(ダイジェスト版)(PDF:2514KB)

特許庁
平成27年度外国出願補助金に係るフォローアップ調査報告書 ダイジェスト版(4/4)
特許庁
権利侵害に関する項目
<本調査概要>
本調査報告書は、平成22年度~平成26年度に特許庁の外国出願補助金※(中小企業等外国出願支援事業)をご利用
いただいた方に対するアンケート調査を基に作成しております。
アンケート回収企業621社のうち、海外における権利侵害に関する経験については、以下のとおりです。
「模倣品被害」については、16%の企業(101社)が被害を受けた経験があると回答しています。
「冒認出願」については、7%の企業(43社)の企業が被害を受けた経験があると回答しています。
また、 8%(47社) の企業が、「海外の企業から権利を侵害していると指摘を受けた」経験があると回答しています。
権利侵害に関する係争に巻き込まれた場合は、適切な対応をとる必要があります。





1.模倣品被害を受けた経験
(回答企業数 621社)
1%
2.冒認出願の被害を受けた経験
(回答企業数 621社)
16%
<アンケート調査の概要>
調査時期:平成27年10月
調査項目:補助金を利用した外国出願の進捗状況、補助金を利用して取得した権利に関する事業の海外展開状況、権利侵害に
関する経験 等
配布対象数:880社(1284件)
回答数:621社(回答率70.6%)
3.権利侵害していると指摘を受けた経験
(回答企業数 621社)
8% (47社)
7% (43社)
1%
※外国出願補助金:海外展開を計画する中小企業等に対し、都道府県等中小企業支援センター及び(独)日本貿易振興機構(ジェトロ)を通じ、外国出願
にかかる費用の1/2を助成するものです。
(101社)
83%
平成27年度外国出願補助金に係るフォローアップ調査報告書 ダイジェスト版(1/4)
経験あり
経験あり
経験なし
経験なし
92%
無回答
経験あり
支援案件内訳(累計支援案件数 1321件)
年度別支援件数の推移(累計支援案件数 1321件)
3%
経験なし
540
600
92%
500
特許
無回答
400
29%
実用新案
 特許庁の中小企業海外侵害補助金のご利用をご検討ください!! ※補助金は、ジェトロを通じ交付します。
①模倣品対策支援
模倣品の製造元や流通経路等を把握するための侵害調査及び調査結果に基づく模倣品業者への警告文作成、行政摘発、税関差止申請等を実施し、
その費用の2/3を助成(上限額400万円)。
②冒認商標無効・取消係争支援(NEW 平成28年度から開始)
海外で悪意の第三者に会社名、製品名を先取り出願された場合(冒認出願)、異議申立、無効・取消審判請求、訴訟に係る費用の2/3を助成(上限
額500万円)。
64%
意匠
商標
3%
1%
冒認対策商標
支援件数は
毎年伸びています!!
381
冒認対策商標
300
100
0
商標
191
200
11
25
71
意匠
102
実用新案
特許
③防衛型侵害対策支援
海外で現地企業から知財侵害により訴えられた場合の弁護士への相談や訴訟準備・訴訟に係る費用の2/3を助成(上限額500万円)。
※冒認対策商標:第三者による抜け駆け出願(冒認出願)
の対策を目的とした商標出願
 知財訴訟費用を賄う海外知財訴訟保険加入の掛金費用の1/2を助成します。(NEW 平成28年度から開始)
この保険は、全国規模の中小企業等を会員とした団体が運営する団体保険です。
平成26年度の支援実績及びお問合せ先について
※平成22年度から、意匠・商標を補助対象に拡充
※平成25年度から、実用新案・冒認対策商標を補助対象に拡充
ご支援企業の概要
 平成26年度は全国で540件を支援し、27年度も更に増加する見込みです。28年度も継続して実施しますので、ぜひ外国
出願補助金をご利用ください。
平成26年度 地域別支援件数
60
ジェトロ
センター
 アンケートに回答をいただいた621社の業種は、製造業に分類される企業が全体72%と最も多く、続いてサービス業10%、
卸売業・小売業9%でした。
 資本金別では、1,000万円以上1億円未満の企業が67%と最も多く、続いて1,000万円未満が15%、1億円以上3億円
未満が8% 、 3億円以上が4%でした。
 従業員数別では、20人以下が41%と最も多く、続いて21人以上100人以下が29%でした。
50
業種分布 (アンケート回答企業 621社)
40
2%
3%
4%
農・林・水産業
30
建設業
9%
製造業
20
10%
製造業の事業者が技術等
を特許出願するケースが多い
が、サービス業の事業者によ
る、会社名・製品名等の商
標出願も増加している。
サービス業
卸売・小売業
10
72%
その他
不明
沖縄
宮崎
鹿児島
熊本
大分
佐賀
長崎
高知
福岡
香川
愛媛
山口
徳島
岡山
広島
鳥取
島根
奈良
和歌山
大阪
兵庫
京都市
滋賀
京都府
石川
福井
三重
富山
愛知
岐阜
静岡
山梨
新潟
長野
川崎市
神奈川
横浜市
千葉
東京
群馬
埼玉
茨城
栃木
山形
福島
宮城
秋田
青森
岩手
北海道
0
資本金分布 (アンケート回答企業 621社)
<外国出願補助金交付に関するお問合せ先>
 全国実施機関
(独)日本貿易振興機構 知的財産課 外国出願デスク
TEL:03-3582-5642
 地域実施機関
46の都道府県・市の中小企業支援センター等を通じ実施しています。お問合せ先については、特許庁のホームページ
をご覧下さい。http://www.jpo.go.jp/sesaku/shien_gaikokusyutugan.htm (「特許庁 外国出願補助金」で検索!)
<制度に関すること及び本資料に関するお問合せ先>
特許庁普及支援課 支援企画班 TEL:03-3581-1101 内線2145
6% 3%
4% 6%
20人以下
1,000万円未満
8%
15%
21人以上100人以下
1,000万円以上1億円未満
21%
41%
1億円以上3億円未満
101人以上300人以下
301人以上
67%
補助金を利用した企業の事例集も作成しています。
4月上旬にホームページに掲載予定ですので、ぜひご覧下さい。
従業員分布 (アンケート回答企業 621社)
3億円以上
不明
29%
不明
特許庁
平成27年度外国出願補助金に係るフォローアップ調査報告書 ダイジェスト版(2/4)
各案件の出願先と進捗状況
 本補助金が海外の事業展開に役立ったと回答した企業は63%になります。
 また、本補助金の効果として最も多い回答は、模倣品に対する抑止力となったが最も多く29%となりました。さらに自社製品
の宣伝や営業活動でPRする材料になったと回答した企業も同じく29%でした。一方で、いまのところ効果がないという回答
もありますが、まだ審査中で権利化されていないなど、効果を実感するまで時間がかかることが原因と考えられます。
本補助金が海外への事業展開に役立ったか (回答企業数 621社)
出願国 (国別の延べ数で2544件※未回答を除く)
欧米が
35%
その他
16%
2%
アジアが
約50%
中国
20%
韓国
14%
役だった
8%
どちらともいえない
役立たなかった
インド
3%
進捗状況(未回答を除く 2473件)
その他
63%
無回答
台湾
6%
アメリカ
18%
シンガポー
ル
タイ
3%
本補助金の効果(回答企業数 621社)
0
3%
その他
3%
審査未請求
10%
拒絶査定
11%
審判中
3%
審査中
52%
10
20
30
40
海外と取引するきっかけとなった
収益向上になった
模倣製品に対する抑止力になった
自社製品の信頼性向上になった
ブランド力の向上になった
技術移転やライセンスにつながった
海外の企業や大学との共同研究につながった
自社商品の宣伝や営業活動でPRする材料となった
いまのところ効果はない
その他
無回答
審査結果(登録済・拒絶査定・
審判中)が出た案件の86%が権利化
登録済
30%
1%
26%
欧州
17%
審判中
1%
平成27年度外国出願補助金に係るフォローアップ調査報告書 ダイジェスト版(3/4)
本補助金の効果・満足度
 本支援案件の出願国で最も多いのが中国で、韓国、台湾などのアジア全体で約5割を占めています。アメリカと欧州の合計は
35%であり、出願国の大半がアジアもしくは欧米となっています。
 支援案件の進捗状況は、審査中が52%ともっとも多くなっていますが、これは近年の支援件数が伸びたためで、何らかの審査
結果(登録済・拒絶査定・審判中)が出たものでみると86%が権利化されています。
拒絶査定
4%
特許庁
登録済
86%
(%)
外国で権利を取得したことで、
模倣品に対する抑止力となり、
安心して開発に取組むことがで
きた。
権利を取得したことで信頼力が
増し、海外のパートナー企業へ
の販促活動が円滑になった。
まだ権利化可否の審査中の者
の感想ですが、海外で安定して
事業を実施するために、権利
取得は不可欠です。
外国出願にかかった平均費用
 本補助金を利用し、外国出願に要した主な国の特許・商標の平均費用を算出しました。
 外国出願には多額の費用を要し、本補助金ではこの費用の1/2を補助しています。
各案件の出願方式
 支援案件のうち、特許・商標の出願方式では、特許は79%がPCT国際出願によるものであり、商標は61%がマドプロ出願
によるものでした。平均出願国数は、特許では、PCT国際出願がパリルート出願より0.8カ国多く、商標では、マドプロ出願
がパリルート出願より1.5ヶ国多いという結果になりました。
 出願国が増えるほど、出願事務の簡素化やコストの削減を図るため、条約加盟国に対して一括して出願できる、PCT国際
出願やマドプロ出願の方式で出願する者が多いことがわかります。
※PCT国際出願:PCT (特許協力条約)に基づく国際出願を行った後、PCT の締約国ヘ国内移行を行う手続のこと。
※パリルート出願:日本国特許庁ヘの基礎出願の日から12 ケ月以内に、パリ条約に基づく優先権を主張して、パリ条約の締約国毎に直接出願すること。
※マドプロ出願:マドリッド・プロトコル(議定書)に基づき、日本の商標出願・登録を基礎とし登録したい締約国を指定して国際出願すること。
特許(案件数490件、国別で1444件)
商標(案件数274件、国別で782件)
中国
韓国
特許
商標
商標
(直接出願) (マドプロ出願)
台湾
特許
商標
商標
(直接出願) (マドプロ出願)
特許
商標
(直接出願)
現地費用
(現地庁費用
代理人費用)
約25万円
約11万円
約12万円
現地費用
(現地庁費用
代理人費用)
約23.5万円
約-万円
約12万円
現地費用
(現地庁費用
代理人費用)
約18万円
約9万円
国内代理人
費用
約20万円
9万円
約21.5万円
国内代理人
費用
約19万円
約-万円
約15万円
国内代理人
費用
約26万円
約9万円
翻訳費用
約30万円
-
-
翻訳費用
約22万円
-
-
翻訳費用
約30万円
-
合計
約75万円
合計
約74万円
約18万円
約20万円 約33.5万円
合計
約64.5万円 サンプルなし 約27万円
*マドリッド・プロトコルに加盟していない。
米国
21%
39%
パリルート出願
PCT国際出願
61%
79%
特許
パリルート出願・
直接出願
マドプロ出願
0.8ヶ国差
1.5ヶ国差
案件数
国数
平均国数
パリルート
127
299
2.35
PCT国際出願
363
1145
3.15
出願方式
案件数
国数
平均国数
パリルート・
直接出願
143
305
2.13
マドプロ出願
131
477
3.64
商標
商標
(直接出願) (マドプロ出願)
現地費用
(現地庁費用
代理人費用)
約30万円 約22.5万円
国内代理人
費用
約23万円
翻訳費用
約46万円
合計
出願方式
欧州
タイ
特許
商標
商標
(直接出願) (マドプロ出願)
特許
商標
(直接出願)
約13万円
現地費用
(現地庁費用
代理人費用)
約76万円
約-万円
約20万円
現地費用
(現地庁費用
代理人費用)
約11万円
約13万円
10万円
約19万円
国内代理人
費用
約20万円
約-万円
約23万円
国内代理人
費用
約23万円
約24万円
-
-
翻訳費用
約50万円
-
-
翻訳費用
約24万円
-
約43万円
合計
約58万円
約37万円
約99万円 約32.5万円 約32万円
合計
約146万円 サンプルなし
*マドリッド・プロトコルに加盟していない。
*本データは、平成26年度補助金利用案件(85案件)の実績報告書をサンプルとして算出しています(本補助対象費用は、外国特許庁への出願費用、国内外
代理人費用、翻訳費、出願と同時に行った審査請求料・登録料ですが、出願には、この他の費用が必要となる場合もあります)。
*この表におけるマドプロ出願の現地費用は、WIPO国際事務局へ支払う基本手数料(653スイスフラン)+各国の個別手数料で算出しています。
マドプロ出願は、一度の出願で複数国への出願できる制度であるため、複数国をまとめて出願する場合に利用されています。基本手数料は複数国を指定しても
同一料金で、基本料金に個別手数料等が加算される仕組みです。(※基本手数料653スイスフランは平成28年3月現在の料金)。
*「翻訳費」について、同じ言語圏へ出願する場合は流用が出来ます。