東北大 2016年度入試結果分析 2016年度入試において、前期は工学部と医学部保健学科、薬学部、後期は経済学部において一般入試の募集人員の変更が あった(工学部:-24名、医学部保健学科:-7名、薬学部-5名、経済学部後期-5名)。AO入試の募集人員拡大のためであ る。 前期日程志願者は4,900人(前年比100%)と前年並み。学部別に志願者の動きを見てみると文系は教育・経済学部は増加、 文・法学部はやや減少。理系は農・歯・薬学部が増加、工学部が前年並み、理・医学部が減少した。後期日程志願者は1,269人 (前年比86%)と減少。理学部で876人(前年比89%)、経済学部で393人(前年比79%)と減少した。経済学部では募集人員減 の影響とともに昨春まで2年連続で志願者が増加していた反動もあるだろう。 大学公表の「合格者の多い都道府県」のデータを見てみると、東北6県合計の占有率が33.2%(昨年36.2%)と過去5年の中でも 最も低く、上位5県は宮城、東京、新潟、栃木、埼玉と関東・甲信越地区から積極的に東北大を志望している状況がうかがわれ た。 ■文学部 志願者は401人(前年比94%)と減少したが、センター試験のボーダー得点率は76%(前年75%)、2次ランクは4ランク(偏差値 57.5)と大きな変化はなかった。 日程 前 学科名 人文社会 募集人員 15 16 200 200 15 426 志願者数 前年比 16 401 94% 15 2.0 ボーダー得点率 実質倍率 16 増減 15 16 1.9 -0.1 75 76 2次偏差値 15 16 57.5 57.5 センタ教科・科目数 15 文型 16 文型 2次科目数 15 16 3 3 ■教育学部 志願者は199人(前年比154%)、実質倍率2.8倍(前年1.8倍)と大幅に増加した。センター・リサーチ段階での出願予定者は前 年比91%であったが、他学部からの志望変更が多かったのか、最終的に志願者が増加した。2次ランクも1ランクアップの3ランク (偏差値60.0)と難化した。 日程 前 学科名 教育科学 募集人員 15 16 60 60 15 129 志願者数 前年比 16 199 154% 15 1.8 ボーダー得点率 実質倍率 16 増減 15 16 2.8 1.0 74 75 2次偏差値 15 16 57.5 60.0 センタ教科・科目数 15 文型 16 文型 2次科目数 15 16 3 3 ■法学部 志願者は307人(前年比94%)と減少。模試やセンター・リサーチの動向では人気回復傾向が続いていたが、志願者は331→ 326→307人と3年連続で減少し、今春入試では実質倍率1.8倍(前年1.9倍)となった。ただし、ボーダーライン、2次ランクはとも に大きな変化はなかった。 日程 前 学科名 法 募集人員 15 16 140 140 15 326 志願者数 前年比 16 307 94% 15 1.9 ボーダー得点率 実質倍率 16 増減 15 16 1.8 -0.1 75 76 2次偏差値 15 16 60.0 60.0 センタ教科・科目数 15 文型 16 文型 2次科目数 15 16 3 3 ■経済学部 前期日程での志願者は462人(前年比120%)と増加。実質倍率は、2015年度入試では文系学部の中で最も低い倍率だったの に対し、2016年度入試では2.0倍と文系学部の中で2番目に高い倍率になった。 後期日程は募集人員が-5人となった影響もあってか、志願者数は393人(前年比79%)に減少。実質倍率は5.1倍(前年4.4 倍)。センター試験のボーダー得点率は88%(前年84%)、2次ランクも1ランクアップの0ランク(偏差値67.5)となり、難化した。 日程 前 後 学科名 募集人員 15 16 185 185 35 30 15 386 498 志願者数 前年比 16 462 120% 393 79% 15 1.7 4.4 ボーダー得点率 実質倍率 16 増減 15 16 2.0 0.3 75 76 5.1 0.7 84 88 1 2次偏差値 15 16 57.5 60.0 65.0 67.5 センタ教科・科目数 15 文型 文型 16 文型 文型 2次科目数 15 16 3 3 2 2 ©Kawaijuku Educational Institution. ■理学部 前期日程で理学部全体の志願者数は535人(前年比93%)と減少。学系別に見てみると数学系は志願者数65人(前年比 97%)、実質倍率2.3倍(前年2.0倍)、2次ランクは1ランクアップの3ランク(偏差値60.0)と難化した。物理系は261人(前年比 100%)、地球科学系は53人(同104%)とそれぞれ前年並みの志願者数となり、生物系は80人(同114%)と志願者数が増加し た。一方で化学系は76人(前年比60%)と模試動向どおり大幅に減少し、2次ランクは1ランクダウンの4ランク(偏差値57.5)、倍 率も1.4倍(前年2.2倍)へとダウンした。ただしボーダー得点率は79%(前年81%)と前年並みに推移した。 後期日程の学部全体の志願者数は876人(前年比89%)と減少。学系別に見てみると、前期日程同様、化学系が163人(前年比 70%)、実質倍率4.1倍(昨年6.5倍)と減少したが、難易度は前年並みで大きな変動はなかった。また、物理系は志願者数397 人(前年比86%)と減少したものの、上位層が増加したため、ボーダー得点率は93%(前年90%)、2次ランクは0ランク(偏差値 67.5)と1ランクアップし難化した。 日程 前 後 学科名 数学系 物理系 化学系 地球科学系 生物系 前期計 数学系 物理系 化学系 地球科学系 生物系 後期計 募集人員 15 16 28 28 86 86 50 50 30 50 28 28 222 242 8 8 20 20 13 13 10 10 7 7 58 58 15 67 260 126 51 70 574 111 462 233 70 106 982 志願者数 前年比 16 65 97% 261 100% 76 60% 53 104% 80 114% 535 93% 125 113% 397 86% 163 70% 81 116% 110 104% 876 89% 15 2.0 2.7 2.2 1.6 2.2 2.3 5.0 8.8 6.5 3.6 5.8 6.6 実質倍率 16 2.3 2.9 1.4 1.7 2.6 2.3 6.6 7.6 4.1 4.0 9.0 6.0 15 80 81 81 80 80 16 81 81 79 79 80 2次偏差値 15 16 57.5 60.0 60.0 60.0 60.0 57.5 57.5 57.5 57.5 57.5 88 90 88 87 84 90 93 90 90 92 65.0 65.0 65.0 65.0 60.0 ボーダー得点率 増減 0.3 0.2 -0.8 0.1 0.4 0.0 1.6 -1.2 -2.4 0.4 3.2 -0.6 65.0 67.5 65.0 65.0 62.5 センタ教科・科目数 15 理型 理型 理型 理型 理型 16 理型 理型 理型 理型 理型 理型 理型 理型 理型 理型 理型 理型 理型 理型 理型 2次科目数 15 16 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 ■工学部 工学部全体で一般入試の募集人員が24名減少したが、学部全体の志願者数は1,639人(前年比100%)と変化は見られなかっ た。2015年度中の模試動向では機械知能・航空工学科と建築・社会環境工学科の人気傾向がうかがえたが、機械知能・航空 工学科の志願者数は588人(前年比101%)と前年並み、建築・社会環境工学科の志願者は217人(前年比94%)とやや減少し た。 2次ランクは昨年すべての学科が4ランク(偏差値57.5)だったのに対し、機械知能・航空工学科、化学・バイオ工学科、建築・社 会環境工学科の3つの学科が3ランク(偏差値60.0)と1ランクアップし、難化した。 日程 前 学科名 機械知能・航空工 電気情報物理工 化学・バイオ工 材料科学総合 建築・社会環境工 前期計 募集人員 15 16 171 164 178 170 82 79 82 79 78 75 591 567 15 584 426 174 227 230 1,641 志願者数 前年比 16 588 101% 427 100% 189 109% 218 96% 217 94% 1,639 100% 15 3.0 2.0 1.8 2.4 2.5 2.4 ボーダー得点率 実質倍率 16 増減 15 16 3.3 0.3 80 80 2.2 0.2 79 79 2.1 0.3 79 79 2.4 0.0 80 79 2.6 0.1 80 79 2.6 0.2 2次偏差値 15 16 57.5 60.0 57.5 57.5 57.5 60.0 57.5 57.5 57.5 60.0 センタ教科・科目数 15 理型 理型 理型 理型 理型 16 理型 理型 理型 理型 理型 2次科目数 15 16 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 ■農学部 志願者数は329人(前年比107%)と増加した。模試やセンター・リサーチの動向では不人気傾向であったが、本番入試では他 大学・学部から流入してきた受験生が多くいたと考えられる。ボーダー得点率は77%(昨年78%)、2次ランクは4ランク(偏差値 57.5)と前年並みの難易度に落ち着いた。 日程 前 学科名 募集人員 15 16 120 120 15 308 志願者数 前年比 16 329 107% 15 2.3 ボーダー得点率 実質倍率 16 増減 15 16 2.5 0.2 78 77 2 2次偏差値 15 16 57.5 57.5 センタ教科・科目数 15 理型 16 理型 2次科目数 15 16 4 4 ©Kawaijuku Educational Institution. ■医学部 昨春志願倍率が3.7倍だった医学科は、今春志願者数が366人(前年比82%)と減少、志願倍率は3.1倍にダウンした。第1段階 選抜が実施されたが受験予定者数は360人と、選抜対象から外れたのは6人だけだった。ボーダー得点率は87%(昨年87%)2 次ランクは1ランクアップのMランク(偏差値70.0)と例年以上にハイレベルな戦いとなった。 保健学科では一般入試の募集人員が7名減少。昨春志願者が増加した看護学専攻、検査技術科学専攻はそれぞれ志願者 126人(前年比82%)、65人(前年比66%)と減少に転じた。中でも検査技術科学専攻は2次ランクが1ランクダウンし5ランク(偏差 値55.0)と一昨年並の難易度に戻った。一方、放射線技術科学専攻の志願者は隔年現象からか91人(前年比126%)と大幅に 増加した。ただし難易度に大きな変化には至らなかった。 日程 前 学科名 医 保健-看護学 保健-放射線技術科学 保健-検査技術科学 前期計 募集人員 15 16 120 120 55 54 32 29 32 29 239 232 15 447 153 72 99 771 志願者数 前年比 16 366 82% 126 82% 91 126% 65 66% 648 84% 15 2.7 2.2 1.8 2.8 2.5 実質倍率 16 2.7 1.8 2.4 1.8 2.3 ボーダー得点率 増減 0.0 -0.4 0.6 -1.0 -0.2 15 87 71 75 75 16 87 71 74 74 2次偏差値 15 16 67.5 70.0 52.5 52.5 55.0 55.0 57.5 55.0 センタ教科・科目数 15 理型 理型 理型 理型 16 理型 理型 理型 理型 2次科目数 15 16 4 4 4 4 4 4 4 4 ■歯学部 例年、隔年現象が見られることの多い歯学部であるが、その傾向は今年も継続し、増加年にあたる今春の志願者は158人(前年 比111%)と増加した。ただし、ボーダーラインは77%(昨年78%)、2次ランク4ランク(偏差値57.5)と昨年と大きな変化はなかっ た。 日程 前 学科名 歯 募集人員 15 16 43 43 15 142 志願者数 前年比 16 158 111% 15 2.6 ボーダー得点率 実質倍率 16 増減 15 16 2.5 -0.1 78 77 2次偏差値 15 16 57.5 57.5 センタ教科・科目数 15 理型 16 理型 2次科目数 15 16 4 4 ■薬学部 一般入試の募集人員が-5名となった薬学部であるが、志願者は222人(前年比108%)と増加し、実質倍率も3.0倍(前年2.5 倍)となった。ボーダー得点率81%(昨年81%)、2次ランクは前年と変わらず3ランク(偏差値60.0)と大きな変化はなかった。 日程 前 学科名 募集人員 15 16 65 60 15 205 志願者数 前年比 16 222 108% 15 2.5 ボーダー得点率 実質倍率 16 増減 15 16 3.0 0.5 81 81 3 2次偏差値 15 16 60.0 60.0 センタ教科・科目数 15 理型 16 理型 2次科目数 15 16 4 4 ©Kawaijuku Educational Institution.
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