龍ケ崎市新住民情報基幹系システム 再構築要求仕様書

取扱注意
龍ケ崎市新住民情報基幹系システム
再構築要求仕様書
龍ケ崎市
目 次
1 業務の概要 ・・・・・ 2
2 現行の住民情報基幹系システムの現状
(1)基幹系システムの概要
・・・・・ 2
(2)ネットワーク構成 ・・・・・ 3
(3)端末の配備状況 ・・・・・ 4
3 基幹系システム再構築について (1)基幹系システム再構築の目的 ・・・・・5
(2)再構築の業務範囲 ・・・・・6
(3)基幹系再構築に関して重要視する項目 ① パッケージ標準機能及び柔軟性 ・・・・・9
② 法改正に対する対応 ・・・・・9
③ システムの運用方法 ・・・・・9
④ クラウドについて ・・・・・10
⑤ 大量印刷について ・・・・・10
⑥ システムサポート体制 ・・・・・10
⑦ 総合窓口機能 ・・・・・10
⑧ EUC機能によるデータの利活用 ・・・・・11
⑨ コンビニエンスストア(コンビニ)による証明書交付 ・・・・・11
⑩ データ移行 ・・・・・11
⑪ データ連携 ・・・・・12
⑫ スケジュールについて ・・・・・13
⑬ 情報セキュリティ ・・・・・13
⑭ ハードウェア・ソフトウェアについて ・・・・・13
⑮ ネットワークについて ・・・・・14
⑯ その他 ・・・・・15
4 住民情報基幹系システムの機能要件 (1)基幹系システムの業務機能要件 ・・・・・16
(2)その他 ① 推進体制について ・・・・・17
② 市との役割分担について ・・・・・17
③ 契約及び支払いについて ・・・・・17
資料1 システム連携仕様書
資料2 外部データ連携一覧表
資料3 基礎データ
資料4 機能要件確認書
資料5 帳票一覧
資料6 機器構成一覧
資料7 BPO対象一覧
1
1 業務の概要
(1)件名
龍ケ崎市新住民情報基幹系システム再構築
(2)業務範囲
本業務は,龍ケ崎市(以下「本市」という。)が現在使用している住民情報基
幹系システム(以下「基幹系システム」という。)の再構築を行い,5年間のサ
ービス利用を行うものである。
契約日から平成29年12月31日までの期間で,再構築プロジェクトの
管理,パッケージのセットアップ,基幹系システムの運用に必要なサーバ及
びその周辺機器の調達,データ投入及び本市までと本市庁内ネットワーク設
定,各システムの操作研修等の本システム構築にかかる一連の工程を終了の
うえ,本要求仕様書のとおり稼働を開始できる状態にし,平成30年1月1
日から5年間の利用までを業務範囲とする。
2 現行の基幹系システムの現状
(1)基幹系システムの概要
本市における基幹系システムは「NEC社製 COKAS-R/AD2」を,電算棟2階サ
ーバ室内にサーバを設置のうえ以下の業務で利用している。
基幹系システム業務一覧 NO
業務名
システム名
システム形態
職員数
1 総合窓口
COKAS-R/AD2
パッケージ
30
2 住民記録
COKAS-R/AD2
パッケージ
30
3 印鑑登録
COKAS-R/AD2
パッケージ
30
4 外国人登録
COKAS-R/AD2
パッケージ
30
5 市民カード
ICカード標準システム
パッケージ
30
6 個人住民税
COKAS-R/AD2
パッケージ
30
7 確定申告
THE 確定申告
パッケージ
28
8 法人住民税
COKAS-R/AD2
パッケージ
20
9 固定資産税・都市計画税
COKAS-R/AD2
パッケージ
22
10 軽自動車税
COKAS-R/AD2
パッケージ
22
2
11 税証明
COKAS-R/AD2
パッケージ
30
12 共通宛名・口座
COKAS-R/AD2
パッケージ
30
13 収納(税・料)
COKAS-R/AD2
パッケージ
18
14 滞納
シンクタックス滞納管理システム パッケージ
21
15 国民年金
COKAS-R/AD2
パッケージ
9
16 国民健康保険
COKAS-R/AD2
パッケージ
14
17 高額療養費
高額療養費支給システム
パッケージ
14
18 医療福祉
COKAS-R/AD2
パッケージ
8
19 後期高齢
COKAS-R/AD2
パッケージ
14
20 介護保険
COKAS-R/AD2
パッケージ
15
21 介護認定支援
RJ認定事務支援システム
パッケージ
8
22 学齢簿
COKAS-R/AD2
パッケージ
14
23 選挙
COKAS-R/AD2
パッケージ
20
24 敬老会
COKAS-R/AD2
パッケージ(EUC)
2
25 下水道受益者負担金
COKAS-R/AD2
パッケージ
2
26 人口統計
COKAS-R/AD2
パッケージ(EUC)
3
27 成人式
COKAS-R/AD2
パッケージ(EUC)
1
28 国税連携
国税連携システム N-TAX
パッケージ
28
※ NO.18 医療福祉業務には茨城県及び龍ケ崎市独自制度あり。
また,基幹系システム以外に利用しているシステムとして,健康管理シス
テム,住基ネットシステム,総合福祉システム(生活保護,障害者福祉,児
童手当,児童扶養手当,子ども子育て,学童システム)があり,その他
(株)内田洋行のシステムである財務会計システム,富士ゼロックス(株)
製の戸籍総合システム等がある。これらのシステムはそれぞれ特定のサイクル
で住民情報や税情報及びその他必要となるデータをやりとりし,基幹系シス
テムサーバとデータ連携を行っている。
なお,データ連携の概要については,資料1「連携仕様書」を参照のこと。
(2)ネットワーク構成
基幹系システムの庁内ネットワークは既に整備運用されており,また,本
庁舎と西部出張所・東部出張所・保健センター・市民窓口ステーションなど
の出先機関は,セキュリティが確保された専用回線により接続されている。
さらに,基幹系システムと同じネットワークを利用した「総合福祉システ
3
ム」と「健康管理システム」も稼働している。この2つのシステムは,LGWA
N回線でクラウドモール内のデータセンターを利用している。
(3)端末の配備状況
現在の基幹系システムにおける各課の端末及びプリンタの配備状況は以下
のとおりである。各課には基幹系システムの端末(PC)と他のクライアント・
サーバシステムやスタンドアロンのシステム用の端末が混在している状況で
あるが,ここでは基幹系システムで使用している端末のみを対象範囲として
いる。
各課配備の端末については,デスクトップ型とノート型の計2種類がある
が,表中の数字はその合計を明記している。
所属名
端末数
プリンタ数
備考
市民窓口課
25
税務課
22
4
1
1
保険年金課
17
2
高齢福祉課
16
1
社会福祉課
2
1
22
6
教育総務課
2
1
情報政策課
20
人事行政課
1
1
下水道課
2
1
健康増進課
1
1
131
41
こども課
納税課
計
11 西部,東部出張所,市民窓口ステーション含む
11 確定申告用 7 台,期日前投票用 5 台
端末及びプリンタ以外
台数
高速連続プリンタ
1
印鑑登録用スキャナ,OCRスキャナ
7(うち OCR 両面タイプは1台)
また,現行のハードウェア詳細については,資料6「機器構成一覧」を参照
のこと。
4
3 基幹系システム再構築について
(1)基幹系システム再構築の目的
基幹系システムの再構築については,以下を考慮して行う。
① 安定稼働の最優先
5年間利用を想定した機器及びシステム(ミドルウェアやソフトウェア等),
スペックやデータ等の保存容量を十分確保できるサーバの調達や,複数システ
ム調達による異動データの日次連携不備問題を回避する。
② 職員負担の軽減と市民サービスの継続性を目的としたシステム構築
クラウドコンピューティングシステム(以下「クラウド」という。)と本市電
算棟のサーバ室内へのサーバ設置(以下「自庁式」という。)を比較又は融合さ
せるなど2つのものを総合的に検討し基幹系システムを構築する。
なお,提案にあたっては,以下のことを考慮すること。
ア 業務開始前のサーバにてシステム起動確認等職員負担を必要としない
もの。
イ データセンターとの通信回線におけるセキュリティ面の安全性や通信
の安定性を考慮する。
ウ 担当職員が行う端末操作やバッチ更新処理の簡易性を重視する。 ③ マイナンバー制度への対応について 社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)に対応するために行ったシス
テム改修及びシステム整備を踏襲すること。
中間サーバと各業務システムを接続する「NEC社製の中間サーバコネク
タ」を接続し利用していくことを条件とする。
NEC社製の中間サーバコネクタは本市電算サーバ室内に設置しており,
今後も場所を変えることなく運用することを前提とする。
調達システム ⇔ 中間サーバコネクタ(NEC社製) ⇔ 中間サーバ
④ 法改正及び県等の制度改正に柔軟に対応できるシステム
パッケージシステムの導入により,本市側が意識することなくパッケージ
側自らの制度改正に伴う改修が行われ,また,医療福祉制度など茨城県独自
制度にも極力カスタマイズを行わず柔軟に対応できるシステムであること。
なお,改修に係る費用負担の考え方も重要視する。
⑤ 本市の最上位計画である「ふるさと龍ケ崎戦略プラン」及び本市の情報化政
策の上位計画である「龍ケ崎市情報化推進プラン」等(以下「上位計画等」とい
う。)を推進することができる優良な提案とすること。
これらを踏まえた上での企画提案を望むものである。
5
(2) 再構築の業務範囲
以下の3項目を踏まえて,どの業務を新規パッケージとするか,どの業
務をデータ連携とするのか等,貴社の考える業務範囲を明確に記載するこ
と。
① 本市が想定している基幹系システムの業務範囲
本市が想定している基幹系システム再構築業務範囲は以下のとおりとする
が,パッケージ内で完結せずにEUC機能によって運用している業務も含ま
れている。(形態に「EUC」と記載。)
また,証明書コンビニ交付への対応及び国民健康保険広域化対応(保険者
が市町村から都道府県単位に改正)も業務範囲とする。
なお,形態でデータ連携と記載しているシステムは,今回再構築対象のシ
ステムではなく,基本的にシステムから定期的にデータ出力及び入力を自動
で連携することを想定しているが,貴社提案において新規パッケージが運用
面や費用面においてメリットがあると判断した場合はこの限りではない。
また,機械的に行っている住民票等の証明書交付については,自動交付機
とコンビニ交付により運営しているが,今回の再構築ではコンビニ交付への
完全移行を予定しているため今後の拡充化の観点から現在交付している住民
票と印鑑登録のほかに税と戸籍の証明書発行の追加も含めた提案を期待する。
業務名
現システム名
形態
操作職員数
共通業務
総合窓口
新規パッケージ
30
住民記録
COKAS-R/ADⅡ 住民記録
新規パッケージ
30
コンビニ交付
Gプライム証明発行システム
新規パッケージ
30
印鑑登録
COKAS-R/ADⅡ 印鑑登録
新規パッケージ
30
住基ネット
住民基本台帳システム
データ連携(随時)
-
戸籍
戸籍総合システム・ブックレス
データ連携(日次)
-
選挙
COKAS-R/ADⅡ 選挙人名簿調製システム
新規パッケージ
20
COKAS-R/ADⅡ 期日前・不在者投票システム
新規パッケージ
COKAS-R/ADⅡ 国民投票システム
新規パッケージ
COKAS-R/ADⅡ 財産区選挙
新規パッケージ
期日前宣誓書出力システム
新規パッケージ
COKAS-R/ADⅡ 学齢簿
新規パッケージ
学齢簿
6
14
人口統計
人口統計
新規パッケージ(EUC)
3
成人式名簿
成人式名簿
新規パッケージ(EUC)
1
個人住民税
COKAS-R/ADⅡ 個人住民税
新規パッケージ
30
法人住民税
COKAS-R/ADⅡ 法人住民税
新規パッケージ
確定申告
THE確定申告
新規パッケージ
国税連携
国税連携システム N-TAX
新規パッケージ
課税ファイリング
課税資料ファイリングシステム(NEC社製)
データ取込連携(随時)
固定資産税
COKAS-R/ADⅡ 固定資産税
新規パッケージ
都市計画税
家屋評価システム(HYOCA-Z)SBS 情報システム社製 データ連携(日次)
22
-
地図情報システム(smart-assistF)朝日航洋社製
データ連携(日次)
土地評価システム(smart-assistF)朝日航洋社製
データ連携(日次)
軽自動車税
COKAS-R/ADⅡ 軽自動車税
新規パッケージ
22
税収納
COKAS-R/ADⅡ 収納管理
新規パッケージ
18
宛名
COKAS-R/ADⅡ 宛名納付
新規パッケージ
30
滞納
シンクタックス 滞納管理システム
新規パッケージ
21
公金収納
公金収納データサービス(常陽銀行作成データ取込み) データ連携(日次)
-
国民年金
COKAS-R/ADⅡ 国民年金
新規パッケージ
10
新規パッケージ
14
茨城県後期高齢者医療広域連合電算処理システム
データ連携(日次)
-
COKAS-R/ADⅡ 国保資格 ・ 国保賦課
新規パッケージ
14
高額療養費支給システム
新規パッケージ
14
国保事業費納付金等算定標準システム
データ連携(随時)
-
国保情報集約システム(平成30年4月~)
データ連携(日次)
-
医療福祉
COKAS-R/ADⅡ 福祉医療
新規パッケージ
8
健康管理
健康かるて(両備システムズ)
データ連携(日次)
-
後期高齢者医療 COKAS-R/ADⅡ 後期高齢者医療
国民健康保険
7
生活保護
生活保護システム「ふれあい」
データ連携(日次)
-
障がい者福祉
支援費システム「ふれあい」
データ連携(日次)
-
子ども子育て支援 子ども子育て支援システム「ふれあい」
データ連携(日次)
-
児童手当
児童手当システム「ふれあい」
データ連携(日次)
-
児童扶養手当
児童扶養手当システム「ふれあい」
データ連携(日次)
-
学童保育
学童保育システム「ふれあい」
データ連携(日次)
-
介護保険
COKAS-R/ADⅡ 介護保険
新規パッケージ
15
介護認定支援
RJ認定事務支援システム
新規パッケージ
8
敬老会
敬老会名簿
新規パッケージ(EUC)
2
地域包括支援
地域包括支援システム
データ連携(日次)
-
下水道受益者
COKAS-R/ADⅡ 受益者負担金システム
新規パッケージ
2
負担金
② データ体系及び連携について
ア システム間の連携については次の要件を満たすこと。
宛名番号は各システムで共通に利用可能とし,住民記録情報が即時に反
映されること。
ただし,個人番号の表示は, 「行政手続における特定の個人を識別するた
めの番号の利用等に関する法律」に規定する業務範囲とする。
また,再転入者に関しては旧転入前の宛名番号を再付番できること。
イ 文字フォントは情報処理推進機構(IPA)や文字情報基盤整備事業が
推奨するシステムの種類を問わずに利用できるIPAmj明朝フォントの
採用が望ましいが,実現に向けた提案を望む。
ウ 外字データについては次の要件を満たすこと。
・外字の作成・登録・管理機能を有すること。
・外字は各システム全体で一元管理されていること。
・現行住民情報基幹系システムで利用している外字を継続利用できること。
・外字データは庁内の他のシステムで利用できること。
エ 他システム連携については次の要件を満たすこと。
・連携先のシステム改修費が極力かからない方法で連携を実現すること。
・税賦課・収納・介護・国保・後期高齢・医療福祉業務においては財務会
計システムに外部媒体でデータ渡しが可能なこと。
・茨城県や茨城県国保連合会,後期高齢者広域連合等との連携においても
8
現状のとおり行えるようにすること。
※資料2「外部データ連携一覧表」を参照
③ 庁内の他システムとの連携
庁内で運用している他システムとのデータ連携項目は資料1「システム連携
仕様書」のとおりである。
(3) 基幹系再構築に関して重要視する項目
① パッケージ標準機能及び柔軟性
本市はオープン化されたパッケージソフトを極力そのままノンカスタマイ
ズで使用することにより,パッケージの利用料内で法改正に伴う機能向上や
様式変更等のパッケージレベルアップを行い,改修費用等の縮減を図りたい
と考えている。
ついては,提案パッケージの導入実績数や地域プラットフォームへの準拠
状況,データ一元管理業務に対する充実した機能を有し,入力負担軽減につ
ながる機能,また県や市独自の制度等にパラメータ等でどこまで柔軟に対応
できるか等,改修費用等の軽減に対する考え方を明確に記載すること。
② 法改正に対する対応
度重なる法改正等に伴い,新たなシステムに係る導入費用や既存システム
改修費用が発生している。
このことを踏まえ,基幹系システム再構築においては,法改正等に対する
費用負担の考え方も重要視するので,今後の法改正対応について本市職員の
負担軽減も含めた費用軽減につながる貴社の詳細な考え方を明確に記載する
こと。
また,国民健康保険業務は広域化により平成30年4月から運営主体が都
道府県となるが,その改正に対してのパッケージの考え方及び対応スケジュ
ールを具体的に記載するとともに,運用前の平成29年度中に連携テストを
行うこととされているため,そのテスト分もこの費用内で行うこと。ただし,
国庫補助が予定されていることから国保広域化に関する費用は再掲として提
出すること。
③ システムの運用方法
現在のシステムを構築する際,以前のシステムでは,運用経費(SE及び
オペレーター人件費並びに帳票等出力等)が多額のものとなっていたため,
現行システムはSEによる運用支援は行わず職員が自ら操作することを前提
に再構築を行ったが,その分職員の負担が大きくなったのも事実である。
そこで,年次処理や更新などの主要事務を引き続き職員が操作することを
前提とはしているが,運用コスト縮減につながる提案や専門的知識が無くて
も容易にシステム運用ができる手法,ヘルプデスク等の職員操作をサポート
する体制など効率的効果的運用方法を提案すること。
さらに,以下処理に対する提案システムのバッチ処理ターンアラウンドタイ
9
ム(本市と同規模での実測値),市民税課税決定から国保や介護,後期賦課決
定までの運用や転入者入力から他業務への連携など職員操作の具体例を記載す
ること。
ア 市民税当初課税処理
イ 国民健康保険本算定処理
ウ 収納年度切替処理
エ 固定資産税当初課税処理
④ クラウドについて
本市では,基幹系システムのクラウド化を視野に入れ進めてきたところで
はあるが,一方で安定した通信回線の確保やセキュリティの脅威も問題視さ
れている。
過去の事例ではあるが,本市の電算棟サーバ室には免震装置が設置してあ
り,東日本大震災の際もサーバの倒壊等によるシステムや,システムで管理
しているデータに影響がなかったところである。
そこで,本市の電算棟を一つのデータセンターとして位置付け,いわゆる
自庁式とは別の電算棟をデータセンターとしたクラウドの検討も考えている。
よって提案では,クラウドの考え方とクラウド利用と自庁舎設置のそれぞ
れのリスク提示と回避策,運用面での比較,SaaS 等クラウド利用方式の提案
をすること。
⑤ 大量印刷について
大量印刷については,職員の負担軽減のために,当初課税等件数が2千件
を超える帳票の印刷及び封入封緘はアウトソーシングを想定している。
ただし,その後の課税更正等やその他随時処理については,庁内での出力
となるので,提案においては大量印刷するにあたり,貴社,本市システム管
理者となる情報政策課,担当課職員の役割やアウトソーシング委託先への印
刷データ提供方法や引き渡し,納品等,貴社の考える大量印刷方法や特定個
人情報を含む個人情報などの重要情報を取扱う上でのセキュリティ面,職員
負担及び費用軽減手法について明確に記載すること。
大量印刷及び封入封緘予定数量は資料7「BPO対象一覧」を参照のこと。
⑥ システムサポート体制
基幹系システムは直接市民に対してサービスを行うシステムであり,障害
が起きた際には,影響を最小限に抑えることが重要となる。
また,操作を円滑に行うためには操作方法の習得が重要であり,システム
導入時や導入後の操作教育が必須である。
そのようなことから,システム稼動後の各ベンダーのサポート体制がとて
も重要なものとなるので,貴社が考えるシステム操作教育やシステム障害時
の対応等のシステムサポート体制について明確に記載すること。
⑦ 総合窓口機能
住民サービスの向上のためには,いわゆる総合窓口機能は必須と考えてい
10
る。
ただし,総合窓口については,どの業務までを総合的に行うかの定義があい
まいであり,考え方によって様々な捕らえ方ができるものである。
そこで,各提案システムにおいて総合窓口機能については必須なものとする
が,中身については各システムが標準的に備え付けてある機能を評価すること
とするので,提案システム標準装備の総合窓口機能についての詳細を明確に記
載すること。
⑧ EUC機能によるデータの利活用
システムを運用していくうえで,EUC機能を有効に使い各ユーザーにお
いてデータの出力ができることによる利活用を図りたい。なお,個人情報(特
定個人情報を含む)の取扱いを考慮しなければならないため,担当外業務の
データ出力については,一定のルールを経て出力ができなければならないも
のと考える。
そこで,今回の提案するパッケージにおいてはEUC機能について必須の
機能とするが,個人情報保護(特定個人情報を含む)も配慮しつつ,データ
出力を職員自ら行え,業務間を横断した出力機能も兼ね備えることにより,
SEへ依頼することなく出力したデータが利活用できることによる運用経費
の縮減を図ることを考慮した,提案システム標準装備のEUC機能について
の詳細を明確に記載すること。
もちろん業務ごとのデータ出力だけではなく業務間をまたいだ出力ができ
ることはいうまでもなく,国が推奨するオープンデータに向けた考え方の提
案も期待する。
⑨ コンビニエンスストア(コンビニ)による証明書交付
本市で機械的に行っている証明書の交付については,コンビニエンススト
アに設置されたマルチコピー機を利用したものを引き続き行っていく。
ただし,本市独自での機械の設置は行わない。
なお,現在交付している住民票の写しと印鑑登録証明書のほかに新しいシ
ステムでは,各種税証明書や戸籍証明書を視野にいれている。
そこで,証明書コンビニ交付継続にあたっての貴社の考え方やシステムの
対応,サービス継続に向けたスケジュールについて明確に記載すること。
⑩ データ移行
現行システムから新システムへのデータ移行の際に必要となる既存システ
ムからのデータ抽出に関する業務については,今回の提案とは別に,既存ベ
ンダーであるNECネクサソリューションズ(株)と委託契約を行うものと
するので,今回の提案においては新システムへの抽出後のデータ取込作業を
対象とする。
なお,抽出された基データは本市より以下の仕様に基づき,再構築事業者
に提供するものとする。
ア データ移行のスケジュールとして,提供日は本市,既存システム業者,
11
再構築事業者の3者の打合せにて決定することとし、契約後に作業着手す
る。
イ データの初回提供は本市と既存システム業者との間で契約締結後3カ
月とする。
ウ データレイアウトについては既存システム業者の指定レイアウトとす
る。
エ データ提供形式はCSV形式とする。また,必要に応じて紙媒体にて提
供する。
オ 既存システムから出力された中間ファイルを基にデータ移行を行うこ
と。
カ 外字については,現行システムで利用している外字パターン(字形)
と文字コードの一覧表を紙媒体にて提供する。また,既存システムで作成
した外字やメーカ独自字形を新システムでも同じ字形で表示できること
及びその際に必要な変換及び同定作業は再構築事業者側で対応するもの
とし,今回の見積金額に含めること。
キ 提供する文字コードは KAJO_J フォントにて提供する。
ク 提供するデータは,現行システムのデータベース及びファイルにて保
有しているデータのみとし,既存システムに存在せず新システムに必要
なデータについては,再構築事業者がデータを用意すること。
ケ 提供データは毎回,その時点の登録データ全件提供とし,前回提供か
らの差分や抽出条件の設定によるデータ提供は行わない。
コ データの提供は,テスト2回,本番1回の計3回とする。
サ 提供データは,データベースに格納されている情報を基に作成する。そ
のため,データ不整合や誤字などが有る場合にも,そのままのデータと
して提供する。
シ 印影等の画像データについては,本市が提供したものをデータ化し取
り込むこと。
ス 提供データの庁外への持ち出しはこれを認めない。
セ 打合せにて決定したデータの締め日に対し,データの提供は5営業日
以内にデータが揃い次第提供する。
今回の再構築においては,このデータ移行が重要であるため,貴社が
考える移行スケジュールや移行方法,担当職員の検証方法等の詳細を具
体的に明確に記載すること。
また,再構築後のデータ出力は中間標準レイアウト(事務局:地方公
共団体情報システム機構)に対応できることが望ましい。
⑪ データ連携
貴社提案のうちデータ連携としたシステムとの連携及び外部(茨城県,国
保連,後期高齢者広域連合,金融機関,日本年金機構,地電協等)とのデー
タ連携も必ず対応することとし,貴社の考えるデータ連携方法を明確に記載
12
すること。
なお,既存の庁内システム間のデータ連携については資料1「システム連携
仕様書」を,外部とのデータ連携については資料2「外部データ連携一覧表」を
参照すること。
⑫ スケジュールについて
本市が想定する現行システムから新システムへの移行スケジュールは平成
30年1月稼働に向けての構築期間と平成29年12月の現システムとの並
行稼働期間を想定しているが,平成30年1月からの円滑な稼働に向けた作
業工程表を記載すること。
なお,提案するスケジュールも具体的に構築作業に関わるSEと市担当職
員とのかかわり方や確認方法など具体的に記載すること。
また,並行稼働を約1か月設定した場合の新旧の両システムデータ入力方
法や最終的なデータ突合方法なども提案すること。
⑬ 情報セキュリティ
新システムにおいて,龍ケ崎市情報セキュリティポリシーを遵守すること
はいうまでもない。
さらに総務省が示した地方公共団体における情報セキュリティポリシーに
関するガイドラインに基づき自治体情報セキュリティ対策の抜本的強化に示
された端末からの情報持出し不可設定等を図り,住民情報流出を徹底して防
止するための実現方法としてシステム側での対策や,システムが備えるべき
セキュリティ機能として次の機能を有するものとする。
ア 端末操作員のログインID及びパスワードを含む二要素認証により,
操作できる業務機能及びアクセス可能な情報の種類・範囲を制限できる
こと。
本市の二要素認証はカード方式を採用し,基幹系システムの他に内部
事務系システムや出退勤管理などでも利用することを想定している。
イ 端末操作員のアクセスした日時・メニュー・操作内容などのログを採
取管理し,必要な時に分析・調査できること。
ウ 証明書の発行履歴を管理し,証明書の発行日時,発行者等のログが採
取できること。
エ 端末やネットワークからの不正なアクセスを予防できること。
オ コンピュータウィルスや不正プログラムの感染を予防できること。
カ 情報持出し不可設定をすることによる住民情報流出を防止できること。
以上を踏まえて,各システムのセキュリティ対策を明確に記載すること。
⑭ ハードウェア・ソフトウェアについて
ア ハードウェア
今回の再構築については,ハードウェアの調達も含めるものとする。
サーバについては,各提案に委ねることとするが,各業務ごとに処理
結果データ等を利用の5年間分を業務別に保存できる容量やスペックに
13
は十分な余裕も持たせ5年間の利用に伴うデータ量や処理等がスムーズ
に行えることを優先するが,経費についてはサーバの仮想化等によりな
るべく抑えるものとし,障害対応についてもサーバの冗長化など万が一
のときの対応を考慮すること。
また,クライアント端末に関しては,二要素認証装置を付けたノート
PC140台,プリンタに関しては担当課設置プリンタ45台及び電算
室設置の高速レーザープリンタ1台とし,その他端末としてスキャナー
6台,カードリーダーライター9台,コンビニ交付に必要な機器及び
システム,個人番号カードの発行及び管理6セット分も考慮すること。
なお,保守もオンサイト保守とし,サーバ等5年間の利用で発生する
交換部品等も含め見積りを算出することとする。
以上を踏まえて,ハードウェアの明細及び保守に対する考え方を明確に記
載すること。
イ ソフトウェア
ソフトウェアに関して本市としては,下記のものを想定している。
・ウィルス対策ソフト
・情報データの持ち出し不可設定及び許可ができるソフトウェア
・その他システムを使用する上で必要となるソフトウェア
なお,システム稼動中のウィルス対策ソフトウェアライセンス更新料
も今回の再構築に含めるものとし,出力したデータを2次加工するため
のマイクロソフト社製オフィスソフト導入も含める。ライセンス数はサー
バ・クライアント端末数を考慮すること。
以上を踏まえて,ソフトウェアは業務上必要最小限のみ導入としたうえで,
ソフトウェアの明細及び保守に対する考え方を明確に記載すること。
⑮ ネットワークについて
現在の基幹系システムのネットワークは,各階ごとに設置されたフロアス
イッチからそれぞれの担当課担当グループにHUBを設置し端末やプリンタ
などを利用しているが,再構築されたシステムと現在のシステムを引継ぐ形
ではなく,並行稼動を想定している1か月間は双方のシステムを稼働させる
ことが必要となる。
このことを踏まえ,新住民情報基幹系システムのイメージを図で示したの
でこれを参考に貴社のネットワーク構築方法を明確に記載すること。
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新住民情報基幹系システムイメージ
他システム
電算室 または データセンター
出先機関
西部出張所・東部出張所・市民サテライトステーション
・保健センター
100M
データ連携
ONU
市側で準備
ビジネスイーサ
ONU
10M
各フロア
100M
各フロア
光ファイバ 1000M
新規整備
100M
既存ネットワークの青枠及び青線
を活用することを想定
各フロア(他システム連携あり)
100M
緑:イントラネット系システム
青:住民情報基幹系システム
白:新住民情報基幹系システム用
⑯ その他(上位計画等の推進について)
本市では,基幹系システムが管理等する行政情報資産(住民情報や税情報
等)が利活用できること,クラウドによる新しいシステムの運用・運営モデル
等が提案されること等については,上位計画等推進に資するものと考えている。
よって,これらに鑑みた優良な提案等がある場合には,記載すること。
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4 基幹系システムの機能要件
(1)基幹系システムの業務機能要件
新住民情報基幹系システム再構築において基幹系システムの業務機能要件
項目は以下のとおりである。機能要件の詳細については資料4「龍ケ崎市新住
民情報基幹系システム機能要件確認書」を参照されたい。
なお,業務機能要件について,「パッケージの標準機能には◎」,「稼動時に
は対応の機能には○」,「対応するためパッケージの代替機能又はEUC機能
での提案ができるものには□」,「対応するにはカスタマイズが必要となる機
能には△」,「パッケージとして対応できない機能には×」を,それぞれ資料4
「龍ケ崎市新住民情報基幹系システム機能要件確認書」の回答欄に記載すること。
また,実施方法欄には具体的な対応方法や代替方法等を記入すること。
なお,記載した回答については,デモンストレーション及びプレゼンテー
ション時に確認を行う。
住民情報基幹系システムの機能要件項目
(資料4「機能要件確認書」より抜粋)
業務名
システム共通
総合窓口業務
住民記録業務
印鑑登録業務
個人市・県民税業務(確定申告支援含む)
法人市民税業務
固定資産税・都市計画税業務(概要調書,家屋評価,地図情報含む)
軽自動車税業務
税証明業務
共通宛名・納付業務
税収納業務(公金データ収納含む)
滞納業務
国民年金業務
国民健康保険業務
高額療養費支給
医療福祉業務(乳幼児・一人親・障害・妊産婦)
後期高齢者医療業務
介護保険・介護認定業務
学齢簿業務
選挙業務
下水道受益者負担金業務
人口統計・成人式・敬老会 16
(2)その他
① 推進体制について
新システム事業者の体制について,次の点に留意すること。
ア プロジェクト全体を管理し,本市との窓口になるプロジェクト管理責任
者(技術的な専門的事項についても対応できる者)を配置すること。
イ 本市の指定する対象業務毎に主担当者及び主担当者補佐を割当て,遅滞
なく業務を推進できる体制とする。
ウ 合理的な説明がなければ,複数業務を主担当者が兼務することは禁止す
る。
エ 品質管理に対する手法と体制を明確にすること。
オ 本市の業務担当者との会議・ミーティング等には,主担当者又は主担当
者補佐が必ず出席する。
カ 主担当者及び主担当者補佐は,調達対象となったパッケージソフトの導
入プロジェクト又はそれと類似した業務の経験を有すること。
キ 新システム事業者は開発作業員の氏名,業務範囲を明確に文書で示すこ
と。
ク また再委託に関しては,次の点に留意すること。
・業務を遂行するため特別の理由がある場合で第三者への委託内容・範
囲をあらかじめ届出,本市の承諾を受けること。
・新システム事業者の要員数を著しく超過しないこと。
・再委託先事業者が個人情報の記載されている本市のデータを庁舎外へ
持ち出さないこと。
・再委託先事業者が本市にとって不利益となる事象を発生させた場合,
全ての責は新システム事業者が負うこと。
・新システム事業者と再委託先事業者の間には「個人情報保護に関する
条項」が記載された契約を締結すること。その内容は事前に本市の承認を
得ること。
② 市との役割分担について
市職員と新システム事業者の役割分担について明確にすること。
③ 契約及び支払いについて
契約内容については,次の点に留意すること。
ア 新システム構築作業の契約については平成28年11月を予定してい
るが,発生する費用の支払いは,システム稼動後からの利用料として構
築から利用,BPOまでを含め利用期間5年間で払うことを想定してい
る。
イ 詳細については別途決定する。
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