九州地整と建コン九州支部の意見交換会開く 履行期限の28年度目標値を設定し、早期発注へ、若手・女性活用の試行業務継続 福岡市の東福第2ビルで開かれた九州地整と建コン九州支部の意見交換会 (一社)建設コンサルタンツ協会九州支部(村島正康支部長)と九州地方整備局はこのほ ど、福岡市の東福第2ビルで意見交換会を行った。 「若手・女性技術者の活用促進」、 「履行期 限の平準化」、 「設計変更における落札率の考え方」、「プロポーザル業務における適切な価格 設定」などについて意見交換したが、この中で、九州地整は発注計画策定時の履行期限につ いて4月~12月に30%以上、1月~2月に40%以上を確保し、3月で30%以下とす る独自の目標値を示し、4月中の契約に向けて、前年度第4四半期に公告を行い、早期発注 手続きの実施や適正な履行期限の設定、職員の意識の向上などに取り組む方針を明らかにし た。また、若手・女性技術者の活用などの試行業務については、来年度も継続し、分析・評 価を行うとしている。 この日の意見交換会には、九州地整から小平卓企画部長と企画部の足立辰夫技術調整管理 官、黒岩義文技術開発調整官、森山博文工事品質調整官、坂元浩二技術管理課長、渡邊賢一 施工企画課長、長岡技術管理課長補佐、村田和久技術管理課長補佐ら12人、建コン九州支 部から村島支部長、柴田貴徳副支部長、支部長理事の田中清対外活動部会長、木寺佐和記対 外活動副部会長、石井悟対外副部会長、岩上憲一技術部会長、大和則夫総務企画部会長、御 代川亮夢アイデア部会長、大野博司地域部会長と対外活動委員会の横矢直道委員長、入江木 達雄副委員長、事務局の吉田鉄治局長の12人が出席した。 議事に先立ち、村島支部長は「設計単価のアップなどで公共予算が増加し、建コン会員社 の売上や利益率が増えた会社もあり、回復傾向にある。ただ、将来の担い手である若手、女 性技術者不足、履行期限の平準化などの課題もあり、これらの問題解決に向けて意見交換を していきたい」 。小平企画部長は「履行期限の平準化や労働環境の改善は基本的なことで、我々 としても今年から本格的に取り組みたい。建設業界全体の業務の平準化も含め、システムと して無駄なことを改善し、効率化の高い産業にしていこうという i-construction(アイ・コン ストラクション)の動きもあり、担い手の女性・若手技術者の確保・育成や広報などにも取 り組んでいきたい」などと挨拶した。 議事では、業務円滑化調整会議関連として①若手・女性技術者の活用促進の取組み、②履 行期限の平準化、③労働環境の改善、④官民一体となった広報の取組みについて、意見交換。 若手・女性技術者の登用促進は、九州地整が平成27年度に「女性技術者配置型」11件、 「女性技術者評価型」7件、 「若手技術者配置型」11件で試行、概ね参加表明も確認できて おり、来年度も試行を継続し、分析・評価を行うとしている。建コン側も若手・女性技術者 の活用については前向きに評価、会員へのアンケートを実施し、その結果などに基づいて今 後提案を行っていきたいとしている。 履行期限の平準化は、発注者として履行期限の目標値に基づく発注計画の策定、管理、確 認の徹底とともに、繰越手続きや国債の活用など履行期限平準化の取組みが行われているが、 平成27年度は九州地整独自の履行期限目標値がいずれも達成されていない。九州地整では 年度末工期集中の改善を図るために、適切な工期が確保できず工期延長した方が望ましい場 合や受注者から工期延期に対する合理的な協議があった場合には、繰越手続き等も視野に入 れた検討を行い、前向きに対応することになっているが、協議活用が1件と少なく、浸透さ れていない。また、既発注業務を繰り越した業務数も少ないと結果分析している。 平成28年度方針では4月~12月30%以上、1月~2月40%以上、3月30%以下 の履行期限目標値を設定。①早期発注手続きの実施として4月中の契約を目指し、前年度第 4四半期に公告を行い、指名通知・選定通知を予算成立日以降に実施。②国債の活用、③繰 り越し手続きの実施(設計協議会の設置も検討中) 、④適正な履行期限の設定、⑤職員の意識 向上として、目標値を意識した計画策定や履行期限の達成状況・各種取り組みについての周 知徹底、定期的に事務所の目標達成状況を把握することなどの行動計画(案)を予定してい る。 また、九州支部から①設計変更における落札率の考え方、②発注方式別の業務成績評定点、 ③単価アップを反映したプロポーザル業務における適切な価格設定について提案があり、九 州地整は①について「本来なら別途発注すべきものもあると思うが、現時点においてそのよ うなシステムになっていないのが実状、全国的な議論が必要」、②は「成績点でなく、知識、 構想力、応用力を求めていくものではないか」、「各事務所にその旨の通知を行っており、受 注者としても意思表示すべき」などとの回答があった。 このほか、 「i-Construction」の今後の動きについては、渡邊施工企画課長が「生産性を向 上させ、企業の経営環境を改善し、魅力ある建設現場の実現と安全性の飛躍的な向上を」目 的とし、 「調査・設計から施工、検査、さらには維持管理・更新までのプロセスを最適化して いくことを目指している」とし、ドローンなどICT技術を全面的に活用して行くことにな っていると、資料などに基づいて説明した。
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