飼槽の現状と問題 ・・・・・ 91 (3)

V飼
″j
00
1 快 適 な飼槽て採食量 ア ップ … …………………………………………………………………………
(D 乳 牛 の採食姿勢
0)乳 牛 の採食行動
(3 飼
槽
2 飼 槽の現状 と問題 … ………… …………………… ……………… …………………………………
(1)飼 槽 の老朽化
0)飼 槽 の形
13)牛 床 との仕切 り
14)清 掃 の不十分な飼槽
“)掃 き寄せが少 ない
3 飼 槽 の改善方法 … ……… … …………………………………………………………………… ……
(1)飼 槽 のコーティ ング
② 飼 槽 と通路 の改修
(0 牛 床 と飼槽の仕切 りを高 くします
4 飼 槽 の改善事例 … ………………………………………………………………………………………
0)レ
ジヨンによる飼槽改修
2)仕 切 り板を設置
0)通 路 と飼槽壁を取 り除 いて、平 ら型飼槽に
に)飼 槽 の補修改善による清掃作業 の省力化
91
1.快 適な飼槽で採食量 ア ップ
乳牛が健康で、その持つ能力を発揮するためには、バ ランスのとれた飼料を確実に摂取す ることが必
要です。 いかに優れた飼料設計 を行 い、種 々の飼料を給与 しても、その牛が与 えられた飼料を採食 しな
ければ、目的を達成することはできません。
この 「
飼槽Jの 問題があります。
食 う、食わない」 に直接影響を及ぼしている要因の一つに 「
「
飼槽」は牛の採食姿勢を妨げない構造て、新鮮な飼料がいつでも採食できるように管理することが
重要です。 これは牛の前に飼料 を置 いただけでは不十分です。食べ散らかされた飼料を、時間を見計 らっ
て、牛の口が届 く位置に掃き寄せます。また、飼料の嗜好性を保ち、衛生的な飼糟を維持す るために清
掃 も欠かせません。牛に 「もう一日余分に飼料を食べてもらうJ管 理が大切です。
飼槽 は次のような要件を備えていることが必要です。
① 給 与作業が容易
② 清 掃 (掃き寄せ)作 業がしやすい
③ 給 与 された飼料が食べやすい
④ 水 が流れ込まない
⑤ 異 物 (汚物)力 '容易 に入 らない
⑥ 給 与飼料の ロスが少ない
“)乳
牛 の採 食 姿 勢
牛は放牧のような東縛 のない自由な条件では、歩行 しながら、片方の足を前に出 して、採食 します。
飼槽 に対 して斜め方向か ら首を入れ採食 したり、時には飼槽の上に足を乗せて採食 したりすることがあ
りますが、放牧時の姿勢 の現れ と見ることがで きます。
つなぎ飼 いのス トールでは、左右の前肢を揃えた採食姿勢を強要されることがあ ります。牛がこの採
食姿勢を長時間保つことは、若十のストレスが加わると云われています。
また、牛 はより多く採食 しようとする時、体をできる限り前 に出して届 く範囲 の飼料 を採食 します。
この範囲は、 スタンチョンなどで 面が制限されると、肩が少 ししか前に出せないため、採食量が減少 し
ます。
写■ 1 放 牧地での採食
写真 2 舎 内で首 と舌を伸 ば して採食
放牧草を採食す る時、牛 はます草を舌で巻 き付
け11腔内 に取 り込み、その後、あ ごを前方やや L
へ押 し上 げるような動作を行 い、草を噛み きりま
す。草丈は10∼20cmが 最 も好 まれ ると言われて
います。牛 は、草丈が適切 な草地では地面 に平行
に頭を約60∼80度の角度でゆ っ くりと移動 させ、
前進 しなが ら採食 します。採食す る幅 はおよそ牛
の幅 の 2倍 とな ります。首 の 自由度が要求 されま
す。
また、濃厚飼料など粉状 もしくは粒状の飼料 は、
舌で嘗 めとった り、唇を使 って採食 します。凸凹 し
写 真 3 舌 を使 つて採 食
た飼槽 は細かい飼料 の採食を難 しくしますので、滑 らかな飼槽が求め られ ます。
曖) 乳
牛 の採 食 行 動
24時間放牧 している牛 は日の‖1とともに採食を開始 し、朝 の採食時間は 1∼ 2時 間で終了 し、休息 に
入 ります。放牧地では日中は 2∼ 5回 の採食行動が見 られ ますが、朝 ほど大規模 ではありません。 日没
の前後 に再 び朝の採食 と同 じような大規模 な採食行動 が見 られます。
牛 の食欲 は飼料 の質 (嗜好性)、温度、光、給与方法、給与回数、給与順番な どによ って影響 され ま
す。牛合内で の、乳牛 の採食行動 を観察 してみると、空腹感 だけでな く、採食刺激 (n・
l料給与作業や掃
き寄 せ)が 採食の動機 とな っていることがわか ります。
図 1は 、朝 8時 か ら夜 8時 までの採食 してい る牛の割合を示 した グラフです。給与直後 ほとんどの牛
が採食 し、その後休憩 しますが、1時 間過 ぎか ら、 10∼20%の 牛が採食 していることがわか ります。牛
合 の改善後 は午後 に採食す る牛が多 くな っていることがわか ります。 フリー ス トールなどで 自由 に採食
%
100
`
,、′ 、
「〕
90
80
l
l
改
善後 =
70
60
50
40
30
20
10
0
ヾ
ゞ
ヾ
ゞ。
ド
ゞ゛
ゞ
ゞ̀ゞ゛
ゞ̀ゞぎ
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●
●
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●
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ぎ
。
Jゞ
図 l 採 食行動 (牛舎の改善前後の乳牛行動 12時 間調査 よ り 平 成 10年)
で きるI 与
で、 お よそH ∼ 1 9 1 1 に' 1 ' て 採 食 す るといわれて います。
、1 l l の採食時間 は 3 ∼ ■1 , I り
かあ るよ う
1 1 によ り多 く採食 させ るために ■ 1 1 の 行動 を観 察 し、 いつ 1 , 1 1 の1 の れl くと ころに' , 1 料
,1料
に配慮 した' , 1 料
給 与 と會
管 ' 1 か' ( かせません。特 に、産早L ‖い 多い1 1 や 1 1 の 摂取 ≒t の少 ない初産4 1
な どは、採 食時間 や採 食1 1 数が 多 くな りますので、 要I J l 察
です
13)飼
槽
n・
l 構は、牛 が無理 な姿勢 を と ■r 」くとも、容 易 に牛 の I か0 . :1下
に1 1 くよ うにす ることが大切です。 ま
た、, , 1 料
給 与やI . l き
寄 せ、清掃 な t の 作業 の しやす さ も欠かせ ■い ポイ ン トです。
① 飼 槽の形
にはい ろい ろな形 があ 1 1 す 。 多 くは
111書
り
くはみ 0 で 、深型 や箱 l l 、1 1 ■ 1 もみ られ ま
す。 飼構 の形 を決 め る要体 と t て は、給 与す
る鮮1 料の籠類、分離給 与か │ ヽl R か 、給 与1 1
数 は何1 1 にす るか、 な どが あ , ま す。 また、
1 1 合の面l l ‖
年数 は長 いの で、 1 来 の給 与体系
を 考慮 す ること も必 要 です
3 1 在は平 らl l l の
飼楠 が1 ■ ヽ■` i われ ていま
す。 1 4 ら型 のn ・
l 構は牛が飼│ │ イ事‖じH l すので
嫌 う人 もい ます。 牛 が, ` ポ│ を′
: 場におドしI R せ
るとヽヽうこと1ま
■. l力`
かか りに
、飼 料 に1'FI夜
くくな り、 また、容 易 に押 し│ パt よ
るとい うこ
写真 4 く ぼみ型 の飼槽 の一 例
とです。 飼料 の掃 き寄 せ は乾Iク摂 IIX量を増 やす重 要 なポイ ン トです。
写真 5 平 ら型の飼槽 と手作 りのエサ寄せ
写真 6 箱 型の飼槽、壁が通路 よ り少 し高 い
② 飼 檜の大 きさ (コーテ ィングの幅)
飼槽 の大 きさは、飼料 の1餞n、111の 給 与景、給 与11数、イ
[切り、牛の Iのル│く範囲等 によ って
決 め られ ます。狭す ぎたり広 │き た りする場合、作業 (給与 。清掃)効 率 の低下、飼料摂取 Ltの低
下、施 I:や
維持 (修理)コ ス トのIYl加
、食̀J料ロス、 また、乳 4■1の トラブルな どが生 じます。
飼槽の奥行 きは、 スタ ンデ ●ンの場合、飼槽 の形や仕切 つの高 さによって も違 いますが、80cm以
-89
上が 目安 です。 もちろん、給餌通路 の幅 も考慮 します。機械給餌では、機種 により異 なりますので、
導入前 に確認が必要です。
写真 フ 配 合飼料は飼槽の上
写真 8 サ イ レー ジは通路 まで
③ 飼 槽底面の高 さ
飼槽底面 の高 さは、牛の立 っているところよ り、 5∼ 15cm程 度高 くします。
飼槽 の底面が低 いと、前肢 を開 いて採食す るため、蹄 の内側が磨滅 し、肩 の筋肉が緊張す るので
よ くないといわれています。高す ぎると飼料を前 に押 し出 しやす くな り、採食量や労働 の問題が発
生 します。
なお、育成牛 は年齢 の若 い ものほど体高 に対 して首 の長 さが短いので、飼槽 の底面 はもう少 し高
くします。
④ 飼 槽 の耐久性 と滑 らかさ
牛舎 の中で、飼槽 は もっとも耐久性 の求 め
られる場所 の一 つ です。 飼槽 はpHの 低 いサ
イ レー ジが長時間置かれた り、牛 の舌 て嘗 め
られた りす るため摩耗 します。
また、採食量の確保、掃 き寄せや清掃 を省
力化、病気を制御す るため、飼槽 の表面 は滑
らかであることが必要 です。
平滑で酸 に腐食 せず、 風化 しない素材 で、
仕切 りを含 め十分 な面積を コーテ ィングする
ように します。
写真 9 飼 槽の衰面が光 つています
2.飼 槽 の現状 と問題
“)飼
槽 の老朽 化
飼槽 も長年禾1用す ると、飼槽 の表面が老朽化 して きます。飼槽 の表面 が コンク リー トのみでは 3年 目
ぐらいか ら、表面 がす り減 ってIL凹し、小石 が見えて きた りします。 また、耐久性を増すために施工 し
た タイルや スチール板、 FRPな ども、年数を経過す ると、周辺部 か ら剥がれた り、ひび割れや穴あ き
など飼槽表面 に変化 が見 られます。 コーテ ィングの幅が狭い飼槽では頭著 です。
[問 題 ]
飼槽表面 が凸凹す ることによ り、牛が飼料を きれ いに食べ に くくな り、 その溝や隙間 に飼料や水分
が残 りやす くな ります。清掃によ り、完全 に取 り除 くことは労力を要 します。毎 日、労力や時間をか
けて も清潔 な状態 に保 つ ことは難 しいことです。不衛生 な飼槽 は、牛の採食 に影響を与えます。特 に
夏場 は飼槽内 に残 った飼料が腐1女し、不快臭が発生 し、嗜好性を低下 させ、飼料摂取量が減少 します。
穴 の開 いた飼槽
写真 10 穴
写
真 11 石 の出てきた飼槽
1 2 ) 飼 槽 の形
飼槽 には、 いろいろな形 があ ります。多 くは くばみ型ですが、深型、箱型、平 ら (フラッ ト)型 など
もあ ります。 また、牛床面 と魚1槽底面の高 い低 い も見 られます。
[問 題 ]
① 飼 槽 に壁があ り、角がある飼憎
掃除 して も、角や壁 に飼料 の付着物が見 られ、不衛生 にな りやす い。
壁が通路 よ り高 いと、掃 き寄せ る時に、飼料 を持 ち上げて壁を越 して戻すので、労力が多 く必要
にな ります。
② 平 ら型の飼槽
)で、掃 き寄 せ 。掃除 は じやすいが、掃 き寄せ回数が増 えます。
牛 が飼料を押 し出 しやす い●
③ 飼 槽底面が低 い飼糟
掃除が しづ らい。長 い車を1き 込みやすい。水 が溜 まりやつい。
④ 飼 槽底面が高す ぎる飼梢
飼料を1回に給与で きるJが 少ない。通路 も高 くなるとn・
l料給 与が しに くい。
0)牛
床 と の仕 切 り
牛床 と飼槽 の仕切 りの高 さは10cm以下が30%あ りま した。 11∼20cmは∞%で 、30cm以上が 3%あ りま
した。 (P132参 照)
[問 題 ]
仕切 りが低 い と、飼料が牛床 に引 き込 まれ ると、飼料 は牛床で変敗 した り、 それに伴 う悪臭の独
水分供給 によ り、不衛生な牛舎環境 を作 りま
す。
また、牛が横臥 した時など肢蹄が飼糟 に入
ります。蹄 についている糞尿で飼料 を汚染 さ
せ ることがあ ります。
僣)清
掃 の 不 十 分 な飼 槽
ー
ウォ ターカ ップの水 が こばされた り、パ ル
プなど水分 の多 い飼料 が給与 され た りな どで、
飼槽 に水 がたまっていることがあります。また、
残飼 が角 に残 っていた り、飼料 の こび りつ きが
見 られ る飼槽 もあ ります。
写真 12 飼 槽 との仕切 りに足
[問 題 ]
清掃不十分 により、飼槽 にたま り水 と、有機物が残 ることは細菌が飼槽で増殖す る環境 を整え るこ
とにな ります。 これ らが給与 した飼料 に混 ざると、飼料 の変敗を促 した り、異 臭 によ り採食量を減 ら
した りします。
15)掃
き 寄 せ が少 な い
通路にはエサがあるのに、牛の日の届 くところにエサが無 い飼槽を見かけることがあります。一部 の
牛 (高泌乳時など)の 前 だけが空になっていることもあります。
[問 題 〕
飼料 の摂取量は日によって変わります。 サイ レー ジの水分や品質 によって も大きく変化 します。
(図 2)食 べ たい時 に、飼料 に口
15∞
14"
(一気食 い)を 引 き起 こ します 。
13∞
牛が急 いで飼料 を食べ ると、唾液
の分泌が少な くな った り、 ルーメ
ン内 の発酵 が偏 り、消化効率が悪
くなるばか りでな く、 アン ドー シ
スの傾向を助長す ることがあ りま
乾 物 優 取 二 会 り /日 / 菫 ︶
が届 か ない。 空腹 はか た め食 い
,2∞
1(OO
1000
900
,OO
700
す。飼料 の掃 き寄せは我が家の ト
6∞
ップの牛に対す る思 いや りです。
5∞
3 7 " ` 1 “ 4 6 4 7 ●` 1 " “ 9 ● 6 1 “ 6 “ 園 7 1 ■ ぉ ″ 鴻 3 1 “ “ 8 7 鰺 , , 9 3 %
掃 き寄せの回数 が少 ないと、牛 は
能力を発揮で きません。
分壼螢曰菫
図 2 分 娩後 の乾物摂取量の推移
(ホクレン 研 修会資料 よ り 97年 )
-92-
3.飼 槽 の改善方法
( 1 ) 飼 槽 の コー テ ィ ング
老朽化 によ り穴 があいた り摩耗かひどい飼槽 は、労働効率、乾物摂取量 の低下を招 き、生乳生産性 の
低下 に大 きな影響を与えます。
また、衛生的 に も凸凹 した飼槽では清掃 しに くくな り、 こび りついた飼料 が腐敗 し伝染病 の原因 とな
ります。
ラ
これ らの対策 として、既存 の飼構表面 を樹1旨(レ ジンコンク リー ト 以 下 レジヨン)や FRP(ガ
ス繊維)で コーテ ィングす ることによ り、毎 日の飼槽管理作業 の省力化や採食量 の増加、衛生改善 によ
る疾病予防が図れます。
写真 13 モ ルタルの表面が摩耗 し残飼が腐敗
している飼槽
写真 14 FRPが
労働効率低下
採食量低下
疾病 の発生
飼槽 の改善
写真 15 レ ジヨンで整備 した飼槽
-93-
剥げて しまつた飼槽
根室管内で最近行われている飼槽施工 (補修、 コーテ ィング)の 概要 について は、表 1(次 のページ)
の とお りです。
口)飼
槽 と通 路 の 改 修
飼槽が痛 んで きた り、作業性が悪 いとき、通路 も含めた大規模 な改修を行 います。
飼糟 と通路 の壁 を取 り除 いた り、通路が高過 ぎるのを低 くしたり、飼槽底面 の高 さを低 くしたり、飼
槽 の角をな くした りします。
既存 の コンク リー トなどを壊 し、施工 しますが、毎 日使 う所 なので、事前 に作業 日数 を確認 し、 コン
ク リー トの乾 くまではコンパ ネ等を利用 して行 います。
飼槽幅 は80cl以上 (掃き寄せ部分 も含めると120cI)が 必要ですが、 コーテ ィ ング した通 路 は滑 りや
す いので、通路 の幅 も考慮 します。
また、飼槽に水 が流れ込 まないように、飼槽や通路に勾配を付 けることもあ ります。
図 3 通 路が高 い例
図 4 通 路部分に コンク リー トを流 し、飼槽
部分 は コーテ ィング します。
13)牛 床 と飼 槽 の 仕 切 りを 高 く しま す
牛床と飼槽の仕切 りが低 い場合、飼料が牛床に入ったり、牛が飼槽 に足を出 したりするため、不衛生
になります。
仕切りに板などを取り付け、飼槽との仕切の高 さを改善 します。
また、飼槽 との仕切りが高すぎると、横臥姿勢が窮屈 にな り、後ろに下がって寝たり、斜 めに寝たり
しますので、牛の快適性が損なわれます。
-94-
表 1
根室管 内で行われて いる飼槽施工状況一 覧
「
3
・速硬化ltで あ り、施 「か輛 ●
・優れ た接着性 を もつ
衛生 的で、す べ りが 良 く 青 掃 が
詢単
・厚 みがあ つ自由 な形 に施 「 JIヒ
・首色tt上げが可能
・万― の場合 の補修 が ・
」能
レ ジ コ
ン
4
5
6
b
乾
仕
a
rl:11{ア
燿
Lげ Ⅲ処F●くトフア●― 卜塗布〉
/・
l回 い ンプ樹1卜
4i
b 2い 11ト ップ樹11ネ●
点 検
硬化不良、浮 きの確認
︱ ︱︲
・耐酸性、計摩耗性 は抜辟
・物理 的強度 に優れ、経済′j
ll用性強化処理
中円,無理 (レジコン゛布)
a"1'り 柚修
2 0 頭/ 1 1 ( 6 時
││・
)
作業員 1 人 r l 度
L﹄
の
I
既イ
′│・
槽の清掃、処月ヽ 生 き入れ乾燥
プライマー (Ill脂
)'装 による接着性
樹Л
Hに特殊骨材、模化剤
◎熱硬化ll・
を加えたものを飼槽べ塗布 したも
施 ■ i l11 11
││
7 3tF.1/111・ 20C
施 工後20∼30分で使用 可能
耐用年数 おおよそ10年以 :
・飼槽整備 て は現在主 流で ',る
3∼ 4時 間r.度
0熱 硬化性樹鳴を飼槽の 1に,1着さ
せ たガラス機推 へ塗布 し'tも の
│・槽 に合わせた形 に しかlt iかて
きない
ポ リコンよ り多少丈人
・補修 はガ ラス繊維が 一1/物 のため
1 既 存IJ楠 の清掃、処 'I 焼 き入れ乾燥
2
3
4
5
6
7
樹 1"の ド塗 り
鋼 楠 の人川め
ガ ラス紋維を貯 り、 エアー抜 き
樹 Л
"に よる中塗 り処川
1「 「げ て│ッ プコー 1処 理)
点 検
5∼ 6時 lHH程度
部分補修 はで きない
・長期間で渕離す る可能性が 大 きい
施 I後 20∼30分で使月よ。∫能
耐用年数 おお よそ 5∼ 1年
・■久ILの点 か ら,在 上流 てはない
◎熱硬化性樹[Eと増粘神をませ合わ
せた材料を飼情べ塗4,したもの
既存,,補 の清掃、処11 焼 き入れ乾爆
樹1"下塗 り
樹1"中塗 り
ポ リ コ ン
( ホリエステル
コンタリー ト)
・安価
│・
l 槽の形状がそのまま │る
・部分補修 が ・
J能
施工後20∼30分で使月可tt
耐用年数 おおよそ b年
イtLげ
点検
(ト ップ ロー ト,ll理
6時 間程度
1自力饉工可否
補修 i」否
,J
`J
施I及 び コ ス トの留意点
8 0Xl「
1/r
*飼 槽 の摩耗状態 で単価 は変わ る
ク レー ム、 ア フター サ ー ビスは 6年
m85∞ 円/イ
新設 厚 10■
m lo∞ 0円 ∼110001/イ
捕修 厚 10■
間対応
*施 工時気温は10℃以 :
気温差 により乾燥 時│・
│ の及短あり
新設飼槽は コンク リー ト打 ち後 2週 間施 I不 可
r,ヵ施T
1981X円 (00セ)
厚 さ 4 皿 ×3 ∼ 4 頭
│・
l檜 レジ ン (名称)
240001口 /1を
(net24kg)
1缶 約 4∼ 5頭 分
(l頭 135輛 ×6ru∞x4m)
新設
厚
5 mm
厚 6 mm
│*自 力施工 のみ
施I l l t の
飼槽表面水分は先今除去
施I 時 気温 は5 ℃ 以 L
気温差による硬化剤調整必要
施■は午前中に実施
l1 00oll/イ
12 800円 ア イ
厚 10m■ 19500円
/イ
既存
摩耗 ランクA(15Ⅷ 未満)14 HЮ 円/1f
摩耗 ラ ンクB(15∼ 30m)162∞ 「1/げ
摩屁 ランクC(30∼ 40m)17 Ⅸ ЮP,/“
夜間施工は20%割 り増 し
,既 存飼惜は施工面積により●
lうrtし単価 となる
10∼20H標 記単価の約 5∼ 6%“
20お以上 標.1単価の約10∼12%増
施工前、清掃けの水洗 い厳禁
新設施工
* 施 工時の飼槽表面 水分 は完全 除 去
学 7呵
6∞ 0円/1頭
●20cm×∞cm)
標準色 は黄緑色
飼精 の凸凹 は穴埋 めす る
●20cn×mcm)
飼精 の摩耗度 によ り単 価 は変わ る
既存施工
厚 7∼ 10mm 7000円 /1頭
新設 1 層
2層
補修 1着
2層
不 `
■平均40皿以上摩耗 は別途見積
1件 の工事依頼 の最低料金は1“)0∞円とする
タイル ス テンレスキ撤去 L中は8“F1/nlとする
エポ■シ樹脂撤去工事は別途見Fn
4 5 0 0 円/ ♂
6500円 /ピ
6500円 /H
70∞ 円/イ
*施 工時の飼槽表面水分 は完企除 ム
新よ、既存+今 工事可能
厚 3∼ 4皿 6000「 1/nl
*施 工時の飼槽表面水分 は完全除去
新設、既存牛合工事可能
'ヴ 3∼ 4硼 45∞ ∼5000'1/trl
*施 T時 の飼槽表面水分 は先●際去
飼槽 の摩耗度 によ り単価 は変わ る
4.飼 槽の改善事例
(1)レ ジ ヨ ンに よる飼槽改修 ― 平成 9年度西春別地区の取り組みから一
① 施 工 様 式
ア、 ベー ス (既存)飼 槽 の確認、処理
a、 既存飼槽が FRP、
タイル、 ステ ンレス等 の
時 はパ ールや削岩機 で撤 去す る。
b、 モル タル等 下地 は、表面 の腐敗物、腐食 によ
る崩壊部 をバ ー ルや削岩機 で撤去 す る。
C、 高圧洗浄機 にて洗浄 す る ,
d、 プ ロバ ンバ ー ナーで乾燥 させ る。
イ、 プ ライマ ー塗装
a 、 ロー ラー にて プ ライマ ーを塗装 す る ことによ
り、樹脂 の接 着性 と耐川 γ
L を強化 す る。
写真 16 既 存飼槽表面 の処理 (撤去)
ウ、 中間仕上 げ処理
レジヨンの施工
a、 糧塗 り補修
b、 仕上 げ
★ ライニ ング厚 は 5∼ 10mmが最適
硬化剤 は気温 で濃度 を調節する。
工、乾燥、角取 り
a、 レジコン施 工後 、約 11サ問乾燥。
b、 乾燥後、 サ ン ドペ ーパ ー等 で角取 りをす る。
オ、仕上 げ剤処理
トップ コー ト塗布 (2● H「 1[げ)
写真 17 レ ジヨ ンの施エ
a、 1回 目
トップ樹脂 +硬 化剤 を ロー ラで塗 布す る。
b、 2回 目
トップ樹脂硬化後、着色 ト ンプ樹 1旨 (グ レイ)
+硬 化剤 を ロー ラーで塗4,する。
力、点 検
a、 硬化不良 、浮 きの有無 の確認 をす る。
b、 ピンホー ル、コテ ヒビな どの仕上状態 をほ
☆施工後約30分で飼料給与が可能。
写真 18 ト ップ コー ト塗布
② コ スト
表 1の とお り自力施工か業者施工か、新設か補修か、既存飼槽の摩耗度や施工厚 などによ り施工単
価 は変わ って きます。
西春別地区での取組み (飼槽改修)で のおおよその施工単価 は次 のとお りです。
∼ 8, 400円 /ピ
施工単価 の幅 7, 900円
平均単価
8. 200円
/r
③ 改 善農場の感想 ― 平成 9年 度北海道農業元気 づ くり事業 ア ンケー ト調査か ら―
西春別地区では平成 9年 度北海道農業元気 づ くり事業 において 」A西 春別 が事業主体 とな り48戸の
農場 が飼槽整備 に取 り組 みま した。
飼槽を改修 した農場 での取 り組 み動機、施行後 の改善効果 は次 のとお りで した。
☆調査 の概要
調査時期 平 成 10年 1月 ∼ 2月
調査戸数 JA西
春別 酪 農場 48戸
回収戸数 40戸
〈 回収率833%)
a 飼 槽整備 に取 り組んだ動機 について (複数回答)
取 り組み動機 は、「飼槽 の破損」 力'最
も多 く、31戸。次 いで 「
飼槽管理 の省力
採食二 向上
化J「衛生面 の改善Jで あ り、 既存飼槽
の老朽化 による破損 のみな らず、労働面
その他
0996
46%
伝染病予防
や衛生面 での改善を期待 していることが
わか ります。
国 5 飼 槽整備 にとり組んだ動機
b 飼 槽整備前 の仕様 について
モルタル1 ●ステンレス
「モル タルJが 22戸と全体の50%以 上
を占めま した。 また、「F RPJ「 タイル」
の順 で何 らかの コーテ ィングを して いま
したが、「レジヨ ン」 仕様 はわずか 2戸
レジヨン
49%
タイル
24%
コンクリー ト
24%
49%
て した。
図 6 飼 槽整備 の仕様
C 飼 槽 の状況 について
その値
70%
「モル タル表面露 出Jが 16戸 と最 も多 く、
次 いで 「穴 あ き ・はがれ」 「欠 │」│の 順 で あ
り、 コーテ ィング していない、 またはコーテ ィ
ングは して いて も老朽化 が進 ん でい る状lJLが
わか ります。
モルタル表 □8出
231%
"れ
140・・
欠損
158%
穴あき はがれ
263%
図 7 飼 槽 の状況 につ いて
d 飼 槽整備後 の状況 につ いて
「飼槽管 理 時F H 3 の
短縮化 │ 「r i 掃の省力化」 「
衛生状態J「 エサの食 い込 みJ 等 に全 体 の 約 5 0 ∼7 0
籠
螂
% の 農場 が高 く評価 して います.
効果がやや高い
具体的な改善効果
具体的な改善効果
・飼■ の乾爆化
・■│●
lの掃除III楽 ・ ひ っかか りが無 くな った
●タイルの 日地 や大い ま■
・ほうきで はけ る ・ 食 べ残 しが無 くな った
図 8 飼 槽管理 時間 の短縮
図 9 清 掃の省力化
図 10 衛 生状態 の改善
図 11 採 食量 の増加
施工 してみての感想 につ いて
全体 の975%が 施 「して 1大 変 よか った J
と大 きな評価 を して いる ことがわか ります。
図 12 施 工 してみて の感想
口)仕 切 り板 を設 置 (別海町 1牧 場 )
① 改 善の動機
牛床と飼槽の仕切り部が低いため、飼槽に足を出して寝て、起き上がるときに苦労する牛がいた。
また、サイレージが牛床に入 ってしまうこともあった。
② 改 善方法
牛床 と飼槽 との仕切 りの上 に板を金具 (溶接)と Uボ ル トで固定 し、仕切 りを高 くした。
[材料] 板
は
幅 180mm× 厚 さ45mm× 長 さ3600mmで 、 3頭 に 1枚 用意
金具 は 端 部 が コの字型、板 と板 の間 は工の字型 を利用 し、鉄 の柱 に溶接 して固定 した。
ル
¥商運 ト
∩ト
板
牛 床
4ゝ
を
│%IЮ
を清臓
図 13 仕 切 り板の設置事例
③
改善費用 (30頭 分)
板 は 1枚 で 3頭 分
Uボ ル トは 1枚 当た り4本
2,000円X10枚
1枚
1本
=20000円
170円×4本 ×10枚 -6,81Xl円
金具、工賃 は他の工事 も同時に行 ったので、 お おむね 30,000円
合計
1頭 当た り
④
改善効果
ア 飼 槽 に足 を出す牛が いな くな った。
イ 濃 厚飼料 やサイ レー ジが牛床 に入 らな くな った。
ウ 飼 料 の ロスが少 な くな った。
56,800円
1,890円
1 3 ) 通 路 と飼 槽 壁 を 取 り除 い て 、 平 ら型 飼 槽 に ( 別海 町 S 牧 場 )
① 改 善 の動機
増築 により、通路 に高 さの違 いが あ り、飼料給与 に苦労 して いた。
牛舎改造 に取 り組 むに当た り、将来、給餌機 の導入を考 えていたので、飼槽 と通路 を平 らにす るこ
とに した。
② 改 善方法
ア 飼 槽 の壁部分を残 し、通路 を壊 して、土 の見 えるところまで掘 った。
イ 通 路を飼情口 にあわせて、 コンク リー トを流 し込んだ。
ウ 通 路 は乾 くまで コンパ ネを敷 いて、飼料給与を行 った。
工 壁 部分 を取 り除 いた。
オ 飼 糟幅 を拡 げて、 コーテ ィングを行 った。
写真 19 コ ンク リー トを切断 し撤去
③ 改 善費用 (“ 頭分)
ア コ ンタ リー トの撤去及 び場l村
運搬
イ コ ンク リー ト切断
写真20 完 成
150,000円
103,000円
ウ 地 盤整地 転 圧
45,000円
工 生 コン
161.500円
オ 生 コン打設、金 コテ仕上げ
35,000円
力 消 耗品、諸経費
70.500円
キ レ ジコン飼槽工事
453,180円
消 費
合
50,909円
税
計
1,069,089円
1 頭 当た り
④
改善効果
ア 飼 料を運 ぶ時の力が軽減 された。
イ 飼 料給与 にかか る時間が短 くな った。
ウ 掃 除 にかか る時間 が短 くな った。
工 飼 槽が乾 きやす くな り、衛生的にな った。
19,091円
14)飼 槽 の 補 修 改善 に よ る 清掃 作 業 の 省 力化
レジンコンクリー トなどで飼槽表面を平 らで滑らかにすると、採食量の増加、清掃作業の
単純化、衛
生保持のしやすさなど改善されます。
コンクリー ト飼槽 とレジンコンクリー ト飼槽 との清掃作業の違 いを比 してみました
較
。
飼糟 の状況
写真21 コ ンク リー ト飼槽 (くはみ型)
(飼槽幅60cm、 スタンチ ョン、対頭式 )
・表面 に亀裂、凸凹 があ リエサが こび りつ き
写真22 レ ジンコンク リ… 卜飼槽 (平ら型)
(飼槽爾 Ocm、ニューヨークタイストール、対頭式)
・表面 が滑 らかで乾燥 している。
異臭有 り。
② 清 掃作業の姿勢
写真23 コ ンク リー ト飼槽 (くぼみ型)
・中腰 の姿勢で腰、肩、腕 に大 きな力が必要
である。
・飼槽表面 を十分に きれ いにで きな い。
写真24 レ ジンコンク リー ト飼槽 (平ら型)
。中腰 の姿勢 で小 さな力で楽 に作業 がで きる。
・単純 な作業 と して簡単 に婦除で きる。
③ 作 業時間の比較
蘇 >ヽ、
コ ン ク リ ー ト
レ ジ ンコ ン ク リー ト
た
た
(2
り 噸当
り 1日
噸当
│
│
「1秒
1
8分
間
170時間
14分
1 17秒
1年
28分
1
16分
97時間
│
除 く。
、集 めた残飼 を片づける時F.lを
作業時間 は飼槽を掃除す るだけの時ralで
1098年 南 根室普及 セ ンター調べ
④ 作 業効率、疲労度 の比較
コンク リー ト飼槽 (くはみ型)
・表面 が凸凹なため、残餌 の回収が スムーズにで きない。
・竹 ボーキでの掃 き集 めは、力 とコツがいる。
・濡れて こび り付 いたエサは掃除 しづ らい。
・時間 のかか るわ りには、 きれ いにな っていない。
レジンコンク リー ト飼槽 (平ら型)
。残飼 をスノープ ッシャーなどで 一
気 に押 し集 め られ る。
・少 ない力で作業 が単純 で簡単,
・掃除 した後が きれいて衛生的。
作業効率良 くない
疲労度高 い
作業効率良 い
疲労度低 い
⑤ 作 業者 の声
コンク リー ト飼槽 (くはみ型)
。大 きな力が必要 なので主 に男性が担当す る。
・作業中汗 がでる。
・竹 ホーキで掃 きなが ら牛の観察がで きる。
レジンコンク リー ト飼槽 (平ら型)
・残飼 が少 な くな った。
・一気 にきれいに掃除がで きて気持 ちが良 く、働 きやす くなった。
・もう少 しレジヨ ン幅を広 くすれば良か った。 (あと10cm)
・飼槽 が濡 れていると滑 りやす いので注意が必要。
③
まとめ
・飼槽 を レジンコンク リー トなどで平滑 にすることによ り、楽な姿勢、軽 い労力、単純作業、短
時間で飼槽 の清掃 目的を 「分達成す ることがで きます。
・施設を改善す ることによ って、誰で も簡単に快適 に効率的に作業がで きるので労働改善に結 び
つ きます。