Page 1 陳列効果研究の発展過程と今後の課題 陳列効果研究の発展

陳列効果研究の発展過稗 と.今
後の課題
陳列効 果研 究の発展過程 と今後の課題
安藤
目
1,は
和代
次
じめに
2,本 研 究 の 背 景
3.陳 列 効 果 に 関 す る先 行 研 究 の レ ビ ュ ー
4.研 究 の 発 展 と今 後 の 課 題
5.お
わ りに
1.は
米 国 の 流 通 業 に お い て 、1971年
35%に
に8%で
じめに
あ っ,,ク
ダ ウ ン で の 販 売 比 率 が1996年
ま で 拡 大 し 、 値 引 き 等 の 価 格 施 策 に よ っ て 年 間20604;rド
etat.2004)。
で は
ル 以 上 が 失 わ れ て い る(Levy
日本 に 目 を 転 じて も 、 ス ー パ ー で 見 ら れ る 日 常 的 な 特 売 、 カ テ ゴ リ ー ・キ ラ ー
や 一 律 の低 価 格 で 販 売 す る小 売 業 態 の 台 頭 、 期 未 セ ール の 時 期 前倒 しや長 期 化 な ど、 低 価 格
で 消 費 者 を 刺 激 し て 店 に 誘 導 し 、 購 買 を 促 進 し続 け て い る 。 そ の 結 果 、 小 売 業 も 顧 客 も メ ー
カ ー が 提 示 す る よ り 低 い 価 格 を 期 待 す る よ うに な り 、 結 果 的 に 小 売 業 ・メ ー カ ー 両 者 に と っ
て 、E-3,らを 疲 弊 さ せ る 結 果 と な っ て い る 。 こ の よ う な 厳 し い 環 境 下 に あ っ て 小 売 業 は 、 価 格
以 外 の 販 売 健 進 策 を 求 め て い る ①esmεta磁
鮪 旺audin1998)。
値 引 きや広 告 とい っ た費 用 を
要 す る プ ロ モ ー シ ョ ン 策 だ け で な く 、 既 存 資 産 を 最 大 活 用 し効 率 的 に 売 上 や 利 益 を 生 み 出 し 、
小 売 店 頭 の 生 産 性 の 向 上 、 安 定 収 益 の 確 保 が 希 求 の 命 題 で あ る 。 協 調 補 完 の 取 引 関 係 をd指
す メ ー カ ー に と っ て も そ れ は 共 通 の.課題 で あ ろ う 。
そ こ で 本 稿 で は 、 通 常 棚 で の 陳 列 効 果 に 着 巨す る.ス
な が る と す る 研 究 も あ る が(FrankandMassy1970)、
ペ ー ス を広 げ る こ と は売 上 増 加 につ
そ の 一.方で 明 確 な 影 響 は 認 め ら れ て い
な い と す る 研 究 も あ る 。 ま た 、 最 適 棚 割 り を 導 き 出 す ソ フ トの 普 及 に も 関 わ ら ず 、 陳 列 効 果
を有 効 に 活 用 し、 収 益 性 を高 め る一
一助 と し て 広 く使 わ れ て い る と い う事 例 は 少 な い(U。
で は60年
本稿
代 以 降 高 い 関 心 を 持 っ て 取 り組 ま れ て き た 陳 列 効 果 研 究 の 発 展 過 程 を 辿 り 、 得 ら れ
(L知 .見や 課 題 を 整 理 し 、.今後 の 研 究 の 方 向 性 を 示 し た い 。
一z7一
陳列 効果研究 の発展過程 と今後の課.題
2.本
研 究 の背 景
陳列 効 果 の研 究 は 、消 費.者行 動 や販 売 促 進 の領 域 で 、古 くは196G年 代 か ら論 じ られ て き た。
長 年 の 研 究 蓄 積 が あ る陳 列 効 果 研 究 に.今改 め て 取 り組 む理 由 を、 流 通 視 点 とメ ー カ ー 視 点 の
2側 面 か ら整 理 す る。
近 年 の業 績 低 迷 の 中 、 限 られ た小 売 企 業 しか 新 規 出 店 や 売 り場 拡 張 な ど規 模 の 経 済 性 を求
め た成 長 戦 略 を 実 行 で きな い 。 ま た そ れ ら企業 も含 め て 多 くの小 売 業 は 、既 存 店 をベ ー .スに
経 費 削 減 や業 務 効 率 の 改 善 に よ る収 益 性 の 向.とに 注 力 し、オ ペ レー シ ョン ・シ ス テ ム の 高度
化 、 売 り場 や販 売 促 進 活 動 の 効 率 化 を追 求 して い る。 そ れ に伴 い事 業 の 評 価 は 、投 下 資 本 か
らい か に効 率 的 に利 益 を上 げ られ る か とい う視 点 で な され る よ うに な り、 売 上 に加 え てROI
指 標 が 一 層 の 重 み を持 っ て扱 わ れ て い る。 小 売 業 に とっ て 店 舗 は、 重 要 で 大 き な比 重 を 占 め
る投 下 資 本 で あ り、ROI向 上 の た め に は売 り場 ス ペ ー ス 、 ひ い て は棚 や 単 位 ス ペ ー ス か ら得
られ る売 上 や利 益 を最 大 にす る こ と が期 待 され る。 従 っ て 、 棚 や 単位 ス ペ ー スが 持 つ 販 売 力
を把 握 し、最適 商 品配 置 を行 うこ とが 、 これ まで 以 上 に求 め られ て い る と考 え る。
一.!i,メ ー カ ー に とっ て は ど うで あ ろ うか 。;rの
消 費 支 娼 の減 少 、消 費 者 の ニ ー .ズや 価
値 意 識 の変 化 に よ り、.メー カ ー は マ ス ・マ ー ケ テ.イン グの 活 動 だ け で な く、小 売 店 頭 で の マ
ー ケ テ ィ ン グ活 動 を重 視 し始 め て い る
。 従 っ て 、 既 存 店 の 生 産 性 の 向 上 は流 通 の み な らず 、
流 通 ・メ ー カ ー共 通 の 課題 と して捉 え られ て い る。
ま た 、新 製 品 を含 め ブ ラ ン ドが激 増 す る 中 で 、限 られ た 陳 列 スペ ー スの 争 奪 が熾 烈 な もの
と な っ て い る。.メー カ ー は 自社 ブ ラ ン ドお よび ブ ラ ン ド群 の 露 出 度 や イ ンパ ク トを競 合 社 よ
り優 位 に す る た め 、PCソ
フ トを 駆 使 して 仮 想 の 棚 割 り を組 み 、 積極 的 に小 売 店 に 提 案 す る
(坂本20〔 ゆ 。 自社 の 陳列 ス ペ ー ス を 有利 に 確保 す.るた め に も、POSデ
ー タを 使 っ て 単 品 管 理
を行 う小 売 業 に対 して 、説 得 力 を持 っ て営 業 提 案 を行 うた め に も、 棚 や 単 位 ス ペ ー ス の販 売
力 を理 解 す る こ と が メ ー カー に と って.必要 に な.って い る。
3,陳
列 効 果 研 究 の概 観
次 に 、 陳 列 効 果 に 関す る既 存 研 究 を レ ビ ュ ー し、主 な論 点 を整 理 す る こ とで 、今 後 の 研 究
を 進 め る上 で の拠 り所 と した い 。 本 章 で は 大 き く4つ の 研 究 群 に分 け た 。初 期 の グル ー プ は
60年 代 ∼70年 代 に店 舗 内 の消 費 者 購 買 行 動 研 究 と して取 り組 まれ た もの で.、商 品配 概 を変 化
させ る こ とで 販 売 成 果 を高 め られ るの か 、 その .影響 の 有 無 を確 認 す る研 究 群 で あ る。2つ 目
は70年 代 後 半 一80年 代 に 、商 品 配 置 の 変 化 が販 売 成 果 に与 え る影 響 を量 的 に把 握 す る ため に 、
一28一
陳列効果研究の発展 過程 と今後 の課題
ス ペ ー ス 弾 力 性 を 基 準 に 検 討 が 簾 え ら れ た 研 究 群 で あ り 、3つ
目 は 、 効 果 的 な 棚 割 りの 実 現
の た め に 、 最適 配 分 モ デ ル の 構 築 、 アル ゴ リズ ム の 解 明 に 向 け た研 究 群 で あ る。最 後 に そ の
他 と し て 、 棚 ポ ジ シ ョ ン(段
3-1。
〉 に 関す る研 究 を ま とめ る。
店 舗 内購 買行 動 の研 究
商 品 配 置.が売 上 に.}え
る 効 果 は 実 務 家 の 関 心 も 高 く 、 早 く か ら研 究 され て き た 領 域 で あ る 。
中 で も..「
特 別 陳 列 」 の 効 果 に 着 目 す る 研 究 は 数 も 多.〈、 単 体 の.効果.お よ.び複 数 の セ ー ル ス ・
プ ロ モ ー シ ョ ン.手段 と の 相 互 作 用 が 検 討 さ れ て き た 。 恩 蔵(1.990>に
詳 しく レ ビ ュ ー され て
い る が 、 そ れ ら研 究 の 結 果 を .見る と 、 特 別 陳 列 の 効 果 は 非 常 に 大 きい 。DallonStndy(1960)
で は 、 特 別 陳 列 さ れ た 商 品 の 売 上 数 量 は 通 常 緬 格 販 売 時 で 約4.7倍
っ た 。 さ ら にWillkinson,PaksoyandMason(1982)は
、 値 引 き時 で 約8.0倍
にな
、複 数 プ ロモ ー シ ョン施 策 の比 較 実 験
を 通 し て 、 一 時 的 に 売 上 を 増 加 させ る 働 き が あ る の は 広 告 よ り も特 別 陳 列 や 値 引 き で あ っ た
と報 告 して い る。
一方
、通 常 棚 内 で の 陳 列 効 果 を調 べ る研 究 は 、 特 別 陳 列 に フ ォ ー カ スす る研 究 ほ ど 多 くな
い 。 代 表 的 な 研 究 と して は 、 棚.ス ペ ー ス が 売Fに
行 っ たCox(1964,1970)、
与 え る効 果 を明 らか に しよ うと店 舗 実 験 を
同 様 の 効 果 を 販 売 監 査 法 で 分 析 し たFrankandMassy(1970>、
彩夏
数 の マ ー ケ テ.イ ン.グ変 数 の 一 つ と して 陳 列 ス ペ ー ス を 取 り.入れ 、 店 舗 実 験 を行 っ たWiUkinson,PaksoyandMason(1951,1982)な
Cox(1964:〉
ど が 挙 げ ら れ る(馴
表1>。
の 店 舗 実 験 で は 、6店 舗 ×6週 闇 の ラ テ ン 方 格 法 に よ っ て6パ
ス 数 で 売 土 数 量 比 較 が 行 わ れ た 。 対 象 商 贔 は4種
ダ 〉 と 衝 動 買 い 商 品(挽
の 商 品 で 、 基 礎 的 商 品(ベ
タ ー ン の フ ェ.イ
ー キ ン グ ・ソー
割 トウ モ ロ コ シ 、 タ ン グ 、 コ ー ヒ ー 用 粉 ク リ ー ム 〉 で 反 応 の 違 い に
つ い て も検 討 さ れ た 。 そ の 結 果 、 統 計 的 に 有 意 な 差 が 見 ら れ.たの は 挽 割 トウ モ ロ コ シ の み で
(有 意 水 準5%)、
他 の 商 品 で 有 意 な差 は 晃 られ ず 、仮 説 で あ っ た
「
衝 動 買 い商 品 は基 礎 的 商
品 よ り棚 ス ペ ー ス の 変 化 に 敏 感 に 反 応 す る 」 を 支 持 す る に は 不..f分 な 結 果 と な っ た 。
Coxは70年
に も 同 様 の 実 験 を 行 っ た 。64年
の 実 験 で は カ テ ゴ リー単 位 の 売 上 数 値 で 検 証 さ
れ た が 、 今 回 は ブ ラ ン ド単 体 の 売 一Lに与 え る 影 響 が 調 べ ら れ た 。 ま た 基 礎 的 商 品(コ
用 粉 ク リ ー ム 〉 と 衝 動 買 い 商 品(食
塩)に
ス 反 応 の 差 を 見 る 実 験 を 、6店 舗X3間
2/3の3水
つ い て 、 上 位 と 下 位 の2ブ
ー ヒー
ラ ン ドを 選 び 、 ス ペ ー
の 乱 塊 法 で 行 っ た 。 ス ベ ー ス は 全 体 の1/3、1/2、
準 で コ ン トロ ー ル さ れ た 。 そ の 結 果 、 衝 動 買 い 商 品 の.上位 ブ ラ ン ドに お い て の み 統
計 的 に 有 意 な 差 が 認 め られ 、aつ の 仮 説
「基 礎 的 商 品 は ブ ラ ン ドに 関 係 な く 、 棚 ス ペ ー ス と
売 上 数 量 に有 意 な 関係 が な い」 「
上 位 ブ ラ ン ドの 衝 動 買 い 商 品 で は 、 櫨.スペ ー ス と売 上 数 量 に
有 意 な 関 係 が あ る 」 「下 位 ブ ラ ン ドの 衝 動 買 い 商 品 で は 、 欄.スペ ー ス と 売 上 数 量 に 有 意 な 関 係
が な い 」 を.支持 す る 結 果 と な っ た 。
実 験 的 操 作 を 行 わ ず 販 売 監 査 デ ー タ を 臓 い た 研 究 と し てFrankandMassy(1970>が
一29一
あ る。
陳 列 効 果 研-Lの 発 展 過 程 と今 後 の 課題
図 衷1棚
棚割 りの
バ リエ ーシ ョン
製品 全体 の売 上に与
える棚 スペ ース効果
の把握
6週x6店
舗のラ
テ ン方格 法 が撰 用
棚ス ペー スのバ リ
エー シ ョン も6パ
基礎 的商品 と衝 動買
い商品 の反応 差異
〔1970}
棚 スペースや位 置(段〕
が禿 上 に与 え る効果
を分 析。棚 フェイス 、
段 、 フェイスX段 の
交互 作用 が検討 され
た。
棚 スペ ース のバ リ
エー ション も3.パ.
ター ン
販 売
監査 法
購買頻度 の
寓い加工食
品上位
7ブ ラン ド
×3サ イズ
棚 割 リソフ トの指
示 に従 って棚 フェ
イス数 を変 化 させ
たひ詳細odesで
きないひ
ブラ ン ド 売 上数 量
販 売
監査 法
食料晶
493+種
フェイ ス数 は明 ら
か に されて いない
が,フ ェイ スバ リ
エ ーシ ョン は通常
t拡 張 のxパ ター
ン
ブラン ド
店
石 鹸、
ンユース 、
冷 凍バ イ
シー ト、
米 の4種
シ ョ ンS/C<タ
ー ン
ター ン
スペ ー ス
弾 力性
売 上数量
内
交互作用 効 果は認め られなか っ た。 売上
数量 に与 えるフェイ ス数 の効果 はほぼ線
形に なっ ており、高売上 店〉低 売上店 と
な った。
棚段 レベルの効県 は相対的 に小 さく、そ
の傾向 も不明確 であ った。
スペ ース弾力性 を従属変数 と し、製品特
性 を独立 変数 と して行 った重回帰 分析の
結果 は、スペ ース弾力性 の分散 のわず か
1%程 度 しか 説明 しえない。
独立変数 ごとにサ ンプル を2分 割 しスペ
ース弾 力性 の平均 を比 載,「 ブ ラン ドの
タイ ブ」 と 「
非計画 購買の程 度」 で差 が
認 め られた。
甫
ト麟
実験法
棚 スペー スと売上数 量には統 計的 な有意
な閣 系が見 らhた の は1品 目 のみ
衝動 買い商品 は基礎的 商品 より スペ ース
.変化 に敏感 とい う仮説 は不支持
売上 数量
フ ェイスバ リエー
段 は3パ
ブラン ド
食料 品
2種X
2ブ.ラン ド
[ ッ
腎 ケ
が売 上数量 に与 え る
複 合 的 な 効 果 を検
0
店 内
実 験法
奪
価格 、新 聞広告 、 デ
ィス プ レイの3つ の
マー ケテ ィン グ変数
売上 数量
棚 スペ ースと売上数 量には統 計 的な有意
な関係 が見られたの は1品 目のみ
衝動 買 い商 品ISAga商
品 よ リスペース
変化 に敏感 とい う仮説 は不支 持
舗
Wilklnson,
Mason
and
Paksoy
(1881,1982
フ.ラン ド
ト媚
間の 一般的 パタ ーン
を明 らか にする
ター ン
3週x6店
舗のラ
テ ン方 格法 が採用
実験結累
一 ツ
パケ
スペ ース と売上数 量
〔1972〕
食料品4種
実験法.
㌻
Ou由an
rc内
対無店舗
対象商品
ツ
Massy
難
一ツ
パ ケ
踊
﹁ 一 店
ス マ ト 30
Frankanc
個 別 プラ ン ド売 上に
与 える棚 スペ ース効
果 の把 握
基 礎的=衝 動買 い商.
品 ×上 位;下 位 ブ ラ
ン ドの差 異
警塵
﹁
Coz
(1970)
成果指標
一 ツ
Coa
(issa;
主な研究課題
鐸 蝋 雇蕪
研 究者
〔
研 究年}
ス ペ ー ス に 関 す る先 行 研 究 一 覧(店 舖 実 験)
価 格3水 準(通 常価格 、原価 、割引価格 〕
、
デ ィス プ レイ3水 準(通 常 スペ ース、拡
張 スペ ース 、特別 陳列〉、広告2水 準(新
聞広告 ある ・な し)の18ifiり で実験 され
a,デ ィスプ レ1に つい ては主効果 、価
格 一デ ィスプ レイの2次 の交互 作用 価格
一デ ィスプ レイ.一広告 の3次 の交互 作用
も見 られ た。大 きな効果 を生 ん でいるの
は特別陳 列であ 怯 通 常 スペ ース と拡張
スペ ース での 有意 差 は認 め られて いな
いD
棚 ス ペ ー ス(フ
数 とtoの
ェ イ ス 数)が
売 上 数 量 に 与 え る 効 果 、 棚 ポ ジ シ ョ ン(段a)の
交 互 作 用 効 果 を 明 ら か に し よ う と し た 。 大Rに
デ ー タ の 内 、 購 買 頻 度 の 高 い 加 工 食 品 の 上 位7ブ
あ る30の
効果、フェイス
小 売 店 の63週
分 の販 売
ラ ン ドの デ ー タ を 使 っ て 分 析 が 行 わ れ た([;。
そ の 結 果 、 交 互 作 用 モ デ ル よ り 主 効 果 モ デ ル の 決 定 係 数ji=t:ltlっ た た め 、 フ ェ イ ス 数 と段 数
は個 別 に 検 討 し た と こ ろ 、(特 に 売 上 上 位 店 舗 に お い て)フ
ェ.イス 数 の 効 果 は 認 め ら れ た が 、
棚 段 効 果 は 相 対 的 に 小 さ く 、 ま た そ の 傾 向 も不 明 確 な も の で あ っ た 。
最 後 に 複 数 の マ ー ケ テ ィ ン グ 変 数 の 一 つ と し て 棚 ス ペ ー ス を 取 り扱 っ た 研 究 に 触 れ る 。
WiHklnson,PaksoyaadMason(1981,1982)の
原 価 価 格)、 陳 列3水
な し)で
準(通
研 究 で は 、 価 格3水
準(通
常 価 格 、割 引 価 格 、
常.スペ ー ス 、 拡 張 ス ペ 』 ス 、 特 別 陳 列)、 新 聞 広 告2水
変 化 させ た 場 合 の 販 売 数 量 を 、4つ の 商 品(石
準(あ
る、
鹸 、 りん ご ジ ュ ー ス 、米 、 冷 凍 の パ
イ シ ー ト)で 比 較 し た 。 そ の 結 果 、 特 別 陳 列 さ れ た 場 合 にdJい て 販 売 数 量 は 、 価 格 に よ っ て
程 度 の 差 は あ る も の の 、 通 常.スペ ー ス と 比 較 し て 大 き く増 加 し た 。 し か し通 常 棚 で の ス ペ ー
ス 拡 張 に お い て は 、 り ん ご ジ ュ ー .スと 石 鹸 の 販 売 量 が 通 常.ス ペ ー.ス よ り上 回 っ た も の の 、 そ
の 差 は 無 視 で き る ほ ど の 小 さ な 影 響 で あ り 、 米(通
一30一
常 価 格)と
冷 凍 パ イ シ ー トで は 、 通 常 ス
陳列効果研究 の発展過程 と今後の課題
ペ ー.スを 下 回 る 結 果 と な っ た 。 統 計 的 な 検 定 も 行 わ れ た が 、 通 常 ス ペ ー ス と拡 張 ス ペ ー.スで
有 意 な差 は 見 られ な か っ た。
以.i.の よ う に60年
代 ∼70年
代 に取 り組 まれ た研 究 で 、 フ ェ イ ス数 の 増加 が販 売 を促 進 す る
と い う 明 確 な 結 果 を 示 した の はFrankandMassyU.97⑪)の
みで、その他の研 究結果 では 、
部 分 的 、 も し く は わ ず か な プ ラ.ス影 響 が 晃 ら れ た だ け で 明 ら か な 影 響 は 見 い 出 さ れ て い な い 。
自 ら の 実 験 結 果 を 受 け てCox(1964)は
「棚 ス ペ ー ス の 増 加 は ス ー パ ー で の 食 料 品 の 売.上 を
増 加 さ せ る た め の 策 と し て 、 非.効 率 的 な 方 法.で あ.る」.と し 、 棚 配 分 の 決 定.は そ の 他 の 政 策
(例 え ば 品 切 れ や 品 揃 え に 関 す る 政 策 、 労 働 コ.ス ト最 小 化 策)に
よ っ て 決 定 され る べ き だ と 結
論づ けた。
3-2.ス
ペ ー ス弾 力性 視 点 での 研 究
前 項 で取 り上 げ た 研 究 は 、 棚 スペ ー ス の 変 更 が販 売 成 果 に 影 響 を及 ぼ す の か とい っ た 、影
響 力 の 存 在 に フ ォ ー カ ス して い た。 以 下 で は 、 そ の影 響 力 を量 的 に把 握 す る た め に ス ペ ー ス
弾 力 性 を測 定 基 準 と した研 究 を レビ ュ ー す る 。
ス ペ ー ス 弾 力 性 に 着 目 し た 初 期 の 研 究 にCurhan(1972)の
取 り 組 み が あ る 。Curhanは.ス
ペ ー ス と売 上 数 量 の 関 係 性 モ デル を 明 らか にす る た め に 、 スペ ー ス弾 力性 を 従 属 変 数 と し、
11の 製 品 特 性 を 独.立変 数 と し て 重 回 帰 分 析 を 行 っ た と こ ろ 、 決 定 係 数 が0.032(自
み 決 定 係 数 で0.01.2)と
由 度修 正 済
な り 、...一.一
般 化 モ デ ル と し て 認 め 難 い 結 果 と な っ た 。Curhanは
過 去 に
行 な わ れ た よ う に 限 ら れ た 商 品 を 対 象 と す る 実 験 で は...般 化 が 困 難 で あ る と 考 え 、 こ の 研 究
で は 約500の
5∼12週
製 品 を 対 象 と し た 。 通 常 営 業 下 で ス ペ ー ス を 増 減 さ せ(s;、 ス ペ ー.ス変 更 前 後
に わ た っ て 売 上 数 量 を 観 察 し 、 そ の 結 果 を 元 に.スペ ー ス)7値
全 製 品 の ス ベ ー ス 弾 力 値 を平 均 す る とQ212で
次 に 重 回 帰 分 析 で 独 立 変 数 と し た11の
を計 算 した と こ ろ 、
あった。
製 品 特 性 に つ い て サ ン プ ル を2分 割 し、 ス ペ ー ス 弾
力 性 の 平 均 値 を 比 較 し た と こ ろ 、 統 計 的 に 有 意 な 差 が 認 め ら れ 、 差 の 方luJが 仮 説 と一 致 し た
の4#ブ
ラ ン ドの タ イ プ(仮
ス 弾 力 値 が 大 き く な る)と
力 値 も大 き く な る)で
説:プ
ラ イ ベ ー ト ・ブ ラ ン ドは ナ シ ョ
.ナル ・ブ ラ ン ドよ り ス ペ ー
非 計inn購 買 の 程 度(仮
あ っ た(有
意 水 準25%〉
説=非
計 画 購 買 指 数 が 高 い ほ ど.スペ ー ス 弾
。
他 の 研 究 で も ス ペ ー ス 弾 力 値 は 、 例 え ば 価 格 弾 力 値 と 比 較 し て 、 概 ね 小 さ い 。Heinsbroek
(1.9'17)は カ テ ゴ リ ー レベ ル で の ス ペ ー ス 弾 力 値 を 測 定 し 、 そ の 平 均 は0.isで
40%が0.05以
(rssi>の
あ っ た。 そ の 内
下 で 、0.5を 超 え る も の は な か.っ た と 記 し て い る 。 ま たCorstjensandDoyle
測 定 で は 平 均 値 がO.OA6と
な り、 店 舗 業 態 別 に 弾 力 性 を 測 定 した'f'hurik(1988)は
、
デ パ ー ト、 ス ー パ ー マ ー ケ ッ ト、 ハ イ パ ー マ ー ケ ッ ト、い ず れ も0,6前 後 で あ っ た と して い る 。
ま た 守 口(1989)は
、 前 項 で紹 介 した海 外 の先 行 研 究 で 記 載 され て い るデ ー タ か らスペ ー ス
弾 力 値 を計 算 し、一
一つ の 例 外 を除 い てo.z前 後 で あ っ た と 記 して い る 。
一31一
陳列 効果研究 の発展過程 と今後の課題
一
一部 で ば ら つ き も 見 ら れ る が
、 い ず れ の 先 行 研 究 に お い て も ス ペ ー ス弾 力 値 は そ れ ほ ど大
き な 値 に な らず 、 こ こ で も フ ェ.イス 数 は 販 売 成 果 を 高 め る 要 因 と し て 重 要 な 働 き は し て い な
い と い う 結 果 で あ っ た 。 そ の 理 由 をBJrinandFerris(1995)}よ
「ほ と ん ど の 商 品 に お い て 十
分 な 棚 ス ペ ー ス を 与 え ら れ て い る の で 、.スペ ー ス を 拡 張 し.ても そ れ に 見 合 う販 売 成 果 の 向 上
は も た ら さ れ な い の で あ る」 と指 摘.し て い る 。
3..=3..最
適 資 源 配 分 と ア.ル ゴ リ ズ ム.解 明 に.向..;fた研.究.......一..
.前項 ま で の 研 究 で
、 売 上 の ス ペ ー ス 弾 力 値 は 、 例 え ば 価 格 弾 力 値 な ど と比 較 し て そ れ ほ ど
大 き な 値 に は な らず 、 通 常 棚 で の ス ペ ー ス 増 は 値 引 き や 特 別 陳 列 ほ ど 大 き な 効 果 が 望 め な い
こ と が 指 摘 され た 。 し か し代 表 的 な 研 究 が も た ら し た ス ペ ー ス 弾 力 値0.2と
い う数 字 は 、 マ ー
ケ テ ィ ン グ ・コ ス ト効 率 か ら 考 え て 、 無 視 で き る ほ ど 小 さ な 値 で は な い 。 そ こ で 効 果 的 な 棚
割 り を ど の よ う に 行 え ば よ い の か 、 ア ル ゴ リズ ム の 解 明 に 取 り 組 む 研 究 が そ の 後 も続 け られ
た。
古 く か ら採 用 さ れ て き た 代 表 的 な 最 適 棚 割 り の 方 法 は 、 売 上 金 額 や 数 量 に 比 例 し て 棚 ス ペ
ー スの 配 分 を行 う もの や
、粗 利 や利 益 に応 じて配 分 す る もの な ど で あ る。
棚 ス ペ ー ス に 関 す る 制 約 条 件 下 で 売.上 や 利 益 総 額 を 最 大 に す る と い う視 点 で の 研 究 も存 在
す る 。 棚 ス ペ ー ス に 関 す る 隈 界 分 析 を 行 っ たLee(/952)、
棚.スA一
ス の 配 分 を整 数 計 画 問 題
と して 定 式 化 し解 い たHansenandHeinsborek(1979)やAnderson(1979>な
え ばAnderson(1979)の
どで あ る。例
モ デ ル は 、 製 品 の 市 場 シ ェ ア と製 晶 の ス ペ ー.スシ ェ ア の 関 係 性 を ロ
ジ.ステ ィ ッ ク 関 数 で 表 し 、 限 界 分 析 を ベ ー ス に 陳 列 ス ペ ー ス の 配 分 を 決 め る と い う も の で あ
っ た。
以 上 で 紹 介 し た 初 期 の 研 究 で は 検 討 さ れ て い な か っ た ブ ラ ン ド問 の 競 合 環 境 を 、 初 め て 反
映 さ せ た 研 究 がCor醐ensandDoy7e(198コ.)で
あ る 。 商 品 間 の 相 互 作 用 を想 定 した モ デ ル構
築 を 目指 し 、 幾 何 計 画 法 に よ っ.て最 適 配 分 を 試 み た 。 多 く のinnTテ
存 在 す る こ と(統
ゴ リーで 、交 差 弾 力性 が
計 的 に 有 意)、 しか し単 独 の 弾 力 性 よ り小 さ い こ と を 見 出 し た 。 そ の 他 に 日
本 で 取 り組 ま れ た 中 島(1986>が
あ る 。 ブ ラ ン ド問 競 合 と 商 品 群 間 競 合/協
調 と い う階 層 的 な
競 争 構 造 の.元で 、 ブ ラ ン ド間 お よ び 商.晶群 間 の 両 方 か ら見 て 最 適 と な る 配 分 を 行 お う と す る も
の で あ っ た 。 そ の 際 、 各 ブ ラ ン ドに 「ポ テ ン シ ャ ル 」(i)を 付 随 させ 、 ブ ラ ン ド間 の 競 合 関 係 も
商 品群 間 の相 互 関係 も、 この
「ポ テ ン シ ャ ル 」 を使 っ て モ デ ル 化 し た 。 そ の 結 果 、 棚 ス ベ ー.ス
配分 の最 適 配 分 の た め に、 各 商 晶群 の 総 粗 利 が 重要 な要 因 で あ り、商 品 群 の 配分 は弾 力値 で重
み 付 け し た 粗 利 シ ェ ア を も と に 行 うべ き で あ る こ と 、 ブ ラ ン ド間 の 配 分 は 粗 利 シ ェ ア と の ウ ェ
イ ト付 け 平 均 に よ り、 配 分 す べ き で あ る こ と を導 き 出 し た 。 そ の 他 の 代 表 的 な 研 究 と し てBUI..﹃ ﹂
tezandNaert(1988)のSh,A.R.P.モ
デ ル 、iJ1カ
たRorinFarrisandFreeland(1994)やBonnandFarris(1995)な
一3'1
テ ゴ リー間 の 関係 性 をモ デ ル に組 み 入 れ
ど が 挙 げ られ る 。
,一
陳列効果研 究の発展 過程 と今後の課題
い
譲 .
.
図表2.棚
ポ ジ シ ョン に関 す る先 行研 究 一覧
研究者
研究結果
(研 究 年)
ColonialStudy
目線 の 高 さの 販 売 力 を10Gと
す る と、 腰 の 高 さは74、 床 に 近 い 高 さ で は57。
〔1964)
frankantlMassy
(1970)
三石
売 上 に 対 す る 棚 段 の 効 果 は 無 し、 ス ペ ー ス とポ ジ シ ョ ンの 交 互 作 用 効 果 も 無 し。
詳 細 は 図表1参 照
1本 の ゴ ン ドラ(5段)に
hsaz)
93cmが
同 一 商 品 を陳 列 し、 ど こか ら商 晶 が取 られ る可 能 性 が高 い か を見 た 。
も っ と も 多 く 、 次 に125cm、5$cR、2icm、t57cmと
続 き 、 目 線 の 高 さ(93cm)か
ら離 れ る程 、 ピ ッ クア.ッ.プさ れ る.可能 性 が 低.く.な.る.。..
宮沢
(19A5;
三 石 の 実 験 と 同 様 に 、 同 一 商 品(醤
油)を
ん 中 の 棚
次 い で そ の 上 の 段(.117一
〔85∼117cm).で45%、
並 べ て 、 ど こ か ら取 ら れ る か を調 べ た 。 最 多 は真
の 段 が 圧 倒 的 に 多 く、 次 い で 床 か ら2段 目(50-85cm)の7%一
2,9%、
守口
(1989;
最 上 段(150-180cm;の2.3%と
こ の2つ
番 下(15^一50cm)の
続 く。
5種 類 の 商 品 カ テ ゴ リ ー を1っ の 段 に陳 列 す る7グ ル ープ に 編 成 し、商 品 グ ル ー プ ×週 ×段 の
3因 子 の ラ テ ン方 格 法 で 実 験 が 行 わ れ た 。 結 果 を商 品 カ テ ゴ リ ー毎 に 、棚 ポ ジ シ ョン と商 品
グ ル ー プ の2因 子 で2元 配 置 の 分 散 分 析 が 行 っ た と こ ろ 、販 売 数 量 が 少 な か っ た レン ジ商 品
以 外 で 棚 ポ ジ シ ョ ン が売 上 に 有 意 に影 響 すaと
た め よ リ ア ピ ー ル で き た(と
そ れ以 外 で はioocm前
3-4.棚
一150Cm)の42.7%。
ポ ジ シ ョ ン(段)変
棚 ポ ジ シ ョ ン(段)に
の 結 果 に な った 。 ま た 商 品 が上 向 きに 置 け る
トル トカ レー で は最 下 段 が トッ プ に な っ た が 、
後 が最 も 高 い販 売 シ ェア とな っ た 。
化 に 関 す る研 究
関 す る 研 究 例 は さ ら に 少 な い(図
し て お り 、 目線 の 高 さ(100cm前
Massy(1970)は
考 え られ る)レ
後)が
表2)。
しか しそ の 結 果 は概 ね 一
一
・
致
も っ と も 販 売 力 が 高 い と す る も の で あ る 。Frankand
、 「
売 上 に 対 す る棚 ポ ジ シ ョンの 効 果 は な し」 とい う例 外 的 な結 果 を示 した
が 、 販 売 監.査法 で の.分析 で あ る た め 、 店 舗 毎 に 異 な る 棚 割 り(段
に よ る も の と 考 え ら れ る(守
〉 政 策 が と られ て い た こ と
口1989)。
シ ェ ル フ ・ポ ジ シ ョ ン に よ っ て 販 売 力 が 異 な る と す れ ば 、 そ の 理 由 は 何 で あ ろ う か 。 守 口
(/94g)は
先 行 研 究 の 結 果 と 、 自 ら 実 施 し た ア イ.カ メ ラ を 使 っ て 視 認 性 を 測 定 す る 実 験 を 通 し
て 、 「.見や す さ 」 と 「
取 り や す さ」 が シ ェ ル フ ・ポ ジ シ ョ ン に よ っ て 異 な り 、 そ の.差が 販 売 力
に作 用 す る と指 摘 して い る。 つ ま り、消 費 者 が あ る商 品 を購 買 す る に至 る
「
視 認 」 「受 容 」
「選 択.」の プ ロ セ ス の 中 で 、 「見 や す さ」 が 消 費 者 の 視 認 性 を 高 め 、 「取 り や す さ 」 が 消 費 者 の
選 択 確.率 を 高 め る こ と か ら 、 販 売 成 果 に つ な が る と し て い る 。
4.陳
列 プ ロ.モー シ 嚢 ン研 究 の展 開 と今 後 の 課 題
通 常 棚 で の 陳列 効 果 に 関 す る研 究 を概 観 して きた が、 本 章 で は 、 今 後 取 り組 ま れ る べ き研
一33一
■季.
究 の 方 向 性 を明 らか に す る とい う視 点 で 、 これ まで の.研究 の成 果 と.課題 を整 理 した い 。
陳列 効果研究の発展過程 と今後 の課題
a-i.陳
列 プロ モ ー シ ョン研 究 の 展 開
本 稿 で 取 り 上 げ た 研 究 は 大 き く2つ の 階 層 的 ア プ ロ ー チ に 分 け られ る(図
表3>。1つ
目の ボ
トム ア ッ プ ・ア プ ロ ー チ は 主 に 初 期 の 研 究 に 見 られ る 。 消 費 者 行 動 研 究 の 領 域 で 取 り組 ま れ 、
主 に ス ペ ー ス と 売 上 の 関 係 性 の 有 無 が 調 べ ら れ た 。 先 に も 述 べ た 通 り 、.一..都
で弱 い 関 係 性 が
認 め られ て い る だ け で 、 一 致 した 結 果 が 得 られ て い るわ けで は な い 。 しか し関係 性 が 見 出せ
な か っ た 原 因 と し て 、1つ に は 実 験 デ ザ.イン の 不 備 、2つ に ス ペ ー ス 配 分 バ リエ ー シ ョ ンの 少
.な さ 、3つ に 売 上 デ ー タ の 信 頼 性 の 低.さ..な.ど.、.研
究 方 法.に付 随 す.る要 因 を 挙 げ る 研 究 者 も い
る(BultezandNaert1988)。
に も か か わ らず 、9⑪年 代 以 降 、 店 舗 実 験 を 伴 う研 究 は ほ と ん ど
見 ら れ な い 。 そ の 理 由 と し て 考 え られ る の は 、 店 舗 実 験 は 店 舗 の 協 力 な し に 行 え な い た め 大
が か り な 準 備 が 必 要 で あ り 、 費 用 も か か る 。 さ ら に 、 ス ー パ ー マ ー ケ ッ トで は 目 常 的 に 価 格
..き .
プ ロ モ ー シ ョ ン が 行 わ れ て お り 、 価 格 施 策 が 売 上 に 与 え る影 響 は 非 常 に 大 きい と され て い る 。
先 行 研 究 で効 果 が小 さい と され て い る スペ ー ス増 減 の 効 果 を検 証 す るた め に 、 営 業 店 舗 に お
い て 価 格 プ ロ モ ー シ ョ ン を 完 全 に コ ン トロ ー ル を す る こ と が 至 難 の 技 で あ る こ と は 想 像 に 難
.ざ .田
く な い 。 万 が 一 、 店 舗 実 験 を 実 施 で き た と して も 、 明 確 な 結 論 が 導 き出 せ る 保 証 は な い た め 、
ク ロ ス セ ク シ ョ ナ ル ・デ ー タ で の 分 桁 が 主 流 と な っ て い る の で あ ろ う(CorsァensandDoyle
1981)。
しか し こ の 方 法 で は 、 ス ペ ー ス 配 分 の 違 い と 販 売 成 果 の バ ラ ツ キ の 問 に あ る 梱 関 関 係
の 有 無 を 確 認 す る こ と しか で き ず 、 変 数 間 の 因 果 関 係 を 実 証 す る こ と は で き な い 。Frankand
Massy(1970)は
ク ロ ス セ ク シ ョナ ル ・デ ・
一 タ と時 系 列 デ ー タ を組 み 合 わ せ る こ と に よ っ て
因 果 関 係 を 明 ら か に し た.が、 コ ン トロ ー ル さ れ た 店 舗 実 験 で 検 証 さ れ る こ と が 理 想 的 だ と 指
図 表32つ
の 分析 ア プ ロ ーチ 法
鴇 謬:…1…:灘
店 舗 レベル
/嚥
泰
/コ
部 門 レベル
データから
ン ピュ ー ターに よって
醒1織
厘 品カテゴリ
藩!
蕪
製 品 カテ コ リー
祝
亙轟位で
1の 最 適 棚 割 り を取 引 コ ス
製 品 グル ー プ
墜会
鷺∴
単 品(SKU)
雛獺
(出 填)Desmetandltenaudin(1998)を
も と に筆 者 作 成
.r零..
一34一
陳列 効果研究の発展過程 と今後の課題
.
、."..
摘 して い る 。
も う1つ の ト ッ プ ダ ウ ン ・ア プ ロ ー チ は 、70年 代 後 半.sc年
代 に か けて 、 アル ゴ リズ ムの
解 明 や そ の モ デ ル 化 の た め に 、 マ ー ケ テ ィ ン グ ・サ.イエ ン ヌ の 領 域 で 取 り 組 ま れ て き た 。 流
通 チ ェ ー ン全 体 の 売 上 、 利 益 、 棚 配 分 の デ ー タ か ら最 大 利 益 も し く は 売 上 を も た らす 最 適 棚
割 り を 導 き 出 す 。 す で に 最 適 棚 割 り を 導 き 出 す 汎 屠 ソ フ トも 開 発 さ れ て お り、 各 店 で の 棚 配
置 パ フ ォ ー マ ン ス の 診 断 を 可 能 に し て い る 。 し か し 、 こ れ ら 棚 ス ペ ー ス ・モ デ ル の 研 究 で は
先 行 研 究 の 結 果 を踏 ま え 、 ス ペ ー ス が 増 加 す る と 売 上/.ス
ペ ー ス 比 の 値 は 小 さ く な る と仮 定
して い る(Andersen1979;BultezandNaert1988;CorsgensandDoyle1981な
ど)。70年
代
の 店 舗 実 験 の 結 果 を 疑 問 視 す る 指 摘 が あ る 中 で 、 先 行 研 究 の 結 果 を 前 提 と して 使 う こ と に 問
題 は な い の で あ ろ うか 。
ま た ス ペ ー ス 弾 力 性 は 、 製 品 カ テ ゴ リ ー 、 店 舗 特 性 、 ロ ケ ー シ ョ ン に よ っ て ば らつ きが あ
る こ と が 予 測 さ れ る が 、 バ ラ ツ キ を 反 映 させ る 要 素 を モ デ ル に 盛 り込 め ば 盛 り込 む ほ ど 、 全
体 の 説 明 率 が落 ち る。 多 くの流 通 チ ェ ー ン で は 、本 部 が作 成 す る棚 割 りモ デ ル をベ ー ス に各
店 が個 別 調 整 を しな が ら活 用 す る とい う使 われ 方 が され て い る が 、現 場 効 率 化 の ため 一 人 当
た り の 作 業 量 が 増 加 す る 中 で 、 そ こ ま で 手 が 回 ら な い と い う の が 実 状 で あ ろ う.解
に は 、 ・....・
搬 化 へ の 道 は 遠 の く が 、 細 分 化 さ れ た 単 位 で の(例
ー ン別
、 店 舗 特 性 別 な ど)モ
決のた め
え ば製 品 カテ ゴ リー別 、棚 パ タ
デ ル 化 を 進 め 、 積 み 上 げ て い く ボ トム ア ッ プ ・ア プ ロ ー チ 的 手
法 と の 融 合 が 必 要 な の で は な い か 。 ボ トム ァ ッ プ と トッ プ ダ ウ ン の2つ
の ア プ ロ ーチ は根 本
的 に 異 な る ア プ ロ ー チ で あ る が 、 補 完 的 に 活 用 され る こ と が 望 ま し く(DesmetazidRenaudin
1998)、 今 後 の 研 究 お よ び 実 務 で の 活 用 に お い て は 、 両 ア プ ロ ー チ を融 合 さ せ る形 で の 発 展 が
望 ま し い と考 え る(図
4-2.今
表4)。
後 の 課 題
以 上 の 研 究 経 緯 と 問 題 点 を 踏 ま え 、 今 後 の 謀 題 と して 次 の3点
を 挙 げ た い.1つ
目に は、 店
舗 実 験 に よ る 研 究 や 分 析 の 重 要 性 で あ る 。 先fl研 究 の 結 果 に 見 ら れ る.スペ ー ス 弾 力 値 の バ ラ
ツ キ や 捌 と ス ペ ー ス の 関 係 性 の 弱 さ に つ い て は 、Bultea,andNaert(1988.)の
指摘 に あ るよ う
に 、 実 験 の 実 施 方 法 に 懐 疑 的 な 目 を 向 け ざ る を え な い 。 視 覚 認 知 の 研 究 で も 「ス ペ ー ス は 特
定 製 品 や 製 品 群 の 売 上 に ポ ジ テ ィ ブ な 影 響 を 与 え る 」 と い うn方
を 支 持 す る(Phillipsand
Bredshaw1993)(5)。
ま た 棚 ス ベ ー ス を 在 庫 ス ベ ー ス と 考 え る な ら ば(例
え ばBorin,Farris
andPreeland1994)、
販 売 機 会 ロ ス を減 少 させ る とい う観 点 か ら も 、 当該 製 品 お よび カテ ゴ
リー の 売 上 は 増 え る と考 え ら れ る 。 初 期 の 店 舗 実 験 の 結 果 を 疑 問 視 す る な ら ば 、 そ の 後 取 り
組 ま れ た モ デ ル 化 の 試 み に つ い て も 、 前 提 と す る 基 盤 が 揺 ら ぐ こ と に.なる 。POSの
導入や分
析 ソ フ トが 発 展 し た 今 、 再 度 実 験 を 行 い 、 先 行 研 究 の 検 証 を 行 う べ き と 考 え る 。 近 年 、 カ テ
ゴ リー マ ネ ジ メ ン トが 関 心 を 集 め る 中 で 、 小 売 業 、 流 通 業 は と も に 、 棚 配 置 を 全 体 枠 組 み か
___35一
陳列効 果研究 の発展過程 と今後の課題
図 表4陳
列 プ ロモ ー シ ョ ン研 究 の発 展 過 程 と今 後 の 課 題
多要索 の との相互 作 用
アプ ローチ法
分析単位
指標 とす る
販売 成果
カテ ゴ リー
考慮
3章3項
、s項
利益・
鰍 縢
墜
go年 代
売上・
.1..関鮒 の量的撚
ア ル ゴ リズ ム の
.∠:お
解 明 、モ デ ル化
1
〆
V
3章1項 、2項
ボ トム ・ア ツ プ
ブ ラン ド
との 柑 互 作 用
考慮せ ず
3章2項
トップ ・ダ ウ ン
多{(っ
売上 金額 ・
数量
6⑪年 ∼70年 代
イト
今後 の課 題
ス ペ ー.スー売 上 の
関係 性 の有無 の確 認
曹多要 素 とは製 品 ・プ ラ ン ド特 性 、 カ テ ゴ リー特 性 、 店 舗 特性 や 他 の マ ー ケテ ィング ・プ ロモ ー シ ョン要 累等 を指 して いる 。
ら 捉 え る の で は な く 、 カ テ ゴ リ ー 単 位 で の ス ペ ー ス の 配 置 問 題 と して 取 り組 む よ う に な っ て
き て い る(DesmetandRenaudin1998)。
ま た欧 米 と比 べ て 日本 で は 、流 通 と メ ー カ ー の 協 調
関 係 へ の 移 行 が 遅 れ て い る と は い う も の の(麻
田2001)、
両.者の 協 力 を 得 て 実 験 を 行 え る環
境 が 、 日本 に お い て も 整 い つ つ あ る の で は な い か 。
2つ 目 と し て 、 過 去 の 研 究 の ほ と ん ど が 米 国 で 行 わ れ た も の で あ る た め 、 日 本 で 店 舗 実 験
を 行 い 、 検 証 を 行 う 必 要 が あ る と 考 え る 。 日 米 で は 売 り場 環 境 も消 費 者 のa行
動 も異 な る
の で 、 陳 列 効 果 に お い て も 、 日 米 で 異 な る 結 果 に な る 可 能 性 が あ る 。 巨 大 な.スペ ー ス を 持 つ
米 国 の 売 り場 と 日 本 の そ れ を 比 較 す る 場 合 、 よ り狭 い 売 り場 に 、 よ り 多 く の 品 揃 え を し て い
る 日本 に お い て 、 棚 配 躍 の 影 響 は 大 き く な る と 推 測 で き る 。 米 国 で ス ペ ー ス 弾 力 値 が 小 さ い
値 に な っ た 理 由 が 、 「ほ と ん ど の 商 品 に お い て 十 分 な 棚 ス ベ ー ス を 与 え ら れ て い る か ら.」
(BoronandFarris1995)で
あ る な ら ば 、 ス ペ ー ス が 限 ら れ るaの
売 り場 に お い て 、 ス ペ ー
ス 弾 力 値 が 米 国 よ り大 き く な る 可 能 性 を 無 視 す る こ と は で き な い 。
ま た 米 国 の 計 画 購 買 率 は 約30%で
Yi%(青
木1983)と
あ る(Poーai-1)uponStudy1978)の
に 対 し 、 日本 で は
か な り の 開 き が あ る 。 実 験 対 象 と し て い る ス ー パ ー で 購 入 され る低 関
与 商 品 に お い て は 、 事 前 の 情 報 収 集 は 行 わ れ ず 、 購 入 時 点 に お け る 情 報 が 意 思 決 定 に 対 して
重 要 な 働 き を す る(青
木 ・斉 藤 ・杉 本 ・<r口]988:)こ
と を 考 え る と 、 計 画 購 買 率 が 低 いe:本
に お い て 、 陳 列 効 果 が 大 き く な る と 考 え ら れ る 。 こ れ ら仮 説 を 検 証 す る た め に も 、 口本 に お
け る店舗 実験 の実 施 が望 まれ る。
3つ 目 は 、 陳 列 効 果 を 最 大 活 用 し 、1フ
ェ イ ス 、 棚 全 体 、 ひ い.て は1店
舗 か ら得 られ る売
上 ・利 益 を 効 率 的 に 高 め る た め に は 、 店 舗 の 現 実 の 姿 を 反 映 し て 、 製 品 や ブ ラ ン ドの 特 性 、
カ テ ゴ リ ー 特 性 、 店 舗 特 性 の 影 響 度 、 棚 配 置 の 変 化 が も た らす 単 体 弾 力 性 と 交 弟 弾 力 性 、 他
一36一
陳列効果研究の発展過程 と今後の課題
図表5陳
列 スペ ー ス と販 売 成 果 の 関 係性 に影 響 を与 え.る要 因
店舗 属性
ヌ ー.ト
ァ チ ェ ーJの
構 成 .員 〔
かど
列
店 舗 フ ォ ー マ ッ ト(セルフか有人ヵ
ロ ケ ー シ ョ ンや 競 合 環 境
.直接 的 な
.店舗 の 特 性
一
関係性
r
翻 スペ ース
製 品 ・ブ ラ ン ド特 性
マ ー ケ ッ トシ ェ ア
ブ ラ ン ド競 合 環 境
販 売成果
消費 者の参 照価格
ブ ラ ン ド特 性(PBかNliか 〕
誘導 的な関 係性.
カ テ ゴ リ ー属 性
衝 動買 い比率
品.揃え
販売促 進 の影 響 力
季節性
(出 典)DesmetandRenaudin(1998)を
も とに 筆 者 作成
の プ ロモ ー シ ョン要 素 との 相 互 作 用 な ど を 明 らか にす る必 要 が あ る(図 表5)。 繰 り返 しに な
る が 、 これ らの相 互 作 用 や 因 果 関 係 を明 らか に す る た め に は 、 店舗 実 験 が ふ さわ しい と 考 え
る 。 ま た従 来 の 実 験 に お い て は 、異 な る フ ェ イ ス数 で の2も し く は複 数 時 点 で の 販 売 成 果 の
比 較 を行 うこ とで弾 力 性 を測 定 した が 、参 照 価 格 が購 買 行 動 に 影 響 す る よ う に 、陳 列 効 果 に
お い て も参 照 ス ペ ー.スが 存 在 す る と仮 定 す るな ら ば 、時 系 列 で の 考 察 も必 要 で あ ろ う(例
え
ば測 定 時 点 が6フ コ
〔イ スで あ っ た場 合 、 その 前 の購 入 時 点 が4フ ェ.イスで あ っ たの か8フ ェ イ
ス で あ った の かで 差 が あ るか を確 認 す る な ど 〉。 これ ら知 見 が得 られ た な ら ば、 モ デ ル の 精緻
化 に も役.立ち、 実 務 へ の貢 献 も期 待 で き るで あ ろ う。
5、 お わ り に
庸 舗 に お け る販売 成 果 は 、 店 内 外 の 諸 要 渥 が 複雑 に影 響 を 及 ぼ して い る(國 表6)。 本 稿 で
は 、店 内 の マ ー ケテ ィ ング要 因 に属 す る陳 列 要 因(陳 列:方法 と ス ペ ー ス〉 が 販 売 成 果 に及 ぼ
す 影 響 を 調 べ る先 行 研 究 を レ ビ ュ ー し、知 見 を整 理 し、今 後 の研 究 課 題 を明 らか に し た。 ま
た重 要 な 今 後 の 課 題 と して 、 図 に示 され て い る複 数 の 要 素 の影 響 や 要 素 間 に存 在 す る相 互 作
用 を 、店 舗 実 験 を通 して 明 らか に し、 陳列 効 果 視 点 で 研 究 を深 め る こ とに あ る と論 じた 。
小 売 業 は.今、厳 しい競 争 環 境 下 に あ る.メ ー カ ー と流 通 との 対 峙 的 取 引 関 係 か ら一 足 飛 び
に協 力 体 制 へ と転 換 が 図 られ る と は思 わ な い が 、 行 過 ぎた価 格 競 争 を め ぐ り両 者 と も が消 耗
戦 に巻 き込 まれ て い る中 、既 存 資 産 が持 つ 価 値(販
む こ とが 必要 だ と考 え る。
一37一
売 力)の 把 握 と最 大 活 用 に共 同 で取 り組
陳列効果研究の発展過程 と.今
後の課題
図表6店
〔
頭 に お ける 売 上 変化 要 因
売上変化要因}
一 〔マーチャンダイジング璽 如
一唄
商品力瓢=二
.売 骸
i
「
⊃ ブラン ドカの有無が売上に与 える影響 ・
鉦 二 三〕 蹴
品翅 …
廻 .=⊃
捌 益 をバ ランス させ 麺 疏 価
ア。一囲
、
の広さと深さ、
ブランド細 証 度
'
i襯
ヨ
商。投。
〕
マ ー ケ テ ィ ン グ 要 因1
畷
店内麺 二 二⊃
一司
陳列要因
1
一{レ
イアウトと荊 場 配is〕
齢 甲 四
一 一..
一 ぐ.陳 列 方法 と スペ ー ス
.髄
町
唄
〕
霜
販促要因1
販促方法 と内容}《
〔
一→
(出 興)渡
辺(2WI)を
顧 促進阻 霰 因の抽画
店腰 因]
マ ネ ジ メ ン ト要 因1
もとに筆者作成
【注 】
(i)坂 本(2004>に
よれ ば 、 自 ら棚 割 り表 を作 っ て い るの は一 部 大 乎 チ ェ ー ン を除 け ば稀 で あ る。 経 費
削 減 で バ.イヤ ー 業 務 は増 加 して お り、 棚 割 り作 成 の 作 業 負 担 に 耐 え られ な い 。.方 卸 売 メ ー カー や
メ ー カ ー は スペ ー ス獲 得 の た め に 積極 的 にrcを(uし
て 棚 割 り提 案 を行 うが 、 それ は全 体 最 適 の 視
点 で は作 られ て お らず 、小 売 の意 見 と...致しな い ケ ー ス も 多い 。
(2)ブ ラ ン ド、 サ イ ズ 、数 量 、 価 格 、広 告 の 有 無 、サ イ ン や デ ィス プ レ.イの 有 無 、 フ ェ イ ス数 、段 数 が
詳 細 に記 録 され た。 同 研 究 で は、3C店 舗 ×7ブ ラ ン ド ×3サ イ.ズ_&30の
デ ー タか ら 、.分析 に 有 効 と
認 め られ た385の デ ー タ を使 っ て ク ロス セ ク シ ョナ ル 分析 が 行 わ れ た 。
(3)店 舗 が導 入 して い る棚 割 ソ フ トの 指 定 に従 って 、製 品 毎 の フ ェ イ ス数 変 更 は行 われ た。
(4)中 島 が 定 め る 「ポ テ ン シ ャ ル 」 と は、 各 ブ ラ ン ドの 商nnii、 価 格 、広 告 、 棚.スペ ース 等 を統 合 した
概 念 で あ り、 それ に よ っ て 、欄 ス ペ ー ス だ け で な く その11aのマ ー ケ テ ィン グ諸 変 数の 決 定 に つ い て 、
-.
統 一 的 に扱 う こ と を 曜能 に した 。
(5)店 を...czした 顧 客 は 自動 的 に 、 無 意 識 で 通 り す ぎ た売 り場 の 品 揃 え を 両 像 と して 読 み 取 っ て お り 、
売 り場 と その 周 辺 を含 め.自
分 を頂 点 に 円錐 状 に 広 が る範 囲 の 映 像 を記 録 して い る。 従 って 、 あ る
商 品 の 売 り場 が大 き く と られ て い た な ら ば 、視 覚 的 に認 知 され や す く、 区 別 され や す く 、 よ り多 く
購 入 され る。
惨
考 文 献}
Anderson,hYanE..(1979),"AnAnalysisofRetailDisplaySpace;ThcoryalldMethods,"ノounealofBusiness
Vol.52,No.1,pp.103-18.
一3S一
,
陳列効 果研究の発展過程 と今後の課題
青 木 幸 弘(1983),「
消 費 者 の 店 舗 内 購 買 行 動 に 関 す る..考
ケ テ ィ ン グ 協 会 、 第3巻
青 水 幸 弘,斎
藤 通 貴,杉
の 妥 当 性 」,日
、11-23頁
察 」 『マ ー ケ テ ィ ン グ
・ジ ャ ー ナ ル 』 日 本 マ ー
。
本 徹 雄,守[剛(198E>,「
本 商 業 学.会1988年
麻 田 孝 治(200ユ),「
第17巻
、 第2号
関 与.概 念 と 消 費 者 情 報 処 理:構
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