ブラジル –政策金利を据え置き

2016年7月21日
ブラジル
–政策金利を据え置き–
<政策金利とインフレ率の推移>
<政策金利を据え置き>
7月20日(現地時間)、ブラジル中央銀行(以下、
BCB)は金融政策委員会において、8会合連続で政
策金利を14.25%に据え置くことを決定しました。
声明文では、足元の経済指標は短期的な経済活動の
安定化を示しているものの、国内経済は停滞状況に
あると指摘しています。一方、金融緩和については
「基本シナリオおよび現在のリスクバランスからみ
て、金融緩和する余地はない」としています。
6月にゴールドファイン新総裁が就任し、今回が新
総裁や4人の新メンバーによる初めての政策決定で
した。出席した9委員全員が金利据え置きを支持し
ました。
<ブラジルレアルの動向>
ブラジルレアル(以下レアル)は、大幅な原油安や
政局不安から2016年の初めまでは大幅に下落してい
ましたが、今年春の連立与党の分裂を契機にルセフ
大統領が失脚する可能性が高まったことでレアルは
一旦底を打ち、原油相場の反発も追い風となってそ
の後は底堅い推移が続いています。また、テメル大
統領代行率いる新政権が財政再建に前向きな姿勢を
示していることや景気対策に対する期待感の高まり
から、ブラジルへの投資を見直す動きが見られてい
ます。
7月20日の海外終値は1米ドル=3.260レアル、1レ
アル=32.79円となっています。
(2011/1/4~2016/7/20)
(%)
16
(%)
12
ブラジル政策金利:左軸
ブラジルインフレ率IPCA(前年比):右軸
14
10
中央銀行の政策目標範囲
12
8
10
6
8
4
6
2
11年
12年
13年
14年
15年
16年
※政策金利は発表日ベース
※インフレ率IPCAは2011年1月~2016年6月
<ブラジルレアルの推移>
(円)
(2011/1/3~2016/7/20)
65
(ブラジルレアル)
(レアル高)
60
<今後の見通し>
55
新政権の経済チームが近く経済刺激策をテメル大統
領代行に提示するとの見通しから、レアルは短期的
に強含んで推移しそうです。
50
今後、汚職捜査などの政局不安のリスクは残ってい
るものの、財政政策や景気対策の進展によってブラ
ジルへの投資を見直す動きが続くとみられ、グロー
バルに金利水準が大きく低下した環境下、ブラジル
の高い金利水準がレアルを下支えするものと見込ん
でいます。
40
1.5
2.0
(レアル安)
45
2.5
3.0
3.5
35
ブラジルレアル/円:左軸
30
4.0
米ドル/ブラジルレアル:右軸
25
4.5
11年
12年
13年
14年
15年
16年
出所:Bloomberg
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