平成２８年度事業計画平成２３年３月の東日本大震災から５年が経過し大災害の記憶の風化も懸念される中で首都直下地震や南海トラフ巨大地震等の大規模地震、津波等に対する備え、昨年９月に発生した台風に伴う局地的豪雨による鬼怒川の破堤など風水害、土砂災害への備えとしてＩＣＴを活用した災害の検知、情報収集、迅速な対策を可能とする情報通信システム、支援システムなどの強化や河川、道路等の社会資本の適切な維持管理、長寿命化、老朽化対策等の課題への対応が求められており、建設電気技術協会として設立目的である「電気･通信･電子応用･情報通信技術をもって建設事業の効率化、省力化、経済化及び高度化等を図り、国土の均衡ある整備、保全及び経済の発展に寄与する」ことを推進するため、国や関係機関並びに会員と連携を図りつつ以下の基本方針に基づき平成２８年度の事業を実施する。１．基本方針〇近年多発する災害や今後想定される大規模震災時にも的確に機能し、防災･減災に資する電気通信技術や運用に関する調査研究を推進する。〇施設管理用ＣＣＴＶカメラの画像処理技術やインフラモニタリング用センサーネットワーク技術、「 i-Construction」関連技術などによる管理の効率化、生産性向上に関する調査研究を行う。〇社会インフラ全般や電気通信施設の適切な維持管理、老朽化･長寿命化対策などに関する最新技術や運用技術、制度に関する調査研究を促進する。〇国との協定 (「災害時における災害応急対策業務に関する協定等：地方整備局長と建設電気技術協会支部長等」 )や災害時における施設運用に関して、災害対応事業計画に基づき的確な体制確保や訓練などの充実を図る。〇公共工事の電気通信分野における入札･契約制度の改善、適切な運用などに関して会員の要望を取りまとめ国や関係機関等との意見交換や要望を行い連携して改善を推進する。〇電気通信分野における監理技術者、主任技術者の確保や担い手育成を推進するために新たな資格制度の創設、関連規定などの運用改善に関して国、関係機関と連携して取り組む。〇会員の要望を踏まえて講習会、講演会、研究発表会などの開催、専門技術に関する図書編集･発行を行い電気通信技術分野における知見の向上や継続教育（ CPD）の支援などで会員サービスのより一層の充実に努める。〇組織運営、事業の効率化に努め、公益目的支出計画を適切に実行する。２．実施事業 ①講習会事業入札契約制度の変更や発行図書、新技術などに関する講習会等を実施する。講習会の CPD プログラム認定や内容の充実を図る。 ②定期刊行物発行事業定期刊行物「 TESLA」、「建設電気技術･技術集」を発行する。 ③図書編集事業電気通信施設設計要領（案）・同解説などの建設電気通信技術に関わる図書の編集、発行を行う。 ④災害時対応における協力事業地方整備局等との災害協定、通信確保･運用等に関して災害対策検討会による体制の確保、国等と連携した訓練などにより大規模災害への備えを充実させる。 ⑤調査研究、資料収集事業電気通信施設、災害対策、設備維持管理、国際規格（ ISO）などに関する調査研究、資料収集を実施する。前年度に引き続き、産･官･学の連携による技術研究発表会を開催すると共に画像処理、センサーネットワーク、 i-Construction などに関する調査研究を充実させる。３．その他事業 ①共益事業会員の技術力向上、知見を広めるための研修会やＩＴＳ世界会議参加、海外の電気通信技術調査を実施する。また、事業の実施に際してはアンケートなどにより会員の要望を把握し実施内容を検討する。 ②受託等事業等・建設電気技術、防災技術、施設維持管理、契約制度等に関わる調査研究、基準化の検討等・国土保全、災害時の情報通信施設に関わる運用、検討等・公共建築設備工事標準図（電気設備工事編）、電気設備工事監理指針などの発行等