道東自動車道(白糠IC~阿寒IC)の利用交通状況

平成28年6月14日
道東自動車道(白糠IC~阿寒IC)の利用交通状況
~輸送効率化、十勝圏と釧路圏の交流促進~
道東自動車道(白糠 IC~阿寒 IC)と釧路外環状道路(釧路西 IC~釧路東 IC)が平成 28 年 3 月 12
日に開通して3ヶ月が経過しました。この期間の利用交通状況、及び効果事例についてお知らせ
します。
①利用交通状況
(1)道東自動車道・釧路外環状道路の交通量(GW期間中)
・道東自動車道「白糠 IC~阿寒 IC」 約 9,900 台/日
(参考)5 月平均約 4,500 台/日
・釧路外環状道路「釧路西 IC~釧路東 IC」 約 12,000 台/日
(参考)5 月平均約 11,000 台/日
道東自動車道の開通延伸に伴い既開通区間の利用交通量が増加しています。
(2)釧路市内の混雑緩和
釧路外環状道路へ、並行道路から約2割の交通量が転換し、釧路市内の混雑が緩和して
います。
②効果事例
【事例1】北海道最大の肉用牛生産地への飼料輸送効率化
釧路港から士幌町の飼料工場までの輸送時間が短縮され、1日当たり2往復の運行が可
能となるなど、物流の効率化に寄与しています。
【事例2】輸送時間短縮により、水産品取扱量が増加
厚岸町から釧路市への輸送時間短縮により、厚岸町での集荷時間が増加し、事業者の水
産品取扱量が増加しました。
【事例3】沿線施設の観光入込数が増加
十勝圏・釧路圏の観光地におけるゴールデンウィーク期間の入込数が増加しており、十
勝圏と釧路圏との交流促進に寄与しています。
【問合せ先】 国土交通省 北海道開発局
釧路開発建設部 道路計画課 道路計画課長
釧路開発建設部 道路計画課 道路調査官
帯広開発建設部 道路計画課 道路計画課長
帯広開発建設部 道路計画課 道路調査官
ふくはら
福原
よ ね や
米谷
うりゅう
ひでゆき
英之
まなぶ
学
かずゆき
瓜生
和幸
な が い
ともゆき
永井
智之
0154-24-7268(内線:3351)
0154-24-7268(内線:3402)
0155-24-4106(内線:351)
0155-24-4106(内線:502)
道東自動車道・釧路外環状道路の利用交通状況
○GW期間中は平均でそれぞれ、道東自動車道が9,900台/日、釧路外環状道路
が12,000台/日が利用されています。
○道東自動車道では、過年度に開通した区間の交通量も増加しています。
○釧路外環状道路へ、並行道路から約2割の交通量が転換しています。
◎道東自動車道・釧路外環状道路の交通量
道東自動車道
千歳恵庭~本別L=193.0km
道東自動車道
本別~釧路L=65.0km
釧路外環状道路
L=16.8km
H28.3.12開通
白糠IC~阿寒IC
L=14.0km
平均交通量
9,900台/日
釧路市
札幌市
IC
IC
釧路中央
IC
釧路西
IC
池田IC
庶路
音更帯広IC
IC
平均交通量
12,000台/日
阿寒
芽室IC
IC
むかわ穂別IC
IC
帯広JCT
白糠
IC
浦幌
千歳東IC
夕張IC
トマム
占冠IC
本別JCT
本別
十勝清水
帯広市
追分町IC
H28.3.12開通
釧路西IC~釧路東IC
L=9.9km
釧路別保IC
釧路東IC
IC
▼GW期間中の道東自動車道の交通量推移
単位:台/日
本別IC~浦幌IC
(H21.11開通)
10,700 4,500
1,400
12,000 15,100 14,800 4,800
1,600
13,300 17,800 17,500 8,900
6,400
9,400
道東道直結
夕張IC~占冠IC
(H23.10開通)
釧路圏到達
浦幌IC~白糠IC
(H27.3.29開通)
※1 千歳恵庭JCT~本別IC交通量は東日本高速道路㈱提供
※2 本別IC~阿寒IC交通量は釧路開発建設部調べによる
※3 GW平均交通量は
(1段目) H22.5.1~5.5の祝・休日平均、
(2段目) H24.5.3~5.6の祝・休日平均、
(3段目) H27.5.2~5.6の祝・休日平均、
(4段目) H28.5.3~5.5の祝・休日平均にて算出
今回の開通区間
(白糠IC~阿寒IC)
9,900台/日
6,800
釧路市到達
白糠IC~阿寒IC
(H28.3.12開通) 14,000 18,500 18,200 11,000 9,800 10,300 10,100
千
夕
占
池
本
浦
白
庶 9,700 阿
歳
張
冠
田
別
幌
糠
路
寒
恵
IC
IC
IC
IC
IC
IC
IC
IC
庭
JCT
◎釧路市内の混雑緩和
▼道道釧路環状線の交通状況
▼市街部の交通量が釧路外環状道路へ転換
釧路外環状道路
平均交通量 9,659台/12h
釧路西IC
(台/12h)
60,000
50,000
40,000
A-A‘断面
50,450
6,850
12,585
30,000
20,000
10,000
釧路中央IC
釧路外環状道路へ転換
50,971
6,671
釧路東IC
市街部の交通量減少
並行現道から約2割が
釧路外環状道路へ転換
23,049
A‘
0
開通前
H27.5.3撮影(開通前)
9,659
11,592
31,015
A
開通後
釧路環状線
国道38号
釧路鶴居弟子屈線
釧路外環状道路
:交通量観測箇所
※1 交通量は釧路開発建設部調べによる
※2 開通前:H27.5.3
開通後:H28.5.3 の12時間交通量
H28.5.3撮影(開通後)
-1-
(参考)道東道開通延伸に伴う利用交通状況の変化
○開通済み区間においては、延伸に伴い、利用交通量が増加しているとともに、
高規格道路分担率(合計交通量に占める道東道の比率)も増加しています。
道東自動車道
千歳恵庭~本別L=193.0km
道東自動車道
本別~釧路L=65.0km
釧路外環状道路
L=16.8km
H27.3.29開通 H28.3.12開通
浦幌IC~白糠IC 白糠IC~阿寒IC
L=26.0km
L=14.0km
札幌市
帯広市
A
釧路市
IC
IC
B‘
IC
釧路中央
IC
池田IC
釧路西
むかわ穂別IC
音更帯広IC
庶路
芽室IC
IC
IC
阿寒
夕張IC
追分町IC
IC
帯広JCT
平均交通量
11,000台/日
B
白糠
千歳東IC
千歳恵庭JCT
IC
平均交通量
4,500台/日
浦幌
トマム
占冠IC
本別JCT
本別
十勝清水
開通済区間
新規開通区間
(H28.3.12開通)
H28.3.12開通
釧路西IC~釧路東IC
L=9.9km
釧路別保IC
釧路東IC
IC
A‘
▼道東自動車道の交通量推移
本別IC~浦幌IC
(H21.11開通)
4,000
単位:台/日
4,200
1,900
500
※1 千歳恵庭JCT~本別IC交通量は東日本高速道路㈱提供
※2 本別IC~阿寒IC交通量は釧路開発建設部調べによる
※3 平均交通量は
(1段目) H22.5 1ヶ月の平均、
(2段目) H24.5 1ヶ月の平均、
(3段目) H27.5 1ヶ月の平均、
(4段目) H28.5 1ヶ月の平均にて算出
道東道直結
夕張IC~占冠IC
(H23.10開通)
5,300
6,300
6,200
2,200
600
6,200
8,100
7,800
3,900
2,600
釧路圏到達
浦幌IC~白糠IC
(H27.3.29開通)
今回の開通区間
(白糠IC~阿寒IC)
2,800
4,500台/日
釧路市到達
白糠IC~阿寒IC
(H28.3.12開通)
千
歳
恵
庭
JCT
6,200
夕
張
IC
8,200
占
冠
IC
7,800
池
田
IC
4,800
本
別
IC
4,300
浦
幌
IC
4,500
白
糠
IC
4,600
庶
路
IC
4,500
阿
寒
IC
▼交通状況・分担率
A-A‘断面(浦幌IC~白糠IC)
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
B-B‘断面(白糠IC~阿寒IC)
(台/日)
12,000
浦幌IC~白糠IC開通前
0
5,000
10,000
15,000
浦幌IC~白糠IC開通前
(H22.5)
(H26.5)
29%
浦幌IC~白糠IC開通
浦幌IC~白糠IC開通
(H27.5)
(H27.5)
44%
白糠IC~阿寒IC開通
27%
白糠IC~阿寒IC開通
(H28.5)
(H28.5)
道東道
国道38号
国道274号
分担率
道東道
-2-
国道38号
分担率
(台/日)
20,000
【事例1】北海道最大の肉用牛生産地への
飼料輸送効率化
○肉用牛の生産において、北海道は国内最大の生産地であり、なかでも士幌町は
北海道内第1位の生産地域です。肉用牛の飼料となる原材料のトウモロコシ等は、
釧路港から士幌町の飼料製造工場へ輸送されています。
○白糠IC~阿寒ICの開通により、釧路港から工場への輸送時間が短縮され、1日
当たり2往復の運行が可能となり、更に燃料消費量が約1割削減となるなど、
物流の効率化に寄与しています。
輸送効率化・輸送コスト削減
H28.3.12開通
白糠IC~阿寒IC
士幌町の肉用牛
生産農家等に販売
(士幌町等への販売約8割)
開通前ルート
開通後ルート
L=14.0km
足寄IC
※開通前:浦幌IC~阿寒IC開通前
士幌町
士幌町-釧路港間
開通前:167分
平成28年2月24日
全国初の特定貨物輸入拠点
港湾(穀物)に指定
豊頃町
資料:H22道路交通センサス
▼肉用牛の飼育頭数の全国シェア
▼燃料消費量削減状況
100%
士幌町
2.6%
90%
北海道
21.7%
H27
肉用牛
全国飼育頭数
2,294,725頭
80%
70%
都道府県別シェア
:北海道 1位
道内シェア
:士幌町 1位
都府県
78.3%
50%
※2往復の場合の試算値
(士幌町~釧路港間)
108分
2往復目
士幌町へ帰社
108分
釧路港
1往復目
休憩
108分
2往復目
士幌町
108分
釧路港
士幌町出発
1往復目
167分
士幌町へ帰社
167分
92%
開通前
H25.5
※開通前を
100%とする
開通後
H28.5
白糠IC~阿寒IC通行
(H28.3.12開通)
資料:物流事業者ヒアリング結果
開通前:H25.5、開通後:H28.5
釧路港
休憩
167分
士幌町
釧路港
士幌町出発
( 国道 号利用時) (道東道利用時)
開通後
開通前
トラックドライバーの労務規定時間:13時間
167分
約1割減
100%
60%
▼飼料(トウモロコシ等)の輸送スケジュール
38
釧路町
IC
釧路港
幕別町
帯広市
IC
釧路東
池田町
IC
IC
釧路市
浦幌町
開通を機に道東道利用に
大幅ルート変更!
輸送時間短縮!
燃料消費量削減!
池田IC
IC
釧路市
白糠町
音更町
IC
阿寒
JCT IC
庶路
白糠
IC
釧路西
浦幌
本別
本別
ホクレンくみあい飼料
十勝工場(士幌町)
釧路中央
士幌町-釧路港間
開通後:108分
本別町
トラックドライバー
の労働規定時間
(13時間)以内で
2往復が可能に!
資料:H22道路交通センサス、物流事業者ヒアリング結果から作成
※労働時間は「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(H26.8厚生労働省労働基準局)に準ずる。
※積み・降ろし・休憩時間は、各1時間とした場合
-3-
声 【物流事業者の声】
・国道38号利用時に比べ、阿寒IC開通により
燃料消費量が約1割削減されました。
・さらには、トラックドライバーの労務規定時
間(13時間)以内で2往復が可能になったこ
とで、繁忙期や将来の人員不足時にも、限ら
れた人員で様々な運行体制(2往復運行日の
増加等)が実施可能になりました。
【事例2】輸送時間短縮により水産品取扱量が増加
○厚岸町の水産品は、北海道内での輸送及び航空貨物輸送により北海道外へ出荷
されています。
○釧路外環状道路の開通により、釧路市への輸送時間が短縮され、釧路市との間
の輸送便において、厚岸町での集荷時間が拡大しました。また、根室市から釧
路市への輸送便において、これまで立ち寄りができなかった厚岸町で集荷する
ことが可能となり、水産品取扱量が増加しました。
水産品の輸送効率化
釧路外環状道路の開通により
片道約30分短縮
【根室便】
⇒厚岸町への立ち寄りが可能
となり取扱量が増加!
H28.3.12開通
釧路外環状道路
釧路西IC~釧路東IC
根室便
根室市
L=9.9km
標茶町
釧路市
IC
IC
浜中町
厚岸町
釧路東
釧路西
釧路中央
鶴居村
厚岸町
IC
釧路町
【集荷施設】
釧路市
【厚岸便】
厚岸町での集荷時間増加
⇒取扱量増加!
厚岸便
▼水産品の航空貨物輸送スケジュールの変化
【根室便】
8:00
開通済区間
新規開通区間
(H28.3.12開通)
約1割増加
90%
1時間15分
70%
60%
50%
11:00
30分
短縮
1時間15分
開通前
※開通前を
100%とする
12:00
開通後
釧路東IC~
釧路西IC通行
(H28.3.12開通)
資料:航空貨物利用運送事業者ヒアリング結果
声
【航空貨物利用運送事業者】
・釧路外環状道路の開通により、根室から釧路へ向
かう便で、今まで集荷ができなかった厚岸町で、
集荷できるようになりました。
・また、釧路から厚岸へ集荷に行く便では、厚岸町
での集荷時間が30分拡大し、より多くの荷物を集
荷できるようになりました。
・これらにより、厚岸町の取扱量が全体で約1割増加
しました。
釧路市到着
1時間30分
釧路市
80%
1時間45分
厚岸町で集荷
釧路市出発
開通後
号利用時(
)釧路外環利用時)
30分
短縮
帯広市
100%
釧路市到着
・
2時間
札幌市
【厚岸便】
開通前ルート
開通後ルート
110%
釧路市到着
10:00
厚岸町で集荷
開通前
44
9:00
【根室便】
開通前ルート
開通後ルート
▼物流事業者の厚岸町の取扱量
12:00
厚岸町で集荷可能に
8:00
釧路市出発
( 国道
38
厚岸町で集荷
1時間30分
【厚岸便】
7:00
11:00
3時間15分
根室市で集荷
根室市出発
開通後
号利用時)
(釧路外環利用時)
44
10:00
釧路市到着
・
38
9:00
根室市で集荷
開通前
根室市出発
( 国道
7:00
根室市
集荷時間が30分増加
資料:航空貨物利用運送事業者ヒアリング結果から作成
-4-
【事例3】沿線施設の観光入込数が増加
○十勝圏・釧路圏の観光地のゴールデンウィーク期間の入込数は、前年同時期比
で増加しています。
○特に、道の駅「阿寒丹頂の里」では前年度に比べ、GW期間中の入込数が40%
増加、売上高が2.5倍に増加しています。
○十勝圏と釧路圏との連携により、更なる広域観光の活性化が期待されます。
道東自動車道・釧路外環状道路沿線の観光活性化
▼道東道・釧路外環状道路周辺の
GW期間中の入込客状況(人)
道の駅ステラ☆本別
(人)
湿原展望台
道の駅阿寒丹頂の里
9.4%増
18,000
資料:各自治体、各施設管理者 H27、H28の4.29~5.5の延べ人数
あっけし桜・牡蠣まつりは、H27.5.16~24、H28.5.14~22の延べ人数
(人)
(人)
6,000
2,600
40.4%増
16,000
2,200
1,000
14,000
H27
H27
H28
H27
H28
足寄IC
H28.3.12開通
釧路東IC~釧路西IC
庶路
白糠
IC
阿寒
浦幌
本別
本別
池田
芽室
帯広
音更帯広
IC
IC
JCT IC
H28
釧
路
西
IC
釧路中央IC
IC
IC
IC JCT
IC
3.6%増
2,400
釧路東IC
H28.3.12開通
白糠IC~阿寒IC
芽室帯広IC
あっけし桜・牡蠣まつり※
(人)
25%増
40,000
帯広川西IC
20,000
0
幸福IC
※H27.5.16~24、H28.5.14~22開催
柳月スイートピアガーデン
池田ワイン城 (人)
(人)
40,000
22.4%増
14,200
H27
3.8%増
3,000
H27
H28
(人)
3,400
3,200
14,000
20,000
H28
釧路フィッシャーマンズワーフMOO
0.1%増
14,100
30,000
H27
H28
H27
H28
▼開通後の地域の声
声
【釧路市阿寒行政センターの声】
・阿寒マルシェの売上が目に見
えて良くなったという話を聞
いています。
・道の駅阿寒丹頂の里では、宿
泊・入浴・レストランでの売
上げが、昨年同時期に比べ増
加しています。
▼阿寒丹頂の里のGWの売上高
0
200
H27
H28
資料:釧路市
400
231
600
800(万円)
売上が
2.5倍に増加
594
H27、H28の5.1~5.8の延べ人数
【あっけし桜・牡蠣まつり
来場者の声】
・札幌から高速道路を
通行して来場しました。
開通区間を走ることで、
安全で、早く着くことが
できました。
【道の駅 厚岸グルメパーク 副支配人の声】
・阿寒IC開通前は、札幌から厚
岸まで6時間かかっていまし
たが、5時間で来られるよう
になりました。高速道路を利
用することでストレスを感じ
ることは少ないと思います。
-5-
【池田町役場担当者の声】
・ 阿寒ICの開通により、道東方
面のツアーにおける、釧路や
帯広での滞在時間が増加する
ことが考えられます。
・池田町においても、滞留型観
光へ変化していく可能性もあ
ると期待しています。
【厚岸町老舗そば屋 店主の声】
・平成27年3月22日に一度閉店しましたが、
道東自動車道が阿寒ICまで開通したこと
や、厚岸町の観光資源としての役割を果
たせるよう、平成28年3月16日から営業
を再開しました。
・明治からの良き伝統を守り、皆さんにそ
ばを楽しんでもらいたいです。