THE SUISHI-NEWS 月刊 水試ニュース 矢作川に遡上した天然アユは今年も大型の傾向 内水面漁業研究所 内水面養殖グル−プ 今 年 もアユの話 題 で賑 わう 季節となりました。 矢 作 川 流域 の漁協では毎年 共同して、河口から約 13km 上 発行所:愛知県水産試験場(本場) 流 の堰 (藤 井 床 固 )で採 捕 した 478 号 平成 28(2016)年 5 月 天 然 遡 上 アユを、上 中 流 の漁 場へ運んで放流しています。 アサリ資源の維持・増大に向けて 当グループでは、平成 21 年 漁業生産研究所 栽培漁業グル−プ 当 グループでは、昨年度、農林水産事務所と協力して、県内3地点(福江湾の手堀漁場、一色地先の 貝けた網漁場、小鈴谷地先の貝けた網漁場兼潮干狩り漁場)で毎月アサリ資源および害敵生物の分布 調査を実施しました。 から同所で捕獲されたアユの体 重を、3 月から 5 月にかけて計 測調査しています。 5 月 上 旬 までの調 査 結 果 は アサリの出 現 状況については、福江 湾では年 間を通 じて安 定 してアサリが出現 したのに対 し、一色で 図 3 矢作川を遡上した天然アユの体重 図 3 のとおりで、過去 5 年間(平 は春のアサリ稚貝の出現が少なく、10 月の調査では移植放流による密度の増大が見られましたが、1 月 成 23∼27 年)の平均的な推移(近似式)から見て、今年 3∼4 月に遡上したアユの体重は重く、平成 27 以降の冬場には減耗していました。また、小鈴谷では、年間を通じてアサリは少ない状況でした(図1)。 年と同様に、比較的大型のアユが遡上したと思われます。また漁協調べによると、アユの遡上は 3 月 6 日から始まり、4 月末までに 753kg(昨年同期 484kg)が採捕・放流されています。例年より大きなサイズ 2 のアユがたくさん遡上したと言えそうで、今漁期の豊漁が期待されます。 ↓移植放流による増大 愛知の水産研究活動報告会のご案内 本場 企画普及グループ 愛知の水産研究活動 報告会は、漁業協同組 合の青年部、研究グループ及び漁業士などの漁業者が 参 集 し、日 ごろの研 究 活 動 や成 果 等を発 表 し、相 互 の知 識 の交 換や活 動 意 欲 の向 上 を図 るとともに、 月 図 1 県内 3 地点のアサリ出現密度(平成 27 年度) 図 2 3 地点の底土の粒度組成 併せて活動成果の普及を図り、本県水産業の振興に寄与しようという目的で毎年開催しています。 本年度は、下記のとおり開催します。参加申込は不要ですので、ぜひご参加ください。 福 江 湾 は他 の地 点と異 なり漁場 が粗砂以 上の粒が大きい砂 礫で覆 われている(図2)ことから、地盤 が安定していることがアサリ稚貝の着底や生残にとって重要な条件であると考えられました。 近 年 はノリ養 殖経 営体の減 少で海苔 柵の設 置数が減少 しており、それによりアサリ稚 貝 の着 底や生 残 に対 する冬 季の波 浪の影 響が大 きくなっていることが考えられるので、ポールを設置 して地 盤の安定 化を図るような工夫も効果があるのではないでしょうか。 ツメタガイ、ヒトデ類、キセワタガイ、カシパンなどの害 敵 生物 は、福 江湾 ではほとんど見 られず、他 の 地区では周年いずれかの種類が確認されました。これらの害敵生物もアサリの資源に少なからず脅威を 与 えていることが改めて実感されました。害敵生物の除去をはじめとして、漁業者自身によるたゆみない 漁場の管理がアサリ資源の維持・増大には重要であると考えられます。 記 日時: 平成 28 年 6 月 11 日(土)午後 2 時から 4 時まで 場所: 愛知県水産会館 5 階 大会議室 名古屋市中区丸の内 3−4−31 電話 052(971)3501 主催: 愛知県、愛知県漁業協同組合連合会 後援: 愛知県信用漁業協同組合連合会 公益財団法人 愛知県水産業振興基金 報告内容 ・知多地区漁業士会の活動報告 ・種場の違うアサリ稚貝の移植後の成長について ・蒲郡市におけるアマモ場再生の取り組み http://www.pref.aichi.jp/suisanshiken/ 本 場 漁業生産研究所 内水面漁業研究所 三河一宮指導所 弥富指導所 蒲郡市三谷町若宮 97 知多郡南知多町大字豊浜字豊浦 2-1 西尾市一色町細川大岡一の割 56-6 豊川市豊津町柳不呂 95 弥富市前ヶ須町野方 801-2 0533-68-5196 0569-65-0611 0563-72-7643 0533-93-1433 0567-65-2488
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