平成27年度 飾区食品衛生監視指導計画実施結果の概要 食品衛生法第 24 条第 5 項に基づき、平成27年度 飾区食品衛生監視指導計画の 実施結果概要をまとめましたのでお知らせします。 監視指導事業 平成27年度重点監視事業 (1) 食中毒対策 *肉の生食及び加熱不足による食中毒対策 平成 23 年 10 月、生食用食肉の規格基準が施行されたことに続き、平成 24 年 7 月に 牛の肝臓(レバー)を生食用として販売・提供することが禁止されたことを受け、様々な 機会を通じて飲食店や食肉販売店等に立ち入り、生食用食肉の規格基準及び牛レバーの生 食での提供禁止について情報提供し、併せて規格基準の定められていない鶏肉や豚肉につ いても生食用として提供しないよう、周知を行いました。 また、区民に対しても規格基準に適合していない食肉を生食する危険性について、広報、 ホームページ、チラシ及びかつしか FM 等を通じて情報提供しました。 *ノロウイルス食中毒対策 ノロウイルス食中毒が起きると被害が大規模化しやすい高齢者福祉施設等の社会福祉施 設や病院給食施設などの集団給食施設に対して一斉検査を実施し、食品の取扱い方法や施 設及び器具類の衛生管理、食品取扱者の健康管理の徹底等について指導を行いました。 また、レストランや居酒屋等に対して施設設備、食品の取扱い等について監視指導を行 いました。 近年発生しているノロウイルス食中毒の多くは、調理従事者の手指を介して汚染された 食品が原因として推定されています。ノロウイルス食中毒を防ぐためには、手指の洗浄消 毒が重要なポイントとなるため、施設監視時及び実務講習会等で正しい手洗い方法につい て指導しました。さらに、食数の多い社会福祉施設と大規模ショッピング施設内飲食店の 調理従事者に対しては、手洗い前後の手指の拭き取り検査を実施して、正しい手洗いが実 行されているかの確認を行いました。また、食品関係事業者及び模擬店出店者等に対して 窓口対応時や施設立入時などに調理従事者の健康チェックの重要性を伝え、具合が悪い人 は調理作業に従事させないように指導しました。 なお、ノロウイルスに関する正しい知識を普及するため、調理従事者及び区民に対して 広報及びホームページ、チラシ、かつしか FM 等を通じて情報提供を行いました。 *その他の食中毒対策 ●寄生虫による食中毒対策 アニサキスやクドア、サルコシスティスなどの寄生虫による食中毒の発生が増加傾 向にあるため、食中毒予防のチラシを作成して、食品関係事業者及び区民に配布しま した。また、ホームページ等を活用してそれらの寄生虫の特徴や予防法について周知、 注意喚起を行いました。 1 ●ふぐ 東京都ふぐの取扱い規制条例が改正され、平成 24 年 10 月から、保健所に届け出 た場合、一般の飲食店等でもふぐ加工製品が取り扱えるようになりました。但し、取 り扱えるふぐ加工製品は限られており、取扱いに際しては守らなければならない事項 があります。27年度は、必要に応じてふぐ取扱認証施設に加え届出施設にも必要に 応じて立ち入り、取扱いに関する遵守事項の確認を行いました。 ●その他 例年、全国的に毒キノコによる食中毒が発生しますが、そのほとんどは素人判断に よる毒キノコの誤食が原因となっています。これを防止するため、ホームページ等で 毒キノコに関する知識の普及啓発を行いました。 *保菌者検索事業 医療機関等での検便の結果、腸管出血性大腸菌やサルモネラ菌が検出された場合、散発 患者発生動向調査を実施し、東京都に報告しました。東京都は、収集したデータから都内 で発生した食中毒事件との関連性を検討し、関係機関に情報提供して広域的食中毒防止に 活用しています。 *食中毒事故発生時対策 平成 27年度、区内で食中毒事件が1件発生しました。また、飲食物を食べたあと、下 痢、腹痛、嘔吐等の食中毒様症状を呈したという情報が49件ありました。食中毒が疑わ れる情報があった場合は、その情報に基づき迅速に関係施設及び患者の調査等を実施し、 原因究明に努めました。 (2)食品表示対策 食品衛生法に基づく食品の適正表示について、食品製造業及び販売施設に立ち入り、 監視指導を行いました。39,705品目について表示検査を実施しましたが、重大な 表示違反はありませんでした。 食品等事業者に対して、食品営業許可更新講習会時に「適正表示講習会」を実施 (12回開催、376名参加)し、食品表示の基礎的な知識の普及啓発を行いました。 また、健康増進法や薬事法など、他法が定める表示規制についても関係機関と連 携協力し適正表示の推進に努めました。 (3)違反・苦情食品対策 ① 違反対策 収去検査(795検体)を実施した結果、15検体の不良食品を発見しました (表1)。不良食品の製造・調理施設に対しては、調査を行って改善指導した後、 報告書等の文書を徴取し、更に再検査を実施するなどして改善確認を行いました。 表1 収去検査により判明した違反件数 総 数 細菌検査不良 表示違反 15 15 0 2 ② 苦情対策 苦情については、他関係機関からの通報を含め、92件の苦情処理(有症苦情 を除く。)を行いました。内訳は、表2の通りです。 なお、苦情の原因となった施設については、施設の状況や食品の取扱いについ て調査を実施し、必要に応じて苦情品の試験検査を行い、原因を調査しました。 苦情原因となった事項については、文書または口頭で注意指導し再発防止に努め ました。 表2 苦情処理件数 5 物 混 数 17 10 14 他 示 0 14 の 安全性への疑義 1 そ 質 6 施設・設備不良 色 2 食品等の取扱い 異 味 ・ 異 臭 表 カ ビ の 発 生 変 腐 敗 ・ 変 敗 変 入 0 異 23 総 92 (4)広域流通食品対策 大規模な食品製造業や販売業に立ち入り、収去検査や表示検査等の監視指導を行 いました。 (5)輸入食品対策及び動物用医薬品検査 輸入食品の安全対策を図るため、区内に流通する輸入食品の監視や収去検査を行 いました。また、食肉類の動物用医薬品の検査も実施しました。 表3 輸入食品検体数及び動物用医薬品検査検体数 輸 入 食 品 検 動物用医薬品 体数 検査検体数 細菌検査 化学検査 0 18 12 9 (6)総合衛生管理製造過程(HACCP)承認施設対策 区内にある総合衛生管理製造過程(HACCP)承認施設が製造した食品の収去検 査を2回実施しました。 監視指導の実施体制及び他機関との連携 東京都と連携して、広域流通食品対策として大規模製造施設や食品流通業者の監視指 導を実施しました。また、都区一斉監視事業として、夏期及び歳末において食品衛生監 視指導を実施しました。 食中毒調査及び食品衛生法違反品処理について、東京都及び関係自治体と連携協力し、 被害の拡大防止や原因究明、違反食品の速やかな排除等を行いました。 3 収去部門の実施体制(内部点検) 収去に関する業務が適切に実施されていることを確認するため、保健所内の信頼性確 保部門により、毎月の定期点検(前月までに収去した試験品に関する書類)及び 9 月の 特別点検(書類、機械器具類の整理状況及び機械器具類の保守点検状況等)を受け、収 去部門が適正に実施されていることを確認しています。 立入検査及び収去検査 (1) 立入検査 重点的監視対象である集団給食施設、食中毒事例の多い業種、大規模飲食店及び 製造・販売施設を中心に、年間計画に基づき立入検査を実施しました(表5)。 また、業態別一斉検査時や収去検査不良施設の立入時等に、現場簡易検査法※を 用いて指導を行いました(表6)。 ※現場簡易検査:調理従事者の手指の衛生、食品の取扱い状況、調理器具の衛生管 理状況及び食品の汚染状況等を迅速簡易に検査する方法。汚染源 の追究や食中毒の事故防止に有効です。 表5 総 食品衛生関係施設数と監視件数 施設数 監視件数 13,976 20,364 数 調理施設 製造施設 販売施設 食品製造業等取締条例に基づく許可・届出 (給食供給施設を除く) 給食供給施設 ふぐ取扱施設及び食鳥処理施設 飾区食品衛生法施行細則による届出施設 表6 4,975 689 1,573 8,550 1,513 3,258 757 1,590 270 254 5,458 601 236 4,616 現場簡易検査 器具・容器 総 数 手 指 まな板 1,560 653 373 食 品 その他の 魚介類及び 食肉及び その他の 容器器具 その加工品 その加工品 食品 337 107 4 5 0 その他 85 (2)収去検査 年間計画に基づいて実施しました。 表7 収去検査 収去検体数 検査項目数 細菌検査 化学検査 589 206 3,260 3,174 不良検体数 15 0 (3)夏期対策及び歳末一斉取締り 食中毒が多発する夏期及び食品流通量が増加する歳末においては、東京都と連携 して重点業種等の監視指導を実施しました。実施結果については、東京都がとりま とめてホームページ等で公表しました。 食品等事業者による自主的な衛生管理の推進 食品等事業者が自ら行う衛生管理(自主管理)の重要性について、講習会や監視指 導等を通じて周知しました。監視の際に、各施設の自主管理点検表をチェックして、 衛生管理状況を確認し、必要に応じて指導を行いました。自主点検未実施施設に対し ては、点検表を配布し、具体的な点検項目やチェック方法等について指導を行いまし た。また、事業者の衛生管理レベルに応じて、自主管理点検表の作成やチェックの方 法等について助言し、自主管理の推進を図りました。 情報提供及び区民や事業者との意見交換(食の安全安心対策の推進) 区民、食品等事業者及び行政の 3 者が相互理解を深め、食に関する正しい情報を共 有するため、9月28日に意見交換会(リスクコミュニケーション)を実施しました。 27年度は「知って見よう!キノコのこと」というテーマで、外部講師の講演後、実 際に採取してきた野生のキノコなどの観察を行い、意見交換を行いました(51名参 加)。また、2 月19日に区内の6消費者団体代表と行政との意見交換会を実施しまし た(16名参加)。 さらに、街頭相談や消費者対象講習会の実施、及び健康大学での食品衛生講座、産 業フェア等を通じ、区民に対して食品衛生知識の普及を図りました。 また、広報、ホームページ、チラシ及びかつしか FM 等を通じて、食中毒の予防方 法、最新の食品情報、区の食品衛生施策等、食の安全安心に関する様々な情報提供を 行いました。 食品衛生に係る人材の養成及び資質の向上 食品衛生に係る関係者の資質向上のため、また、区民等への食品衛生知識の普及啓 発のために下記の通り講習会を行いました。 5 食品衛生講習会 5 14 12 10 4 3 受講者数 3,479 898 239 121 278 376 674 825 68 者 その他実習生等 5 6 集団給食従事者 営業許可更新者 21 費 自 治 指 導 員 等 製 造 業 関 係 74 回 販 売 業 関 係 その他 数 総数 飲 食 店 関 係 営業者及び従事者 消 表8
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