戸田城外著 『推理式指導算術』の研究 一推理式指導の解明を中心に一

戸田城 外著 『推理式指導算術』の研 究一 推理式指導の解明を中心に一
戸 田城 外 著 『推理 式 指 導 算 術』 の 研究
一推理式指導の解明を中心に一
桝
田
尚
之
この 度 、戸 田先生 が著 わ され た 『推理 式 指 導 算 術 』の研 究 をす る使 命 を与 え て頂 い た こ とは 、
創 価 学 園 の数 学 教 師 と して 最 高 の 栄 誉 で あ り誇 りです 。 神 立 セ ン タ ー長 は じめ 、塩 原 事 務 長 、
創価 教 育研 究 セ ン タ ー の 皆様 に感 謝 の思 い で い っ ぱ い です 。
1.は
じめ に
研 究 す る に あた って 、『推 理 式 指 導 算 術 』 とい うタイ トル が とて も気 にな っ た。 なぜ 『推 理 式
算 術 指 導 』 で はな く 『推 理 式 指 導 算 術 』 な の か 、 とい うこ とが 私 の 素 朴 な 疑 問 で あ っ た。 この
疑 問 を解 決 す るた め に は 、「
推 理 式 指 導 」とい う指 導 法 が どの よ うな もの で あ るか を 明 らか に し
な けれ ばな ら ない 。 こ の点 を解 明 す る こ とが で きれ ば 、 タ イ トル の ネ ー ミ ン グにつ い て も 自ず
と答 えが 出 る はず で あ る。 そ こで 、推 理 式 指 導 の解 明 を 中心 と して研 究 を進 め る こ とに した 。
こ の研 究 は 『推 理 式 指 導 算 術 』 全 体 にわ た る もの で あ るが 、 推 理 式 指 導 が 応 用 問 題 の 指 導 法
と して 考 案 され た も の で あ る の で 、特 に 「ll整 数 小 数 四 則 応 用 問 題 」 と 「皿
分 数 四則 応 用
問題 」 の とこ ろ に焦 点 を あて て 論 を展 開す る こ とにす る。
2,創
価 教 育 学 説 に お け る推 理 式 指 導 算 術 の 位 置 づ け
『推 理 式 指 導算 術 』 の は じめ に は 、牧 口先 生 が 書 か れ た 序 文 が あ る。 私 な りに要 約 した も の
を次 に記 す 。
〈推 理 式 指 導算 術 序 文(牧
口常 三 郎 先 生)の 要 約 〉(ア ン ダー ライ ン は筆 者 に よる)
小 学 校 は もち ろ ん 中 女 学 校 に お い て も数 学 が よ く理 解 で き る か ど うか が劣 等児 優 等 児 の 分
か れ 目に な っ て い る。 数 学 が よ く理 解 で き な い原 因 は児 童 の能 力 に あ るか ら仕 方 が な い と皆
(児童 も親 も教 師 も)が 思 っ て い る が 、そ れ は誤 りで あ る。 良 き教 科 書 ・学 習 書 が な か っ た
こ とが真 の原 因 で あ る 。 特 に応 用 問題 の配 列 は雑 然 と して い て 、学 習 者 の実 力 養i成に資 す る
もの で は な か っ た。 す な わ ち 、 多年 数 学 教 育 の欠 陥 とな っ て い た原 因 は 、算 術 教 授 の 根 本 と
い うべ き 推 理 的 学 習 作 用 の 円満 な る進 展 に資 す る配 列 の学 習 書 が な か っ た こ とで あ る。 こ の
こ とが 、創 価 教 育 学 樹 立 の 動機 で あ り、しか も そ の 内容 の重 要 な一 部 を 占めて い る。しか し 、
ま だ 理論 上 の 確信 に 止 ま って い た とこ ろ 、 こ の推 理 式指 導 算術 の発 刊 に よ り創 価 教 育 学 説 の
完 壁 な 実 証 を示 し普 遍性 を 証 明す る こ とが で き た 。
牧 口先 生 とい えば 、 そ の著 作 『人 生 地理 学 』 に 代 表 され る よ うに社 会科 学 が 専門 とい うイ メ
ー ジが あ る。 しか し、 こ の序 文 には 「
創 価 教 育 学 樹 立 の 動機 」 が数 学 教 育 な か んず く算 術 教 育
の改 良 にあ った こ と、そ して 創 価 教 育 学 の原 理 に基 づ く算 術 教 育 が 「
創価教育学の重要な一部」
で あ る こ とが 明か され てい る。そ して 、それ を裏 付 け る もの と して 、『創価 教 育 学大 系概 論 』 に
NaoyukiMasuda(関
西 創 価 高 等 学 校 教 諭)
一126一
創 価教育研究第5号
は次 の よ うな 記 述 が 見 られ る。
〈創 価 教 育 学 大 系 概 論
第十 巻
算 術 教 導 の研 究 〉(ア ン ダー ライ ンは筆 者 に よる)
算 術 科 教 導 の最 要 問題 は 、 自然 科 学 的 に帰 納 的 に 、数 の 認 識 が正 確 に な され る こ とを要 す 。
教 材 た る計 算 問題 と とも に応 用 問題 が 論 理 的 に排 列 され て 学 習 経 済 が 図 られ る な ら ば、 少 な
く とも学 習 能 力 は 半 減 され る こ とが で き る と信 ず 。
『創 価 教 育 学 大 系 概 論 』 に は 、創 価 教 育 学 説 の 当初 の全 体 構 想 が 開 示 され て お り、 総 論 部 分
と各 教 科 の指 導 に あた る各 論 部 分 が考 え られ てい た こ とが わか る。 そ の後 、 『創 価 教 育 学 体 系 』
全4巻 の発 刊 に よ って 、総 論 部 分 の一 応 の結 実 をみ る こ とに な った が 、各 論 部 分 にっ い て は そ
の 計画 は あ っ た けれ ども 、牧 口先 生 ご 自身 で はす べ て を仕 上 げ る こ とは な く未 完 のま ま 終 わ っ
て い る。 しか し、弟 子 で あ る戸 田先 生 が 『推 理 式 指 導 算 術 』 と して 、創 価 教 育 学 各 論 の重 要 な
一 っ で あ る 「算術 教 導 の研 究 」 を一 冊 の 書物 に ま とめ あ げ られ た の で あ る。 戸 田先 生 が は じめ
られ た 私塾 時 習学 館 で の実 践 の積 み 上 げ を も とに 、算 術 とい う教 科 の指 導 にお い て 、師 が提 唱
す る創 価 教 育 学説 の卓 越 性 を具 体 的 に実 証 して みせ た著 作 こそ 『推 理 式 指 導 算 術 』 で あ る と位
置 づ け る こ とが で き る。 そ れ は、 牧 口先 生 が 書 か れ た 次 の文 章 か らも明 らか で あ る。
〈創 価 教 育法 の科 学 的 超 宗 教 的 実 験 証 明 〉(ア ンダ ー ライ ン は筆 者 に よ る)
最 初 か らの 実 証者 戸 田城 外 氏。 約 十七 年 前 、著 者 の東 京 市 小 学 校 時 代 の 同僚 で 、熱 心 な る創
価 教 育 の研 究者 で あ り、十 四年 前 よ り私 立小 学校 時 習 学館 を創 め る に 当 たっ て は 、 全 く この
主 義 に基 い て 経 営 した Σめ 、異 常 の 好評 を博 して今 日の名 声 を挙 げ 、殊 に実 験 の結 果 と して
の著 書 「
推 理 式 指 導 算術 」 が 、 年 々 非 常 な る売 れ 行 き を以 て 、 日本 小 学 校 の算 術 教 授 の 改 良
に役 立 ちっ Σあ る如 き は 、 本研 究 の 唯 一最 大 の 価 値 の 証 明 といっ て も よい と思 ふ。 蓋 し 自由
な る私 立 の 小 学 校 な る を以 て 、 教 育 法 の価 値 は忽 ち成 績 に表 は れ 、夫 れ が 明 か に 事 業 の 上 に
反 映 す るか らで あ る。
3.先
(1)先
行研 究 の 内 容 とそ の 限界
行 研 究 の 存 在 とそ の 内 容
『推 理 式 指 導算 術 』 の先 行 研 究 論 文 は 、 ほ とん ど見 当た らない 。 唯 一 そ の 存 在 が確 認 され 手
元 に入 手 で き た の が 、 日本 学 び 方 研 究 会 副 会 長 で あ られ た 故 ・稲 川 三 郎 氏 の 「
戸 田城 聖 著 『推
理 式指 導算 術 』 周 辺 の推 論研 究 」 とい う論 文 で あ る。
この論 文 で は 、戸 田 先生 が 『推 理 式 指 導算 術 』 を生 む に い た った 動 機 や そ の根 底 の 思 想 を 、
次 の4つ の角 度 か ら追 及 推 論 す る もの と して論 が展 開 され てい る。
①
真 谷 地 時代 に お け る彼 の思 考 形 式 。
②
牧 口 との 出会 いか ら 、西 町 、三 笠 小 学校 時代 の牧 口に よ る影 響 と彼 の 教 育 思想 。
③
城 外 が 教員 生活 を体 験 した 当時 の教 育 の 動 向。
④
彼 が 『推 理 式指 導 算 術 』 を思 い 立 った 時 代 の 算術 教 育 の動 向。
そ して 、 そ の 後 「推 理 式 指 導 算 術 」 の 内 容 に つ い て の 言及 が な され 、最 後 に教 育 にお け る現 代
的 意 義 を述 べ て 論 文 を結 ばれ て い る。
稲 川 氏 の論 文 の 中 で 『推 理 式 指 導 算 術 』 の 内 容 に関 す る部 分 を 見 る と、 戸 田 先 生 が考 え て お
られ たで あ ろ うと思 わ れ る編 纂 理 念 にっ い て 、氏 は次 の よ うに述 べ て い る。
〈戸 田先 生 の 編 纂 理 念 に つ い て 〉
①
能 力 即 応 の 問 題 の配 列 化 ・体 系化 が な され て い る。
②
各 項 ご とに基 礎 ・基 本 とな る 問題 の解 き方 を具 体 的 に示 し、 そ の 理解 力 を駆使 し、 転 用
一127一
戸 田城外著 『推理式指導算術』の研究一推理式指導の解明 を中心に一
して 同類 型 の 問題 を解 い て い く、 い わ ゆ る推 理 応 用 に よ る練 習 強 化 を意 図 して い る。
←
③
自学 自習 に よ る力 の 開発 が で き る よ うに配 慮 され て い る。
←
④
牧 口先 生 の 唱 え る 「
文型 応 用 主 義 」 の考 え方
牧 口先 生 の 唱 え る 「知識 す る こ との指 導 」 の考 え方
予 備 調 査 を な し、一 人 ひ と りの子 供 の能 力 を 明 らか に して 、 そ の能 力 に応 じ た学 習 を進
め る よ うに して あ る。
⑤
(2)稲
あ る程 度 段 階 的 にプ ログ ラ ミ ン グ した 問題 の構 成 配 列 が 施 され て い る。
川 氏の 論 文 にお け る限 界
稲 川 氏 の論 文 は 、 ほ とん ど残 され て い な い わず か な資 料 を手 が か りに、 戸 田先 生 が真 谷 地 時
代 に学 んだ も のや 牧 口先 生 か ら受 けた 教 育思 想 に つ い て 推 論 す る こ とに よ り、 『推 理 式 指 導 算
術 』 を 生 む に い た っ た動 機 や そ の根 底 の 思想 を掘 り起 され た とい う点 で 、 非 常 に素 晴 ら しい研
究 で あ る とい え る。
しか し、『推 理 式指 導 算 術 』の 内 容 に 関 す る研 究 と して は 限界 が あ り、研 究 す る余 地 が残 され
て い る とい え る。 そ の主 な 理 由 は 、 次 の3点 で あ る。
①
推 理 式指 導算 術 を貫 く編 纂 理 念 と して の 「
文 型 応 用 主 義 」 の 考 え方 にっ い て 、具 体 例 を
通 して の説 明 が な され て い ない ので 、 イ メ ー ジ がっ かみ に くい とい う点 。
②
推 理 式指 導 とは どの よ うな 指 導 で あ る か の解 明 が十 分 には な され て い な い とい う点。
稲 川 氏 に よ る と、『「
推 理 式 」 とい うの は 、 「思考 す る」 こ とで あ り、 「
転 移 す る」 こ と
で あ る。』 との解 釈 で 、 『○子 供 に 十分 考 え させ る。
っ て 、 わか り方 を解 明 して い く。
○考 え る場 合 、帰 納 的 に 筋道 を辿
○ わ か った カ を必 ず 他 に応 用 して み る。』 とだ け し
か 述 べ られ て い ない 。
③
② に 関 わ る こ とで あ る が 、推 理 式 指導 算 術 が なぜ 創 価 教 育 学 説 の原 理 に よ る算 術 指 導 に
な るの か 、 とい うこ とが 述 べ られ て い な い 点。
特 に、 基 本原 形 や変 化 形 な どにつ い て の解 説 の後 に 『推 理 練 習 と して10問 ド リル す る』 とい
う表 現 が あ っ た。『ドリル す る』 とい う表 現 は 、戸 田先 生 の考 え方 とそ ぐわ ない の で は ない か と
思 い 、 や は り推 理 式指 導 が どの よ うな指 導 を意 味す る か を解 明 す る必 要 性 を 強 く感 じた。
4.戸
田 先 生 の 算 術 観 と応 用 問題 学 習 の 捉 え方
戸 田先 生 の 「
算 術 観 」 お よび 「
応 用 問 題 学 習 の捉 え方 」 を明 らか に して お き た い 。
(ア ンダ ー ライ ン は筆 者 に よ る)
〈戸 田先 生 の 算術 観 〉(『 推 理 式 指 導 算 術 』 自序 よ り)
余 は 久 し く数 学 教授 に 心 を砕 き 、推 理 練習 は数 学 教 授 の要 諦 で あ り、推 理 力 の発 達 は 同等 性
と差 別 性 を見 出す 練 習 に あ る こ とを体 得 した。
〈戸 田先 生 の応 用 問題 学 習 の捉 え方 〉(『 推 理 式 指 導 算 術 』 本 書使 用 上 の注 意 よ り)
応 用 問 題 の 学 習 は推 理 の養 成 が 主 眼 で あ る 。解 き方 を教 え る学 問 で も な く 、解 く こ とを記 憶
す る学 問 で もな い 、解 くこ とを考 え る 学 問 で あ る。 考 え る其 の こ とに価 値 が あ り、考 え る 習
慣 を得 る こ とに 此 の学 問習 得 の効 果 が 現 れ るの で あ る。
こ の2っ の 記 述 か ら、戸 田先 生 は 、 「
推 理練 習 が数 学 ・算 術 教 授 にお い て最 も重 要 で あ り、応
用 問題 の学 習 にお い て 推理 練 習 で き る よ うに す る こ とが考 え る力 を育 む こ とにっ な が る。 した
が って 、算 術 指 導 、特 に応 用 問題 の学 習 には ど うして も推 理 式 指 導 が 必 要 不 可 欠 に な る。」 とい
一128一
創価教育研究第5号
うよ うに結 論 づ け られ て い る こ とが わ か る。 そ して 、推 理 練 習 とは 同 等性 と差 別 性 を 見 出 す 練
習 で あ る こ とを ご 自身 で 「
体 得 した 」 と書 か れ て い る。 こ の こ とは 、 子 ども た ち との 関 わ りや
牧 口先 生 か ら教 わ っ た もの 、戸 田 先 生 ご 自身 が 資格 取得 の た め の厳 しい独 学 を や り抜 い た 体 験
な どを も とに して 、 自分 自身 で 発 見 し会 得 され た こ と を意 味 して い る と考 え られ る。
5.推
理式指導の解明
(1)国
語 辞 典 に よ る 推理 の 意 味
「推 理 」 とい う言 葉 の 意 味 を 現 代 の 国 語 辞 典 と当時 の そ れ との 両 方 で調 べ て み る と次 の よ う
に な って お り、 時 代 は違 うけれ ども 、 どち らも意 味 内 容 は ほ ぼ 同様 で あ る こ とが わ か る。
【現 代 の 辞 典 で は 】
「
既 に わか って い る事 柄 を も と に し、 考 えの 筋 道 をた どっ て 、 ま だ わか っ て い な い 事 柄 をお し
はか る こ と。」(岩 波 国 語 辞典
第6版2000.11,17発
行 に よ る)
【当時 の辞 典 で は 】
「
① 事 理 を推 して 考 へ る こ と。 ② あ る断 定 か ら他 の断 定 を推 知 す る こ と。 既 知 の 事 実 か ら未 知
の事 実 を推 知 す る こ と。 既 知 の 事 実 を 前提 、推 知 の事 実 を断 案 とい ふ 。」
(博文 館
(2)戸
第280版
昭和15年4月3日
発 行 に よ る)
田 先 生 に よ る推 理 式 の 説 明
戸 田先生 ご 自身 に よ る推 理 式 の説 明 と して 、 前 出 の 自序 と昭和8年
推 理 式指 導算 術 』 に記 載 され た もの との2つ
に 出版 され た 『改訂 増 補
を挙 げ て お き た い。
〈 『推 理 式指 導算 術 』 自序 よ り〉
推理 力 の発 達 は 同 等性 と差 別 性 とを見 出 す 練 習 に あ る こ とを体 得 した。
〈 『改訂 増 補
推 理 式指 導 算 術 』 本 書 使 用 上 の 注 意 よ り〉
され ば 此 の 書 の 推 理 練 習 は基 本 原 形 通 りに解 き得 る極 々容 易 の もの よ り順 々 と難 へ 難 へ と直
進 的 に問 題 を排 列 し推 理 の 主 眼 た る差別 性 と同 等 性 の識 別 に主 き を置 い て あ る。 故 に此 の 書
に よ って 学 ぶ もの は例 を よ く考 へ 、 しか る後 に例 に当 て は めて 問 題 を解 き 問題 の 変化 す る度
に其 の前 題 との 差 別 と同 じき点 とを考 へ て 解 法 を得 。
(3)推
理 式 指 導 算 術 に お け る 文型 応 用主 義 の考 え方
『推 理 式 指 導算 術 』 に は、 牧 口先 生 の提 唱 され た 文 型 応 用 主 義 の 考 え方 が 根 底 に貫 か れ て い
る とい うこ とを具 体 的 に解 説 した い 。戸 田先 生 は、『推 理 式 指 導 算 術 』の 中で 、次 の よ うに述 べ
て お られ る。
〈 比較 す る とは 〉
推 理 式指 導 算術 に お い て 、比 較 す る とは 、 等 しい点 と違 っ た点 とを吟 味 す る こ と。 等 しい 点
を同 等 点 と呼 び 、違 っ て い る点 を差 異 点 と呼 ぶ。 す な わ ち 、比 較 す る とは 、 同等 点 と差 異 点 と
を吟 味 す るこ とで あ る。
〈材 料 、 関係 、 条件 、解 式 、文 型 とは 〉
加 減 算 の 推 理 練 習 問題11を も とに 、次 の よ うに説 明 され て い る。
【問 題11】
5円 に売 れ ば1円24銭
の利 益 が あ る 品 を4円30銭
(前題 と比 較 して 左 の 図 に注 意 せ よ。)
一129一
に売 っ た。 い く らの利 益 か 。
戸田城外著 『推理式指導算術』の研 究一推理式指導の解明を中心に一
、4円30銭
売 れ ば利 益 が あ る、 売 った 、 い く らの利 益 か
材 料+関 係
を を を を
この 問題 で 、5円 、1円24銭
問題 の材料
材料 間の関係
条件
解式
材 料 の 関係 を+一 × ÷の 符 号 で 表 現 した もの
とい う。 解 式 の結 果 が 求 め る条 件 の材 料 とな り、答 え とな る。
ま た 、 関係 の配 列 法 す な わ ち 問題 の文 章 の 思想 配 列 の順 序
(4)文
を
文型
とい う。
型 が 等 しい 問題 は解 式 が 等 しい
『推 理 式 指 導算 術 』 の 中で は、 具 体 例 と して 次 の2問
(イ)太
郎 は 次 郎 よ り8cm高
く 、次 郎 は 三 郎 よ り7cm高
を も とに説 明 が な され て い る。
い 。 三 郎 が1,1mと
す れ ば 太 郎 と次 郎
の 高 さは い く らか。
(m)米1kgは
麦1kgよ
り12銭 高 い 。 麦1kgは
豆1kgよ
り3銭
高 い 。 豆1kgをSO$kと
す ると
米 と麦 との値 段 は い く らか。
(イ)は 身 長 、(ロ)は 値 段 で あ る か ら条件 は違 うけれ ど も、条 件 と条件 との 問 の 関係 す な わ
ち 文型 が 等 しい。 よっ て 、解 式 は 両 方 と も等 しい もの に な る。 ま た 、別 の 言 い 方 に す る と、 差
異 点 は材 料 だ け で 、 同等 点 は文 型 で あ る。 文型 を図 示す る と次 の よ うに な る。
1,1m
(イ)の 文型
(ロ)の
文型
7cm局
8cm局
い
→ → →
三 郎
80銭
3銭 高 い
豆1kg
→→→
い
→ → →
次郎
太郎
12銭 高 い
→→→
麦1kg
米1kg
ちな み に 、解 式 は 次 の よ うに な る。
(イ)の 解 式
次 郎110十7=117(cm)
太 郎117+8=125(cm)
(ロ)の 解 式
麦80十3=83(銭)
米
問 題(イ)を
里+12=95(銭)
解 くた め に そ の 文 型 を考 え る こ とは 、 文型 応 用 主 義 に よ る綴 り方 指 導 の 第 一 段
階 「
模 範 原 文 の解 剖 に よっ て 内 容 をな す 思 想 の 排 列 、 そ の 現 れ た 文 章 系 統若 くは 文 章 模 型 の直
感 。」の 部分 に あ た る。 そ して 、そ の直 後 に問 題(ロ)を
考 え る こ とは 、文型 応 用 主 義 に よ る綴
り方 指 導 の 第 二 段 階 「応 用範 文 の 提 出 、 及 び 原 文 と比 較 読 解 に依 る文型 概 念 の 抽 出 並 に応 用 方
面 の探 求 奨 励 及 応 用 力 活 動 の 鼓 吹 。」に相 当 して お り、同 等 点 と差 異 点 と を見 て い く とい うこ と
に な る。 ま さ しく 『推 理 式 指 導 算 術 』 が 文 型 応 用 主 義 を指 導 原 理 に して い る こ とが わか る ので
あ る。 また 、綴 り方 の 場 合 は 文 章 そ の もの で 見 て い くの で 、 同 じ と こ ろ と違 うと こ ろが 少 し 目
に見 え に くい 点 が あ るが 、 算 術 の場 合 は 解 式 に置 き換 え る作 業 が あ るの で 、 同 文型 で あ る こ と
を 自他 とも に よ りよ く 目に 見 え る形 で表 現 で き る点 が 違 って い る とい え る。
一130一
創価教育研 究第5号
(5)推
理 式 指 導 が考 え る 力 を育 む 必 然 性
推 理 式 指 導 が 考 え る力 を育 む 必 然性 を も った 指 導 法 で あ る こ とを 、植 木 算 を例 に と って 説 明
す る。 これ は 、戸 田城 外 著 『家 庭 教 育 学 総論
中等 学 校 入 学 試 験 の話 と愛児 の優 等化 』 の第6
章 の 中 に あ る戸 田先 生 の説 明 を も と に して 、『推 理 式指 導 算 術 』の 「ll整 数 小 数 四則 応 用 問題 」
第 二 次 形 応 用 問題
第8章 植 木 算 の問 題 を用 い て私 な りの説 明 を プ ラ ス して 示 した も の で あ る。
【基 本 原 形 】200mの 道 路 の片 側 に2mお
(解)200m÷2m=100…
き に杉 の 木 を植 え た とす る。 何 本 入 用 か 。
…間の数
100+1=101(本)答101本
【第 二 変 化 】200mの
<頭
道 路 の 両 側 に2mお
き に 杉 の 木 を植 え よ う とす る。 何 本 必 要 か 。
の 中 の 思 考>
200mの
道 路 に2mお
き に 杉 の 木 を 植 え る 。(同 等 点 の 認 識)こ
200m÷2m=100…
… 間 の数
れ な らで き る と い う感 触
→
安 心 感i
100十1=101(本)
↓
両 側 に(差
異 点 の認 識)ど
↓
うす れ ば よ い か 考 え る
→
101本 ×2=202本
発見の喜び
答202本
問題 を見 る と一 目瞭 然 で あ るが 、「両側 に」 とな っ て い る とこ ろ が基 本 原 形 の 「
片 側 に」 との
違 い で あ る。 した が って 、 子 ども達 が 第 二 変化 を考 え る とき に 、 〈頭 の 中 の思 考 〉 として200
mの 道 路 に2mお
き に 杉 の木 を植 え る とい うこ とは基 本 原 形 と同 じだ な とい うこ とに な り、 こ
れ が 同 等 点 の認 識 とな る。 こ こで 、 「あ っ 、これ な らで き そ うだ 」 とい う感 触 と とも に 、安 心感
を持 っ の で は な い だ ろ うか。 そ して 、 「
両側 に 」 とな っ て い る と ころ が 、基 本 原 形 とは違 う と こ
ろだ な とい うこ とに な り、 これ が差 異 点 の認 識 とな る。 で は 、 ど うす れ ば 「両側 に」 とい うこ
とに対 して答 えた こ と にな るの か。 「あ っ 、両 側 だ か ら2倍 した らい い のだ な 」 とい う こ と を 自
分 で 気 づ い て 、 ×2と して202が 出 て く る。 ど うす れ ば よい の か と考 え 、×2と す れ ば い い とい
うこ とに気 づ く、 そ こ に発 見 の喜 び が あ る とい え る。
以 上 の こ とを図 式 化 して 示 す と、 次 の よ うに な り、 推 理 式 指 導 が 考 え る力 を育 む必 然 性 を も
っ こ とが わか る。
同等 点 が あ る(既 にわ か っ て い る 事柄 が あ る)
↓
【推 理 す る】 ↓
【考 え る】
⇔
推理 式指 導 が考 え る力 を育 む 必 然 性 を もつ
↓
差 異 点 が あ る(ま だ わか って い な い 事 柄 が あ る)
(6)推
理 式 指 導 が 学 ぶ喜 び を実 感 させ る理 由
(5)の
とこ ろ で も少 し述 べ た が 、 推理 式 指 導 が 学 ぶ 喜 び を実 感 させ るそ の理 由 は 、 自分 自身
で 推 理 す る こ と に よ っ て 「発 見 の喜 び 」 を感 じ る点 に あ る とい え る。 同 等 点 だ け し か な けれ
ば 、型 には ま った ワ ンパ タ ー ン の学 習 に な り、発 見 の喜 び が ない か 、も しくは少 な い とい え る。
一!31一
戸田城外著 『推理式指導算術』の研究一 推理式指導 の解明 を中心 に一
差 異 点 しか な け れ ば 、 自力 で考 え る こ とが難 し くな る。 した が っ て 、 同 等 点 と差 異 点 の 両 方 あ
る こ とが 非 常 に 大事 な こ とで 、 それ が あ っ て こそ 、考 え る必 然性 と発 見 の喜 び が生 まれ て く る
とい え る。 戸 田先生 も次 の よ うに言 わ れ て い る。
〈 『家庭 教 育学 総 論
中等 学 校 入 学 試 験 の 話 と愛児 の優 等化 』 よ り〉
「
推 理 の練 習 に は 、思 考 の材 料 とな る基 本 知 識 の な い こ と と推 理 す る 問題 と過 去 の知 識 との
間 に 同等 性 が 全然 な い こ と、又 差 異 性 の全 然 な い事 が大 禁 物 で あ ります 。 難 問 を突 然 与 へ て
「さあ推 理 の練 習 だ考 へ ろ」 なぞ と言 ふ の は無 茶 な話 で 、子 供 を 苦 しめ る丈 の収 穫 で推 理 の
練 習 で は あ りませ ん。」
推 理 式指 導 が 学 ぶ喜 び を実 感 させ る とい う点 を 、 さ らに詳 し く述 べ て みた い 。 植 木 算 を例 に
と り説 明す る こ とにす る。
【
基 本 原 形 】200mの
道 路 の 片 側 に2rnお
2001n÷2m=100…
き に 杉 の 木 を植 え た と す る 。 何 本 入 用 か 。
… 間 のi数
100+1=101(本)※
木 の 数=間
↓
の 数 十1
↓
【
第一変化 】
↓
【第 二 変化 】
【第 三 変化 】
あ る電 柱 とあ る電 柱 との
200rnの 道 路 の 両側 に
周 囲120mあ
問 が55mあ
2mお
3mお
5mお
る。 今 こ の間 に
き に杉 の木 を植 え
き に杭 を打 と う とす る。 よ うとす る。 何 本 必 要 か 。
る池 の 周 りに
き に桜 を植 え よ う
とす る。 何 本 植 え るべ き か。
何本必要か。
(解)
(解)
55m÷5m=11…
間 の数
11-1=10(本)
※ 木 の 数=間
=問
(解)
200m÷2m==100…
間 の数
120m÷3m=40(本)
100十1=101
の 数+1-2
101×2・=202(本)
※ 木 の 数=間
の 数 一1
=間
の 数+1-1
の数
第 一 変化 は 、 「電 柱 と電 柱 との 間 に杭 を 打 っ 」 とい う問題 にな っ てい る。 した が っ て 、 電 柱
が な けれ ば基 本 原 形 と同 じにな る。 基 本 原 形 と同 じよ うに考 えて 、 ただ 両 サ イ ドの 電 柱 部 分 に
は杭 が打 て な い か ら、そ の2本 分 を 引い た らい い 。そ うす る と、 「間 の数 一1に な る」 とい うこ
とが わ か る の で あ る。 基 本 原 形 を も とに 「
そ の間 に杭 を打 って い く」 とい う部 分 が 同 等 点 で あ
り、 「
両 サ イ ドに 電柱 が あ る」 とい う部 分 が 差 異 点 で あ る。 、
第 二変 化 は、 前 述 の よ うに 「両側 に 」 とい うこ とで2倍
に な って い る。
第 三 変 化 は、 真 っ直 ぐで はな く丸 くす る と ど うな るか とい うこ とで あ る。 丸 くす る と、 両 サ
イ ドの木 が1本
に重 な る ので 、 結 局 は 「木 の 数 は 、 基 本 原 形 の とき の木 の数 一1に な るか ら、
間 の数 と木 の数 が 同 じ にな る 」 とい うこ とが わか る。
こ の よ うに、 第 一 変 化 か ら第 三 変 化 ま で の 差 異 点 は 違 った 差 異 点 にな る よ うに 、 差 異 点 の バ
リエ ー シ ョン がつ く られ て い る。 一 つ 一 っ の 問題 を解 く度 に、 違 った 発 見 の 喜 び が続 くの で 、
喜 び の連 鎖 が 生 じる こ とに な る。 しか も、 い くつ か の 差 異 点 のバ リエ ー シ ョ ンに も対 応 で き る
よ うに な って 、 こ の種 の 問題 を解 く自信 が で きて く る こ とに な る。 こ この と ころ が 核 に な る部
分 をっ くる とこ ろで 、 そ の後 に推 理 練 習 問 題 が 約10問 続 く こ とに な る。 そ れ は 、 易 か ら難 の順
に変 化 しなが ら、推 理 力 を発 達 させ るの に絶 妙 の 問 題 配 列 に な って い る。 この こ とは 、 どの章
一132一
創 価教育研究第5号
に おい て も ほ ぼ同 じ構 成 とな って い る。
植 木 算 の推 理 練 習 問題10問 を具 体 的 に取 り上 げ 、解 説 と コメ ン トをっ け て上 記 の こ と を検 証
して み た も の は、 次 の通 りで あ る。
ま ず 、 基 本 原 形 ・第 二 変 化 と同 じ 問 題 で 確 認 させ て い る 。
【
推 理 練 習1】700mあ
る 道 路 の 片 側 に3,5mお
き に 桜 を 植 え よ う とす る。 何 本 必 要 か 。 ま た 両
側 な ら何 本 か 。 〔(イ)基 本 原 形 と比 較 せ よ 。(ロ)第
〈解 〉
二 変 化 と 比 較 せ よ 。〕 ⇔
片 側700÷3.5=200200+1=201(本)第
基本原形 、
二変 化 と同 じ
両 側201×2=402(本)
基 本原 形 の 逆 に な っ て い る。逆 方 向 か ら見 る と ど うな る の か とい うこ とで 、 見 方 が 変 わ って
お り、 そ こが 差異 点 に な っ て い る。
【推 理 練 習2】2kmあ
る道 路 に25!本 の桜 を植 え る に は木 と木 との 間 を何mお
(基本原 形 の 逆 で あ る。 木 の数 と問 の数 とを基 本 に して 推 理 せ よ。)⇔
く解>251-1=250…
きにす べ きか。
基 本原 形 の 逆
… 問 の数2000÷250・8(m)
第 一 変 化 と 同 じ 問 題 で 確 認 させ て い る 。
【推 理 練 習3】120mを
隔 て て2本
の 柱 が あ る。 そ の 問 に2,5mお
る か 。(第 一 変 化 と比 較 せ よ 。)⇔
き に杭 を打 つ とす れ ば何 本 い
第 一 変 化 と同 じ
く 解>120÷2,5・=4848-1=47(本)
第一 変 化 の逆 に な って い る。
【推 理 練 習4】240mを
隔 て て2本 の柱 が あ る。そ の 間 に さ らに7本 の柱 を立 て よ う とす る。間
隔 を ど うす れ ば よ いか 。(第 一 変 化 と比 較 せ よ。)⇔
く解>7+1=8…
第 一 変 化 の逆 に なっ て い る
… 間 の数240÷8=30(m)
基 本原 形 プ ラ ス アル フ ァの形 で 、 「
杭 を打 つ の は何 本 か 」 だ けで は な く、 「
で は1本70銭
だ と
す る と何 円 か か る の か 」 が 加 わ っ て い る 。
【推 理 練 習5】400mあ
る 道 路 に2.5mお
ら 何 円 か か る か 。 〔(イ)基
う取 り扱 う か 。(ロ)第
〈解 〉
き に1本70銭
の 杭 を 打 つ と何 円 か か る か 。 ま た 両 側 な
本 原 形 と 比 較 せ よ 。 差 異 点 の1本70銭
二 変 化 の 取 り扱 い に よ る 〕 ⇔
で総 費用 を 求 め る の だ が ど
基 本 原 形+α
、 第 二 変化 と同 じ
片 側400÷2,5=160160+1=161(本)0.7×161・112.7(円)
両 側112.7×2・=225,4(円)
これ は特 に解 説 を した い 問題 で あ る。 「
木 で は な く、紙 をっ ない で い く と ど うな るか 」 とい う
こ とで 、これ は 基本 原 形 の 質 的 に変 化 した 問題 で あ る。 これ を解 く こ とが で き た な ら、「喜 び の
グ レー ドア ッ プ」 とで も表 現 す べ き も の で 、今 まで の喜 び よ りも大 き な喜 び を得 る こ とが で き
る と考 え られ る。 「
紙 が木 に変 わ り、つ ぎ 目が木 と木 との間 」 と考 え られ る。 この こ とが わか る
とい うこ とは 、木 の 問題 だ け で な く質 的 に変 化 した 問題 で も差 異 点 を認 識 して 解 決 して い け る
こ とを意 味 してお り、 喜 び の度 合 い が 大 き くな る に違 い ない と考 え られ る。
【
推 理 練 習6】 幅23cmの 紙 を20枚 つ な い だ ら どれ だ け の長 さ とな る か。 っ ぎ 目は2cmと す る。
一133一
戸 田城外著 『
推 理式指導算術』の研究一推理式指導の解 明を中心 に一
(っ ぎ 目 は い く っ か)曾
<解>20-1==19…
基 本 原 形 の 質 的 に変 化 した 問題
→
… つ ぎ 目 の 数2×19=38(cm)※
喜 び の グ レー ドア ップ
紙 が 木 で 、 つ ぎ 目が 間
23×20=460460-38=422(cm)
第 三変 化 と同 じ問題 で あ る。
【推 理 練 習7】 周 囲120mの
円形 の運 動 場 に2.4mお
か。(第 三 変化 と比 較 せ よ。)⇔
き に旗 を立 て る の に旗 が 何 本 あれ ば よい
第 三 変化 と同 じ
く解>120÷2.4=50(本)
第 三変 化 の逆 に な って い る。
【
推 理 練 習8】
周 囲420mの
円 形 の 馬 場 に150本 の 旗 を 立 て よ う とす る 。 間 隔 を ど うす れ ば よ い
か 。(第 三 変 化 と 比 較 せ よ。)⇔
第 三 変化 の逆
〈 解>420÷150・=2,8(m)
第 一 変 化 と第 三 変 化 の 複 合 形 で あ り 、 プ ラ ス ア ル フ ァ も あ る 問 題 に な っ て い る 。 周 囲 に 大 き
な 杭 を 打 っ て い く と い う と こ ろ が 第 三 変 化 に 相 当 し 、 そ の 大 き な 杭 と杭 の 間 に 小 さ な 杭 を 打 っ
て い く と い う と こ ろ が 第 一 変 化 に 相 当 す る 。 そ し て 、 杭 の 費 用 の 計 算 も プ ラ ス され て い る 。 こ
れ も 「
喜 び の グ レー ドア ッ プ 」 が あ る と考 え られ る 。
【
推 理 練 習9】
周 囲600mあ
る 池 の 周 囲 に10mお
に 小 杭 を 打 つ 。 大 杭 は1本60銭
き に 大 杭 を 打 ち 大 杭 と大 杭 と の 間 に2,5mお
、 小 杭 は1本12銭
き
な ら 総 計 い く ら か か る か 。(第 一 変 化 と 第
三 変 化 の 問 題 で そ の 上 に 問 い の 形 式 が 加 わ っ た の で あ る 。)
⇔
第 一 変 化 と第 三 変 化 の 複 合 十 α
<解>600÷10=60(本)…
→
… 大 杭 の 本 数(間
喜 び の グ レ ー ドア ッ プ
の 数 も 同 じ)
10÷2.5=44-1=33×60=180(本)…
60×60=3600(銭)…
… 小杭 の 本数
… 大 杭 の 費 用12×180・=2160(銭)…
…小 杭 の 費 用
3600十2!60=5760(銭)答57円60銭i
基 本 原 形 の 逆 の 考 え 方 で 解 け る も の で あ る が 、 や は り質 的 に 変 化 し た 問 題 に な っ て お り、 こ
れ も 「喜 び の グ レ ー ドア ッ プ 」 に っ な が る も の と考 え られ る 。
【推 理 練 習10】500人
90cm長
の 兵 士 が4人
ず つ1列
に 並 び 各 列90cmず
つ 隔 て て 行 軍す る とき そ の
さ は い く ら か 。(こ の 長 さ は 何 人 か 。1列1列
○○
○
○○
○
⇔
基 本 原 形 の逆 の質 的 に変 化 した 問題
〈解>500÷4=125(列)125「-1=124…
と の 間 は い くつ あ る か 。)
→
喜 び の グ レー ドア ッ プ
… 間 の{数
○ ○090×124=11160(cm)答111,6rn
OOO
こ こま で の 推 理 練 習10問 を解 い た 子 ど もは 、 基本 原 形 に は じま り さま ざま な差 異 点 の バ リエ
ー シ ョンを 自力 で解 決 した こ と にな り、 そ こか ら得 られ る喜 び と 自信 に満 ち あ ふ れ て い る と考
え られ る。 この よ うな 推 理 式 指 導 に よ る応 用 問 題 の 学習 は 、算 術 を 苦 手 とす る 子 ど もに も理 解
しや す く、 万 人 に とっ て わ か りや す い もの で あ る とい え る。 しか も、真 に考 え る力 を育 む こ と
が で き る もの で あ る と確 信 す る。
一134一
創価教育研究第5号
この後 に 、 問題 く そ の1>10問
、 問題 く そ の2>10問
、 問 題 く そ の3>10問
が それ ぞ れ 用 意
され て い て 、 そ の子 の 志 望や 能 力 に合 わせ て 選 択 して解 く こ と を想 定 した 問 題構 成 に な っ て い
る。 中 等 学校 入 学 試 験 対 策 の勉 強 と して も最 適 な参 考 書 で あ り問題 集 で あ る とい え る。
私 が 『推理 式 指 導 算術 』 を教 材 と して授 業 を行 うとす れ ば 、 基 本 原 形 と変化 形 の 学 習 で1時
間 、 推 理 練習 問 題 で1∼2時
間 を割 り当 て る こ とにな る と思 わ れ る。 そ うす る と、 全 員 が2∼
3時 間 で 各項 目の 大 事 な と ころ を押 さえ る こ とが で き る。 そ して 、 練 習 問 題 くそ の1><そ
2>〈
そ の3>は
の
家庭 学 習 に ゆ だ ね る こ とにす る。
『推 理 式 指 導 算 術 』 の 内 容 に は 、 同 等 点 が あ り、 差 異 点 の バ リエ ー シ ョンが あ る。 そ の こ と
に よ って 、 子 どもた ち にい ろ い ろな 角 度 か ら推 理 し考 え させ て い く こ とが 可 能 に な っ て い る。
しか も、 易 か ら難 へ とい う絶 妙 な 配 列 に な って い て 、 順 番 に解 い て い く と自然 な リズ ム で 喜 び
が 湧 き なが ら解 くこ とが で き る よ うにな って い る。 そ れ 故 に、 推 理 式 指 導 は学 ぶ 喜 び を実 感 さ
せ る指 導 で あ る とい え る ので あ る。 この 指 導 法 に よ る と、 自分 の わか って い る とこ ろか らわ か
らない とこ ろ に 向か って い く、 そ の 考 え る力 を育 む こ とが で き る。 未 知 の こ とに挑 戦 す る とき
に も 、 自分 の わか って い る こ とを も とに して 考 え てい くこ とが で き る よ うに な る。 こ の考 え る
術 、考 え る力 を子 ども た ちが 体 得 して い くこ とに よ り、牧 口先 生 の言 われ る 「
知 識 す る こ と」
を体 得 してい くこ とが で き る と考 え られ る。
ま た 、前 述 の 「
喜 び の グ レー ドア ップ」 との表 現 は 、私 自身 が まず 子 ども の立 場 に な っ て 問
題 をす べ て解 い てみ て 、 実感 した こ とを も とに して い る。 こ こで 、 上述 の 内容 を裏 付 け る 証 言
と して 、小 学 生 の とき に 『推 理 式 指 導 算 術 』 を学 ん だ あ る方 の実 感 を紹 介 した い 。
〈数 学者:田 村 一郎 博 士(元 東 京 大 学 教 授)の
化欄
◎
「
数 学 と教 育 にっ い て 一
言葉 〉(昭
和60年4月2日
付
聖教新 聞
文
戸 田城 外 『推 理 式 指 導 算術 』 を学 ん だ こ ろ」 よ り抜 粋 。)
一 っ一 つ 問題 を解 い て い く と 自然 な リズ ム に引 き込 ま れ て 、飽 く こ とな く、知 らず 知 ら
ず の うち に何 題 も解 い て しま う とい うふ うで あ った 。
◎
こ こで 学 ん だ こ とは 、 問題 を解 く技術 とい った もの だ けで な く、 もっ と本 質 的 な 「考 え
る こ と」 とは何 か とい う こ とを知 りえ た こ とで あ る。
◎
『指 導 算 術 』 の著 者 が創 価 学 会 の 第 二 代 会 長 の 戸 田城 聖 先 生 で あ る こ とを あ とで 知 り、
算 術 とい う非 常 に論 理 的 な もの を通 じて 、 なお 人 間 的 な豊 さ を体 験 で きた の も成 程 と う
なず け た。
(7)推
理 練 習 ・練 習 問 題 の 解 答編 に詳 しい解 説 が な く答 の み で あ る理 由
現 在 で は 、 問題 の解 答 にお い て解 説 が 詳 しけれ ば詳 しい ほ ど良い 問題 集 で あ り良 い 参 考 書 で
あ る と評 価 さ れ る の が通 例 で あ る。 しか し、 これ ほ ど優 れ た参 考 書 兼 問題 集 で あ る 『推 理 式指
導算 術 』 の推 理 練 習 ・練 習 問題 に は 、巻 末 に 「
答 」 しか記 され て い な い。 解 き方 を詳 し く説 明
して い る部 分 が 一切 な い の で あ る。 なぜ 「
答 」 しか な い の か とい うこ とにっ いて は 、 どこ に も
そ の理 由 は記 され て い な い の で 、本 当 の と ころ は 戸 田先生 に お 聞 きす る以 外 に方 法 は な い の で
あ るが 、 私 が 思 うに は 『推 理 式指 導算 術 』 の 問 題 に 関 して は解 説 が必 要 な い か ら とい うの が 結
論 で あ る。 とい うの も、 実 際 に 問題 を解 い て い く と実感 す る よ うに 、順 番 に 問題 を考 え て い く
中 で 、解 き方 が 自ず とわ か って い き、解 けた とき に は 「
途 中 の解 説 」 は不 要 で 、「答 」 だ け確 認
で きて そ れ が あ って い れ ば 、解 き 方 の ほ うもOKと
い う感 じに な る か らな の で あ る。 した が っ
て 、 答 の み で 十 分 で あ り、 解説 は い らな い も の と思 わ れ る 。 ま た 、 この こ とが推 理 式 指 導 の 素
晴 ら し さ を表 して い る ともい え るの で あ る。 練 習 問 題 の 中 には 、 か な り じっ く り考 え な けれ ば
一135一
戸 田城 外著 『推理式指導算術』 の研究一推理式指導 の解明 を中心に一
で き ない とい う問 題 も あ る こ とは 事 実 で あ る が 、考 え る こ とそ の も の に意 義 が あ る と して 、途
中 の考 え方 を 自分 で発 見 させ る た め に 、答 え しか載 せ て い ない もの と考 え られ る。
6.お
わ りに
これ ま で の 考 察 で 明 らか な よ うに 、 「
文 型 応 用 主 義 」 の考 え 方 と 「知 識 す る こ との 指 導 」 の
考 え方 をべ 一 ス に した 創 価 教 育 学 説 の原 理 に基 づ く各 教 科 の指 導 は 、戸 田先 生 の 言 い 方 に な お
せば 「
推 理 式 指 導 」 とい うこ と にな る。 した が っ て 、読 方 で あ った ら 『推理 式 指 導 読 方 』 とな
る し、理 科 で あ っ た ら 「
推 理 式 指 導 理 科 」 とな る。そ れ が 算 術 で あ った の で 、『推 理 式 指 導 算術 』
に な っ た の で あ る。 は じめ に述 べ た 「なぜ 、『推 理 式 指 導 算 術 』 とい うタイ トル な の か 」 とい う
疑 問 を解 決 す る こ とが で きた 。特 に、算 術 とい う教 科 は 「
推 理 式 」 が有 効 で あ る が ゆ え に 、『推
理 式 指 導 算 術 』 が 多 く の人 に受 け入 れ られ 、ベ ス トセ ラー ・ロ ン グセ ラー に な った とい え る。
推 理 式 指 導 は 、 ま さ に考 え る力 を育 み 、 学 ぶ 喜 び を実 感 させ る卓 越 した 指 導 法 で あ る と結 論 づ
け る こ とが で き る。
ま た 、『推 理 式 指 導 算術 』 の研 究 を進 め て い く うち に 、私 自身 、 「
推 理 式 指 導 」 の観 点 を強 く
意 識 す る よ うに な り、「
小 学 校 の算 数 だ け で な く中 学 ・高 校 の数 学 の 内容 に も生 かす こ とが で き
な い か」 と考 え る よ うに な った 。 私 は、 も とも と数 学 の教 員 で あ っ たが 、 情 報 科 の 教 員 と もな
り、現 在 どち らの授 業 も担 当 して い る。今 年 度 の数 学 の担 当 は高 校1年
ち ょ う ど2学 期 の 中 間考 査 の前 に 、試 験 範 囲 が終 わ っ て も なお5時
の1ク ラス の み で あ る。
間 の余裕 が あ った の で 、生
徒 と相 談 して3時 間復 習 をす る こ とに な り、私 の ほ うで復 習 プ リ ン トを用 意 す る こ とに な った 。
そ こ で 、作成 した の が 「推 理 式復 習 プ リ ン ト」(参 考資 料 を参 照)で あ る。嬉 しい こ とに 「
推理
式復 習 プ リン ト」 を実 施 した私 の担 当 ク ラ ス の 平均 点 が学 年 平 均 よ りも7点 高 く な る とい う結
果 が 出 た の で あ る。
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
(59、56、64、65、55、54、56、55、
学 年 平 均58点)
関西 創 価 高 等 学校 で は 、1年 生 の数 学 は進 ん だ分 量 を半 分 に わ け2つ のテ ス トを実 施 す る こ と
に な っ て い る。 前 半 の テ ス トの範 囲だ け 「
推 理 式復 習 プ リン ト」 で総 復 習 が で きた が 、後 半 の
テ ス トの範 囲 は 時 間 的余 裕 が な か っ た た め 、 特別 な復 習 を しな い で生 徒 の 自主 的 な勉 強 に ま か
せ た。 そ の結 果 、 前 半 の方 のテ ス トは上 記 の よ うな成 果 が現 れ 、後 半 の方 の テ ス トは ク ラ ス 平
均 と学 年 平均 が 同 じで あ っ た。「
推 理 式復 習 プ リ ン ト」を実 施 した成 果 が 出 た と短 絡 的 に は い え
な い か も しれ な い が 、平 均 点 が 大 幅 に高 くな っ た とい う こ とは厳 然 と した 事 実 で あ る。
さ らに 、 情 報 科 の授 業 で の推 理 式 指 導 の一 例 と して 、私 がSGT(関
の授 業:月2回
程 度 、 土 曜 日実施)で
実 践 したEXCELVBAプ
西 創 価 高 等 学 校 の総 合
ログ ラ ミン グの 内容 を紹 介 す る こ
とに す る。
①f・rnextル
Sub繰
ー プ の 学 習 プ ログ ラ ム
②1∼10ま
Sub和O
り 返 しO
Fora=1To5
aニO
MsgBoxa
ForI=1To10
Nexta
a=a+I
EndSub
NextI
MsgBoxa
EndSub
一136一
で の 和 を求 め る プ ロ グ ラ ム
創価教育研究第5号
ま ず 、① でfornextル
利 用 して1∼10ま
ー プ の繰 り返 しの原 理 を理 解 す る。 そ の 後 ② で 、繰 り返 しの 原 理 を
で の 和 を求 め るプ ログ ラム を作 成 す る。 この とき 、a=0とa=a+1と
な る部 分 の 理解 を徹 底 す る。 次 に 、② の プ ロ グ ラ ム を も とに③ の プ ログ ラム の作 成 を考 え る。
こ の場 合 の差 異 点 は 、10の とこ ろ が好 き な数 とな って い る 点 で あ る。繰 り返 して 和 を 求 め る部
分 は同 等 点 で あ る。 した が っ て 、10の と こ ろ を変 数 に 変 え 、変 数 に好 きな 数 をイ ン プ ッ トで き
る よ うに改 良す れ ば よい こ とを推 理 して 発 見 す る こ とが で き れ ば完 成 とな る。(プ ロ グ ラム 中
の ア ン ダー ラ イ ン の 箇 所)さ ら に 、③ の プ ロ グ ラム を も とに ④ の プ ログ ラ ム の作 成 を考 え る。
こ の揚 合 の 差 異 点 は 、 和 で は な く階 乗 と な っ て い る点 で あ る。 変 数 に 好 き な数 を代 入 す る と
こ ろ と繰 り返 し処 理 の 部 分 は 同 等 点 で あ る 。 した が っ て 、a=0の
a=a+1の
ところ をa=a*1に
と こ ろ をa=1に
変 え、
変 え れ ば よい こ とを推 理 して発 見 す る こ とが で き れ ば 完 成
とな る。(プ ロ グ ラ ム 中の ア ンダ ー ライ ン の箇 所)
③1か
ら好 き な数 ま で の和 を求 め る
④ 好 き な数 の 階 乗 を求 め るプ ログ ラ ム
プ ログ ラム
Sub禾020
Sub階
変 数=InputBox("好
き な数 字 を入 れ て
乗O
変 数=InputBox("好
下 さ い")
き な数 字 を入 れ て
下 さ い")
a=O
a=1
ForIニ1To変
数
ForI=1To変
a=a+I
数
a=a*I
NextI
NextI
MsgBoxa
MsgBoxa
EndSub
EndSub
この よ うに 、プ ロ グ ラ ミング 指 導 に 推 理 式 指 導 法 を適 用 す る こ と に よ り、 考 え る力 を育 み 、
学 ぶ 喜 び を実 感 しな が ら、無 理 な くプ ロ グ ラ ミン グが で き る よ うに な る もの と考 え られ る。
最 後 に、 推 理 式 指 導 法 を用 い た 実 践 を関 西 創 価 学 園 で さ ら に積 み 重 ね て い く こ とに よ り、 創
価 学 園 にお け る教 科 指 導 メ ソ ッ ドの確 立 、 特 に算 数 ・数 学 科 の 教 科 指 導 メ ソ ッ ドの確 立 を 目指
して い きた い と考 えて い る。 「
創 価 学 園 に行 け ば 、 こ うい う素 晴 ら しい 指 導 法 で 教 えて くれ る。
学 ぶ 喜 び を感 じな が ら考 え る力 が 身 に 付 く。」とい うよ うな 教 科 指 導 が で き る よ うに メ ソ ッ ドと
とも に教 材 の 作 成 も行 って い き た い 。 今 回研 究 させ て 頂 い た こ とを財 産 と し、 そ うい う とこ ろ
に結 び っ けて い け る よ うに努 力 してい き たい と強 く決 意 して い る。
引 用 ・参 考 文 献
(1)戸
田城 外 『推 理 式 指 導算 術 』(戸 田城 聖全i集第9巻
聖 教 新 聞社 、1990年)
(2)牧
口常 三郎 『創 価 教 育学 大 系 概 論 』(レ グル ス文 庫
第 三 文 明社 、1997年)
(3)牧
口常 三郎 『創 価 教 育法 の科 学 的 超 宗教 的実 験 証 明 』(『牧 口常三 郎 全 集』 第 八 巻
1984年)
(4)稲
川 三郎 「
戸 田城 聖 著 『推 理 式 指 導 算術 』 周辺 の推 論研 究」
(5)戸
田城 外 『改 訂 増補 推理 式 指 導 算 術』(創 価 教 育 学 支 援 会、 昭和8年)
一137一
第 三 文 明社 、
戸 田城外著 『推理式指導算術』 の研究一推理式指導 の解明 を中心に一
(6)『 岩 波 国語 辞 典 』(岩 波 書 店 、2000年)
(7)『 国語 辞 典 』(博 文館 、 昭 和15年)
(8)牧
口常 三郎 「
綴 り方教 授 の科 学 的研 究 」(『牧 口常 三 郎 全集 』 第七 巻
(9)戸
田城 外 『家 庭 教 育 学総 論
(10)田 村 一 郎 「
数 学 と教 育 に つ い て一
(昭和60年4月2日
付
第 三 文 明社 、1982年)
中等 学 校 入 学試 験 の話 と愛児 の優 等 化 』(城 文 堂 、 昭 和4年12月)
戸 田城 外 『推 理 式 指 導 算 術』 を学 んだ こ ろ」
聖 教 新 聞文 化 欄)
一138一
創価教育研 究第5号
高1数 学2学
期 中間 テス ト(順 列 ∼ 期 待 値 ま で)対 策
推 理 式復 習 プ リ ン トNo.1
<じ ゃ ん けん の場 合>
4組No.氏
1,5人
が1回
名
じゃ ん けん をす る とき,そ の 出 し方 は 何 通 りあ る か。<4STEPA:49>
1人 の 出 し方 は,そ れ ぞれ
通 りある。
よって,←
←←覇 纐 灘
2。A,B,Cの3人
(1)Aだ
が じ ゃ ん け ん を1回
す る と き,次
けが 負 け る確 率
の 確 率 を 求 め よ 。<4STEPB:101>
(2)1人
3人 の 手 の 出 し方 の総 数 は,=(通
り)
だ け が勝 っ 確 率
1人 だ けが 勝 つ場 合,勝 者 の 決 まり方 は,
Aだ け が 負 ける場 合 は,
の
の
通 りある。
Aが,B・Cは
その お の おの に対 して,勝 ち方 が
Aが,B・Cは
の
Aが,B・Cは
よって,求 め る確 率 は,
通 りある 。
通 りあ る。
よって,求 め る確 率 は,
3,A,B,Cの3人
(1)Aだ
(3)だ
が じゃ ん け ん を1回 す る とき,次 の 確 率 を 求 め よ。<教 科 書P70問
け が勝 つ 確 率 【2の(1)と比較せよ】(2)Aを
題h>
含 む2人 が勝 つ確 率 【2の(2)と比較せ よ】
れ も勝 たな い確 率
つま り,あい こになる場 合 の ことであ る。それ は,[1]3人
[2]3人
が
を出 す場 合
が
通り
を 出す 場 合
の 合 計 で,通
通り と
りある。
よって,求 め る確 率 は,
4.3人
が3回
じゃ ん け ん を し て,す
べ て あ い こ に な る 確 率 を 求 め よ 。<4STEPB:128>【3の(3)とtヒ
5,4人
で1回 だ け じゃん けん をす る 。<4STEP演
習 問題B:11>【
(1)パ
ー一を出 した者 が 勝 者 で,そ の 勝者 数 が1人,2人,3人
(2)あ
い こ にな らず に勝 負 が決 ま る確 率 を求 め よ。
(3)こ
の じゃん け ん に お け る勝 者 の 人数 の期 待 値 を求 め よ。
一139一
挑戦 問題 】
で ある確 率 を それ ぞ れ 求 め よ。
較せよ】
戸 田城外著 『推理式指導算術』 の研究一推理式指導の解 明を中心に一
高1数 学2学
期 中間 テ ス ト(順 列 ∼期 待 値 ま で)対 策
推 理 式 復 習 プ リン トNo.2
<順 列 ・円 順 列 ・重 複 順 列 の 場 合>
4組No.氏
1,次
(1)10人
の 中 か ら議 長,副
を 選 ぶ 方 法 は,何
議 長,書
記 の 各1人
通 りあ る か 。た だ し,兼 任 は
認 め な い もの とす る。〈4stepA:37改
2,男
名
の 問 いに答 え よ。
子5人,女
子3人
が1列
に 並 ぶ とき,次 の 並 び 方 は 何 通 りあ る か 。〈4step例
子3人
(3)ど の 女 子 も隣 り合 わ ない
字 を1列
の 文 字 全 部 を 使 っ て でき る 順 列 の
総 数 を 求 め よ 。〈4stepA:36改
〉
〉
(1)男 子 が 両 端 に くる(2)女
3,pr。videの7文
(2)englishの7個
題9,B:42,44改
(4)少 なくとも一 端 に 女 子が くる
に 並 べ る の に,次 の ような 並 べ 方 は 何 通 りあ る か 。〈4step例
(1)母 音 字 が 両 端 に くる 【2(1)と 比 較 せ よ 】(2)す
(3)ど の 子音 字 も隣 り合 わ な い【2(3)と比較せよ】
〉
が続 いて並 ぶ
題9,B:42,44改
(4)pとvの
間 に 文 字 が2つ
あ る も の は 何 通 りあ る か 。
【3(1)(2)と 比 較 せ よ】
4,先 生 と奥 さん,生 徒6人 が 円 形 のテー ブル に着 席 するとき,次 の ような並 び 方 は何 通 りあるか 。
〈4stepB:53表現 改 〉
(1)着 席 方 法 の総 数(2)先
5.男
子4人,女
(1)女 子4人
子4人
〉
べ て の 子 音 字 が 続 い て 並 ぶ 【2(2)と 比 較 せ よ】
生 と奥 さんが 隣 り合 う【2(2)と比較せよ】
が 手 を つ な い で 輪 を 作 る とき,次 の 並 び 方 は 何 通 りあ る か 。〈4stepB:54>
が 続 い て 並 ぶ 【4(2)と 比 較 せ よ】(2)男
女 が 交 互 に 並 ぶ 【3(3)と 比 較 せ よ】
一140一
創価教育研究第5号
6.2種 類 の 記号Oと ×を,難
灘難羅 次 の ように並 べ る方 法 は何 通 りあるか 。<4stepA:50>
(1)合 計6個 の 記 号 を並 べ る(2)1個
7.4個 の 数 字0,1,2,3を
以上6個 以 内 の記 号 を並 べる
使 って できる次 の ような 自然 数 は何 個 あるか 。ただ し,同 じ数 字 を難 簾 霧懇 使って
よ い も の とす る 。<4stepB:58>
(1)3桁
の 自 然 数(2)3桁
【6(1)と 比 較 せ よ】
8,次
以 下 の 自然 数
(3)123よ
り小 さい 自然 数
【6(2)と 比 較 せ よ 】
の 問 い に 答 え よ 。〈4stepA:52改,B:60>
(1)集 合{1,2,3,4,5,6,7}の
部 分集 合
は 何 個 あ る か 。【6(1)と 比較 せ よ】
(2)10人 を2つ の部 屋A,Bに
入れ る方 法 は 何 通 り
あるか 。ただ し,40人 全 員 が 同 じ部 屋 に 入 って
もよい もの とする。【8(1)と比較せよ】
(3)10人 を2つ の グル ープA,Bに
は何 通 りあるか 。
分 ける方 法
(4)10人 を2つ の グル ー プに分 ける方 法 は 何 通 り
あ るか 。
一141一
戸 田城 外著 『推理式指導算衛 』の研究一推理式指導 の解明を 中心に一
高1数 学2学
期 中間 テ ス ト(順 列 ∼期 待 値 ま で)対 策
推 理 式復 習 プ リン トNo.3
<組 合 せ ・同 じもの を含 む 順 列 ・二 項 定理 の 場 合>
4組No.氏
名
1.正 八 角 形に つい て,次 の 数を求 めよ。〈4stepA:64改 〉
(1)頂 点を結 ん でできる三 角 形(2)頂
の 個数
2,6本
(3)対 角 線 の 本 数
点 を結 ん でできる四 角 形
の個数
の 平 行 線 と,そ れ らに 交 わ る4本 の 平 行 線 とに よ って で き る 平 行 四 辺 形 は 何 個 あ る か 。〈4stepA:66>
【1(3)と 比 較 せ よ】
3、9人
の 生 徒 を 次 の よ うに す る 方 法 は 何 通 りあ る か 。〈4stepB:70改
(1)A,B,Cの3室
入れる
4,次
に3人 ず つ(2)3人
【2と比較 せ よ】
ず つ3組
に 分 け る(3)5人,2人,2人
【3(1)と 比 較 せ よ】
の 問 い に 答 え よ 。〈4stepA:67改,A:72改
(1)3,4,4,5,5,5の6つ
の 数 字 を全 部
お い てN,1,0が
5.DEFENSEの7文
の3組
(2)KANSAISOKAの10文
字 を1列 に 並 べ る 方 法
は 何 通 りあ る か 。【4(1)と 比 較 せ よ 】
こ の 順 に あ る もの は 何 通 りあ る か 。【4(2)と 比 較 せ よ】
字 か ら4文 字 を取 り出 すとき,そ の順 列 の 総 数を求 め よ。〈4stepB:74表現 改 〉
(解)【4と 比較せよ】
[1]Eを3個
含 む 場 合EEEロ
で
組 合せ は
口
で
通り
よって,この 場 合 の 順 列 は,
[2]Eを2個
だ け含 む 場 合EE口
に 分 ける
【3(2)と 比 較せ よ】
〉
使 っ て で きる6桁 の 整 数 は 何 個 あ る か 。
(3)(2)に
〉
組 合せ は
よって,こ の場 合 の 順 列 は,
一142一
(通 り)
創 価教 育研究第5号
[3]4文
字 とも異 なる場 合
組合せは
(通 り)
よって,こ の場 合 の順 列 は,
した が って,[1]∼[3]よ
6.(1)(x+3〕
ρ
り,求 め る 順 列 の 総 数 は,
の 展 開 式 を 求 め よ。
(2)(a+b-26)7の
(3)等
展 開 式 に お け るdilfOの
式nC。-nC・+nC2-…
〈4stepA:82改
〈4stepA:80改
〉
項 の 係 数 を 求 め よ。
…H〈-1%Cr+…
〉'
一143一
…+(-1兀C"=0を
〈4stepB:84改
〉
証 明 せ よ。