巻頭言 営業マンの心得 (雑考) 一般社団法人 石膏ボード工業会 専務理事 林 宏治 私は,8 年前に現職に就く以前は,建築関連とは全く畑違いの総合化学会社に勤め,しかもその会社生活 での大半は専ら合成樹脂の営業に携わっておりましたが,その経験から営業マンには何が大切なのかを考 えてみました。 以前,大阪支店に勤務していた頃,興信所の方から伺いました「営業マンの 7 つの掟」によると, 『①現金 を回収するまでは,営業の責任と心得よ。②楽して儲かる話には裏がある。 汗を流した商売こそ本物と知 れ。③取引先が何を望んでいるのか知恵を出せ。 取引先の悩みこそ儲けの源泉と知れ。④管理部門に使わ れるな,上手く使えば戦力が倍増する。⑤外を見よ。儲け話は外にある。⑥悪い情報はすぐ報告せよ。良い 情報はゆっくりでよい。⑦問題を自分一人で解決しようと思うな。三人寄れば文殊の知恵と思え。 』とのこ とでした。 言い換えれば,①責任体制の明確化②現場重視③ユーザーニーズの把握④戦力の共有化⑤情報ネット ワークの構築⑥情報の差異化・迅速化⑦総合力の発揮ということでしょうか。これは何も営業部門に限っ たことではなく,技術部門や共通部門にも当てはまることだと思います。 私の周りにも見かけた「こんな営業マンは困る」というタイプを当て字にしてみました。 「永業:永年やっ ているだけでのマンネリ型」 , 「洩業:仕事に洩れが多い」 , 「栄業:見栄ばかり張る」 , 「映業:他人の真似ば かりで,独創性がない」 , 「嬰業:幼児的で上司離れしていない」 , 「衛業:守り専門で,積極性がない」 「詠業: 嘆いてばかりで,マイナス思考」 , 「泳業:社内遊泳術が得意」等,こんなエイ業マンは不要です。本当の営 業マンは「営々と業(ワザ)を磨く(スキルアップ)する人」であり,その素養として大切なのは,①好奇心② 忍耐力③気遣いだと思っております。 最後に,営業マンから見て技術部門の方に大切なことは何かと言わせていただくと,上述の三素養に加 え,④正確性でしょうか。 昨今,建築・建材関係で消費者の信頼を裏切るような不祥事が相次いで発生しておりますが,間違って も「技術」の「技」を, 「偽」 「疑」 「欺」 「擬」 「戯」 「儀」 「犠」に置き換えるようなことがないようにお願いする 次第です。 建材試験情報 2016 年 6 月号 1
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