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別紙様式3
平成27年度
学部名
【
学園研究費助成金< A >
】研究成果報告書
生活科学部
フリガナ
氏 名
ハシモトマサヨシ
橋本雅好
研究期間
平成27年度
研究課題名 創造力・想像力を育てるプロジェクトを取り入れた保育園における園児の行動観
察調査、及び、新規プロジェクトの実践
研究組織
氏
研究代表者
名
橋本雅好
学
部
生活科学部
職
位
准教授
研究分担者
研究分担者
1.本研究開始の背景や目的等(200 字~300 字程度で記述)
近年の保育園については、国の施策を見ると、子ども・子育て関連3法に先立ち、「先取りプ
ロジェクト」や「待機児童解消加速化プラン」が実施されており、速やかに待機児童対策がお
こなわれている。一方で、保育園での保育プログラムについても園児の成長を支える多様な取
り組みがおこなわれている。本研究では、保育プログラムに創造力・想像力を育てるプロジェ
クトを取り入れた保育園を対象に、園児の定期的かつ詳細な行動観察調査をおこない、創造
力・想像力を育てるプロジェクトが園児の行動に与える影響を明らかにし、合わせて、ハード
としての建築・空間の特徴が園児の行動に与える影響についても検証することを目的とする。
また、生活環境デザイン学科の特色を活かし、創造力・想像力を育てる新規プロジェクトの実
践もあわせておこなう。
2.研究方法等(300 字程度で記述)
■保育プログラムに創造力・想像力を育てるプロジェクトを取り入れた保育園における園児の
行動観察・・行動観察調査(5 月〜10 月)
チャイルド・コミュニケーション・デザインを取り入れている保育園を対象に、毎週 1 回の
定期的な園児の行動を把握する調査をおこない、創造力・想像力を育てるプロジェクトが園児
の行動に与える影響を明らかにする。また合わせて、ハードとしての建築・空間の特徴が園児
の行動に与える影響についても検証する。
■保育プログラムに創造力・想像力を育てるプロジェクトの実践(10 月、2 月)
生活環境デザイン学科の特色を活かし、創造力・想像力を育てる新規プロジェクトの実践も
あわせておこなう。
3.研究成果の概要(600 字~800 字程度で記述)
3 歳児においては、他の年齢と比べて全体的に睡眠、食事の活用頻度が高く、遊びの活用頻
度が少ないことから、より長い時間、睡眠と食事に空間を活用していることがわかり、空間
利用と発達の関係が明らかとなった。保育室内にアーチがある 4 歳児保育室、5 歳児保育室で
は、広い空間で子供たちが主に身体遊びをおこなっているとともに、子供たちが自発的な遊
びをおこない、様々な遊びが自由に展開されるスペースであることが明らかとなった。建築
空間において、大まかに区切られた園庭側のスペースと、アーチを介して広いスペースが緩
やかに仕切られることで、保育室内が 2 面性を作り出し、また、保育側がその空間を十分に
生かしたコーナーづくりがおこなわれていることが明らかとなり、空間と保育が連携できて
いる一つの例であるといえる。
4 歳児保育室・5 歳児保育室内のアーチのある広い空間において、建築空間に関係の深いB.
仕掛け探求型と、それを含んだ複合型の発生数が多いことが明らかになった。また、他にも
A.囲み内向型+B.仕掛け探求型など、複合型の発生があることから、保育園の建築空間をいか
した保育内容がおこなわれ、建築空間に誘発された行動が起こっていることが明らかとなり、
特徴のある建築空間に誘発される行動があることが明らかとなった。
1日の流れにおいて、チャイルド・コミュニケーション・デザインの仕掛けや取り組みが、
日々の保育の流れに影響を出さず、子どもたちの自発的な行動によって、展開されていくこ
とが明らかとなった。また、アーチ周辺や、デッキ等の広いスペースを自由に活用しており、
アーチを活用して行動する遊びも見られ、さらに、複数人での空間形成自体が著しく増加し
たことから、空間との連携を目指す取り組みであるチャイルド・コミュニケーション・デザ
インと物理的環境が双方向に作用し、子ども同士のコミュニケーションを促進するように、
行動様態に影響を与えていることが明らかとなった。
なお、プロジェクトの実践については、10 月にフェスタ(運動会)での会場構成大道具・
小道具の制作・ワークショップ、2 月にタイヤプロジェクトのデザイン・塗装施工・ワークシ
ョップをおこなった。
4.キーワード(本研究のキーワードを1以上8以内で記載)
①チャイルド・コミュニ ②空間形成
③仕掛け探求型
④建築・空間的特徴
ケーション・デザイン
⑤
⑥
⑦
⑧
5.研究成果及び今後の展望(公開した研究成果、今後の研究成果公開予定・方法等について記載するこ
と。既に公開したものについては次の通り記載すること。著書は、著者名、書名、頁数、発行年月日、出版社
名を記載。論文は、著書名、題名、掲載誌名、発行年、巻・号・頁を記載。学会発表は発表者名、発表標題、
学会名、発表年月日を記載。著者名、発表者名が多い場合には主な者を記載し、他○名等で省略可。発表数が
多い場合には代表的なもののみ数件を記載。
)
2016 年度の日本建築学会大会、日本インテリア学会大会にて口頭発表をおこない、両学会の
査読付論文に投稿する予定である。