センシング技術専門委員会 CPS/IoT におけるセンシングソリューション技術に関する調査 ■ 背景と調査の重要性 IoT(Internet of Things)の技術革新により、コンピュータやスマートフォンだけでな く、モノのネットワーク化も急速に進展し、人間を介さずデータを通じて、実世界(フィ ジカル空間)の状況が直接サイバー空間に再現され、サイバー空間での情報処理の結果が 実世界の動きを制御する CPS(Cyber Physical System)が現実のものとなった。これまで は実現できなかったデジタルデータの収集、蓄積、分析、分析結果の実世界へのフィード バックが社会規模で可能となり、実世界とサイバー空間との相互連関が進みつつある。膨 大な数のセンサによる実世界のセンシングが行われ、データ流通量が爆発的に増大し、こ れを背景として、ビッグデータや人工知能の活用が加速している。情報技術におけるコン ピュータの利用、インターネットの普及に続く第三の革新とも言われ、企業や個人の行動 様式の変化にとどまらず、産業界における競争力の基本構造を大きく変え、ビジネスモデ ルの革新が生み出されている。世界各国を見ても、開発・製造・流通プロセスを IoT によ り最適化するドイツの「インダストリー4.0(第四次産業革命)」、産業機器をインターネッ トにつなぎデータ分析による高度な意思決定を行う米国企業による「インダストリアル・ インターネット」などの取り組みが進んでいる。さらに、人工知能による技術革新により、 デジタルデータの分析による高度な判断や、分析結果の実世界へのフィードバックの完全 自律・自動化までを視野に入れて、CPS によるデータ駆動型社会を実現するための社会制 度や仕組みのあり方までが議論されている。 CPS の進展が社会全体に大きな影響をもたらす分野として、医療・ヘルスケア、次世代 モビリティ、流通、ロボット、スマートハウス・ビル、社会インフラ、農業など広範にわ たるが、これらへの応用を念頭に、本分科会では、CPS/IoT におけるセンシングソリュー ション技術の現状と動向を広く調査し、最新の先端情報の収集と資料作成を行い、我国の CPS/IoT のさらなる普及と産業活性化に資する活動を行う。 具体的には、以下について幅広く調査し、CPS/IoT におけるセンシングソリューション技 術がもたらす将来像について議論する。 ■ 調査項目 (a) 情報処理・解析技術:クラウドコンピューティング、人工知能、機械学習等 (b) ネットワーク技術:大容量通信、セキュリティ、センサネットワーク等 (c) デバイス技術:スマートセンサ、不揮発性メモリ、自律分散型時刻同期、 無給電・低消費電力化、新材料・新構造等 (d) データベース技術:大規模センシングデータベース、データの集中・分散処理、 低消費電力化、高速時空間検索、センサーデータマイニング等 (e) CPS を実現するための制度:規制・制度改革の課題抽出、 プライバシー・セキュリティのルール策定等 (f) センシングソリューション技術の応用:各分野での CPS/IoT の応用、ニーズの把握等 ■ 参加企業:10 社(敬称略/順不同) アズビル、オムロン、セイコーインスツル、ソニー、東芝、日本電気、パナソニック、 富士通研究所、三菱電機、村田製作所 一般社団法人 電子情報技術産業協会 Japan Electronics and Information Technology Industries Association 〒100-0004 東京都千代田区大手町 1-1-3 Tel:03-5218-1059/Fax:03-5218-1078
© Copyright 2024 ExpyDoc