山梨大学 生 命 環 境 学 域 環 境 科 学 系 写真貼付 カラー 氏名・職名 新藤 純子 教授 キーワード 物質循環、生態系モデリング、食料生産・消費 東アジア 所 属 学 会 受 賞 歴 研究者から 一言 大気環境学会 (1976年)、日本土壌肥料学会 (1990年)、 環境科学会 (1991年) インタビュー 時写真撮影 学術賞 ( 環境科学会 ) ( 2009年) 第22回「日本科学技術情報センター丹羽賞」学術賞 ( 日本科学技術情報センター)(1987年) 経済成長著しい東アジアの食と環境に関心を持っています。東アジアの 多くの国では最近の30~40年の間に一人当たりの食料消費量が増加 するとともに食生活も大きく変化しました。これに伴って農業では肥料や 農薬を多用することにより単収の増加が図られ、農業生態系における物 質循環を大きく変えてきました。農業や食生活が環境にどのような影響 を与えているか、また、将来の変化を、主として水質の観点からモデル を用いて推定・予測しています。 東アジアの食生活の変化と農業 日本と中国の食料消費量の1961年から2007年の変 化(窒素換算(タンパク質摂取量にほぼ比例)) 日本 穀物の単収と肥料(窒素) 10 国 9 8 穀物単収 (t/ha, 2010年) アフリカ 日本 北米 中南米 7 東アジア 6 東南アジア 5 南アジア 中国 4 穀物からのタンパク質摂取量が減少、畜産品からの増 加が1990年頃まで見られるが、以降はほとんど変化なし 中・西アジア 西欧 3 中国 東欧 2 北欧 1 南欧 オセアニア 0 0.0 100.0 200.0 300.0 400.0 窒素肥料使用量 (kg N/ha, in 2009年) 肥料効率が国、地域により異なり、アジアは肥料効率が低い(窒素肥料の 投入量に比して生産量が少ない)国が多い。 1990年以降の畜産品からのタンパク質摂取量増大が著しい 日本と中国の食料生産に係わる窒素フローの現状(2005年) 国内への流入(赤矢印)、循環(黒矢印)、環境への流出(青矢印)を示す。日本では作物(主として飼料用穀物)の輸入による窒素流入が顕著であり、 家畜糞尿由来の窒素が化学肥料を上回る。フローの経年的な変化は小さいが、化学肥料の寄与が低下傾向であった。中国では化学肥料由来の窒 素流入量が1980年代以降の顕著に増大し、著しく大きくなった。 東アジア河川の窒素汚染(2005年の推定結果) mgN/L 0 2 4 6 8 10 窒素フローモデルを用いた、河川水質の推定結果(日本は8km×8kmグリッド、アジアは0.5度 ×0.5度グリッド)。日本の場合は、環境省による全国公共用水域の観測結果の県平均窒素濃度と 高い相関が示された(右図)。大都市、近郊農業地域、畜産地域での濃度が高い。アジア域の推定 結果は検証が困難であるが、1990年以降中国の黄河、長江下流域などで水質汚染が進行してい ることが推定された。 山梨大学 社会連携・研究支援機構 Email: [email protected] Tel:055-220-8759 Fax:055-220-8757
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