Vol.22No.12 会報JAMT ホームページ掲載 平成28年6月15号 中井規隆 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P1~P2 「臨床検査技師による病棟業務推進施設情報連絡会」 P2 診療報酬加算実現へ向けた取り組み/ 日本臨床検査技師会館の冷暖房設備を整備しました ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 運営報告6.15 本情報連絡会が始動し、大きな取り組みが皆様の力によって動き始めました。本企画では、本情報連絡会内で施設間 共有された情報をリアルタイムにお届けしていきます。 事務局政策調査課 板橋匠美 ■全国学会での業務拡大企画 9月3、4日に神戸で開催する第65回日本医学検査学会 において、業務拡大ミニシンポジウムが企画され、多くのご 施設にご協力いただき、充実した企画となっています。 このミニシンポジウムでは、各演者より業務拡大の事例に ついて施設内での提案から実際の運用までの経過を披露して 頂くことで、聴講者にチーム医療推進・業務範囲拡大のため の参考情報を得て頂きたく企画されています。 病棟推進ミニシンポジウム企画 平成28年度日臨技 平成 28 年 10 月 1 日(土)~2 日(日) 会場 朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター 平成 28 年 10 月 8 日(土)~9 日(日) 会場 佐賀市文化会館 テーマ 貴検査部門では現在、病棟へ出 向いて実施している業務項目は ありますか。 ある 117件 91% 検討中項目あり 4件 3% ない 8件 6% 極 未来を拓く検査のヒカリ 平成28年度日臨技 関甲信支部・首都圏支部合同医学検査学会 会期 平成 28 年 10 月 29 日(土)~30 日(日) 会場 セレス甲府・アピオ テーマ 「甲斐」 ~そして未来に繋ぐ~ 平成28年度日臨技 平成 28 年 11 月 26 日(土)~27 日(日) 会場 高知市民文化プラザかるぽーと 土佐からの新風 ~砕考・再構・最高(さいこう・サイコ―・Bravo)~ 平成28年度日臨技 問 中四国支部医学検査学会 会期 テーマ 問 九州支部医学検査学会 会期 中部圏支部医学検査学会 会期 平成 28 年 12 月 10 日(土)~11 日(日) 会場 ホテル金沢 テーマ 問 次世代医療の扉を開く Toki ~臨床検査イノベーション~ 平成28年度日臨技 ■支部学会における展開 さらに北日本支部医学検査学会では、上記ミニシンポジ ウムに加え、シンポジウム企画『病棟業務実証報告~私たち が目指す究極のチーム医療とは~』を開催することを予定し ています。今後、臨床検査技師の活躍の場とすべき病棟業務 に関して、その実践例の報告を通し、病棟業務参画推進にお ける、課題・問題点について討議する企画として開催しま す。詳細は今後、改めてご案内いたします。 ■より患者のもとへ 第65回日本医学検査学会の業務拡大ミニシンポジウム内で 予定されている企画演題「病棟業務推進施設情報連絡会への アンケート調査結果について(9月4日9:00~10:00)」に おいて、加入登録施設の状況把握が進められています。状況 把握はサイボウズLiveでアンケートを軸として行われ、互い の施設で行っている情報を共有し、自施設のためになるもの を探してもらっています。 北日本支部医学検査学会 会期 テーマ ■ミニシンポジウム企画は支部学会でも また、この流れを次につなげるべく、今年度開催される 各支部学会においても、同様に病棟推進関連の企画を開催す る運びとなりました。各支部学会にて約4演題を一般演題と して連ねることで開催されます。現在、予定されている学会 は下記の通りとなります。 開催支部学会 輝きある検査びとへの新軌道 医療 Ensemble の担い手として 貴検査部門では現在、病棟へ出 向いて検体採取行為を実施して いますか。 病棟へ業務拡大を行う際 に、最も課題となるものは どれですか。 行っている 23件 検討中項目あり 8件 6% 行っていない 98件 76% 検査部門内の理解を得る 90件 19件 70% 15% 病棟・病院の理解を得る 20件 15% 人員の確保 ※合計129施設よりご回答いただきました 18% Vol.22No.12 会報JAMT ホームページ掲載 現在、回収しているものでは9割の施設で、病棟へ出向い て行っている業務項目があることがわかります。また、検 体採取行為は2割に達しつつあります。本年4月より臨床検 査技師は一部の検体採取行為が可能となり、チーム医療と しての参画の仕方は幅が広がりました。施設により状況は 異なるため関わり方は異なってきますが、いずれの施設で も病棟への業務拡大を行う際、「人員の確保」が最も課題 となると7割が回答しています。課題への対策も同時に考え ることは必須となります。 ■人員課題への対応例(本情報連絡会加入登録施設からの 事例報告) 当院検査部門では、採血、検体採取(インフ ルエンザ、直腸便採取)、輸血患者説明、およ び病棟患者の検査は全てポータブルにて病棟で 行っています。職員の入れ替わりが激しく、現 在4名体制ですが、うち3名は3年以下で、こ れ以上の増員は難しい状況です。 昨年からインフルエンザ等の検体採取業務、輸血患者説 明の業務を増やしたため、病棟へ出向くことも増えまし た。業務が忙しく、後回しでもよい事務作業は残業にて対 応していたのが現状でした。今まで技師を増やすことばか り考え色々と試行錯誤してきましたが、技師の増員が難し いのであれば事務員を、と考えを変えたことで、4時間で すが、パートの事務員を配置できました。事務作業分を業 務のみに専念することができ、個々の負担軽減につながっ ています。 また、業務が忙しく採血まで手が回らないときは、看護 師にて採血してもらう、という約束事が看護部としていま す。基本的には技師が採血するけれど、困ったときはお互 いさま、という認識で動いており、苦情などなく協力して もらえています。検査技師と看護師がお互い出来る業務 平成28年6月15号 (採血、検体採取)は、協力し合うというルールを決めて おくことは必要だと感じています。 まとめれば当院の場合は、人員増加が難しい中での業務 拡大を事務員の増員と看護師との業務協力を依頼すること で解決につながった、と言えます。 ■新たな展開として、『臨床検査技師の病棟配置に関する調 査事業』 臨床検査技師のチーム医療への参画を推進するために “検査説明・相談ができる臨床検査技師育成講習会”“検 体採取等に関する厚生労働省指定講習会”“先駆的チーム 医療実践講習会”等々の事業が展開されています。今後さ らに臨床検査技師のチーム医療への関わりを深めるために は、これらを医療の現場で実践するとともに、病棟業務等 への参画が不可欠となります。 昨年度、日臨技は2施設の医療機関にご協力を頂いて、 臨床検査技師の病棟業務の実地調査を行いました。その結 果、臨床検査技師を病棟に配置した場合、1日当たり平均 5時間から6時間程度を要する臨床検査関連業務(採血を 含む検体採取、検査説明、…等)が認められました。 それらを受け、さらに複数施設において臨床検査技師の 病棟配置によるチーム医療の推進、医療の質・安全性向上 についての具体的データを収集し、行政、関係医療団体に その必要性を提示するため、本調査事業を展開する運びと なりました。実施要領は、本情報連絡会にて提示し、ご協 力いただける施設募集を開始いたしました。 加入登録は当会HPの 専用バナーから!! 薬剤師の「病棟薬剤業務実施加算」は平成24年度の診療報酬改定時に新設されましたが、その新設に至る過程 は、10年以上にわたる病院薬剤師会、薬剤師会を中心とした、先駆的病棟業務実施とそれに続く広範な実地検証 に基づく病棟業務実践の実績に裏打ちされて実現されています。臨床検査技師による病棟業務もきちんと実績 データを積み重ねて評価されるよう、皆様頑張りましょう。 (政策調査課) 日本臨床検査技師会館の冷暖房設備を整備しました。 会館の冷暖房設備は竣工後15年間の減価償却年数を超えたため、冷暖房の機能が安 定していなく、騒音も発生していました。会館では光熱費削減のためのクールビズ・ ウォームビズを実施していますが、特に夏冬の室温管理ができないなど、会館利用に大 きな支障をきたしていました。よって、予算を策定し理事会の承認を経て、平成28年5 月に全館的な改善工事を実施しました。 工事内容は、1階から3階までの事務室、会議室等に供給している大型共用の屋外機 の入れ替えとこれに伴う各室の屋内機の入れ替え、それに2階倉庫と3階プリンター ルーム兼倉庫には将来的に事務室に転用できることも考慮して冷暖房の新設工事を行い 屋外機の撤去(左)と設置(右)の様子 ました。相見積の上で業者選定を行い、総費用は750万円(税別)におさまりました。 この整備により、会館で開かれる研修会や会議などにおいて、外部を含む利用者に不愉快な思いをさせることなく集中でき るようになり、また、省エネ効果も期待できるなど、多様化する会館利用に対して快適な対応ができるようになりましたので ご報告いたします。 (事務局) (編集後記) 伝える。思いを、気持ちを、出来事を、考え方を、技術を・・・。人と人とのつながりの中で欠かせない 事。言葉で、文字で、態度で。会報JAMTに携わり2年が過ぎました。最初はたった一人でもいいから伝わればいいなとの 思いで編集後記を書いていました。伝えることと伝わることは違うから、伝わっているのかなという不安の中で、振り返 れば月2回のペースで48回目。最後の編集後記になりました。広報という役割はありのままをキチンと伝達すること。そ んな会報誌の中で好きなことを書かせてもらって、本当にありがたく思っています。今回でバトンタッチをします。これ からの会報を見るのが楽しみです。違った伝え方を教えていただけそうな気がします。感謝をこめて・・・。 【中井】
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