の改正案について [161KB pdfファイル]

「鹿沼市空き家等の適正管理に関する条例」の改正案について
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条例の改正案の考え方
本市がこれまで空家等に関する事務を実施してきた中で、新たに行政が行うべ
きと判断した事務を定めるとともに、空家等対策の推進に関する特別措置法(以
下「法」といいます。)の施行に伴う規定の整備をするため、鹿沼市空き家等の
適正管理に関する条例(以下「条例」といいます。)の一部を改正します。
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条例の改正案のポイント
(1) 条例の目的
法に定めるもののほか、危険な空家等に対する安全確保のための措置、空家
等の発生の予防を定めることにより、市民等の安全で安心な暮らしの実現に寄
与することを目的とします。
【説明】緊急安全措置(危険な空家等の除却、修繕等を市長が行うこと。)、
空家発生の予防など、本市の空家行政に必要な事務で法に定めのな
いものを定めることを条例の目的とします。
(2) 空家等対策計画の策定
市長は、空家等の活用等を総合的かつ計画的に実施するため、鹿沼市空家等
対策計画を定めます。
【説明】法は、空家等対策計画の策定を自治体の判断に委ねていますが、同
計画は、本市における総合的かつ計画的な空家行政に必要なもので
あるため、同計画の策定を市長の義務として定めることとします。
(3) 審議会の設置
市長は、委員5人以内で組織する「鹿沼市空家対策審議会」を設置します。
【説明】「鹿沼市空家等対策計画」の策定、空家等の所有者等に対する勧告
又は命令の必要性等について、外部委員による客観的な調査審議を
行うため、市長の附属機関として、鹿沼市空家対策審議会を設置す
ることとします。
委員は、法務、不動産、建築等に関する知識経験者等のうちから委
嘱することとします。
(4) 空家等に関するデータベースの整備等
市長は、空家等に関する正確な情報を把握するために、データベースの整備
等を行うこととします。この場合において、市長は、データベースの利用、外
部提供等において個人情報が適切に保護されるよう、必要な措置を講じなけれ
ばならないこととします。
【説明】①法は、データベースの整備を努力義務としていますが、空家等に
関する情報の正確な把握、空家等のマッチング※及び当該情報の
関係者との共有には、データベースの整備が必要であるため、そ
の整備を条例で定めることとします。
②データベースは、本市の職員のみならず、不動産業者、関係団体
等も利用する可能性があるため、不必要な情報を外部に提供しな
いこと、個人情報の外部提供には本人の同意が必要であること等
を定めることとします。
※
マッチングとは、空家等又は空家等が所在する土地の売却又は賃貸を希
望する者と、これらの購入又は賃借を希望する者との間を仲介する行為を
いいます。
(5) 空家化の防止
市長は、建築物等が空家等となることを防止するため、必要な措置を講ずる
こととします。
【説明】一度空家等となった建築物等に手を加え、新たな所有者、用途等を
探すことには、多大な労力が必要となります。そのため、今後空家
等となる可能性がある建築物等の情報を収集し、適切な助言、情報
提供等を行うことにより、当該建築物等が適切に処分され、空家等
となることを防止します。
(6) 空家等及びその跡地の活用
市長は、空家等及びその跡地に関する情報の提供、その他これらの活用のた
めに必要な対策を行うこととします。
【説明】管理不全な状態となった空家等を適切な状態に戻すためには、多大
な労力が必要です。一方、建築物等が空家等となった後でも、資産
的な価値を有している間であれば、新たな利用者、用途等を見付け
ることは可能です。そのため、市長は、空家等が管理不全な状態と
なる前に、データベースを活用した情報提供、マッチング等の空家
等の市場流通性を高める施策を実施することとします。
(7) 緊急安全措置
市長は、空家等が市民の生命、身体又は財産に被害を及ぼすことが明らかな
場合であり、緊急にその被害の発生を防止する必要があると認めるときは、法
に定める手続等を経ずとも、当該危害を防止するため、必要最小限の措置を講
ずることができるものとします。この場合において、市長は、当該措置に要し
た経費を当該空家等の所有者などに請求することとします。
【説明】管理が不全な特定空家等に対する措置命令が履行されない場合は、
法は、行政代執行により市町村長が当該特定空家等の除却等をする
ことができる旨を定めていますが、行政代執行の実施には、手続的
に長い時間を要します。そのため、周囲の居住者や通行人等に被害
を与える可能性が高く、かつ、緊急に措置を講ずべき空家等につい
ては、市長は、条例を根拠に、当該被害を防止するための最小限の
措置を講ずることができる旨を定めることとします。なお、当該空
家等の所有者等に替わって市長が措置を講ずるため、市長は、当該
措置に要した費用を空家等の所有者等に請求することとします。
(8) 施行期日等
改正後の条例は、平成28年10月1日から施行することとします。ただし、
(7)の緊急安全措置については、平成29年4月1日から適用する旨の経過措
置を定めることとします。
【説明】(7)の緊急安全措置については、市民の財産を市長が一方的に除却
し、又は修繕し、その費用を所有者等に請求することとなるため、
周知期間を設けるため、平成29年4月1日から適用することとし
ます。