ブラジル –政策金利据え置き、介入不在でレアル高

2016年6月9日
ブラジル
–政策金利据え置き、介入不在でレアル高–
<政策金利とインフレ率の推移>
<政策金利を据え置き>
6月8日(現地時間)、ブラジル中央銀行(以下、
BCB)は金融政策委員会において、7会合連続で政
策金利を14.25%に据え置くことを決定しました。
声明文では前回同様「前年比のインフレ率およびイ
ンフレ期待は目標を大幅に上回っていることから金
融緩和の余地はない」としています。
今回も8委員全員が金利据え置きを支持しました。
(2011/1/4~2016/6/8)
(%)
16
(%)
12
ブラジル政策金利:左軸
ブラジルインフレ率IPCA(前年比):右軸
14
10
中央銀行の政策目標範囲
12
8
<ブラジルレアルの動向>
ブラジルレアル(以下レアル)は、主要格付け会社
による格下げの影響や経済の低迷、政治的混乱など
から軟調に推移してきました。足元では原油価格が
堅調に推移していることや米国の追加利上げ観測が
後退していることなどから、対円、対米ドルで強含
んで推移しています。特に対米ドルでは、BCBによ
るレアル売り米ドル買い介入が5月18日を最後に実
施されておらず、約11カ月ぶりの高値水準まで上昇
しています。
10
6
8
4
6
2
11年
6月8日の海外終値は1米ドル=3.3622レアル、1レ
アル=31.83円となっています。
テメル暫定政権が5月に発足しましたが、汚職問題
に絡んで閣僚が2人も辞任するなど政治的混乱は収
まる気配がありません。まずは緊縮財政法案が可決
されるかどうかが注目されています。
レアルは足元で強含んで推移していますが、これま
での売られ過ぎの反動とも言えます。今後一段の上
昇のためには、スタグフレーション(景気後退と物
価上昇が同時に進行する状態)の緩和、財政再建策
の進展が求められます。
13年
14年
15年
16年
<ブラジルレアルの推移>
<今後の見通し>
ブラジルの金融政策については、インフレ率がピー
クアウトしたものの、依然として水準が高いことか
ら景気刺激のための金融緩和は困難であると考えら
れるため、政策金利は当面据え置きが続くとみられ
ます。
12年
※政策金利は発表日ベース
※インフレ率IPCAは2011年1月~2016年5月
(円)
(2011/1/3~2016/6/8)
65
(ブラジルレアル)
(レアル高)
60
1.5
2.0
55
(レアル安)
50
45
2.5
3.0
40
3.5
35
ブラジルレアル/円:左軸
30
4.0
米ドル/ブラジルレアル:右軸
25
4.5
11年
12年
13年
14年
15年
16年
出所:Bloomberg
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