平成28年3月期

平成28年3月期
株式会社 北 越 銀 行
取締役頭取
荒 城
哲
1.経営環境
景気は、設備投資に持ち直しの動きがみられるなど緩やかな回復が続く一方、個人消費が低調
に推移し、弱さも窺えます。
また、日銀のマイナス金利政策導入の影響などから、銀行の運用環境は大きく変化しています。
設備投資は緩やかに回復
個人消費は弱い動きが続く
国債利回りは史上初のマイナスに
設備投資の先行指標となる機械受注実績
は、海外景気の減速懸念などから夏場に
落ち込んだものの、企業収益の改善など
を背景に年末にかけて再びプラスに。
個人消費の動きを示す2人以上世帯の消
費支出は、家計の節約指向の高まりなど
から低調に推移。
長期金利の指標となる新発10年物国債の
利回りは、日銀によるマイナス金利政策
の導入を受け、史上初のマイナスとなっ
て以降、概ねゼロ%近辺で推移。
機械受注実績(船舶・電力を除く民需)
%
2人以上世帯の消費支出
%
0.6
8.0
26,149
0.388%
対前年同期増減率
25,376億円
新発10年国債利回り
対前年同月増減率
4.0
12.4%
0.4
25,098
24,456
0.0
0.2
△ 4.0
0.0
3.3%
2.1%
△ 5.3%
△ 0.9%
H27年1~3月
(出所)内閣府
4~6月
7~9月
10~12月
△ 8.0
H27/4月
(出所)総務省
△ 0.029%
△ 0.2
27/10月
28/3月
H27/4月
27/10月
28/3月
(出所)日本相互証券、Bloomberg
1
2.利 益
27年度の当期純利益は、資金利益の増加に加え、経費が減少したことなどから、単体 73億円、
連結 77億円となりました。
27年度
コア業務粗利益
前年度比
304 億円
13 億円
274
13
15
15
27
2
211
△ 3
93
16
77
1
実質与信関係費用
11
7
有価証券関係損益
36
△ 1
資金利益
うち 投信解約益
役務取引等利益
経
費
コア業務純益
投信解約益除き
当期純利益
(連結ベース)
73
( 77 )
コア業務粗利益は、資金利益が
投信解約益により増加したほか、
役務取引等利益も増加したこと
などから、前年比 +13億円
コア業務純益は、粗利益の増加
に加え、経費が減少したことな
どから、前年比 +16億円
実質与信関係費用は、事業再生
支援にむけた引当金の積み増し
などから、前年比 +7億円
14
( 13 )
(注1)コア業務粗利益=業務粗利益-国債等債券損益-金融派生商品損益
(注2)コア業務純益=業務純益-国債等債券損益-金融派生商品損益+一般貸倒引当金繰入額
2
3.預金・預り資産
預金等残高は、個人預金をはじめ全てのセクターで増加し、2兆3,958億円となりました。
預金以外の個人預り資産残高は、保険が増加したものの、投資信託の基準価格下落に加え、
国債の満期償還がすすんだことなどから若干減少し、3,027億円となりました。
預金等残高
億円
預金等の内訳
26,000
28/3末
23,958億円
24,000
23,261
22,870
22,000
21,622
(+697億円)
個
人
法
人
地方公共団体等
合
21,907
計
16,232 億円
27/3末比
362 億円
5,736
241
1,990
94
23,958 億円
697 億円
預金以外の個人預り資産残高
20,000
28/3末
保
18,000
24/3末
25/3末
(注)譲渡性預金を含む
26/3末
27/3末
28/3末
険
2,077 億円
27/3末比
52 億円
投資信託
805
△ 11
国 債 等
144
△ 76
合
計
3,027 億円
△ 35 億円
3
4.貸出金
貸出金残高は、中小企業向け融資への取組み強化などから、法人貸出金が大幅に増加した
ほか、個人ローンも順調に推移し、1兆5,150億円となりました。
また、特に重点的に取り組んでいる「成長分野向け融資」につきましては、26年度実績を
大きく上回る 467億円を実行し増加が続いています。
貸出金残高
億円
貸出金の内訳
16,000
28/3末
15,000
14,726
15,150億円
個
人
3,817 億円
158 億円
(+424億円)
法
人
8,455
470
6,302
602
2,877
△ 204
うち 中小企業向け
14,235
国・地方公共団体
13,867
14,000
27/3末比
合
計
15,150 億円
424 億円
13,333
成長分野向け融資実行額
13,000
12,000
24/3末
25/3末
26/3末
27/3末
28/3末
25年度
26年度
27年度
225 億円
356 億円
467 億円
(注)成長分野:日本銀行の成長基盤強化を支援するための資金供給制度における
18分野(医療・介護事業、農林水産業、環境・エネルギー事業等)
4
5.取引基盤
地域の人口減少の加速などにより環境変化がすすむなか、給与振込・年金指定をはじめとして、
お客さまとの取引基盤の拡大にむけた取組みを継続しています。
平成9年(ピーク)
平成27年
ピーク比
西暦2040年予想
249 万人
230 万人
△ 19 万人
179 万人
新潟県の総人口
(出所)平成9年、27年は新潟県、西暦2040年予想は国立社会保障・人口問題研究所
年金指定先数
給与振込先数
122千先
215千先
210
206
(+5千先)
個人取引先数
120
119
741千先
(+2千先)
731
(+10千先)
724
26/3月
27/3月
28/3月
26/2月
27/2月
28/2月
26/3月
27/3月
28/3月
(注)総預金平残1万円以上の先数
5
6.不良債権の状況
経営改善支援への徹底した取組みなどから、不良債権額・不良債権比率ともに低水準で
推移しています。
不良債権額と不良債権比率
億円
10.01% ( ピーク )
不良債権比率
400
379
不良債権額
377
1,148億円
2.77%
2.65%
357
2.45%
332
336億円
(前年比 +4億円)
2.15%
2.19% (前年比 △0.04%)
0
15/3末
24/3末
25/3末
26/3末
27/3末
28/3末
(注)金融再生法基準
6
7. 市場運用
有価証券評価益は、株価の下落などにより、株式・投資信託等の含み益が減少したものの、
債券相場の上昇により、全体では 87億円増加の 503億円となりました。
また、日銀のマイナス金利政策導入による市場環境の変化などを踏まえ、外債投資を強化
するなど運用の多様化を図っています。
有価証券評価益
億円
有価証券評価益の内訳
600
503億円
416
400
28/3末
債
券
株
式
83
△
32
投資信託等
108
△
38
合
234
計
124
25/3末
26/3末
(注)満期保有目的の債券を除く
156 億円
503 億円
28/3末
0
24/3末
311 億円
87 億円
有価証券残高
197
200
27/3末比
27/3末
28/3末
27/3末比
円建債券
6,421 億円
外貨建外債
1,909
605
投資信託等
1,032
41
合
計
9,363 億円
△ 711 億円
△
65 億円
7
8.ローコスト経営
ローコストな経営態勢を構築するため、平成24年度にスタートした業務改革の各施策に改善
を加えながら定着化を図ることで、一層の業務効率化と経費削減をすすめています。
経
億円
費
経費の内訳
322億円 (ピーク)
27年度
経
250
223
222
217
214
211億円
費
前年度比
211 億円
△
3 億円
うち 人件費
121
△
0
物件費
76
△
2
業務改革への取組み
200
・営業店事務の本部への集中化・機械化
・融資関連業務の再構築
・本部のスリム化・店舗態勢見直し
150
9年度
23年度
24年度
25年度
26年度
27年度
8
9.自己資本比率
自己資本比率は、利益による内部留保の積み上げを図るなか、貸出金への取組み強化などにより
リスクアセットが増加し、8.48%となりました。
また、グループ会社を含めた連結での自己資本比率は 9.01%となっています。
自己資本比率(単体)
10.53%
28/3末
劣後債務 150億円の
返済などにより低下
8.55%
リスクアセット
自己資本額・リスクアセット
8.48%
27/3末比
自 己 資 本 額
882 億円
38 億円
リスクアセット
10,405 億円
528 億円
10,405億円
9,877
連結自己資本比率
9,185億円
連結自己資本比率
26/3末
27/3末
28/3末
27/3末比
9.01 %
△ 0.08 %
28/3末
9
10.株主還元
配当方針につきましては、健全経営の維持にむけた内部留保の充実を図りながら、安定的な
配当を実施していくことを基本的な考え方としています。
こうしたなか28年度の年間配当予想は、前年度と同様の一株あたり 6円を見込んでいます。
< 28年度 配当予想 >
1 株 あ たり 配 当 金
(
27 年 度 実 績
)
中 間 配 当
期 末 配 当
年 間 配 当 額
3 円
3 円
6 円
( 3 円 )
( 3 円 )
( 6 円 )
また、自己株式を毎年継続的に取得しており、株主価値や資本効率の向上に努めています。
26年度
25年度
自己株式取得額
配 当 金 総 額
( 配 当 性 向 )
株 主 還 元 額
( 同
率 )
< ご参考 > ROE
27年度
6 億円
4 億円
7 億円
14 億円
14 億円
14 億円
( 32 % )
( 24 % )
20 億円
18 億円
( 19 % )
21 億円
1
( 46 % )
4.9 %
( 31 % )
5.9 %
( 29 % )
6.6 %
(注1)株主還元率 =(配当金総額+自己株式取得額)÷ 当期純利益 × 100
(注2)ROEの分母となる自己資本平均残高 ={(期首純資産-期首新株予約権)}+{(期末純資産-期末新株予約権)}÷ 2
10
11.業績予想
28年度は、日銀のマイナス金利政策導入の影響などから、一段と厳しい収益環境が想定
されますが、お客さまのニーズに徹底して応える営業とローコスト経営を一段とすすめ、
当期純利益については、60億円を見込んでいます。
26年度
コア業務純益
投信解約益除き
当期純利益
(連結ベース)
27年度
28年度予想
76 億円
93 億円
61 億円
76
77
60
59
( 64 )
73
( 77 )
60
( 65 )
上期・下期の見込み
当期純利益
上 期
下
期
32 億円
28 億円
計
60 億円
11
本日は、決算説明会にご参加いただき、ありがとうございました。
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お問い合わせ先
株式会社
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総合企画部
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本資料には、将来の業績に関する記述が含まれています。こうした記述は、将来の業績を保証するものではなく、リスクや不確実性を内包する
ものであり、経営環境の変化等により計画または予想の数値と異なる結果となる可能性があります。