シーズタイトル 核酸DDSを可能とする絹タンパク質を用いた創傷被覆材料 氏名(所属、役職) 研究責任者:武内恒成(新潟大学 医歯学総合研究科 准教授) コーディネータ:定塚哲夫(新潟大学 研究支援部 産学官連携コーディネーター) H23 年度採択課題名、 絹タンパク質フィブロインスポンジによる脊髄損傷創傷被覆と神経 (課題番号) 再生促進能を持つ高機能素材の開発と応用 (AS232Z01583F) 技術キーワード 再生医療、組織工学、神経再生、細胞移植、核酸治療、 ことも求めている。 【新技術の概要】 神経再生治療、特に脊髄損傷の治療に向けて また、さまざまな材料・バイオマテリアルと は神経幹細胞・iPS 細胞/ES 細胞の移植による治 比較しても生体内での炎症性惹起は低く安定性 療が謳われ、特に iPS 細胞利用として臨床応用 にも優れていることを見出している。遺伝子組 が最も早く実現可能性も高いとされる。しかし、 換え技術によってタンパク材料そのものにさら これら移植幹細胞を如何に損傷治療領域のみに に高機能化を与えることも可能である。 留め置くか、如何に移植幹細胞を基質とした神 経線維が再生できる環境を保持するかも、実際 【本技術に関する知的財産権】 の臨床応用において極めて重要である。また、 1.特願 2011-230577 細胞移植部を含む領域の神経組織再生環境を、 できる限り維持することも再生治療においては 重要な要素である。我々は、生体内での炎症性 が低く、さらに生物学的高機能性を付加するこ とが可能な新しいバイオマテリアル“カイコ絹 「GAP43 抗体」、出願人:新潟大学 2.特願 2012-067203 号 「膜タンパク質発現に向く無血清培養でき るカイコ培養細胞株の作出及びその利用」 、 出願人:農業生物資源研究所 糸タンパク”を再生基材材料として実用化に向 け検証することを目的している。さまざまな薬 【想定される技術移転】 剤や物質の徐放材料として使用することや、例 これからの再生医療を考えるにあたって、iPS えば神経組織近傍に留置しても生体反応性は低 細胞をはじめとする幹細胞移植のための補助材 く、さらに長期の時間経過とともに、タンパク 料や、今後展開が見込まれる生体内での薬剤な 性材料のため生体内消失することもメリットで どの徐放材料の開発応用は重要な技術であると ある。生体内再生環境を高めつつ今後の再生治 考えられる。本研究で神経再生治療・脊髄損傷 療あるいは核酸医薬など新規医薬品のデリバリ 治療のために開発されたこれら技術は、その他 ー材料としての可能性、およびさまざまな生体 の臓器組織も標的とした医療応用と技術展開が 内領域への応用展開の可能性も秘めている。 期待できる。複合材料とすることや今後の幅広 い利用可能性を考えており、実用化の技術とア 図)神経再生治療用 イデアを備えた企業への技術移転を希望してい 被覆材料・核酸医薬 る。さらにこの過程で派生し得られた抗体技術 徐放用基材 も今後の再生治療効果の定量化などへの展開が 望めるものである。 【従来技術・競合技術との比較】 神経系再生治療への適応を考える際に、再生 神経のみをトレースし再生過程・治療効果を正 しく定量評価できる抗体の作出に成功した。こ の技術・方法論に関しても大きな利用価値が認 められる。これら技術をさらに幅広く展開する 【お問い合わせ先】 新潟大学 産学地域連携推進機構 TEL: 025-262-7554 FAX: 025-262-7513 E-mail: [email protected]
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