サントリーシステムテクノロジー株式会社 1. 活用推進者 管理部 人事チーム 人材育成担当 松本 道典 2. 会社概要 社 所 設 代 資 社 在 表 本 員 名 地 立 者 金 数 :サントリーシステムテクノロジー株式会社 :大阪府大阪市北区堂島2-1-5 サントリーアネックスビル7F :1990年(平成2年)3月29日 :代表取締役社長 山内 雄彦 :2,000万円 :186名(2016年4月現在) 3. iCD取組み効果 経営戦略の達成とイノベーションを呼ぶ会社組織の構築 経営 中期計画 の実現 組織一体感 の醸成 顧客満足度の 向上 組織機能 の向上 人事制度との 連携 キャリアパス の設定 自社タスク定義 AsIs&ToBe 活動テーマ 設計力のアップ 業務の目標設 計力のアップ 社員 (個人) メンバーの 育成力のアップ スキル習得度 のアップ KAIの定着 活動テーマ 実現の現場力 強化 自己実現と組織貢献 による満足度向上 組織 リーダ 強いチーム作りと 組織ミッションの達成 :成果のあった項目(実線) :今後成果を予定している項目(点線) 4. iCD取組みの効果及び今後予定する効果内容 4.1. 効果のあった項目 効果内容 組織一体感の 醸成 経営層からの(中期)計画方針を反映することにより、経営の求 めるタスクとスキルが明確化(可視化)され、社員との間で目標 達成に向けての一体感が醸成できた。 組織機能の向上 新しいビジネスモデルへの対応(例:M&A)、既存業務の確実 な運用など、各個別組織も要件を踏まえた体制設計において、 スキルデータを利用し、組織の最適配置が実現できた。 顧客満足度の 向上 タスクや役割、個人のスキルレベル(経験や知識など)の客観 的データと連動した配置、業務の改善活動が起因して、お客様 へのサービス向上(顧客満足度の向上)ができた。 活動テーマ 設計力のアップ 担当するチームと部下の両面からタスク力を把握することができ ることで、案件の特性を踏まえたチーム編成、個人の業務アサイ ンができるようになった。 メンバーの 育成力のアップ 短期的な担当案件ではなく、各人の希望を踏まえたうえでの長 期的な役割や育成方針を決めることができる。また、人事面談で も偏りのない、具体的な話こみができる。 キャリアパス目標の 設定 組織横断的なキャリアパスの明示により、将来に向けてのキャリ アプラン設定が可能になり、それに向けての課題認識と意識が 向上した。 業務目標設計力の アップ 担当する案件に求められる業務要件からタスクとレベルを具体 化するので、どのような役割を果たすのか、そのためには何が 必要なのか(足りないか)が明確になった。面談時の議論が充実 した。 スキル習得度の アップ 自主研修配分時間ルール(通称5%ルール)への活用意識が高 まり、受講する研修に対する理解が深まった。また、スキルアッ プ目標の設定意欲が高まり、研修に割く時間が増えた。 4.2. 効果を予定している項目 予定している効果内容 中期計画の実現/ 人事制度との連携 中期方針テーマを実現する。そのためにタスクを随時見直し、確 実に組織と人の成長のPDCAを継続する。また、複線型人事制 度、マネジメント層の人間力の開発や向上と連携する。 活動テーマ実現の 現場力強化 研修だけでなく、実務の担当を担うことでタスクレベルの向上を 実現する。そのために、いかに実務をアサインしているのか、ア サインの結果はどう記録され、評価するかのPDCAを継続する。 KAIの定着 成長の結果を計数的に把握し、自己目標のKAIに連動する行動 を定着させる。個別案件、年間活動、研修受講などの実施の都 度タイムリーに、スキル・KAIを評価する行動につなげていく。 5. iCD活用に対する現場からの評価の声 経営者 現場マネージャ 中期計画を実現するには、その目標にむけての将来への体制を準備 しつつ、短期的な事案にも成果を出すことが求められる。 人材育成には時間がかかるので、計画的に、より具体的に、より納得 性ある育成計画を作り、組織と社員(人)で合意しつつPDCAサイクルを 回していく必要がある。そのためにはスキルディクショナリデータは重 要な経営データだと考える。 新人材像を設計する時に、ミッションから入って、To Beタスクを議論し ていく活用プロセスは、意義があると考えている。 スキル管理システムによって、社員から今後希望するスキルパス やキャリアパスを聞き取り、こちらからも意思を伝えるなど、両者の 視点での方向性の摺り合わせがしやすくなった。 評価される方も自分の弱点がみえ、仕事を与えるほうも今後業務 として必要なタスクから経験するべきテーマが見えてくるので、育成 計画が立てやすくなった。 スキルアップした項目を客観的に共有、認識することができること は高く評価する。 研修は知識を習得しただけに終わるが、レベルを上げるためには、 担当するJOBと連携するようなシナリオが必要になる。今後は、こ の計画を立てるデータとして活用していきたい。 一方、技術スキルに関しては、より客観的な評価をするためにも、 評価する側の能力レベルを高めていく。 キャリアフレームワークは、目標設定が非常に容易で、自分の進む べき道を定義するための有効なフレームワークだと思う。一方で、 それぞれのスキル評価では主観的な判定項目もあり、客観性ある 評価レベルにすることが課題ではないか。例えば、「プロジェクト」な どは、規模のとらえ方に個人差があり、標準ガイドを提示するべき だろう。 また、年初の目標設定時には、前年の実績に基づきスキル管理の レベルを更新するが、研修計画は不足するスキルの向上を目標に 策定する。しかし、前年の実績に基づいた評価が自分だけでできる ので、マネージャとの面談でスキル管理の点数について深く議論し、 意味のある点数(レベル)にしていくべきだ。面談時には、そのため の時間をしっかりと設定してもらう必要がある。 自己評価と、会社からの評価を総合して点数付けすることで、より はっきりとした個人の活動目標(KAI)が設定できると思う。 社員 6. iCD取組みの効果 ■効果項目:組織の一体感の醸成 スキル標準(ITSS)は2010年から運用を実施しており、当初は主に社員のスキル管理及び、育成に活用して いた。 2013年には、事業変化(外販事業会社からサントリーグループ機能会社)に対応した組織や人への対策が急務 となったが、スキル管理体系のタスクを活用することで、サントリーシステム部門、自社、パートナー会社の役割 分担を整理し、移行計画を作成することができた。その経過において、社員にも「活用」の意義や有効性が理解 された。 単年度の活動計画、中期活動計画の策定では、いずれも詳細計画に落とし込むことになるが、キャリアフレー ムワークの人材像ベースに議論していく動きが出てきた(年初面談時に、マネジメント層には徹底)。これにより、 社員のスキル向上と活動計画は連動して成果が出るという認識(納得性)が高まり、経営と社員の一体感が向 上している。経営、ラインマネージャ、個人、人事との連携した活用の動きも加速している。 <経営層にフィードバックする資料(一部抜粋)> 1 ビ ジ ネ ス プ ラ ン ナ ー 2 プ ロ ジ ェ ク ト マ ネ ー ジ ャ 3 I T ア ー キ テ ク ト 全社的な業務、関連部門が複数に渡る複雑な業務、高 い確実性を求められる業務を主体となって推進するレベ ル。 2 5 2 実績に裏打ちされた独自の専門スキルを活かし、担当 Ⅴ 業務をリードするレベル。発見された業務上の課題解決 を最適な解決策をもってリードするレベル。 4 10 4 10 専門スキルを活かし、担当業務を主要スタッフとして独 自でするレベル。独力で業務上の課題を発見し、自らの スキルを活かして解決をするレベル。 6 15 6 15 Ⅵ 4 ア プ リ ケ ー シ ョ ン デ ザ イ ナ ー 5 ア プ リ ケ ー シ ョ ン エ ン ジ ニ ア 6 I T サ ー ビ ス マ ネ ー ジ ャ 7 サ ー ビ ス エ ン ジ ニ ア 8 イ ン フ ラ エ ン ジ ニ ア 9 コ ア テ ク ノ ロ ジ ー エ ン ジ ニ ア 10 W e b プ ロ デ ュ ー サ ー 2 5 5 4 8 2 10 30 11 W e b デ ィ レ ク タ ー 12 W e b ア シ ス タ ン ト デ ィ レ ク タ ー 13 ビ ジ ネ ス ア ナ リ ス ト 14 デ ー タ サ イ エ ン テ ィ ス ト 15 デ ー タ 解 析 エ ン ジ ニ ア 1 3 3 2 8 6 5 40 50 10 8 7 Ⅱ 基本的な業務については一部を上位レベル者のサポー トを受けながら実施できるレベル。 20 25 20 5 8 Ⅰ 上位レベル者のサポートを受けながら限定された役割を 遂行するレベル。 10 10 30 7 16 Ⅳ Ⅲ 限定的、部分的なタスクを独力で遂行するレベル。上位 レベルの指導下で、業務上の課題発見と解決をするレベ ル。 20 5 3 4 6 4 【人材像毎の全社戦力強弱を把握】 【重要タスク毎の充足度を把握】 また、「タスク」、「人材像(役割)」、 「キャリアパス」などが社内の共通言語として使用されるようになりつつある ことも、効果につながった一要因と考えている。 キャリアパスは、学生採用活動においても、人材育成活動の情報として効果を出している。 <マネージャと社員との面談で使用する資料(一部抜粋)> 【SSTキャリアパス】 【社員毎の現状と目標を把握】 【強化すべき具体的なタスクを確認】 6. iCD取組みの効果 ■効果項目:組織機能の向上 組織(全社、部門など)に属する全社員の役割別レベル分布を可視化し、現在の戦力を把握することにより、 適正人数の算出や業務遂行要件とメンバーのスキルマッチが可能になり、最適配置を行える環境が整った。 例えば大規模案件の開発プロジェクトチームや確実な運用サービスを保証するチーム、脆弱タスクレベルで先 送りしている体制、新たな強化サービスを提供する体制(下記詳細記述)などの整備では、個々の組織タスクと 人材要件を整理した組織設計が必要になる。すでにこれらの立ち上げのスピードアップや外部体制も含めた最 適な組織機能を実現するなど、各活動の成果につながっている。 自社で強化するべき新しいサービス(例:データサイエンスサービス)の立上げにおいては、担うべき役割、目標 とする人材像、連携するべき他部署機能などを整理する設計プロセスが入ることで、初期体制にもかかわらず、 タスクを認識した業務が遂行できている。 タスクモデル設計工程においては、既存のフレームワーク等をベースに組み立てることができるので、非常に効 率的であり正確性が高い。 【中期計画実現とToBeタスクの検証】 【最新のキャリアフレームワークのレベルアップ(新たなビジネス領域に必要な役割の追加】 6. iCD取組みの効果 ■効果項目:メンバ育成力のアップ スキル標準(ITSS)導入前は、短期的な現案件の状況確認や、次の案件へのアサインをメンバーと話すことが 多く、各人がどのようなキャリアパスの希望を持っているかといった話は出来ていなかった。 導入後の現在は、年二回の面談時に、各人がどのようなキャリアパスの希望を持ち、どういうタスク(スキル)に 課題があり、何を伸ばしたいのかといった実態情報を踏まえたうえでの、具体的な役割や育成方針を決めること ができるようになった。 【全社活動と連動した人材育成年間プロセス】 【マネージャの役割】 <面談前に実施すること> ⇒ 【強化すべきタスクと自組織力の把握】 【育成候補者の選定】 <面談の実施> ⇒ 【前年度の振り返りと次年度の目標を設定】 【本人の希望なども考慮した上で、チャレンジ目標を決定】
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