シーズタイトル 新規白色LED照明を用いた収穫後の青果物におけるビタミンC保 持技術の開発 氏名(所属、役職) 研究責任者:加藤雅也(静岡大学 農学部 准教授) コーディネータ :吉田典江(静岡大学 イノベーション社会連携推進機構 特任教授) H23 年度採択課題名、 新規白色LED照明を用いた収穫後の青果物におけるビタミンC保 (課題番号) 持技術の開発(AS232Z01573E) 技術キーワード 白色LED、青果物、ビタミンC 【新技術の概要】 ・研究開発の背景 ブロッコリーは、収穫後、急速にビタミンC 含量が減少し、鮮度が損なわれる。収穫後のブ ロッコリーへの青色LEDを用いた光照射は、 ブロッコリーのビタミンC含量を減少し、赤色 LED を用いた光照射は、ビタミンC含量を保持す ることが明らかとなっている。本研究では、青 色光を低減した新規の白色LEDを用いた光照 射によるビタミンC保持について調査を行った。 また、ビタミンC保持のメカニズムを明らかに すべく、関連遺伝子の発現を調査した。 ・主な研究開発成果 収穫したブロッコリーに、図1のような波長 スペクトルの異なる3種類の異なる白色LED を用いて光照射を行った。 青色領域 赤色領域 60000 使用した白色LEDの特徴 青色領域 赤色領域 40000 低い 白色LED B 高い 高い 白色LED C 低い 高い 20000 10000 0 50 6. 5 57 2. 17 63 6.1 6 69 8. 41 75 8. 86 高い 29 9. 92 37 0.3 2 43 9. 19 白色LED A 波長(nm) 白色LED Aのスペクトル 図1 使用した3種類の白色LEDの波長スペクトルの特徴 白色LED A 白色LED B 白色LED C ビタミンC含量 (μmol・g-1) 8 7 6 暗所 5 白色LED A 4 白色LED B 3 白色LED C 2 1 0 0 1 2 【従来技術・競合技術との比較】 ショーケースや冷蔵庫の照明として、青色光や 赤色光は青果物の外観色や鮮度の見分けが困難 で不向きなのに対し、本技術の青色光を低減し た新規の白色LEDは、外観色の保持も可能で あり、使用が期待できる。また、青果物のビタ ミンC含量が損なわれる可能性がある白色LE Dの問題点が解決できる。 【本技術に関する知的財産権】 1.特願 2012-023031 「柑橘類に含まれるカロテノイド色素の増 強方法」 、出願人:静岡商工会議所 50000 30000 暗所 青色光を低減した白色LED Cを用いるこ とにより、図2のように、収穫後のブロッコリ ーの外観が良くなり、また、ビタミンC含量も 保持された。 3 4 貯蔵日数 図2 白色LEDを照射したブロッコリーの外観の変化 (6月収穫、貯蔵2日目)とビタミンC含量の変動 【想定される技術移転】 青色光を低減させた新規の白色LEDを用い て、収穫後のブロッコリーに光照射を行いビタ ミンC含量の変動を調査した結果、新規の白色 LEDは、従来の白色LEDよりも、ビタミン C含量を保持したことから、ビタミンCなどの 栄養成分を保持することが必要な冷蔵庫等の電 気製品製造企業や、照明器具メーカー等と連携 し、実用化を目指したい。 【お問い合わせ先】 ・静岡大学 イノベーション社会連携推進機構 コーディネータ 吉田 典江 Tel. 054-238-4630 Fax. 054-238-3018 E-mail. [email protected] ・静岡大学農学部 共生バイオサイエンス学科 准教授 加藤 雅也 Tel. 054-238-4830 Fax. 054-237-3028 E-mail. [email protected]
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