中銀は為替発言を修正 (PDF/432KB)

グローバル・マクロ・
トピックス
2016/
6/17
投資情報部
シニアエコノミスト
折原 豊水
ブラジルは財政改革を好感、中銀は為替発言を修正
 ブラジル政府は歳出の伸びを実質でゼロとする財政改革法案を発表、市場の期待に沿う内容
 ゴールドファイン新中銀総裁はインフレ目標の達成時期が後ずれすることや、必要があれば為
替介入やスワップ残高の圧縮を行う可能性を示唆
 現状にそった発言の修正であり、市場寄りのスタンスに大きな変化があったとはみられない
 レアルは英国のEU離脱観測の高まりで上昇一服、今後は財政改革の進展期待が下支え
歳出の伸びを実質で
ゼロとする財政改革
案を発表、憲法改正
を目指す
ブラジルのテメル暫定政権は6/15、財政改革案を発表した。内容は、歳出の伸
びを前年の消費者物価(IPCA)の伸びに抑制し、実質でみればゼロとする。市場が
注目していた歳出に除外項目を設けるのかについては、教育や医療を含め除外項
目を設けないとした。ただし、もし必要があれば、歳出全体に影響を与えない形で、
その他の項目をカットして教育等に充てることは議会の裁量であるとした。もうひとつ
市場の関心事であった、いつまで歳出抑制を続けるのかについては、2017年より開
始され37年まで20年間続くとし、10年後に必要があれば見直すとしている。
メイレレス財務相は、歳出の伸びは1997年から2015年にかけて毎年インフレ率を
6%上回った。08年と15年を比べると連邦政府の歳出はインフレ率を50%上回り、一方
で、歳入は17%増加にとどまっていると述べた。今回の措置により、公的債務残高
GDP比は安定化し、その後低下に向かうとした。
市場の期待にそう内
容、議会との関係が
正常化するなか法案
成立が見込まれる
今回の発表内容は事前の市場の期待に沿うものであり、市場にとっておおむね
好感されよう。暫定政権は今年5月の政権発足後まもなく、前政権の負の遺産であ
る財政悪化について、2016年の基礎的財政収支目標の下方修正を議会に承認さ
せた。ルセフ政権下で悪化していた議会との関係正常化を印象付けたほか、省庁
再編等を発表し、改革姿勢も示した。また、政府は歳出に占める経費の一定割合を
議会の承認なしに自由に設定する権限を23年まで延長することを認めさせ、政府に
よる歳出抑制の余地も残した。今回の法案についても一部修正される可能性はある
ものの、成立はそれほど困難ではないだろう。
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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2016/6/17
グローバル・マクロ・トピックス
中銀総裁は 物価目
標の 達成時期の 先
送りを示唆か
ゴールドファイン中銀総裁は6/13の総裁就任演説において注目すべき発言を
行った。前週の上院における証言からややトーンが変化している。
まず、金融政策については、政策の目標は物価をインフレターゲット(現状は
2016年が+4.5%±2.0%、17年は+4.5%±1.5%)の中央値(+4.5%)に誘導することであ
る。ただ、想定外のショックがあった場合には、レンジの上限、下限が利用され、中
央値まで直ぐに戻らないことがあるとしたうえで、中央値まで戻るのは「チャレンジン
グかつ信頼できる」と述べた。抽象的な言い回しであるが、将来的には+4.5%まで抑
制できるものの、(トンビニ前総裁が言ってきた)2017年末に+4.5%まで持っていくの
はやや難しくなっている、そのため達成時期については後ずれを含めて検討の余
地があることを暗に示唆している可能性もある。6月下旬には中銀のインフレレポー
トの発表が予定されており、インフレ見通しや文言の変化があるのか注目される。
為替政策は 為替介
入やスワップ残高の
削減の余地を示唆
為替政策については、変動為替相場制は外的ショックに対するバッファーになっ
ており、尊重するという前回の発言を踏襲したうえで、もし必要があれば、変動相場
制を損なわない範囲で為替介入を控えめに使用し、中銀の外貨のポジションを縮
小することに用いるかもしれないと述べた。これは、レアル高が行き過ぎる場合に
は、現状620億ドル程度残っているレアル買いドル売りに相当する為替スワップのポ
ジションを徐々に解消することを示唆していると言えよう。前回6/7の発言では変動
相場制を尊重し、介入には消極的と市場はとらえていた。もちろん為替の変動を抑
制するというツールは各国中銀が有しており、原則論を述べたに過ぎないともとれる
が、市場にとっては短期的に留意する材料になりえよう。
中銀の副総裁を一部
入れ替え、タカ派メン
バーが一部退任
6/14には中銀の副総裁の入れ替えが発表された。総裁、副総裁に任期の定め
はなく、政権交代にともなう政治任命の一環とも言える。日系大手証券会社出身で3
月会合では利上げに投票したトニー・ボルポン副総裁らが退任し、4名が新任され
た。ゴールドファイン中銀総裁が修士号をとった名門リオデジャネイロ・カトリック大
学から2名の教授が副総裁として迎えられたほか、大手金融機関グループのブラデ
スコ・アセットマネジメントの首脳が金融政策担当の副総裁に迎えられた。残る1名
は中銀内部からの昇格となる。メイレレス財務相、ゴールドファイン総裁らのスタンス
が反映されやすくなることが期待される。
レ ア ル は 英国の EU
離脱観測で上昇一服
ブラジルレアルは6/8に1ドル=3.35レアルまでレアル高となった。6/3発表の米5月
雇用統計が事前の市場予想を下回る弱い結果となり、米利上げが夏場以降に後ず
れするとの観測により、他の新興国通貨や原油等の商品市況とともに上昇した。さら
に、6/7にゴールドファイン新中銀総裁が変動為替相場制を尊重し、ルセフ政権下
で行われた頻繁な為替介入に消極的な姿勢を示したことが、レアル高につながっ
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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2016/6/17
グローバル・マクロ・トピックス
たようだ。中銀は既述のレアル売りドル買いに相当するリバーススワップの入札を、5
月下旬以降見送っている。その後、英国の欧州連合(EU)離脱観測の高まりを受け
た投資家のリスクオフ姿勢により6/14には3.5レアル台まで反落した。
レアルは財政改革が
進んでいることが下
支え
今後は、6/23の英国のEU残留・離脱の是非を問う国民投票が不透明要因として
重しとなる可能性がある。仮に、離脱となれば短期的に投資家のリスク回避姿勢が
強まるが、離脱回避となれば反発材料となろう。一方、6月の米連邦公開市場委員
会(FOMC)では2016年内の利上げペースについて1回と予想する参加者が6名に
増加、ハト派色が強まっており、短期的にレアルの下支え要因となろう。
ブラジル国内要因としては、既述のように歳出の伸びを実質でゼロとする憲法改
正案が市場の期待に沿う形で発表されており、改革期待が継続している。企業や家
計マインドが上昇する等、実体経済にもプラスに働く可能性があろう。法案が7月に
かけて成立すれば、8月のルセフ大統領の弾劾裁判の判決に向けて政権の求心力
が高まるだろう。8月下旬にスタートする大型地方選挙で与党が勝利すれば安定政
権に対する期待が高まり、レアルは2016年末にかけて上値余地があるとみている。
政権幹部へ の 汚職
疑惑がリスク
リスクとしては、国営石油大手ペトロブラス関連の汚職疑惑の関係者のなかから、
テメル暫定大統領が違法な政治献金を要求したとの報奨付き証言(証言を行うこと
で減刑等の恩恵を受ける)が出ていることだ。国民の大統領への支持率や政権の
求心力が高く推移すればある程度、こうした疑惑に対する不満は抑えられる可能性
もあるが留意したい。外部要因としては、米利上げ観測が再燃する場合には、原油
価格が下落に転じるほか、中国人民元の下落圧力が根強いといったことが挙げら
れる。
米ドル・ブラジルレアルと原油価格
(日次:2014/1/2~2016/6/15)
(1ドル=レアル)
ドル・レアル(左逆目盛)
2.00
2.50
3.00
14年秋~
ペトロブラス汚職疑惑
14年10月
ルセフ大統領再選
4.00
4.50
14
WTI原油価格(右目盛)
110
15年夏・米利上げ観測 100
15/8・人民元ショック
90
15/9・格付けジャンクに
80
大統領弾劾等
70
で政治混乱
60
14年半ば~
原油価格下落
3.50
(1バレル=ドル)
50
40
30
政権交代期待
原油反発
15
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
20
10
16
(年)
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
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時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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2016/6/17
グローバル・マクロ・トピックス
ブラジル・レアルと外国人投資ポジション
(週次:2008/1/4~2016/6/15)
外国人投資ポジション(右逆目盛)
ブラジル・レアル(左逆目盛)
(1ドル=レアル)
(10億ドル)
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
4.5
↑レアル高
↑レアル買い(ネット)
08
09
10
11
12
13
14
15
16
▲ 30
▲ 20
▲ 10
0
10
20
30
40
50
(年)
(注)外国人投資ポジションは為替先物と米ドルの金利先物の合計で、6/10まで
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
ブラジル・レアル円の推移
(日次:2012/1/2~2016/6/15)
(1レアル=円)
55
レアル円
200日移動平均
+10%かい離
▲10%かい離
50
↑レアル高
45
40
35
30
25
12
13
14
15
16
(年)
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
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金融商品取引法に係る重要事項
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