概要【PDF/660KB】

平成28年6月12日
平成28年度
新商品・新技術研究開発
一般財団法人 自転車産業振興協会
1.事業の目的
一般財団法人自転車産業振興協会は、自転車等製造事業者の開発意欲を促すた
め、斬新かつ独創的な発明や考案で、消費者の購買意欲を高める付加価値の高い自
転車・自転車部品および2020年の東京オリンピック・パラリンピック「自転車競技」で活
躍を期待できる自転車・自転車部品の研究開発を実施する企業または個人を公募・選
考の上、その研究開発費の1/2を助成しています。
【開発テーマ】
○ 高付加価値自転車・自転車部品
※長寿命自転車、業務用自転車、通勤自転車、災害対策自転車及び高齢者向
け自転車など、斬新かつ独創的な発明や考案で、使用者の利便性や購買意欲を
高め安全で付加価値の高いもの
○ 2020年東京オリンピック自転車競技自転車・自転車部品
○ 2020年東京パラリンピック自転車競技自転車部品
2.選考経緯
研究開発を公募したところ、4月末締め切りまでに14件申請が在り、5月開催の第1
回新商品・新技術研究開発委員会(委員長:轟 寛・有識者)に於いて申請者によるプ
レゼンテーションを実施の後、委員会で選考の結果、次の7件の申請(単年度)につい
て研究開発を実施していただくことになりました。
Index
No.
研究開発者
品名または形式
1 株式会社ASK TRADING
スウープ・トラック CT-ST
2 ピーエムティー
パームブレーキバー
3 株式会社日東
MTB競技用シートピラー
4 株式会社ニッコー
キャリヤロック
5 株式会社三ヶ島製作所
Ezyスルーアクスル
6 平和技術研究所
世界最小折りたたみ自転車(16インチ)PATTO BIKE S349
7 有限会社今野製作所
SUS-Road/SUS-Track
8 ブリヂストンサイクル株式会社 新しい折りたたみ自転車
1.スウープ・トラック CT-ST
単年度
株式会社ASK TRADING
【コンセプト】
2020年東京オリンピック・トラック競技向け、日本選手に海外ブランド自転車では
なく「日本ブランド」に乗って戦ってもらうべく、日本人選手の要望に沿った自転車を
製造し、日本発祥の「ケイリン」でメダルを取ってもらう。
【ターゲットユーザー及び想定する利用シーン】
2020年東京オリンピック代表選手をはじめとするトラック競技者、男子競輪選手
及び現行のガールズケイリン女子選手達。
2.パームブレーキバー
単年度
ピーエムティー
【コンセプト】
近年、自転車は環境意識の高まりにより、販売台数が増加傾向にあることを感じ
る。
しかし、基本的な構造は完成の領域に達しており、新鮮味も少ないとも感じてい
た。
そんな中、ピストバイクがクローズアップされた際、ブレーキレバーが話題になり、
ブレーキレバーがなくなったらと思い、個人で開発を始めた。
【ターゲットユーザー及び想定する利用シーン】
より個性的でカスタマイズされたピスト&クロスバイク、MTB、BMX等を求める
客層。利便性を求める客層。樹脂製品の汎用化。
ブレーキは非常用以外では使用しない競技、または、グリップを握っている方が
多い自転車競技を想定。
通常のブレーキレバーを使用できない弱握力や高齢者、身体障害者を想定。さら
に、リハビリ施設などで利用している特殊自転車向け(専用車は高価)。
3.MTB競技用シートピラー
単年度
株式会社日東
【コンセプト】
丈夫で軽い、オリンピック競技で使用できるMTB用シートピラー。
新しいタイプのフレームに合わせると、シートピラーは、ゼロオフセットが望ましい。
日東製ロード用は、オフセット24㎜、トラック用は23㎜、MTBは新しく0㎜オフセッ
トを作る。
MTBレース用なので、クロモリのM7のボルトを使用して強度アップを図る。
最近増加しているオーバーサイズ径のシートピラー31,8㎜と30,9㎜を新たに作る。
【ターゲットユーザー及び想定する利用シーン】
MTBクロスカントリ用
4.キャリヤロック
単年度
株式会社ニッコー
【コンセプト】
リヤキャリヤに取付可能な自転車用盗難防止装置(サークル錠)。
【ターゲットユーザー及び想定する利用シーン】
自転車リヤキャリヤを装着する車両及びユーザーをメインターゲットとする。
一般に自転車後輪錠(サークル錠)はバックホーク(シートステイ)に装着される事
が多いが、昨今の駐輪事情などを調査する中で、従来の錠前装着位置では「隣の
自転車とのスペースが限られた駐輪場での操作がし辛い」、「立体駐輪場で下の
段だと潜り込まないと操作できない」といった声がある事が判明した。
また、リヤキャリヤに子乗せやリヤバスケットを後付け装着した車両の場合、既
存の錠前装位置(バックホーク位置)での操作が困難になることが判明した。
これらの事から、現在の自転車後輪錠に対するユーザー満足度はかならずしも十
分ではないということを再確認し操作性の良い車両後端(キャリヤ後端)に、しかも
後付けが可能な製品の提案を企画した。
実際に企画開発を行うにあたり、子乗せやリヤバスケットを汎用キャリヤに後付
け装着した場合でも、それらの影響がなく、錠の操作性を損なうことのないキャリヤ、
後方に装着できる新型錠(アタッチメント)を開発することとした。これにより従来装
着位置では錠前の操作が困難となる様な利用シーンにおいても活躍し、ユーザー
メリットを感じて頂けるのではないかと考える。
5.Ezyスルーアクスル
単年度
株式会社三ヶ島製作所
【コンセプト】
従来のクイックリリースアクスルと同等の操作性を持たせることで、スルーアクス
ル本来の剛性・精度と使用の容易性を並立させること。
あわせて、軸長に可変性を持たせることで特定のフォーク/フレームに限定されな
い汎用性を与えること。
【ターゲットユーザー及び想定する利用シーン】
一般ロード車を中心にするファンライドユーザー。
競技用としては認定の是非が不明のため、現行は想定していない。
6.世界最小折りたたみ自転車(16インチ)
PATTO BIKE S349
単年度
平和技術研究所
【コンセプト】
実用的な走行性能を備えた自転車として世界最小サイズの折りたたみ自転車16
インチ(349)
《目 標》
現在の世界最小サイズ折りたたみ自転車の三辺の合計を10㎜以上下回る。
例1 国内メーカー T社 650×480×330(三辺合計1460)㎜
例2 英国メーカー B社 580×585×300(三辺合計1465)㎜
PATTO BIKE SN349
480×685×285(三辺合計1450)㎜以下
【ターゲットユーザー及び想定する利用シーン】
複雑なメカや腕力に自信が無くて折りたたみ自転車を敬遠しているユーザー。
通勤・通学やポタリングなどのシティーコミューターとして活用。
7.SUS-Road/SUS-Track
単年度
有限会社今野製作所
【コンセプト】
競技用レーサーで現在主流となっている“カーボン”以上に走りの性能が高い“ス
テンレス”を用い、オリンピックという世界的イベントの場で、出場選手に勝利をもた
らすフレームの研究開発と選手への機材サポート。
【ターゲットユーザー及び想定する利用シーン】
2020年東京オリンピックへの出場を目指す選手、並びに同大会に出場し勝利を
目指す選手(フレームメーカーとスポンサー契約を結んでいない選手へのサポート
を予定)。
ロードレース、トラックレース。
8.新しい折りたたみ自転車
27-28年度継続
ブリヂストンサイクル株式会社
【コンセプト】
<新しい折りたたみ自転車>
折りたたみ自転車は、文字通り『折りたためて持ち運べる』ことができる自転車で
ある。
そのため、お客様は、「他のモビリティーに載せてその先で使えることから○○で
きるようになる」「コンパクトに保管できることから家/出先で○○できるようになる」
等、それぞれの使い方でそれぞれの価値を見出せるものと考えている。
25-26年度継続枠で開発させていただいた「新しい折畳み自転車」について、2728年度継続枠での量産開発設計を実施し、量産を目標に細部をつめていきたいと
考えている。
【ターゲットユーザー及び想定する利用シーン】
今回の折りたたみ自転車は、お客様の利用シーン含めて使われ方もそれぞれあ
るなかで、ユーザー層20台後半~、男女、主に都市周辺部でのレジャー用等での
使用を想定している。