1号
秋葉原UDX 南ウイング10階
TEL:03-5298-1670 FAX:03-5298-1671
主要取引先
11,187,749
基準日
※監査等委員は全員独立社外役員です。
※吉田良樹氏は常勤の監査等委員です。
所在地
金融機関 9.18%
(株主数20名 株式数1,027,500株)
Review
第21期報告書
VOC(揮発性有機化合物)成分ゼロの
100%植物油のインクで印刷しています。