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平成28年度通常総会懇親パーティー志岐会長ご挨拶
(平成28年6月7日(火) 於ホテルオークラ東京)
一般社団法人日本産業車両協会
日本産業車両協会の会長の志岐です。昨年6月に会長に選任されましたので、任期2年の
半分を過ぎたところであります。先ほどの総会ですべての議案が承認されましたが、これも
会員を始め、関係省庁の皆様のご支援ご協力の賜物と厚く御礼申し上げます。
本日は、こうしたご関係の数多くの皆様に、誠にお忙しい中、ご出席いただき有難うござ
います。とりわけ、ご来賓として、公務ご多忙の中、経済産業省からは伊吹自動車課長様に
ご出席いただいております。日頃のご指導ご支援への感謝と併せ、厚く御礼申し上げます。
まずは、先月の熊本県、大分県で発生した地震の被害に合われた方々に心よりお見舞いを
申し上げます。本日ご出席の会員各社におかれましては、直接的な被害はなかったとお聞き
しておりますが、今後、東日本大震災の復興支援でフォークリフトの提供を行ったように、
業界としての支援活動が求められるようなことがございましたら、またぜひご協力をお願い
したいと思います。
さて日本の経済は、1~3月の GDP がほぼ横ばいであったように、全体として力強さに
欠けており、安倍首相の景気の先行きに関する強い懸念から、消費税率の引き上げは、平成
31年10月まで2年半延期されることとなりました。
この間に、政府はさらなる成長戦略を策定、推進し、消費税引き上げが可能となる環境整
備に努められるものと思いますが、産業車両業界としても、政府の政策に呼応して、新たな
製品やサービス、ソリューションの開発を通じて、国内外の市場の拡大に努めていかなけれ
ばならないと考えます。
私どもは、昨年、政府の「自動車産業戦略2014」に呼応して、
「次世代の産業車両(フ
ォークリフト)戦略」を策定し、優先順位を付けて着実に実施してまいりました。
この戦略の目標は、現在世界トップに位置する我が国フォークリフト産業の持つ“日本
ブランド”という強みを、これまで以上に浸透・確立することで、将来にわたって世界の産
業車両、フォークリフト業界におけるNO.1であり続けることです。
ここでの“日本ブランド”とは、安全向上、環境負荷の低減、物流(マテハン)の効率化
に貢献する、信頼性の高い製品、サービスを提供することで生まれると考えております。
こうした目標を実現するため、安全向上に向けて、昨年度は厚生労働省のフォークリフト
に関する労災事故のデータベースの分析を行いました。10年前には年間40件を超える死
亡事故が起きておりましたが、一昨年は27件まで減少しました。これを将来ゼロにすべく、
詳細な事故の状況や原因を分析して、より安全な製品の開発や、お客様に安全な使い方につ
いてどうお伝えしていくかといったことに結びつけてまいります。
また環境負荷の低減では、燃料電池を搭載したフォークリフトや、新機能を搭載した電気
式フォークリフト等について、普及促進のために、政府のご支援をお願いしておりましたが、
平成28年度の物流分野における CO2 削減対策促進事業として実現いたしました。ぜひお
客様にお伝えして、ご活用いただきたいと考えます。
そして、物流の効率化については、政府が先週閣議決定された「日本再興戦略 2016」の
重点分野の一つに据えられている、
“サービス産業の生産性向上”にも大きく貢献するもの
として、これまで以上に力強く取り組んでまいりたいと思います。
今後労働力不足が懸念される中で、経済、社会の血流たる物流を効率化、高度化させるた
め、IoTやロボット、AIといった最新の技術も取り入れながら、業界として新たな製品
やソリューションの開発・普及に取り組んで、政府にご提案していく年としたいと考えてお
ります。これは同じく戦略の重点分野である、
“スマート工場などの第4次産業革命の推進”
にも貢献できるものであり、工場内での部品や材料、完成品の構内物流、マテリアルハンド
リングのみならず、工場と部品メーカーあるいは消費者を結ぶ輸送も含め、スマート工場の
実現において、物流が大きな役割を果たすものと考えております。
先週、ドイツで開催されたCeMAT(国際イントラロジスティクス見本市)に行って参
りましたが、ドイツではインダストリー4.0 を推進しているところです。我々日本もドイツ
に負けない世界一の日本産業車両業界であり続けるべく頑張っていきたいと思います。
こうした安全や環境負荷の低減、物流効率化、高度化の成果につきましては、今年の9月
に開催されます「国際物流総合展2016」でご覧いただくことが可能かと思います。ぜひ
私どもの最新の製品やサービス、ソリューションを、多くの来場者に体感いただきたいと思
います。
また、展示会の会期中、日本では4年ぶりの開催となる「第19回アライアンス業界首脳
会議を」を開催いたします。アメリカ、欧州、中国の業界トップが一堂に会する場となりま
すが、4年前の京都での会議の際と同様に、会員や関係の皆様にもお聞きいただけるセッシ
ョンを設ける予定としておりますので、ぜひご参加いただければと思います。
平成28年度も、戦略の推進や、展示会、国際会議の開催等、業界の発展に向けた様々な
取り組みを進めてまいりますので、会員の皆様はじめ、関係諸官庁や内外の関係団体からの
ご支援ご協力をぜひともよろしくお願い申し上げます。
最後になりますが、産業車両業界の益々の発展と、本日ご参集いただいた皆様の健勝を祈
念いたしまして、ご挨拶とさせていただきます。
以 上