Page 1 平成16年度 老人保健健康増進等事業 地域での各種サービスの

平成 1 6 年 度 老 人保健健 康増進等事業
ー
地域で の各種サ ー ビスのあ り方 とサ ビスの質の確 保 に関する研究
・
下部研究 : 調 知症 ( 痴呆性) 高齢者の外出支援 のあ り方 とボラ ンテ ィア育成 活用 に関す る研究
症高齢者 の
認 矢□
外 出支援実現 マ ニ ュアル
一 効果的な外 出支援実践 の ため に 一
平成 17年 3月
社会福祉 法人 浴 風会
認知症介護研 究 ・
研 修東京 セ ンタ
ー
研修東京 セ ンタ
(1日高 齢者痴呆介護研 究 ・
ー)
マ ニ ュア ル ロ次
は じめに 一 本マニュアルの作成の目的 一 ・・・・・・・・・・・・・・・1
第 1章 認知症 のある高齢者の外出の意義 ・・・・・・・・・・・・・・・・2
第1節 外 出の意義
第2節 外 出支援を実現する上での課題
て
第3節 マ ニ ュアルの活用力法につしヽ
第2章 外出実践の手順 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
第1節 「 事前 に計画 し楽 しみに待つ外出」の準備 と実践
「 日常生活の中での外出」の準備と実践
第2節
<た めに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
第3章 外出を実現 してしヽ
第1節 リ スクマネジメン ト
第2節 地 域資源と外出
第3節 ボ ランテ ィアとの協働
資料集 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
(1)資 料 1:外 出支援契約書
(2)資 料 2:外 出支援企画書
(3)資 料 3:外 出支援記録用紙
(4)資 料 4:リ スク評価表
参考文献
は じめに
一本マニ ュアルの作成の目的 一
・ 施設入居 。入所 している認知症の高齢者は、買しヽ
物にしヽった り、好きなとこ
ろに遊びに行 つた りなどの、自発的な外出活動が少な<な ることが しば しば
□人のペ ース
る施設によりますが、日常生活は、十
あります。また入居 してしヽ
<こ とが余儀なくされ
でな<、 管理されたスケジ ュールに従 つて生活 してしヽ
ます。
・ 個局」
ケアとは、認矢B症のある高齢者に対する施設ケアが抱えるこれらの問題
えます。ユニ ッ トケアやグル ープホ ームは、
点を解決 してい<た めのものとしヽ
従来型
そのために効果的な生活形態ですが、構造的に大きな改修ができなしヽ
ー
の特別董護老人ホ ムにおしヽ
くこ
ても、様衆な工夫で1□
局」
ケアを展開 してしヽ
とが求められてしヽ
ます。
・ 従来型の特別董護者人ホ ームにおしヽ
ても、外出することによって、施設構造
的な改修を懸要とせすに、生活にハ リを与えるなどの様々な効果があること
は研究で明らかにされてきてしヽ
ます。そのため、単にタト出を活動と して位置
づけるのではな<、 む しろ積極的な支援のひとつとして取 り組むべ きである
と者えます。
・ また外出は、心理面だけでな<、 地域を基盤 とした施設生活に対する支援環
るともしヽ
えます。施設を地域の一言Bとして提
境 として重要な役書」
を有 してしヽ
えなお してしヽ
<上 で、施設と地域をつなげる支援が外出支援であるときえま
す。
・し か し、職員体制がぎりぎりのなかで介護をしてしヽ
て外出を積
る施設におしヽ
ヽ
極的におこなうことは、無視できな し課題があることも明 らかです。
・ 本マニ ュアルは、そのような現状を少 しすつ打破 しながら、施設全体をチ ー
ムとして実際に外出支援に取 り組んで しヽ
くに当た ってどのような者え方 ・方
しヽ
のかとしヽ
うことにつしヽ
てまとめま した。
けばしヽ
法をとって しヽ
・ 個別のケアを実現 してしヽ
く中で、課題にぶつかる事が多い現状がまだまだた
一
です。
<さ んありますが、その 助となれば幸 しヽ
*本 マニ ュアルは、平成 16年 度老人保健健康増進当事業 「介護保険制度の適
て作成さ
正な実施及び質の向上に寄与する調査研究事業」の予算の一吉Bを用しヽ
れたものです。
-
1
-
第 1章 認 知症 の ある高齢者 の外 出の意義
第1節 外出の意義
ここでは外出の具体的な実現手順であるマニ ュアル を示す前にtな ぜ外出が
必要なのか外出の意義について、研究成果を元 に確認 します。
☆外出は生活と密 着 し、当然の行為
。われわれが生活をするため には、さまざまな行為があり、外出は当然の行為
として行われてしヽ
ます。
・例 えば、仕事、日央の生活のための買しヽ
、友人との
物、近所とのお付さ台 しヽ
ま
交流、趣味や娯楽、散歩、その他様泉な目的を持ち外出を自然に行 うてしヽ
す。
・高齢や障害で歩行が困難にな つたり、認知症でひとりでの行動が不自由 にな
つたりすると、屋内での生活が主になつてきます。そ して、他者の手が必要
になると行動範囲は狭<な り財然的に外出は少な <な るのが一般的です。
。 しか し、生活は継続 しています。一 人の人間として生活する としヽ
うことは、
外出も生活のひとつの要素として当然の行為である と者えるべ きです。
・ さて、本来当然の生活行為です が、外出の効果につしヽ
て、本研究事業で整理
されてたものを紹介 しますと外出の効果を意識することが、より意義 のある
外出支援の実践につながります。
1.周 囲への関心 。注意を向けることによる心理的な活性化。
。ます、「
周囲への関心 ・注意を向ける ことによる心理的な活性化」が効果とし
て挙げられます。
・認知症のある高齢者であ っても視覚 ・聴覚 。嗅覚 ・触覚 ・味覚等 の五感は残
、悲 ししヽ
、怖い、腹が立つ等の感情
されてしヽ
ます。また、うれ ししヽ
、楽 ししヽ
も残されてしヽ
ることがほとんどです。
,タト出することによ って、周囲へ注意集中が向しヽ
て、心理的に活性化されると
しヽ
うことがあ ります。
・例えば、外出中 にしヽ
つもは自のから話 しかけるとしヽ
う自発的な行動が起きな
「
しヽ
ねん」と話 しかけ
人が、子どもに会 った り、犬を見た りすると かわいしヽ
て、コミュニケ ーシ ョンが取れるとしヽ
うことはよ<あ ります。
の獲得。
2.普 段の生活とは異なる社会の中の上員としての役書」
一
。また、「
普段の生活とは異なる社会の中の 員としての役書め 獲得」が効果と
して挙げられます。
・これは例えば、施設生活においては、自分で何でもしたし
ヽ
ヽ
とし
う人であって
ー
も、外出先の定食屋さんでは、セルラサ ビスの水を持って<るのも店員に
うことなどが当てはまります。
任せようと半」
断する としヽ
。しヽ
につなが
つもと異なる役書」
うことが、気持ちの安定や活性4 し
を取れるとしヽ
うことがあります。
るとしヽ
-2-
3.外 出により首段よりも食事摂取の墨が増 えるなど食生活に関する変4し
。「
」も効果 として挙げられます。 いつもの食事だと食 べ
食生活に関する変4ヒ
)で あつても難
み食等でな しヽ
としヽ
う人が、外食であると形態が普通 (亥」
なしヽ
うことが数多<確 認さ
つもより摂取量が多<な るとしヽ
なく食 べ られ、またしヽ
れて しヽ
ます。
4.繰 り返 しや拒否をすることな<、 心理的に安定
。また、「
う事も効果
繰 り返 しや拒否をすることなく、心理的 に安定する」としヽ
として挙げられます。タト出を生活の中に組み入れる事 により、生活の行為の
流れがスム ーズになり、拒否につながりにく<な ります。
・例えば、 トイ レに行<の を嫌がる認知症 の高齢者が、「
散歩 に行<か ら、出か
かけると、
納得 して トイ レに
ける前に トイ レにい つておきま しょう」と働き
うことなどがあります。
入ることができることがあるとしヽ
5。 「
事前に計画 し楽 しみに待 つ外出」 と、「日常生活の継続の中での外出」と
しヽ
う視点から
・効果的な外出支援を実践するため には、外出を 2つ の種類に劣けて者えるこ
とが大切だと者えられます。
・2つ の種類とは、 「
事前 に計画 し楽 しみに待つ外出」と、 「日常生活の継続の
中での外出」です。
・「
事前 に計画 し楽 しみに待つ外出」は、旅行などのように、事前に計画 して
準備 し実行する外出です。まだかまだかと待つことで、普段の日常 にも張 り
が出るものです。これは認矢□
症のある高齢者であつても同様で、すぐ忘れて
て喜ぶことができるとしヽう場面は何
う話を聞しヽ
しまう人でも、外出するとしヽ
度も見られます。
。また 「日常生活の継続の中での外出」は、無理な<自 然 に外出の効果が得 ら
う点で意味があります。結果として繰 り返 し行動や拒否がな<な る
れるとしヽ
としヽ
うことも見られます。
・取組みの手順は様泉ですが、例えば 「
事前 に計画 して楽 しみにして待つ」タ
、無理な<徐 泉
イプの外出を実践か らは じめ、その中でアセスメン トを行 しヽ
う手順が者え られま
に 「日常生活の継続の中での外出」として組み込む としヽ
す。
6,そ の他の冨」
次的な効果
ろしヽ
ろな副次的
また、外出支援は、外出 した調知症の高齢者だけでな<、 しヽ
効果を生みます。
(1) 介 護職員の気の転換
てしヽ
ますが、生活支援を行うと
施設 の中で働 <ス タ ッフは、勤務として働 しヽ
いう業務の性質上、ともするとスタ ッフの心身の状態がそのまま利用者である
う事が起こりがちです。もちろんそれは専
認知症のある高齢者に跳ね返るとしヽ
う建物の中だけに限 らす
ことですが(施 設としヽ
門職 と してはあ つてはな らなしヽ
-3-
支援を行うことによ って、場所を変えて気会を変えなが ら支援ができ、上記の
ようなことが防げるとしヽ
うことがあります。
( 2 ) ア セスメン トの機会
また、外出中は、施設内での生活 とは異なつた認知症のある高齢者の姿を見
る機会が多 <な ります。そこから、その高齢者に対する思わぬ発見を し、それ
が日泉のケアやケアプランに反映されるとしヽ
う事もあります。
( 3 ) 家 族の理解の促進
また、外出するに当た って、家族に連絡をとる ことが多くな ります。外出の
Bき
の様子を報告 した り、またB書
には、家族 と一緒に外出 した りとしヽ
う事によ っ
ヽ
て、家族に施設 の生活につして理解 してもらえる、 リスク等の理解を してもら
える、親である認知症 の高齢者のため にしヽ
しヽことができたと思 つてもらえると
しヽった家族の理解を促す事がで きるという効果も期待できます。
< 外 出支援の注意点>
・以上、外出支援の意義につしヽ
て研究成果を基に整理 しま した。さて、ここで
大きな注意点があります。
。それは、外出支援を実践する際に 「
外出すること自体を目的としなしヽ
」 としヽ
「
うことです。 外に出てもらしヽ
しヽ
と者えなしヽ
さえすればしヽ
」と言しヽ
換える事も
できます。
・外出は、「
外出をしなければならない」としヽ
うものではな<て 、本来認矢B症の
ある高齢者の1□
刷ケアを実現することをね らって働きかけてしヽ
<中 で防要性
が明らかになるものです。「外出することありき」で本人の求めてしヽ
ることを
しヽ
模索 しなしヽ
、外出させておけばしヽ
うことではありません。 この点に
、としヽ
注意 しなしヽ
と、本人主体の1□
局」
ケアからかけ離れて しましヽ
ます。
・ただ し、外出支援は本人の求めてしヽ
ることを模索 しながら、支援を者えてしヽ
< と おのすと求められることになる支援であると言うことはで きるかも しれ
ません。
第2 節 外出支援を実現する上での課題
外出支援は、人手が十のでなしヽ
中で、今までしヽつたことがなしヽ
ような外に出
る行為ですので、実現するため には様々な課題があります。 ここでは、外出支
て直面する課題を整理 します。課題をどう解決するかチ ームで者える
援におしヽ
プロセスを踏む事が実現 の鍵となります。
① 業 務の中でどう組み込むかに関する体制や人手の確保の問題
ます、業務の中でどう外出を実現 してしヽ
<か 体制や人手の問題があ ります。
-4-
これにつしヽ
ては、体制を調整すると同時 に、ボランテ ィアの協力が不可欠です。
限られた業務の中でどのように行うか、ボランテ ィアに協力 してもらうために
てきえてお<必 要があります。(第3章 第 3節 参照)
何が隊要か等につしヽ
用者の安全を保障するための保険の整備や環境アセスメン トを含めた事
② 禾」
前準備のマニ ュアル化
る敷地から外に出る生活行為です ので、外
外出は、便利で安全な居住 してしヽ
出するまでの準備が大切にな ります。ただ し、外出するまでに誰と、 どんな事
しヽ
かとしヽうことを洗しヽ
出
しヽ
か、どんな準備を しておけばしヽ
を確認 しておけばしヽ
うことを即時に半」
断
す作業は、とても孫日か<大 変な作業です。何が財要 かとしヽ
して 準備できる としヽ
う事も専門職に求め られる技術ではありますが、時間と人
ヽ
手のなし現状では、マニ ュアルと して整備 しておく事で、作業塁が軽減される
としヽ
うことが多泉あ ります。本マ ニ ュアルを参 照すると同時 に、それぞれの現
場で使しヽ
ように、実践を積み重ねながら整理する必要があります。
やす しヽ
てだれが、どのように負担するかの問題
③ 外 出に際 しての費用につしヽ
て、負担をどのように者えるか
外出には、出費が つ き物です。 これらにつしヽ
が課題 とな ります。施設生活 の公平性としヽ
う観点から、ある程度まで全員に保
人の負担の格差はどうす
障するのか、保障する場合、外出する人と外出 しなしヽ
るのか、また、希望者だけしヽ<と しヽう場合、同 じ介護度なのに介護の量が異な
るとしヽ
うのは、いいのかとしヽ
うことが課題として挙がることが者えられます。
・
ヽ
これにつしては、施設 事業所 の者え力を整理 してスタ ッフ間で周知徹底 し
ては、現在
ておく財要があ ります。基本的には、外出 に関する金銭 負担 につしヽ
は本人負担が原則になると者 えられます。公平性についての者え力 としては、
う観点から、公平をね らうことが
アセスメン トを しつか り行しヽ
それを行うとしヽ
必要にな つて<る と者えられます。
④ 利 用に際 しての契約の一項目として外出支援 に関連する項目を立てられる
か
うことも課題とな ります。研究
てどのように契約するかとしヽ
外出支援につしヽ
成果 として、契約書書式案が作成 してありますので ご参 照下さしヽ
。(*資 料 1:
外出支援契約書)
第3 節 マニ ュアルの活用方法について
1 . マ ニ ュアルを活用するに当た って
( 1 ) 積 み重ねが次の計画を成功させる
。 外出は、準備や付き添 しヽ
にかな りの神経を使 って初めて実現できるものです。
・ 外出の場面のその場その場では感動や感激があり、付き添 つた職員は苦労を
忘れる瞬間でもあり、次の計画 が頭 によぎることもあります。
。 しか し、当の本人は確かにその3舜
て表情も変化 しますが、場
間では心が動しヽ
- 5 -
ます。認矢B 症のある高齢者であるから当然
面が変わるとそれを忘れて しましヽ
ので、思しヽ
出となる写真な どを残
の ことですが、後日の話題にも活用 したしヽ
出されるきつかけとなることもあります。
してお< と 、そのときの感動が思しヽ
う事
このように、外出支援の工夫は積み重ねによって実感され定着する としヽ
があります。
・ マニ ュアルどお りにすればしヽ
しヽ
としヽ
うのではなくて、マニュアルを参者に し
ように、より
ながら実際 にや ってみる。その結果を受けて、よ り効果 の高 しヽ
ように工夫 してみるということがも っとも大切です。本マ ニ ュ
実践 しやすしヽ
アルも実践を重ねながら、それぞれの現場 にあったものに改良 しつつご利用
下さい。
( 2 ) チ ームで協力 して実践に当たる
。 その際 に不司欠なのが、チ ームメンバ ーの協力です。是非、チ ームで 「やる
。
う動機付けを高めながら、より効果的な方法を模索 してくださしヽ
ぞ」としヽ
。 自劣たちがよりやる気を出 して協力できる にはどうすればしヽ
しヽ
かとしヽう自
くことが必要です。
劣たちが専門職として、継続するための工夫も模索 してしヽ
- 6 -
第2章 外 出実践 の手 順
第 2 章 では、外出支援を行うに当たつての実際の手順とそのポイン トを整理
します。
第 1 節 「事前に計画 し楽 しみに待つ外出」の準備と実践
( 1 )「 事前 に計画 し楽 しみに待つ外出」とは
ます。ひ
本研究委員会では、外出の種類について 2つ の種類を想定 してしヽ
ヽ
とつは、旅行などのように日常的には行わなし外出で、このような種類の外
出は、日常生活で自然に行うわけではありませんが、外出を待ち遠 し<思 しヽ
う点におしヽ
て、効果のある外出であると
わくわ<す る、非日常を味わうとしヽ
者えられます。本マニュアルでは 「
事前 に計画 し楽 しみに待つ外出」と表現
することにします。
( 2 )手 順の大枠
.
外出の手順の概要は、以下のとおりです。また、これらの手順をチ ャー トで
示すと、図 1の ようになります。
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
③
③
⑩
目
計
外
役
本
業
そ
打
外
実
的の明確化
画作成 (予算含む)と 発案
出決定とスタ ッフ全体への周知
害」
劣担
人 ・家族等への連絡
務調整とボランティア等人手の確保
の他諸準備
ち合わせ
出の実践
践の振 り返 り
-7-
(3) 手 順 の 詳細
て
こ こか らは、 上記 の手 順 の 大 枠 にそ って、 どの よ うな準 備 をす るか につ しヽ
細 か く整理 します。ここで示 す の は、あ <ま でモ デル 的な計 画 の流れ です ので、
組 織 に よ って は手 順 が 省 略で きる場 合 や 、 さ らに細 か しヽ
準備 が 隊要 な 場合 が あ
ります。
① 目的の明確化
・ 外出を実施するに当た つては、タト出を行う目的を設定する必要があります。
いか らとしヽ
うのではな<、 「言
ただ漫然と、外出 したほうがしヽ
耐矢B症のある高
たしヽ
」としヽ
齢者にこんな状態の人が多いから、こんなところに行 つてもらしヽ
うのを、認知症のある高齢者の立場に立って検討できることが、効果のある
外出のために大切です。
・ 「この人に外出 してほ ししヽ
があるのであれば、それはなぜなの
う思しヽ
」としヽ
ヽ
か ( なぜ自のはその人に外出 してほ ししと思つてしヽ
るのか)と しヽ
うことを是
ヽ
非吟味 してくださし。
・ 「
事前 に計画 し楽 しみに待つ外出」は、大勢で行<こ とも司能なので、目的
つもと違 うところで気劣転換する」とか、「
と感 じる
としては、「しヽ
懐か ししヽ
つも食 べなしヽ
ものを食
出に浸ることができる」とか、 「しヽ
場所に行 つて思しヽ
べて、新鮮な気持ちになる」など、漠然としたものでかましヽ
ません。
。 こんな利用者が何人かしヽ
るので、こんなところに行 つてもらったらどうかと
しヽ
うことが、整理できた ら、管理者等責任のある立場のスタ ッフと一旦共有
することで、その後の見通 しを立てることができます。
② 計画作成 (予算含む)と 発案
・ 管理者等責任のある立場のスタ ッフヘの周知ができたら、具体的な計画に入
ります。具体的な計画が立てば、再度検討の後、正式に決定 して、他のスタ
ッフや利用者 ・家族に周知する事ができます。(資料 2:外 出支援企画書参
照)
・ 計画 してお<べ き内容と して、以下のようなことが者えられます。
・ できれば、行き先の候補につしヽ
て、この時点で下見を してお<と 、この後の
ー
計画進行がスム ズにな ります。下見の視点は、主なものには以下のような
ことがあります。
< 下 見の視点>
ロ アクセス時間
ロ アクセス方法の司能性につしヽ
て
□ 入 り□の状況 (広さ、段差や明るさ、床の滑りやすさ等)
□ 施設内の状況 (段差や明るさ、床の滑りやすさ等)
□ 休憩場所の有無や状態
ロ トイ レにつしヽ
て (洋式 ・
和式、位置、紙 の有無、広さ、 車椅子利用司能
かなど)
- 8 -
□
□
□
□
ロ
連絡先、電話番号
利用料金 (割ヨ1等の有無)
て対応できるか)
て (メニューや料金、刻み食等につしヽ
飲食施設につしヽ
5真
みどころ (財要 に応 じて
撮影)
ヾ
ノ ンフ レ ッ ト等の入手
③ ・
外出決定とスタ ッフ全体への周知
計画の概要が整理できたら、外出を決定する事 ができます。
施設 。事業所によっては、計画をより精査 し、実現司能性を高めなければしヽ
けなしヽ
場合も者えられます。
④
・
役書」
分担
計画 の概要にそ って、細かしヽ
計画とそれ にそ った準備 が財要にな ります。誰
がどのような役督」
をとるのか、漏れのなしヽ
様 に準備 します。全体の調整 ・管
理役、事務届、医務担当、記録 (ビデオ ・写真等)役 、ボランテ ィア担当な
どがしヽ
るとスム ーズに進行できます。
と準備が進みません。本人や家族の
ますは、誰が外出するのかを決定 しなしヽ
意向を確認 し、外出者を決定 します。人数は、付き添えるスタ ッフの数、ボ
ランテ ィア参加の見込みから者えるとスム ーズです。役督」
分担と共に、細か
ー
しヽ
準備のスケジュ リングを しておきます。
⑤ ・
本人 ・家族等への連絡
ます。外出先や外出の目的、財要
外出の対象となる方に参加の声掛けを行 しヽ
ー
経費、予定の 日Bき
、大まかな スケジュ ルなどを知らせます。
確保できる人手や予算の規模、期待される外出の効果によって、全体 に声を
かけるのか、対象をある程度絞 つてか ら声をかけるのか決定 します。
うことで、とに
対象者の選定の方法としては、施設 ・事業所全体の企画としヽ
か<全 員 に声をかけるとしヽ
うことができます。また、外出先とそこに出かけ
る事の効果か ら対象者を絞 り込んで声をかけるとしヽう力法も者えられます。
その場合は、声をかける人のアセスメン トとケアプランに、外出の目的や効
るか としヽう基準で検討するとしヽうことが
果にそ った内容が盛 り込まれて しヽ
公平であるかの基準になると者えられます。
⑥ 業務調整 とボランテ ィア等人手の確保
外出支援の規模に応 じて、業務の調整をします。
場合が
規模 によっては、施設事業所のスタ ッフだけでは、サポ ー トが難 ししヽ
あります。できるだけ 1対 1の 見守 りになるように、ご家族 に声をかけた り、
ボランテ ィアを募 ったりなどの必要がありまする
⑦ その他諸準備
ロ スケジュールの作成
参力B者や行き先を者えて、スケジュールを作成 します。楽 しめる工夫を者え
- 9 -
しヽと思 しヽ
ます。 │
るの で、 チ ー ムで楽 しんで 作成で きる としヽ
□ 交 通手 段 の確 保
バ ス 等 の 交 通 を使 うとき は、 予 約 をす るな ど準 備 を します 。 電 車 を使 う場 合
は、 余裕 を持 って計画 を して お きます。
□ 当 日資 料の 作 成
ー
行 き先 や 目的、交通 手段、 日程 ( スケ ジ ユ ル ) 、目的 地 まで の地 図、 目的地
の 見 取 り図 、参 加 者、参 加 スタ ツフ、 緊急 連 絡 先 、 持 つて しヽ< 物 等 の記 載 さ れ
た 当 日 資料 を作 成 します。 これ は、 参加 利 用 者 ・スタ ッフ に配 布 して 当 日の 行
動の参者 に します。
当 日資 料 の項 目の主な もの に は以 下の よ うな 内容 が あ ります。
< 当 日資 料 の項 目 >
回 表紙 ( 日8 書
刻、外 出先 等 を明記 し、親 しみや す しヽ
や集合場 所、出発 B き
もの、 氏名の記 入欄 を設 ける)
ロ スケ ジ ュ ー ル
□ 緊急 連絡先
□ 目的地 の地図
□ 参 加者 名簿 ( サポ ー ト担 当 スタ ッフ名 を明記 して お < )
□ 遂 行す る スタ ッフ名
□ 持 つて しヽ< も の
□ 参 力0 者名簿 の作成
。 参 力B 者の名 簿 を作成 します。 ( スタ ッフ用 )
, ど の利用 者 を どの スタ ッフ が 見 守 るのかの担 当 を決め、そ れ ぞれ の利 用 者 ご
とに必 要物 品 ・効果 的な外 出支援 にな るた め に どの よ うな働 き か け をb が け
て確 認 して おきます。
しヽ
か、記 録 の 視 点な どにつ しヽ
れ ば しヽ
もの >
< 名 簿 の 内容 と して ある と望 ま ししヽ
□ 参 力8 者氏名
□ 担 当 スタ ッフ ・ボラ ンテ ィア
□ 付 き添 しヽ
家族 の 氏名、続 き柄
人
つ もは財要な しヽ
が外 出 8 きにはあ った方 が い しヽ
□ 車椅 子使用 の 有無 ( しヽ
が しヽ
るので注意す る)
□ 月
侵薬 の 内容
□ 外 出先 と関連す る本 人の情 報
□ 当 日も って行 < も の ( 防寒 着、 オム ツな ど。 本 人の もの か施 設 , 事 業
所 の ものか を把握 す る)
□ 全 体 の参加利用 者人数、参 加 スタ ッフ人数、ボラ ンテ ィア数、家族 数
③ 打ち合わせ
:当 日の孫
かしヽ
スケジ土―ルと財要な役書」
劣担について、参加 ・待機スタッフ
日
-10-
で打ち合わせを行います。 スケジュール確認は、準備や打ち合わせの段階か
ら孫日かく行 つておきます。
。 また、雨天時の対応策等も者慮 し、携行物品等 につ しヽ
か確認 し
て漏れがなしヽ
・
・
ます。全体の調整 管理役、事務同、医務担当、記録 (ビデ牙 写真等)役 、
ると、当日の運営がスム ーズにできます。
ボランティア担当な どがしヽ
③ 外出の実践
ます。
計画に従 つて、実践を行しヽ
< 出 発前 >
, 外 出する禾」
用者の体調をきちんと把握する。
・ ボランテ ィアやスタ ッフ本人の急な欠席等に対応する。
・ 当 日の打ち合わせ ・
劣担を再度明
スタ ッフの顔合わせを しつか り行う。役害」
確にする。
, 外 出する禾」
用者にしつかりと外出を理解 してもらう。
< 外 出中>
。 本人 にとってのタト出の意味 (スタ ッフがどのような効果を期待 して外出を行
るか)な どを大切に しなが ら
ったか、外出が本人にどのように理解されて しヽ
ー
ー
コミュニケ シ ョンをとつてしヽ
きます。サポ トが隊要な部のは、そのつど
応 じます。
・ 今の状況や、周囲の状況 について、本人の理解 に合わせて説明を行う財要が
あります。目的地や外出先で行うことなどお知 らせ します。
・ 初めての場所を移動 しますので、周囲の段差等には注意を します。また、外
出慣れ してしヽ
ない利用者 は、意識 して休憩や水劣補給を行 うように します。
・ トイ レの場 所は、あ らか じめ確認 しておき、必要 に応 じて利用 します。不」
用
者の状況 に応 じて、車椅子でも利用できる トイ レを把握 してお<必 要があり
ます。
・ 外出の様子をビデ牙やカメラに収めます。認知症の程度によ っては、後 日見
て楽 しむこともできるほか、参加できなか つたご家族 への報告、外出支援 の
理解を求めるための道具の一つとしても活用できます。
① 実践の振 り返 り
。 できればその日のうちに、外出 しての効果や、外出支援の反省点につしヽ
て整
理 しておきます。よ り良 い外出に向けてとても大切なプ ロセスです。また、
スタ ッフのスーパ ーバイズの機会 としても意味のある時間です。
・ ボランテ ィア等、施設 ・事業所以外からの参加者につしヽ
ては、財要に応 じて
ます。タト出の質の向上や、利
うことを行しヽ
別に感想や意見を聞き取る としヽ
│□
ー
用者の情報収集、手伝 つてもらつた人のモチベ ションの向上の機会 として
もとても有効な時間です。
・1□
ます。(資料 3:外出支援記録用紙)
別の記録を行 しヽ
-
1
1
-
第2 節 「日常生活の中での外出」 の準備 と実践
( 1 ) 「 日常生活の中での外出」とは
「日常生活の中での外出」とは、「
、
事前 に計画 し楽 しみに待つ外出」とは違しヽ
計画を立てて行う外出ではなく、日常生活の継続の自然な流れの中で行う外
しヽ
から散歩に行 つた りな
出です。食事のために買しヽ
物に行 つた り、天気がしヽ
どが当てはまります。このようなタト出を意識的に生活の中に盛り込むことが、
認知症 のある高齢者 のより豊かな生活を実現するひとつの力法になると考え
ます。
( 2 ) 「 日常生活の中での外出」の準備
る」
1 ) 「 入所前までの生活や活動を事前 に把握 してしヽ
て、その効果として第一 にあげることが
認知症のある高齢者 への外出におしヽ
できるのが生活の継続性の維持です。私たちがそれまで親 しんできた生活にお
一 部であり、仕事や趣味活動や友 人との交流
しヽ
て、外出は欠 <こ との出来なしヽ
です。特に認知症のある高齢者は俳徊な どの
な どのB 書
間が割かれるのも外出Bき
て最も制限されます。 つ まり
行動面の障害があるために、 しば しば施設におしヽ
「自由に外出する」ことができなしヽ
えます。このような場合に、
傾向があるとしヽ
外出をする機会を提供する ことは、生活の継続性を高めるために最も効果的な
一面があることが明 らかにな ってきてしヽ
ます。
したが って、その対応は、ひとりひとりのそれまでの活動や自宅の近隣 の生
ることが必要とな ります。
活環境を、計画の段階で充合に把握 してしヽ
2 ) 「 情報の提供をお こなう」
また意欲や感情 への効果を意識することも重要です。ますひとつには出来る
うことが挙げられます。認矢B症があることに
だけその人の意向を尊重するとしヽ
かうかが っても、 「特 にありません」、 「おまかせ しま
よ り、 どこにしヽ
きた しヽ
場合もあります。 しか し行<場 所
す」などの受け身的な言葉 しか返 つてこなしヽ
の写真をみせた りすることや、家族 からの情報収集をすることなどによ り、積
極的に行き先の候補を出すことにより、希望が生まれる司能性があります。
3 ) 「 ケアプランヘの意識」
外出が、本人 への援助活動として位置づけるためには、ケアプランにおける
<必 要があります。そ こでは二
施設サ ービスと して組み込むことを考慮 してしヽ
―ズにおしヽ
て 「生活の継続性」」や 「
感情意欲を高める」、 「自己有能感や自
尊感情を維持」、 「
社会的生活や交流の促進」な ど問題行動の軽減とは異なる
ー
・
エ ズや長期 短期の目標を設定 してあることが前提とな ります。 これらの目
ます。
標があることを達成するには外出による刺激は大きな意味をもって しヽ
しか し、実際 にこの活動に参加 した後に、その高齢者に大きな変化 があるな
らば、そこからプランの見直 し、エ ーズや目標の新たな立て直 しができるとも
- 1 2 -
考 え られ ます。
4 ) 「 外 出先 の状 況 を把 握 」
ます 。 転倒 の 危険 性 は完 全 に避
タト出 をす る こ とは、 さ ま ざ まな リス ク を1 半しヽ
て の 階 段 な どの 構
。 事 前 に は スタ ッフ は、 行 < 場 所 につ しヽ
け る こ とはで きな しヽ
る ことが望 まれ ます。高齢 者 向 け に配 慮 された構造 か どうか は、
造 を把握 して しヽ
事 前 の 調査 の 中心 的な ポ イ ン トで す 。 また移 動 経 路 上 の 車 いす 移 動 に影 響 を与
て 実 際 の利 用 を想 定 しな が ら状 況 に お け
え る 段 差 の 有 無 、食 事 や トイ レにつ しヽ
き ます。
る問 題点 に応 じた プ ログ ラム を考 えて しヽ
の は、 危険 性 ばか りに 目が 行 きす ぎる こ
しか しこの場 合 に注意 した方 が よ しヽ
とによ り、本 来 のその意義 や効 果 を見落 とさな いよ うにす る ことで す。
5 ) 「 家族 との 関わ り」
そ の うえで 、 最 も準備 段 階で お こな う べ き ことは、 そ の 対 象 とな る高 齢者 の
え ます 。 外 出 は何 らか の リス クを必 す伴 しヽます 。 こ
家 族 との 関 わ りで あ る としヽ
ての 書 面 によ る同 意 が前 提 とな りま
て 充 の な 説明 とそ れ につ しヽ
の司 能 性 につ しヽ
す 。 しか し、形 式 的 に リスク ばか り意識 して 、 家 族 に説 明す るな らば、 家 族 は
単 に 「ひる んで しま う」 だ け にな る と考 え られ ます 。 そ こで は同 B きに、 外 出 か
て の、施 設側 か らの 説 明 が充 合 にされ る こ とが 求 め
ら得 られ る効 果 な どにつ しヽ
られ ます。
さ らに司 能 で ある な らば、 家 族 が外 出 に同行す る こ とが で きる と、 そ の 高 齢
一
れ る ことによ り、新 た な 面 を垣 間 見 る ことにな ります 。
者 の 表 情 や 行動 にも、
そ の こ とは施 設 と家族 との そ の後 の 連携 を効 果 的 に展 開 して しヽ< と き に大 きな
支 え にな る と考 え られ ます。
( 3 ) 外 出の実 践
1 ) 「 参 力B 者の状 態」
外 出 へ の参 加 は、 当 日の状 態 を見 て 半」断す る こ とが重 要 で す。 特 に身 体 的 な
疾 患 や 問題 が大 き い高 齢 者 だ けで はな < 、 体 調 の 不 良 を 自分 か らしヽう ことが で
る ことに注 意 す る財 要 が あ ります。 認 矢B 症によ つて 、 けが や
きな しヽ
高 齢 者 が しヽ
骨 折 あ る しヽは脱 水 の よ うな状 態 が あ つた と して も周 囲 に痛 み や 訴 えた り、 自劣
揚 合 が あ ります。 当 日の参 加
か ら適 曇 の 水 劣補 給 を した りす る こ とが 出来 な しヽ
には周 囲の観 察 も必要 とな る としヽう ことです。
2 ) 「 活動 のB 書間 の配 慮」
タト出 は、 予 想 外の 時 間 を とる ことが 多 しヽと言 え ます。 車 で の 移 動 は交 通 渋 滞
に ま き こまれ る ことも あ ります。 また歩 行 で の 移 動 は、 思 つた よ りB き間 が か か
り、 疲 労 へ の配 慮 も財要 とな ります。
物 等 に 夢 中 にな り同 じ場 所 に、計 画 外 に長 < し ヽる こともあ る と者 え
また 買 しヽ
られ ます。
高 齢 者 の 状 態 をそ の場 で 客観 的 に み る ことによ り、 柔 軟 に計画 を変 更 す る こ
と は財 要不可 欠 で す。 しか しそれ は 同時 に関わ る スタ ッフ の都 合 に左 右 さ れ す
-13-
ざな しヽことが求 め られ る としヽう ことで も あ ります。 限 られた 8 き間な か で の参 加
して しヽ
る高 齢者 の笑 顔 な どを大切 に して 、 その 一 瞬 の場 の 持 つ 意 味 を高 齢 者 と
スタ ッフが本
目互 に 味 わ う ことが本 来 の意 義 のひ とつで もあ ります 。
3 ) 「 施 設 との連携 」
予 定 外 の 行 動 や帰 園の 時 間 の 変 更な どは、基 本 的 に は園 との連 絡調 整 が 財 要
とな ります。 また 帰園 時 の食 事 や 対 応 は、 そ れ まで の外 出 B きの 状 況 の 与 え る影
可 能 性 が あ ります 。 活 動 内容 によ る感情 意 欲 が ど うだ つた の
響 が 無 視 で きな しヽ
か、 疲 労 が どの 程 度 あ ったの か、 そ して 何 が 楽 しそ うだ つた の か、 帰 園 後 の 行
動 が 、 時 に はマ イナ スの 状態 、 不 穏 な どを3 1 き起 こす司 能 性 も あ るか も しれ ま
せ ん 。 しか し外 出時 の 状 況が そ の 後 の対 応 に ヒ ン トを与 える こ とも者 え られ ま
す。適 切 な情 報伝 達 が不可 欠で す。
4 ) 「 写真 や 映像の記 録 を とる」
写 真 な どの記 録 は、 外 出の効 果 を維 持 して い くた め に必 要 です 。 写 真 や 映 像
な ど撮 影 した もの が、 そ の後 スタ ッフや 家族 と共 に 「眺 め る」 こと によ り、 そ
の 楽 しさや 思 しヽ出 を振 り返 る ことも可能 とな ります。 そ れ は B 寺には、 次の 外 出
へ の 「生 活 のハ リ」 へ とつな が る司 能 性 も否 定 で き ませ ん。 また参 加 して しヽ
な
しヽ
家族 へ みせ る ことによ り、家 族 へ の情 報 提供 にもな ります。
これ らの外 出 にお ける直接 的な 対応 の 特徴 に力8 えて 、 大 きな意 味 を も つて しヽ
る の は スタ ッフ の 「主 体 的な」 な 意 識 で あ る と者 え られ ます 。 日常 的 な介 護 業
務 に加 えて 、 これ らの 活 動 は、 自分 たち が 高 齢 者 や 家族 と共 に 「企 画 」 して い
た そ れ までの バ スハ イ クな どの
< こ と を求 め ます 。 そ れ は施 設で お こな つて しヽ
一
「行 事 」 とは、 線 を画 す る もの で す。 1 日々の 認 知症 の ある高 齢者 の そ れ まで
の 生 活 歴 を尊重 し、 そ の個 人 の感 情 や 意欲 に働 きか ける ニ ー ズ に対 す る活 動 と
して組 んで しヽ< こ とは、1 □則 性 を尊 重 した ケ ア に中核 ともしヽえ ます 。 そ れ を新
た な 視 点 で 取 り組 む こ とは認 知症 の あ る高 齢者 だ けでな く、 スタ ッフ に と って
も大 きな意味 をも って しヽ
る もの と者 え られ ます。
- 1 4 -
第 3 章 外 出 を 実 現 して しヽく た め に
第1節 リスクマネジメン ト
<上 で、外出先での リスクを減らす ことは、実際に外出
外出を実現 してしヽ
えます。ここでは、
<上 でとても重要なことであるとしヽ
支援を行 い継続 してしヽ
リスク揚面の傾向について整理 し、対応検討力法を示 します。
(1) リ スクの場面
ことから発生する リスクがある
犬況半」
断できなしヽ
1) 認 矢□
症のある高齢者が】
ことにより、どこにいるか劣から
断できな しヽ
認知症のある高齢者が状況半」
としヽ
う理由で、不安 にな つたり興奮 した り
なしヽ
、何を しているか分からな しヽ
一
対応の つですが、繰 り返 しながら徐々に理
としヽ
うことがあります。難 ししヽ
ような伝え方な どを者え
解 してもらうことになります。本人が理解 しやすしヽ
てしヽ
<必 要があります。
に出る事で認矢B症のある高齢者が変化す る事がある
、人の目を意識 した り、なれな しヽ
ては、地設の中とは違しヽ
外出支援 におしヽ
ものです。
ところで体を動か して疲れやすか ったりと、状態像が変化 しやすしヽ
う事で不穏 になりそうになる、いつもはた つて歩 ける
刻み食は食べな いとしヽ
のに、足場が悪かつたり、緊張 した りして歩けな <な るというような状態変
化が起 こりやす<、 それが リスクとして挙げられてます。
2) 外
(2) リ スクを減 ら してい<た めに
1) 原 因 ・背景を広 <お さえる 1 1 1
ー
としヽ
えます。
事故 は、ひとつのミスやひとつのエラ で起 こるものではなしヽ
<姿 勢が求められます。本
ヒヤ リハ ット事例か ら、原 因 を幅広<者 察 してしヽ
ー
たシ トをお示 ししま L/たる(*資 料 4:リ スク評価表)
研究委員会で用 しヽ
下見をできる限り細かく行う │
。下見を行うのはもちろん、ポ
下見を徹底することで防げるリスクが多しヽ
か、外出を重ねるごと
て確認すればよしヽ
イントとしてどのような郡合につしヽ
出す力法の十つとしてヽ車椅子
に整理する財要があるも事前にリスクを洗しヽ
を持つてしヽ
き実際に使いながら下見を行うなどするという方法があります。
.危険だからダメだとすぐにあきらめなしヽ =
けませ
、行き当たりばつたりの実時は避│プ
リスクを考慮 しなしヽ
否│ブ
ればし`
を求める上で発
」とすぐにあきらめると生活の潤しヽ
ん。しかし、「
できなしヽ
のか、どのようにすれば実践が司能に
展性がありませんも何が原因で難ししヽ
なるのかを整理する努力も財要です。
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第2 節 地域資源と外出
安全で効果の高しヽ
外出を行う上で、地域環境につしヽ
て把握 してお<と しヽ
う
ことは、とても意味のあることです。ここからは、日常的にも、計画 して行
う外出にも大切な、地域環境のアセスメン トにつしヽ
て整理 します。
( 1 ) 外出する際の リスクとな りうる環境の洗しヽ
出 しと対応策の確認
外出する際の リスクロ避のために確認 してお<べ き内容につしヽ
ては、地面
の凹凸が激 しくなしヽ
か、地面の傾斜が急ではなしヽ
か、地面の素材 (アスフ ァ
ル ト、タイル、土等)が 、すべ りやすか った り、硬かつたりしなしヽ
か、車の
通行状況は激 し<な しヽ
か、道路の広さは通行に十劣な広さであるか、見通 し
の悪しヽ
か、距離は遠すぎなしヽ
場所はなしヽ
か、車椅子が通行できるか、階段は
か、あるとした ら段差の高さはどうか、また車椅子用の スロープはある
なしヽ
か、 トイレはあるか、 トイ レは洋式か和式か、 トイレの広さは車椅子が入る
ことができる程度か等につしヽ
ておさえてお<必 要があります。そ して、より
安全な経路があれば、できる限りそち らを選択することが望まれます。ただ
し、これは外出 しなしヽ
ための□実にするのではな<、 危険があることを事前
に確 認 し、対応策を立てるため、また、しヽ
ざとしヽ
う時に落ち着しヽ
て対応でき
るための準備ときえて下さい。
( 2 ) 外出する調知症のある高齢者が楽 しめる可能性のある環境の確認
外出は、生活の中で心理的にリフレッシュで きるしヽ
し職 会です。外に出て
「
しヽ
る中で 楽 しめる司能性があるのではなしヽ
か」と思われる環境につしヽ
ても
アセスメン トをしてお<必 要があります。具体的に例を挙げると、花がきれ
しヽ
なところ、景色がされしヽ
なところ、子どもが多しヽ
ところ、認知症のある高
齢者が以前行 つたことの あるところ、外出する認知症の高齢者が興味を持 っ
てしヽ
るところ、新 しくできた商店、動物が多くみられるところなどがあげら
れる。また、この楽 しめるところにつしヽ
ては、外出を経験する中で、その人
なりに楽 しめるところが見つか ることがあります。外出後に、どのようなと
ころで楽 しんでしヽ
たかを確認 し、個別に記録 してお<と しヽ
うことも重要です。
( 3 ) 目的地や寄 り道の場所になりうる社会資源の把握
環境アセスメン トする上では、目的地となりうる社会資源 につしヽ
て把握 し
てお<と しヽ
う事が必要です。そうすると、例えばす し屋に行きたしヽ
としヽ
う要
望があつたときに、近<て 安いす し屋か、遠<て 高 しヽ
す し屋か、回転寿司か
ヽ
とし う要望にすぐに対応する事ができます。また、そのようなアセスメン ト
を してお<と 、単に希望の場所に行こうとしヽ
うのではなく、スタ ッフがこの
ヽ
ような場所があるが行 つてみな しヽ
かとし う提案をすることもできます。
具体的には、目的地 となりえるところは、例えば、 コンビニやス ーパ ー、
デパ ー ト、郵便局、銭湯、八百屋、駅、お墓、実家、動物園、公園、役所、
美容院、病院、葉周、電気店、す し屋、フ アース トフ ー ド店、フ ァミリー レ
ス トラン、商店街など無数にある。これらにつしヽ
てあらか じめ列挙 してお<
となると大変な労力とな りますが、目的地となつたときにある程度の記録を
- 1 6 -
残 して お < と 、その後 の参考 にな ります。また、 目的地 とな らな くて も、目
的地 まで の道 の りの 中 にある ベ ンチ の数 と位置 、自動販 売機 の 数 と位置 、 ト
て は確 認 して お < と 便 利 で す。また飲食 店 につ
イ レの 数 と位置 、形 態 につ しヽ
形 態や メニ ュ ー しか 準備 さ
しヽ
て は、場 合 によ って は、利用 者が食 べ られ な しヽ
て も確 認 して お < と 計画 が
な しヽ
可 台ヒ性が あ ります。内容 と値 段 につ しヽ
れ て しヽ
る
て は、居 住 して しヽ
え ます。さ らにそ れぞ れの 目的地 につ しヽ
立て やす しヽとしヽ
る と便 利で す。これ は、もち ろ
施 設 か らの 所要時 間が 劣 か る よ うにな って しヽ
間で計 算す します。
た とき にか か る B き
ん高 齢者 と とも に歩 しヽ
ボ ラ ンテ イア との 協 働
中で スタ ッフが施 設 か ら外 に出 る行 為で あるた め、ボ
外 出 は、人手のな しヽ
ラ ンテ ィア との連携 が必 然 的 に求 め られ ます。しか し、ボ ラ ンテ イア は、徐 々
えな
え、まだ まだ福 祉 に対す る理 解 は十 劣 とはしヽ
に普 及 して きて しヽ
る とは しヽ
い 現 状 にあるの も確 かで す。こ こか らは、外 出 を実現 して しヽく上 で必 要 な ボ
て整 理 します。
ラ ンテ イア との協働 につ しヽ
第3 節
(1)
協 働 して しヽ< 上 で大切 な こと
ます、ボラ ンテ イア と協働 で 外 出 を実現 す る に当た り、スタ ッフが配 慮す
べ き点 につ しヽ
て、研 究 の成果 を以下 に整理 しま した。
① ボランテイアの受け入れを適切に行う
と思つて施設に連絡をしても、次々に電話を回され
ボランテイアをしたしヽ
、逆に施設のイメージを悪<
て しまうと、せつか<の 気持ちが委えて しましヽ
して しましヽ
ます。受け入れに対 しては、最初の応対が大切です。
ところに初めて連絡をすることは、かなりの勇気と不安があるも
知らなしヽ
のです。それらを解消できるのは、初めに連絡を受けた人の対応にかかつて
るとの意識
から始まつてしヽ
います。ボランテイアの活動はこの最初の出会しヽ
が大切です。
② 活動の目的が達成できるようにする
ボランティアは自発的な活動ですが、受け入れ側がボランテイアたちの目
と、単なる労働の手として終わつて しましヽ
なしヽ
的や意図を充分に把握 してしヽ
ます。それぞれのボランテイアをする目的を充劣に間き、その目的が達成で
きるような工夫が財要です。
は持つ
最初は特 にボランテイアとのやり取りをするゆ とりを受け入れ倶」
一
ておく必要がありますも忙し<時 間や職員の手がとられることは、 見無駄
のように思えますが、具体的な活動を展開する手順などを詳細 に話 し合うこ
とで、次□からの活動が速やかにできるようになります。 ‐
③ 活動する ことで充実感 。社会貢献を実感する
ボランティア活動をすることで、自分たちの したことが役に立ってしヽ
るこ
-17-
用者の生活の質が豊 かになることを実感する
とを味わうことができ、また禾」
ことで充実感を味わうことができます。調知症のある高齢者の外出支援は人
状況から脱皮す
手が財要でなかなかできに<い ですが、楽 しむ機会が少な しヽ
□に
な つていくこ
えます。今後の課題を切 り開く糸
ることは、社会貢献としヽ
う意
<と しヽ
とを実感 してもらしヽ
、さまざまな取 り組みへのきつかけにしてしヽ
識が大切です。
利用者から 「ありがとう」等の言葉が間けることなどか ら、ボランテ イア
てよか つたと実感できることは何よりもすばら しい体験とな り、活
を してしヽ
動が定着する重要な郡劣 となります。
④
ボランティアと職員の連携の勝要性
ボランティア活動を効果的にすることは、職員との連携な<し てはできな
のが実情ですが、不』
用者や施設全体 の動き
しヽ
ことです。職員 は業務で忙 ししヽ
る職員の協力がなければ、ボランティア活動は単なる労働の手
を把握 してしヽ
として終わつて しまいます。利用者の生活を直接支援 している職員との連携
がスム ーズに図れることがボランテ イア活動 の質を左右する大きな鍵 とな
ります。
て名札がな<て も名前がわかるように して、質問 しや
ボランテ ィアにつしヽ
ー
す しヽ
状況を作り、ノ トを置いて、スタ ッフやボラ ンテ イア同士と連携を図
うものだと認識を深め協働
る、スタ ッフ同士がボランテ ィア活動とはこうしヽ
してしヽ
<意 識を持つ、ボランティア活動を している場面に出会 つたら少 しで
から声をかけて共有感を持つようにする、などボランテイアに対する
もよしヽ
理解と協力を惜 しみな<す る姿勢をもつことが求められます。
⑤
ボランテ ィアの意見を間<シ ステム
<と 、職員とは違う形で利用者にかかわる こ
ボランテ イア活動を行 つてしヽ
から感 じたことや提案があれば、それらの意見を
とができます。立場の違 しヽ
ー
間<こ とで、よリ 層ボラ ンティア活動の意義や責任を感 じることができる
し、職員の見えなしヽ
部のが見えることも多泉あります。さまざまな視点での
用者の生活を豊かにする力法の一 つでもあ
意見を聞き反映させる ことが、不」
ります。
か ら出て<る 意見を尊重 して、取り入れられるものであれば活
立場の違しヽ
としてお<
か してしヽ
<柔 軟性を持 つ、意識だけではな <組 織としてシステムイ
ことが大切です。
⑥
ボランティアヘの感謝の気持ちを表す
え、貴重な時間を作 つて活動 し
ボランティアの方展は自発的な活動とはしヽ
てしヽ
ます。そのことによって調知症のある高齢者の生活が豊かになるのです
ため、
が、認知症のある高齢者 は自のか ら感謝の気持ちを表す ことが難 ししヽ
として感謝の気持ちを伝えることが大切にな りま
ボランテ ィア受け入れ倶」
を感 じてもらうことができ、ボラ ンテ イアを継
す。ボランテ ィアのや りがしヽ
う気持ちが促進されます。
続 して、もっと喜んでもらおうとしヽ
-18-
⑦ ボランテ ィア同士が連携を図れるようにする
ボランテ ィアはボランテ ィア活動をする ことが主目的であるが、同 じ活動
する仲間としての仲間意識もでてきます。その意識を仲間が上手に活用 しあ
きます。仲間意識が図れるような機会を作
うことで協力関係が強くな つてしヽ
ることも防要です。
他のボランテ ィアの活動状況や力法を共有することで 自劣たちの活動を
見直す機会にもなり、アイデアや工夫も浮かんできます。また、職員には間
きに< い ことを間くことで仲間意識が強くなる場 にな ります。
(2) ボ ランティア研修
・ ボランティア研1夕
を行なう意味は、多<あ ります。具体的には、①外出に勝
要な知識や技術をヨにつけてもらう、②認知症のある高齢者にとつてなぜ外
出が大切かを理解 して、効果的なサポー トができるようになる、③認知症の
ある高齢者にとつてなぜ外出が大切かを理解 して、ボランテイア活動に意義
を理解 して
を見出してもらう、④施設の者え力やボランティアに求める役書」
・
もらう、⑤施設 事業所を理解 してもらう、⑥認知症のある高齢者や施設事
うこと
業所に対 して理解を深め、安心 してボランティアに入つてもらうとしヽ
が挙げられます。
・ このように効果的に、スムーズにボランティアに入つてもらう方法として、
研修を行なうというのは、意味があります。
。 ます施設の実態を理解 してもらうためにも研修は重要な位置 に置かなけれ
状況にあることを者
ばならなりません。施設を見学することもめったになしヽ
ー
ヽ
ヽ
ニュ
に流されてし
ても、自のの身近な
スや書籍ではあもれるよう
えると、
こととして捉え、その延長線でボランテイア活動ができるようにすることが
えます。そのためには、何よりも施設見学を取り入れた研修
必要であるとしヽ
□
は不司欠です。その際は、認矢
症のある高齢者のプライバシーの保護に充分
う
配慮しながらも、できることであるならば、直接触れ合う揚面を作るとしヽ
できなしヽ
ことが大切です。スタッフは予浸」
事態に対応できるように詳網な計
画を立てておきます。
・ また、触れ合うことができなしヽ
場合を想定して、ビデ牙で日常生活場面と外
出や行事などの楽 ししヽ
場面、人がかかわることで表情が豊かになるなど、見
で しょう。特にボランテイアがかかわづ
てわかるような工夫があつてもいしヽ
ー
としヽ
う意見も多<寄 せら
てしヽ
る場面は必須があるとイメ ジがわきやすしヽ
れてしヽ
ます。
│・研修は、開催する側の意図を明確にし、内容を具体的でわかりやすくする こ
と、講義や漫習がどの部劣に役に立つのかなどを示すことも必要ですと参力0
る課題などをヨ│き出すように、
する研修生の状況を把握し、研修生の求めてしヽ
ー
ー
グル プワ クやディスカッシヨンなどをして、柔軟な内容にする財要があ
る。
。 また、初めてボランティア活動に参加する研修生、ボランテイア活動の経験
- 1 9 -
しヽ
が あ る研修 生 に対 して の研修 内容 な どの工夫 も防要 です。貴重 な B等間 を書」
て 参 加 して <れ る研 修 生 に研 修 意 図 を理 解 して も ら う と同 Bきに実 際 の 活 動
に参 加 す る 気持ち を も つて も らしヽ
、活動 に結 び つ け、 活動 が継続 し、重 要な
るの で は
社 会 資 源の ひ とつ とにな つて も らうよ う、ボラ ンテ ィア活動 を3会しヽ
ヽ
ヽ
る うち に、活動 して みた し とし う自発 的な 気持 ち が
な <、 研 修 に参加 して しヽ
起 きる よ うに します。
・ スタ ッフ は研修 生 の 気持 ちや 意見 を見逃 さな しヽ
よ うにす るため に、計 画 や打
ち合 わ せ を綿密 に し、 スタ ッフ 間 の連携 を取 り合 う ことも大切 です。
(3) 研
修 カ リキ ュラ ム例
カ リキ ュラ ム の 一 例 を以 下 に挙 げ ます 。 2日 間 にの けて 、 じつ<り 行 う案 で
す。
◆ 研 修の目的
> 外 出の支援の方法を中心 に、認知症のある高齢者 との関わ りのあ り方 について学
ブ
ヽ、。
> 施 設 にお ける高齢 者 の生 活 の様 子 を理解 し、協 力 のあ り方 を考 える。
◆ 研 修 の対 象
外 出支援 に興 味 のある方、高齢 者 との関わ りにつ いて学 びた い方 ( * 年 齢不間)
◆ 募 集方法
①
②
③
④
在
区
現
ボ
宅介護支援センターヘのチラシの設置
掲示板へのボランテ ィア募集のポスターの掲示
在継続中のボランテ ィアヘの呼びかけ
ランティア研修受講者への呼びかけ
初日
単元 名
時間
担当者
10:30
研修会 のね らいの説明
研修担 当
10:40
認 知症 のあるお 年寄 りの理解 と基本的接 し方
学識 経験者
11:50
施設見学
ス タ ッフ
12:30
お昼 ごはん と質疑応答 (立食形式 にな ります)
研修担 当者
13:30
ア ンケ ー ト記 入
研修担 当者
-20-
2日 目
単元名
時間
担 当者
10:30
研修会 のね らいの説 明
研 修担 当者
10:40
外 出支援 の具体 的技術
学識経験者
11:50
施 設 見学 2
園 ス タ ッフ
1li30
お昼 ごはん と質疑応答 (立食形式 にな ります)
研修担 当者
13:30
アンケ ー ト記入 と修 了証 の授与
研修担 当者
-2ユ ー
< 資 料集 >
(1)
資
料 1 : 外 出支援契約書
○ 文」象
る認知症のある高齢者を対象とするこ
下記の契約書は、特養等、高齢者施設 に入居 してしヽ
ヽ
とを前提と してします。
① 外出の定義
ては、利用者からの希望があ ったBき
は全て、外出を支援するとしヽ
今回の外出の定義におしヽ
う事ではなく、利用者の希望や生活状況、園の体制、家族の希望、本人の身体的状態等を言
めてアセスメン トし、生活の中に組み込める(ケアプランの中に落と しこめる)というスタ ッ
フの半」
断の元に行う外出を想定 している。
こ
この大きな理由として、希望のある外出を全て行うのは施設の体制と して現実的でなしヽ
ヽ
ヽ
んでし
く
と、施設の役書」
から離れてしく事、ただ外に出るのでなく生活の中に外出を組み込
てしヽ
るためである。
事を念頭におしヽ
○ 注意
活用力法の詳細は、『
平成 16年 度老人保健健康増進当事業報告書 介 護保険制度 の適正な実施
及び質の向上に寄うする調査研究事業 「 言
忍知症高齢者の外出支援のあ リカとボランテ イア育
成 ・活用に関する研究」報告書』を参照。
- 2 2 -
外 出 支援実施契約書
や、
1茎
雀老災黒ニムoo笛(抜
程答穐桃ほ災□□袴偽
『
鳥署と能ふ量手)と
○○○○(抜
や、ネ
'営
i膚
著に鷲する銚 支援について、友のとおり努摘しま
oo苗と能ぶ量手)は
、oo苗の朱
や、米努馬と能)。
す(抜
成1
浄第
は い者 て
1
外 出 支援 と呼び ます) 。
し
糖顛と浜鷲、(2)
2.O① 箇がネ
彬華書に射して符ゲ歩古『支准の描蓉は、(1)挑 『発の
し
し
歩古『撃後の需俣、(3)挑 督発の緑 等との普落舗整、(4)挑 冨に豚雲ネY天な
穫所の提板 傍林芥楽、登撲警盤等)、(5)尾あ花です。
実施期 間は、平成 1 7 年
た だ しりようしや
え
ん
い
ぎ
島日
ゎ月
第 2 条 ( 実施期 間)
ば
へ いせい
ね ん
か ら、平 成 1 8 年
あ↓`
お
が
つ
に
な じけいやくじようけん
ち
日
月
1ね
んかん
まで の 1 年 間 と します。
こ うしん
但 し利用者 と○○園 に意義 がない場合 には、同 じ契約 条件 で更 新 され ます。
第 3 条 ( 対象 ・内容 )
がいしゅ
1.支 援の鞘妥は、Oo笛め薮寛描・
新露沐への外 出 です。
のとおりです。
j私
挑精発の例は、
製病誓廓
ヽ
がいしゅつしえん
つ
さ ↓ して
え ん
か
ざ りりようしや
い こう
ふ
ま え て が いしゅつけいかくけいかく
中
期
り 〓→
を
排明
”説
い輸
レα
出 支援 に 際 して ○ ○ 園 は 、外 出 支援 計 画 に も
3,外
づ
作成 し、それ に も とづ き 外 出 支援 を行 い ます。
い
陪
出 支援 に際 して○○園は、できる限 り利用者 の意向 を踏 まえて、外 出 支援計画 を
2.外
利用者代理人に対 して行 います。
○園 の敷地内の 外 出 及び敷地外であつて も近隣分 の 外 出 の場合 には、○○園 の
4.○
判断で利用者代理人へ の事前説明な しに行 うことがあ ります。 `
の 内容 を理解 で きな い 程度 に判 断能力 が 著 しく減退 してい る と
りようしやだ いりにん た い
に
○園は、利用者 が認知症その他 のため判断能力 を喪朱 してい るか
”出
5.○
”
は
難 その概要は契約書別紙③ の とお りです。
が いしゅつしえんけいかく じ ぜ んせつめい
利用者代理人に対する外 出支援計画の事前説明だけにとどめることができます。
がいしゅつしえん
き ろく
第 4 条 ( 外 出 支援 の記録)
し
とともた2雅簡離 します。
1.Ob宙 は、
歩岸『鶏 議 紫を満 し(挑 『疑 筆笛望いしゆつ
しえん き ろ くひょう
いりにん
が
が いしゆつ しえんけいかくしょ
りようしや
り
よ うしやだ
2 . 利 用者お よび利 用者代理 人は、 外 出 支援 計画書 お よび 外 出 支援記録 表 について 、
-23-
を
し
功覧
わ閲
用
隣
ぶ立中
こ
中
賄
り 手→
い
隅
また
ぶ
ぶん
こ
び ―
も
とめ る
又 はそ の部分 の コ ピー を求 め るこ とがで きます。
第 5 条 ( 実費負 担)
りようしゃ
が いしゅつ じ
ひ つよう
つ き そ い す た つ ふ
ひ よ う ネ たん
つ
き そ い
利 用者 は、外 出 時 に必要 なす べ ての費用 を負担す る とともに、付 き添 いス タ ッ フ 、付 き添 い
ス タ ッフ、 ボ ラ ンテ ィアの交通 費そ の他 費用 につい て も一 部負担 します。
負 担す る費用 の詳細 は契約 書別 紙④ の とお りです。
第 6 条 ( 外 出 の 中止)
1 . 利 用者は①O 園 に対 し、3 日前までに連絡すれば、いつで も予定 された 外 出 を中止す
る事ができます。但 し、キャンセルの期限がある場合 には、その期限までに連絡 が必要
です。
2 . 〇 〇園は、利用者 の体調不良そ の他合理的な理 由にもとづ き、利用者 の 外 出 が困難
と判 断 した場合には、その理 由を利用者に告げて、予定 された 外 出 を中止す る事が
できます。
園は、利用者が判 断能力 を喪失 して い るか、または中止 の理 由を理解 できない
3.O①
程度 に判 断能力が著 しく減退 していると認 める場合 には、利用者代理人 に対す る理 由
の説明だけにとどめる ことができます。
4.外
出 の 申止 に伴 うキャンセル料等は、利用者 の負担 とします。
第 7 条 ( 契約 の終 了)
1 . 利 用者 は、○○園に対 し、 1 週間前 までに文書で通知すれ ば、 いつ で も本契約 を解
約す ることがで きます。但 し、急 な病 変 ・入 院な どやむをえない事情 がある場合 は、
このか ぎ りではあ りません。
2 , ① ①園は利用者及び和J 用者代理人に対 し、 l ヵ 月前までに正当な理 由を しま した文 書
つ うち
ほんけいやく か いや くす ること
を通知すれば、本契約を解約す る事ができます。
3.以 下の場合には、利用者及び利用者代理人は、文書で通知すれば、直ちに本契約 を解
除することができます。
①
OO園
②
O①
が正当な理由な く外 出支援を しないとき
園が守秘義務 に反 したとき
えん
③
4.以
OO園
り ようしゃ
か
ぞく た い
し
ゃかいつ)ねん い つだつ
こ
うい
お こなつた
が利用者やその家族に対 して、社会通念を逸脱す る行為を行 った とき
下 の場合には、 この契約 は即時に終 了 します。
(ア)利 用者が、○○園を退所 した とき
(イ)利 用者が、死亡 した とき
第 8条 (守秘義務)
1.O①
園は、外 出 支援 を提供す る上で知 り得 た利用者及びその家族 に関す る秘密 を
正 当な理 由なく第三者 に漏洩 しません。
- 2 4 -
2 . こ の守秘義務 は契約 終 了後 も存続 します。
第 9 条 ( 事故報告 と損害賠償)
○ 園 は、 外 出 支援 にお いて 事故 が発 生 した 場合 には、事故 状 況 等 に つ いて
1.○
利 用者お よび利用者代理 人 に対 して 十 分 に説 明 します。
を整奨しているか、または新粉を軽継で
但せ、○○箇は、新島署が靴Bttg町
き な い 程度 に判 断 能力 が 減 退 して い る場合 には 、利 用者 代理 人 に対 す る事故
状 況 等 の 説 明 だ けに とどめる こ とがで きます。
○園は、 外 出 支援 に際 して、○○園 の過 失 に よつて利用者 に損 害 を与 えた と
2.○
きは、○○ 園 が加 入す る損害保 険 な どに も とづ き、そ の損害 を賠償 します。
第 1 0 条 ( 緊急 時 の対応)
ヰi烏
者にど撲 舞 には、
oo笛は研占『疑 Yに、屑授の背菱そあ花繋背の製 カ
i舟
箸の象後にせ落するとともに、主治医に指崇をNぢるな
i鵡 決選文費はネ
すみやかにネ
ど豚室な処造を発ぜまチ。
第 11条 (苦情 対応)
し
① ①笛 は挑 『 髪准 に ともな う朱i購
か らの 宋輸 ・
婁蟹 な どに鷲 慈 す る景:軟 碁甘 ぉ ょ
菩樗 ・
び窓 日責任者 をお き、迅速誠 実 に対応 します。
撤6のとおりです。
稲歓碁替撃にが る宰摘は、舞馬讐奇
第 1 2 条 ( 合意管轄)
この契約 に関 してや む な く訴訟 を提 起 せ ざるを得 な い場合 には、利用者 お よび○○ 園 は、
することにあらかじめ合意しま
i経の桂詐詭を警播する談新新を第壁磐の警揺談鞘耕と
ネ
す。
ずっ猥猪す
i維 、oo箇が薯猪静常の埜、i蓮
上筆努馬を兼チ露ため、
キ
米誓2蓮を稚概し、
るもの とします。
ゆ日
拘月
前
年
契約 締結 日
契約者 氏名
<事 業者名 >
ヽ印
<住 所 >
<代 表者名 >
-25-
利用者
﹄
印
<住 所 >
<氏 名 >
利 用者代理人
悔印
<住 所 >
<氏 名 >
-26-
【
契約 書別 紙 】
② 外
2.
出先
ー パ ー や コ ン ビニエ ンスス トアな どの商 店
ス
フ
ァ ミ リー レス トラ ンや喫茶店 な どの飲食 店
3.
近
隣 の公 園
4.
水
族館 ・
美術館 ・
博 物館 ・な どの 文化 ・
娯 楽施設
5.
そ
の他
1.
③ 事 前 説 明 の 内容
出 の 目的 と目的地
1.外
2.日
時
3.交 通手段
4.経
費
ス タ ッフの数 )
出 人数 (利用者 ・
5.外
ャ ンセル 料 がかか る場合 は、取消期 日
6.キ
④ 事 前 説 明 を要 しない 外 出 の種類 につ い て
1,法 人敷地 内 の 医療機 関 へ の移動
地 内 の散歩
2.敷
3. 交
通機 関 を使 わな い近 隣へ の 外 出
但 し、以 下 の 項 目に当てはま る場合 には 、 外 出 の 3日前 まで に利用者 代理 人 へ の連絡 を
行 うこととします。
えんいじょう し しゅつ
み
こ ま れ る がい しゆつ
円以 上 の支 出 の 見込 まれ る 外 出
1.
2. 施
設 の行事 としての 外 出 で あ る とき
⑤ 料 金負 担 に関す る取 り決 め
外 出 す る場合 、そ の 内容 に応 じて以 下 の項 目につい て 請 求 させ て い ただ きます。
1.利 用者 の 交通費(自己負 担分)
2.付
き添 いス タ ッフの交通 費
3.ボ
ラ ンテ ィアの 交通費
4.利 用者 の飲食 費 (予算 の程度 は、昼 食 1000円、夕食 1500円程度 を負 担 の
目安 とし、外 出 の 目的 に応 じて 、利用者 とス タ ッフが相 談 の うえ決 定す
る こ とに します。)
- 2 7 -
にゅうしょうりわ
し せつ
り よ うひ
5 . 入 場 料 な ど施 設 の利 用費
る
と
す
い
服
V *
○
の
外
以
れ園
○
。
①
ヽ
,ヽ
い
碓
鎖
で出
も由T
れし ○
お
お
に □
蕗○ □
.
望”
要絵
”
触談
⑥ 加外 ・ ・ ・ ・
努馬の謡籍に脳けモ、新鳥号に対し努馬讐笈芯栄努馬讐廓
の偽客についてわかりやすく
i私
説明しました。
`
<掌薬署名> 踊
掻災□□□ 器所墓軽老災黒二去 ○○笛
﹄印
だいひょうしゃしめ い
< 代 表 者 氏名 >
契約の群梧に認けモ、粘は努摘響部 努馬誓廓
の偽容について、O①笛からわかりやす
j私
く説 明 を受 け、 了承 しま した。
悔印
りようしゃ じめ い
< 利 用者 氏名 >
-28-
(2)
外出支援企画書
計画作成 日
管理者確 認
計画立案 者
外 出 先 と外 出 目的
日時 と 日程
日
月
8 窪日
対 象 者 氏名
車椅子の
有無
な ど)
実。
備者 ( 牙ム ツ ・
家族 へ の連絡
活動内容
時間
手段 と
章畳
1
交
食事 と予算
1
食
その他の 予算 1
項
通手段
見積も り
備者
事内容
見積も り
備者
目
見積も り
備者
必要 スタ ッフ数 と役害」
-29-
( 3 ) 資 料 3 : 外出 支援 記 録用 紙
外出支援記録用紙
対象者 :
外 出 目的 :
付き添 い :
日時
行 動 内容
出来事 ・
発言と対応
-30-
関連する出来事や
周囲の状況
(4)資 料 4:リ
スク 評価表
A:リスクを感 じた場面 ・
状況
B : 原因や背景 となった
こと
と思われるもの 。
- 3 1 -
C i 今 後 どうしていけば いいか
<参 考 文 献 >
認知症介護研究研修東京センタ ー 『平成 16年 度老人保健健康増進当事業報
告書 介 護保険制度の適 正な実施及び質の 向上 に寄与 する調査研究事業
「認矢B症高齢者 の外出支援のあ リカ とボラ ンテ ィア育成 。活用に関する研
究」 報 告書 』
(2005.3)
高齢者痴呆介護研究 ・
研修東京センタ ー 『平成 1 5 年 老人保健健康増進等事
業 痴 呆性高齢者の在宅生活を支える地域ケアサ ー ビスの力 策 に関する研
究 「ボランティアの育成 ・
活用に関する研究」報告書』( 2 ①①4 . 3 )
-32-