No.36 ていねいに聞くということ

風 のかたち
No.36
安田小学校
新田 哲之
2016 年 6 月 22 日
ていねいに聞くということ
先月のことですが、生活目標にあいさつを取り上げました。学校では先生に対してあいさつ
を進んでしています。ただ、先生以外となるとあいさつができないので、先生以外の人にも進
んであいさつすることを目標にしました。いつも校舎の掃除やお昼のお茶の世話をしている亀
井さんや飼育小屋の掃除や設備の修理をしている吉川さん、それから理科助手の築地原さんが
教室に出向いて、話をしてもらう機会を作りました。子どもたちはそれ以来、出会ったときは、
「おはようございます」とあいさつをするようになり、仕事中に通りかかれば、「ありがとう
ございます」と感謝する声が聞かれるようになりました。お世話になっている人の話を聞き、
進んであいさつするようになったことをうれしく思いました。
今年はノート検定やしつけ指導など「ていねいに」をキーワードに教育活動を行っています。
人の話を聞くことも「ていねいに」のひとつです。話をていねいに聞けば話した内容を理解し、
内容を理解すれば考えて行動するようになります。「話を聞く子は伸びる」と言われるのは、
このことです。逆に、話を聞かずになんとなくまわりを見て行動していると考えない習慣がつ
きます。話を聞かなくても何とかなるわけですから、聞いて考えることをしなくなります。一
方、話をていねいに聞く態度があれば、聞いた内容をもとに考える習慣が身に付きます。考え
て行動する子どもは、ていねいに聞けます。
はじめに挙げた、学校でお世話になっている方から話を聞いた後の 6 年生の日記です。話を
聞いて考えています。
本当に重要な人
今日、算数が終わり、委員会の間に吉川さんがいらっしゃいました。帰る時とかに飼育小
屋にいて、この先生、いつも外でいろんなことしてるなあとしか思っていませんでした。ふ
と、亀井さんのことが思い浮かびました。よくそうじをしていて、階段を降りる時、楽だっ
たなと思いました。
特に心に残ったのは、わたし達が休けいしている時も仕事をしていることと、暑いなと思
っていてもみんなのために外で仕事をし、部屋でもしっかり仕事をしてくださっていること
です。
もし、やる気が出ない時は、こういう時でもがんばっていると思って、がんばりたいです。
ていねいに聞くというのは、授業以外でもあります。5,6 年生の代表委員会の子どもが、熊
本地震で被災した人たちに募金を送ろうと全校児童に呼びかけました。代表委員が募金の呼び
かけの文章を作り、クラスを回って募金活動をしました。話を聞いた子どもたちは、どう受け
止めて何を考えたのでしょうか。ニュースで見聞きしたことを思い出し、被災した人たちの辛
い思いを想像することはできたでしょうか。直接自分は手助けできないけれど、役に立ちたい
という思いがあって募金したでしょうか。今回の募金活動は、聞いたことをもとに考えて行動
する良い機会でもありました。
ていねいに聞くということは、考えて行動することにつながります。