迅速試作のための力覚援用 による機械加工インタフェース の開発

迅速試作のための力覚援用
による機械加工インタフェース
の開発
国立大学法人電気通信大学
大学院 情報理工学研究科
機械知能システム学専攻
准教授 森重功一
複合加工機
Mazak
INTEGREX 300Ⅳ
旋盤・ミル
共用主軸
第1主軸
第2主軸
下刃物台
複合加工機による加工事例
複雑な多方向加工ワークも治具レスで1工程削りだし加工
工作機械の加工動作
 CNC工作機械
»
NCデータの計算 ⇒ CAMの利用
 3軸加工
»
工具中心などの位置情報 ⇒ 容易
MDI,対話型インターフェイス
 5軸加工
一つの加工点に対して工具姿勢は無限
» 最適な工具姿勢を一つだけ求める ⇒ 困難
»
工具や機械の干渉,加工精度,機械の動き
»
CAMによる処理が前提
タービンブレード用5軸加工機能
(a)
(b)
(a)荒加工
(b)仕上げ加工
(c)付け根部加工
(c)
独OPEN MIND社
マルチブレード用5軸加工機能
インペラー形状認識
ハブ仕上加工
インペラー荒加工
フィレット加工
翼面仕上ポイント加工
翼エッジ加工
独OPEN MIND社
チューブ形状用5軸加工機能
(a)
(b)
(a)スパイラル荒加工
(b)スパイラル仕上加工
(c)削り残り部加工
(c)
独OPEN MIND社
従来技術とその問題点
 CAMなどのソフトウェアは,人のやりたいこと
をプログラムにしたもの
⇒ プログラムしたことしか出てこない
 人のやりたいことを全てプログラム?
多種多様なパラメータを総合的に扱えるのか?
» 人工知能?
»
 CAMのためだけの作業が必要
ピボット点,ガイドカーブ,ガイドサーフェス
» 製品とはまったく関係ない作業
»
新技術の特徴・従来技術との比較
一品もの(試作品,金型)の加工
複雑な量産品の加工
データ量大
最適化の必要性
CAMを使った事前計算による
動作データで加工
加工方法が明確
切削量が少ない
工作機械の
操作インターフェイスで
直接加工
NC工作機械操作インターフェイス
汎用フライスのハンドル
CNCの操作パネル
曲線や曲面の
加工は困難
Haptic Device(HD)
• 仮想オブジェクトの6自由度操作
• 力覚(復元力,摩擦力など)の呈示
PHANToM Omni
HDと仮想工具の同期
システム運用の様子(予想)
Display
Tool
Work piece
Haptic device
Operator
システム概要
CNC Control Board
5-axis controlled
machining tool
NCデータ Ethernet
Tool path
Haptic Device
PC for HD
開発の第一段階
基本機能の実装
① 加工状況の描画
② 切削感覚の呈示
③ 工具干渉の検出と回避
④ 作業を補助する機能
スクエアエンドミル加工の描画
工具経路生成における透視機能
様々な表示方法を併用
して,作業を補助
① ワイヤフレーム
② 3面図

ケーススタディ(1)
スクエアエンドミルによる加工
作業時間:4分
ボールエンドミルによる加工
作業時間:3分
ケーススタディ(2)
実験形状
R5
R2
経路生成
R5
初期状態
加工結果
R2
経路生成中
終了
工具経路生成時の試行錯誤的な作業
一般的なCAMにより生成した工具経路
目標とする形状の断面
加工パターン①
加工パターン②
つぼ形状加工の様子
新しい加工インタフェースとして
想定される用途
迅速試作(ラピッド・プロトタイピング)
航空・宇宙分野で必要とされるような
複雑な形をした部品の加工
工作機械操作インタフェースへの展開
アート・ファブリケーションへの利用
●一品生産
●荒加工の時点から工具
経路の生成が難しい
製作時間 : 400時間(40日)
工程数 : 200工程
使用CAM: NeoSolid
株式会社入曽精密
アルミのバラ
外形: 直径100mm×高さ145mm,加工時間: 60時間
今後の展望
一品ものの荒加工や追加工に有用
仮想空間に様々な情報を展開
»
視覚 と 力覚
工具経路とするためのデータの最適化
»
直線や低次の曲線に大胆に置換する
Nintendo
Wii のような操作感覚?
実用化に向けた課題
 CAMソフトウェアとしての利用については,
可能なところまで開発済み.
 工作機械操作インタフェースとしての利用を
考えた場合,現状のブラックボックス化された
CNC装置を利用するだけでは十分な機能を
実装することができない.CNCメーカーとの
共同開発が不可欠である.
企業への期待
 CAMソフトウェア用のインタフェースとしても,
有用であると考えている.
 独自の機械加工技術を開発する意欲のある
企業との共同研究を希望.
 航空宇宙分野および医療分野向けの仕事を
手がけている企業に対して,本技術の導入は
有効と思われる.
お問い合わせ先(必須)
 電気通信大学
 産学連携コーディネーター
 TEL
 FAX
 e-mail
今田 智勝
042 - 443 - 5724
042 - 443 - 5726
imada@sangaku.uec.ac.jp
森重研究室 公開情報
 研究室Webコンテンツ
http://www.ims.mce.uec.ac.jp/
 動画公開(YouTube)
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 Facebookページ
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E-mailで
[email protected]