1.育成牛、限りなく大きいその可能性

I口 育成牛、限 りな く大 きい
そ の 可能1生
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一
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渉ぶ呵
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!.大 きな利益 を生み 出す資産、それが育成牛です
(!)育 成牛 (未経産牛)の 価値 を見直そ う一 時代 の 変化 を嗅ぎ とろ う一
“
"に
酪農はほぼ完全 に 新感性時代
入 った よ うです。
乳価の長 期的な低落傾 向 と個 体単価の構造的 な低 価格推移、 お よび農場 内におけ る豊 かな
自由時間
の創 出や楽 しんで仕 事 をで きる条件 づ くりの要求 … この 3つ がその背景 です。
新 しい感性 とは、 生活の ビジ ョン (生き方)を 明確 に し、その 目的のために戦略 ・戦術 ・技術体系
そ して技 術 を組み立 て、合理的 に、利潤発掘的 に経営 を展開す る性質です。
今 までは、ただ何 とな く、慣行的 に、 惰性的 に、近隣 に合わせ、問題解決的 に、与 え られた条件 に
対応 して、少 々意味や 目的 が不 明で も…:一生懸命な らば、ナ ン トカ経営の維持 を して これ ま した。 し
か し、それは背後 に、安定乳価、時 々あ る高価格個体販売、潤沢な資金繰 り、無言で頑張 って くれ る
家族達 ……があ ったか らで した。
新 しい感性 の特徴 であ る 「目的合理 的」な 目で現状の経 営方法や技術や作業法 を見 渡せば ………まだ
まだ膨大な未成熟 と可能性が見 えて きます。
その中で も、育成牛 に関す る可能性 は、他 よ り突 出 した ものがあ ります。今 まであ ま りに も放た ら
かせ られて きた未経産牛 に、幅広 く 。深 く 。大 きな希望 が見 えて きます。
新 しい時代 におけ る利潤の源 としての 育成牛の価 値 を、新 しい 日で本気 に見直 してみて下 さい。
(0 3つ の顔 を持 つ育成牛一 相手 の立 場 を理解 しよ う一
① 搾 乳牛の更新用 と多頭化用一―一一一―産予L性 ・産仔性 ・作業性の向上につながるような育ち方
② 個 体販売用
③ 作 業を要する扶養的な家畜
有
少
効な個体販売を実現できる育ち方 や持ち方
量 ・軽質で交代の可能な作業を実現できる管理体系
育成牛の この 3つ の顔 (目的)を 、総合的に立たせる。そんな育成技術 をこの特集資料で考えます。
(3)理 想 と現実の大きなギ ャップー だから大きい可能性―
熟慮され、体系化された育成技術は、上の 3つ の立場を十分に高め、経営に大 きな利潤を提供 しま
す。 目の前に転がってい るこの大 きな可能性を、ほ とん どの酪農家は認識 していません。
今現在の育成技術 とこの得 うる可能性 … との間には大 きな、ほん とうに大 きな差があ ります。例 え
るな ら、天丼までの利潤を手中にするこ とができるのに、現実は腰掛 けテープル位の技術程度 らしい
… とい うこと。
技術は、「以前 よりこんなに良 くなった」 とい うこ とではな く、「理想に どこまで接近 したか」、あ
るいは 「
平均的な酪農家の水準に対 して、 どの位の水を開けているか」 が大切なのです。
この理想なるものの推定が不充分だ と、天丼が見えず、今の自分の技術が思い計れません。 しか し、
ともか く、そんなに困難を伴わず 「
天丼技術に近づける可能性」があるのです。酪農家や関係者 はこ
のことの意味を 「
先ず思い込んで、腑に落 として しまう」 ことが肝要です。それが技術再編への心構
え的なスター ター とな ります。本書 にはその天丼技術への道筋を詳 しく解説 してあ ります。
-3-
(4)育 成技術 の 向上 が もた らす
“
"一
6つ の効果 と巨大 な利 潤
ホ ン トです一
高 い更新率
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高 い販 売率
ジL雄や育成 牛 (特に初妊)の 個体販売増 ]
害]高な個体販売、初産次乳量や成分の増加、難産の減少
[親牛舎施設の利用性向上、初産牛の繁殖や健康度の向上
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緯皇宣[蓮 暑魔Eフ 三二三」
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増加]
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高 い産乳性、割高 な個体販売、高 い健康度
低 い事故率、高 い作業性
度肝 を抜かれ る利得の山ですね。 しか し、多 くの酪農場 にお いては この豊 かな実 りの獲得 を放棄 し
て い るように見受 け られ ます。「今 よ りも少 しで もよ り有益 に技術変化 す る」 こ とに よって、 この 6
つ の成果が増幅 し、右の方の具体的 な利潤 を積 み上げ、か つ連鎖 してゆ くわけです。
ベ ラ棒 な数の技術 を持 つのが酪農の大 きな特徴です。部分 に点在 す る細 か い収益増 を、無茶苦茶 に
数多 い その部分の総和 に よって経営成果 を求める産業 なのです。育成技術だけ で もこんなに多 くの利
益誘導構造 を想定で きるのです。 これを 「放 った らか して、野 ざ ら し」 に してお く手はあ りません。
―
(5)現 実 の具体的 な育成技術水準 (番号 は上の図に対応)一 やは り、ホ ン トです
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初産分娩 まで
あま りにも長 い
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1:、堰 :』 、 73体
技術力 が伴 えば、23∼25ヵ月令 で上記 体格 に発育する能 力を牛は持
って い る。 しか し現実は27∼28ヵ月令、遅 い牛は30ヵ月 令 もかか っ
て初産分娩 して い る。早期分娩 の流行のみ を追 って24ヵ月令分娩
470kgなどとい う、哀 れな る初産牛 を出す酪 農場 もあ る。
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(6)何 故、育成技術はないがしろにされるのだろう?― あなたはどれに該当しますか―
① 育 成牛の持つ資産価値が分 りずらい。利益がす ぐ見えてこない。
② 曲 がりなりにも何ん とか育ち、そのうち学んで くれる。
③ 親 になって 3産 目ぐらいにもなると:大 抵はちゃんと乳が出る。それが普通 と思えてしまう。
④ 生 産なしで負担ばかり伴う… と感 じる。積極的な資産造成だとは思えない。
⑤ 特 に哺育技術などは…伝統的 ・習慣的な技術に固定化されやすい。
⑥ 片 手間仕事、余分な作業… と思って しまう。サッサと片づけて しまいたい。
⑦ 技 術や作業の体系を、本気で考えねばならぬ程、時間を要する仕事でない。
③ 辛 抱強 く働いて くれる父母や奥さん、あるいは遊び盛 りの子供の仕事になっていることが多い。
⑨ 技 術の失敗で、一遍 にとんでもない損害を滅多に受けない。直接的な損失に見えずらい。
一一―等 々。いろいろあげられるが、中でも最大級の理由は①
…。
と⑥ と⑨のように思われるが・
“
"理
(7)酪 農経営の収入構造を 本気で
解 しよ う一分 っているようで分 っていない一
魔 辟藝〒
ず◎
右図に酪農収 入のほ とん どの可能性 を示
しま した。 酪農 には 多種 多様 な価値 を生み
出す物 (資産)が あ ります。 そ こか ら得 ら
総合 で利潤 を得 る産業 であ る ことが よ く分
ります。
効鮎
QttE)一
酪農業経営の核心 は、当然 「
搾乳牛」 か
ら乳 を生産 し販売 す る所 にあ ります。 「育成牛」
しか し、現実的 には、 この育成牛の 「出来方」
如何 が収 入 に大 きな影響 を与 える分野 にな って い
ます。 今後 一 層、それは増加の一 途 とな ります。
生子Lと個体 に関 し、 図 の右側 に、収入 を規 制 す
る要因 を記 しま した。 た くさんあ ります。 各 々の
項 目す べ て に奥 深 い経 営 力 と技術 力が係 わ りま
す。
な
ど
物
蓼ポ疱瘍:lilli
回 回隕
は、 そ こか ら付随的 に生 じる資産です。
冬
\
例 えば、以下の ような ことです。
搾予L牛の繁殖技術 が 向上 す る と、年間産仔数 が
増 える。増 えた牡 続 は ヌ レ仔販売や肉用仕 向けを
増やす。 一 方、多 く生 まれた牝続は、育成牛数 を
増や し、 つい には年 間の初産 次牛 を増 やす。 それ
-5-
価 数 準 準 期 日件
豊 かな経営の弾力性 と、部 分 ではな く、
相販 発能 出誕取
ます。舌 を巻 いて しま い ます。
峰
棘戯
騨
詢詠
生
れ る収入の種類は とんで もな く多岐 に渡 り
標 準 単 価
搾 乳 牛 数
個体 の 産 乳 量
乳 成 分 率
ペナル テ ィ
プ レ ミア ム
生 産 調整 絡 み
モ 恥
丸枠 内 が収 入。 2重 丸が主た る収 入。
備考
角枠 内は収 入 を生みだす資産 。
角 と丸の ダブ リは資産処分時の収入。
が更に、搾乳牛 の 更新率 を高めた り、多頭化仕 向け数 を増や す。 また 、更新 や多頭化 が それ程必要で
なけ れば、初妊牛な どを数 多 く販売 で きる。一 方、更新率が高 まる と、搾乳牛の淘汰率 が高 ま り牛群
の性 能 ア ップを進 める。 その結果、更 なる産 乳や繁殖の向上 を誘導 す る。 それが再 び産仔数 を増 や し
… とい う風に、技術は影響 を輪廻 させ、収入を変化 させ るのです。
一 度、この ような好 循環 パ ター ンを得 る と、そ こには 自動的に収益増 を見込 める形 がで き上 ります
。
ここに更 に 「育成技術の向上 」 とい う大 きな歯 車 が加わ る と、 よ り豊穣 な輪廻 を生み出 します。
(3)そ こで 、育成牛 の資産価値 を十分 に理解 しょう一 そ こか ら経営 のバ ラエ テ ィが生 じる一
自家用 と販売 用の 2方 向の資産価値 を、育成牛 は持 っています。
自家用 としての価値は、当然、親 にな った時 に高 い経営貢献牛 になる こ とです。
少 しで も好条件 (6つ の)で 初産牛 に育 てれば 、後は半 自動的 に、搾乳牛 か らよ り多 い利得 が生 じ
て きます。例 えば …
同 じ月令な ら、 少 しで も骨格的 に大 きな体で初産分娩 すれば、難 しい初産牛の管理 が容易にな りま
す。 それは飼料給与での気むずか しい特別扱 い を減 ら し、 かつ飼料効率 も高めます。 一 方、その こ と
が、初産 牛 の産乳量や成分率 を上昇 し、牛群全体の水準向上 も招 きます。更 に、 負担 の少な い栄養管
理 は、体調 を よ くし、上 乗 せ的 に産子L性を高めます。繁殖性の向上 や淘汰牛 の減少 に もつ なが ります。
また、大 きな体格で分娩す ることは安産性の向上 に もつ なが り、上 の成 果 に更 に上 乗 せされ るのです。
同 じこ とが他の技術要因につい て も言 えます。
いずれにせ よ、 この ような良性の変化過程 を長期的な視点で発想 し技術化す ることが肝要 です。
販売用 (商品)と しての資産価値 は、 自家用 としての育成牛の立場 が成就 されなければ、陽の 目を
見 れません。要 す るに 「
搾ジL牛管理 の向上 に並 行 して、育成牛管理 も向上」 しなければ、販売 どころ
の話ではな いわけです。 ここの所の深 い意味を よ く反郷 して考慮 してみて下 さい。
① ど のようにで も処せ、いつで も売却できる自由な商品である。
資産 と しての育成 牛 の 特 徴
② 次 々と誕生成育 し、い ろんな段階の商品 として存在 してい る。
③ 購 買や販売が自由なので、育成牛保有バ ランスの調節 ・分散 ・
を左 に説 明 しま した。
集中を思うようにできる。全 く育成牛を持たない方法から、購入 し
この ような 資産 価値 の 分析 を
てでも余分 に持 つ方法まで幅広 く経営的な応用 が効 く。
通 して、変 えて み ませんか 。
④ 相 場型で値動 きする。時代の流れや季節的な需給関係な どを嗅
膨 大 な利益 と楽 しみ なが ら
やれ る作業 や経 営 ―― それ が
ぎ分け、自己の取引能力を存分に発揮できる。
育成 牛 を見 るあ なたの 目を
スタンチ ョン数以上に経産牛を多 く飼 う技術や、本州が割 り高牛
育 成 牛 を飼 う技 術 の 向上 と、
で も高価格購入する時期、分娩時期や伴 う飼養技術の水準による産
ジL量の違 い…な どを育成牛の保有数に反映できる`
その保有 の 仕方 と、 その利 用
⑤ 経 営内にある作業に貢献で きる人や雇用人の作業性向上、余剰
ので す。
飼料 (あるいは割安購入)や ゆ とりのある建物施設 (あるいは割安
建設)の 利用度向上 ―な どに育成牛 を利用する。
-6-
タイ ミン グに よって生 まれ る
サ ア !育 成 技 術 を高 め よ
う。
一
ける
新
時代にお
新共
存縣観る
2.都 府県酪農 と乳牛移 出の在 り方―酪農
(!)完 全 に変 りつつ ある府県の酪農 ― それは正に構造的 なものである一
ここ数年、特 に平成 3年 は、道 外酪農 に大 きな地殻変動が起 きて い る。 そ して、その余 波は津波 と
なって北海道、特 に専業 酪農地帯 を揺 り動 か して い る。 ともか く、飲用の普通 牛子L生産 が頭打ちあ る
いは減少気配の兆候 だ。需要増 との パ ランスをほぼ完全 に失 な っている。 そのあお りな どで、飲用ジL
の道外移 出が急増傾 向を辿 って きた。 (しか しそれは全体の 10%程 度であ り、か つ、輸送事情 や鮮 度
あ るい は輸送 コ ス トな どの 問題 が あ り、継続的な伸 びには懸念 を予想す る人 もい る。)更 にそのあお
りで加工 原料乳 までが不足状態 にな らた。 それ らがめ ぐりめ ぐって乳 製品 の輸 入や加工 乳 (還元子L―
脱粉等を調合 して つ くる飲用 乳)の 増 加 を招 いてい る。折角の飲用乳の需要増 に対応 し、 フ レ ッシ ュ
牛乳 を提供 し、酪農振興 を得 るチ ャン ス なのだが 一諸般 の事情 がそれに水 を差 して い るようだ。
この情況 は、次ベ ー ジ関連 図の都府県酪農の事情 か ら くる構造的 (当分変 らない)な 事態 であ る。
その波紋 は個体販売価格、特 に初妊 牛価格 の大幅低下 にまで及んでいる:も っ とも、,その初動原因は
“ "下
牛 肉 自由化絡 みの老廃牛価格 超
落 に端 を発 して いる。 しか し、本 当の大 きな理 由は、図に表現
されて い るような深 く広 い、酪農継続意志 を萎 えさせ る構造的な事情であ る。
何故、 この ような こ とにな った のかも微力な が ら関連 図 として次 ベ ー ジに分析 を試み ま した。原因
追求の参考 に して下 さい。 そ して 、 これ らの事情 を都府県酪農 との協調的あ るい は ライバル的な関係
"の
“
の中で、北海道 は、道東 は、根室 は 、農協 は、個人は … どう転回 させれば 良 い
か、熟慮検討 し
て下 さい。相手 (消費者 と都府県生産者 と道 内他地域 生産者 )の 構造的な変化 に対 しては、 自 らもそ
れを積極的 に先取 り改変 して、新構 造的 に対処 せねばな りません。
特 に、初妊牛販売 を中核 とした育成牛の、都府県 との関係は、共存 または競 存 を踏 まえて、生乳 の
本州送 りと並び、戦略的 に重要 な意味 を持 ってい ます。
乳価 に多 くを期 待 で きな い現在、それで も経営展開 を上 向 きさせ るために、 この育成牛の持 ち方、
育 て方、利用 の し方、そ して売 り方 が大 きな鍵 とな ります。次頁の図 と本 書全体 の技術 を、その検討
材料 に して、多様で期待 しうる方向を見出 して下 さい。
轍鰤
0
一
月 1
数炉
日︱
︲[覆
艦勤
戸当り 対前年比%
頭数
146
870
60
97 3
102 7
東 Jヒ
121
218
18
93.8
1010
13
37
28
93.6
100.5
136
390
29
93 2
97 7
98.0
Jヒ陸
関東東山
鐸卵
九
一
6
東 海
30
39
94.0
近 畿
31
80
26
92.9
97 4
中 国
37
96
26
92.9
99 1
四 国
23
53
23
92 0
96.7
九 州
59
197
33
94 6
99.9
2
9
,
94.7
104.7
沖
縄
H7
5 ︵
戸 数︶ 0
北海道
(3)戸 数 と頭数 の 推移 (全国)
□
頭数 囲 戸数 ―一
⑩酢
(2)飼 養戸数 と頭数 (3年 2月 )
(1)生 乳 の 道 外 移 出状 況
鶉
勘
(a 参 考資料
13)何 故、初妊 牛価格 (生乳生産量 ― 都府県)が 低位安定 して い るのか ―
原因相関図 ―
糞 尿 処 理 「1 題
粗飼 料確 保 の 不安
フ リース トール化
技 術 の 不安
出荷 不 能牛
亭L房炎
淘汰牛
←
係留 方式飼 養 に
よ る多 頭 化限 界
と技術 的 不安
″
冒
婁
増
│],議
│
楽項 目
じ
%
□
いノ
多頭イ
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J
塩》
ノ
道 内酪農 家 の
多頭 化 限 界
( スタンチ ョン)
( 4 ) 春 分娩 予 定 の 初妊牛 が 、 比較 上 、有 利 な価 格展 開 をす るで あ ろ う理 由
: 都府県の事情〕
〔
北海道( 特に根室地域の) 事情〕
、 加
レ
量
乳 増
/産の\
t`
んな
い
つ
ヾ負
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放増
分娩 は 暑熱 対
-8-
←
曜
醐
御
夏牛
春娩
い分
多
で
(5)府 県 の皆 さんにお聞 き しま した。
都府県 の酪農 と北海道 の酪農 との間 には、以前 か ら乳 牛 の導 入 と供給 とい う立場での共 存関係 があ
ります。当地域 の酪農 の将来 を展望す る とき、都府県の方 々に 『
期待 され るジL牛』を供給 す ることは、
相手 に利益 の足がか りを提供 しなが ら、私達 自身 も安定的な利潤 を手 にす るために、極だ って大切な
経営分野 です。
_
この ような意味合 いか ら、府県の酪農家 と農業団体職 員 を対象に、府県酪農の動 向 ・期待 され る乳
牛 ・導 入基準等 についてアンケー ト調査 を実施 しま した。個体販売 に関す る今後 の参考 になれば と思
い紹介 させて いただ きます。御協 力をい ただ いた 多 くの 方 々に心か ら感謝 申 し上げ ます。 あ りが とう
ござい ま した。
① 酪 農家 を対象に した調 査
:
回答を よせ られたのは75点で 、 この方 々の経営規模 ・地域別戸数は次の とお りです。
飼料 畑 規模 別 戸数
地域 別 戸数
経産 牛規模 別戸数
1 . O h a 以下
15
1 0 頭 以下
1.1-3.0
22
11- 20
14
3.1-5.0
13
21^V 30
17
5 . 1 ヘン1 0 . 0
6
31^V 40
19
V20.0
10.1ハ
13
Ψ 50
41´
9
4
51-100
12
1 0 1 以上
3
2 0 . 1 以上
△
計
73
地
1
廣υ
″‘
△
ロ
戸数
分
区
計
域
北 陸 東 海 畿 国 国 州 縄
戸数
東 北 関 東 近 中 四 九 沖
分
区
戸数
21
0
8
10
11
2
12
11
0
Oha
最大値 : 150ha
最小値 :
4頭
最大値 :
300頭
△
口
計
晨υ
″‘
最小値 :
経産牛飼養頭数は
経営規模 は広 範囲 に分散 して い ますが、1戸 当 た り平均の飼料畑面積 は約 10hcL・
44頭 (100頭以上の 3戸 を除 いた場合 37頭 )で 、初産牛率 は27%で した。
問 i 現 在飼養 している経産牛 は どのよ うに して確 保 しま したか
保有経産牛 の導 入先 割合
自
家
生
産
61%以上
地 区 内 の 市 場
4 1 ∼6 0
北 海 道 か ら導 入
2 1 ∼4 0
他 府 県 か ら導 入
2 0 以下
設間に対 し7 2 点の回答 があ り、 このうち北海道か ら乳牛を導入 した戸数は5 3 戸で、頭数では6 0 3 頭
で1 9 % で した。
-9-
問 2 将 来、経産牛は どのよ うに して確保す る方針ですか
将来 の 確保先割 合
北海道から導入を予定 している農場 における経産牛に占める階層分布
51%以 上 41∼ 50 31∼ 40 21∼ 30 H∼ 20 10以 下
自
家
生
産
北 海 道 か ら導 入
他 府 県 か ら導 入
そ
の
7 4 戸の回答があ り、その平均割合は自家生産が最 も多 く8 2 % で 、
他
次に北海道か ら導入が1 5 % ( 4 5 戸 ) で あ りました。その内全頭数
北海道から導入 したいと回答 したのが 3 戸 あ りま した。
問 3 こ の 1 年 間 、生 まれ た 雌子牛 は どの よ う
問 4 北 海道 か らの導入経路 について
に しま したか
66戸の 回答。農協 を経路 として導 入 したのが
7 4 戸の 回答 が あ り、 自家 育成 が 3 分 の 2 で
6 6 % を 占 め 、売却 ・地 域 の 育成施設 に預託 の
半数 あ り、 家畜商 ・自分で入手の順 にな って
い ます。 その他 には経済連 ・親戚等があ りま
順 にな って い ます 。
す。
北海道に預託18頭 1%
そのL149頭3%
地域 に預託
売 却
選 択点数
合計 頭 数
319頭
87点
1,467頭
22%
問 5 こ の i 年 間何頭 の乳牛 を導入 しま したか、また今後 の 見通 しにつ いて
過去 1 年 間北海道 か らの導入の実績
平均 値
経産 牛
11
45
1
10
4
初妊 牛
42
236
1
45
6
育成 牛
5
11
1
3
2
47
04
nフ
, “
合 計
注 導 入戸数 の 合計 は実 戸数
-10,
区 分
わ か ら な
最大値
減 少 す る
最 小値
内容別割合
変 わ ら な
左 の 内訳 (頭)
頭数
増 加 す る
戸数
海道 か らの導 入 見通 し( 現在 との比較 )
集計点数
区 分
北
い
△
計
経産 牛
50
16% 34
24
26
100
初妊 牛
64
28
27
25
20
100
育成 牛
47
26
26
19
30
100
導 入 したデL 牛は初妊牛が大部 分 を しめ、今後 の 見通 しについては大 き く変わ らな い とされてい ます
。
経産牛 については 『減少す る』 が 『
増加す る』 よりやや 多 くの回 答 が寄 せ られたのに対 し初妊牛 ・育
成牛は 『
増加 する』の回答が多 く寄せられま した9『子L搾りに専念 したい』 という傾向があ らわれて
います。
問 6 い つごろ分娩する乳牛を導入 したいですか。
`
希望す る分娩時期は 2月 ∼ 5
月に集中 し、 この こ とは府県の
夏季の暑熱 とのかか わ りが深 い
回
ようです。
答
今回の調査農家 は大型経営が
点
多か ったので、春分 娩牛 に対す
数
る希望は低めに出て る と思わ れ
ます。 もし繁殖技術 が よ り低 い
で あろ う中小酪農 家 が調 査対象
に多か った ら、 よ り高 い希望が
導 入 牛の分娩希望時期 (複数回答)
あ る と思われる。
ここに、個体販売取 引の妙味
が あ る。 胎 児 の 種 類 (ホル 、
Fl、 和牛)ま で も含めて …。
問 7.購 入 の判断基準はなんですか
37
△
口
の
計
7
10
6 4 戸の 回答 があ り重 複選択 の 回答 を求めた と
ころ親の乳検成績 が最 も重要視 され、次 いで
資質 ・体型 ・血統書 ・発育状態 の順 になって
い ます。
つ0
35
そ
他
晨υ
25
斡 旋 す る 人
型
選択 点数
生 産 農 家
体
書
分
発 育 状 態
質
統
親 の 乳 検 成 績
資
血
区
132
な お購入す るにあた り次の意見が附 されてあ りま した。
*親 の乳検成績 を付けてほ しい
*性 質温順 で 飼 い やす い牛
*体 型 よ りも資質の良 い牛
*初 産分娩の月齢 を25ヵ月に してほ しい
*導 入後、子L房炎等の事故 の保証 を検討願 い た い
― H―
価値判断の明確化。 このことが、信頼度の高
い取引を保証 します。
② 酪 農関係機関の職員を対象に した調査
アンケー トは全国各地 の農協職員 ・家畜商等30名の方 々に依頼 し25点回答が寄せられ、回収率は83
%で した。 この方 々の職業、地域別人数は次の とお りです。
そ の
他
1
25
1
計
3
△
ロ
0
計
3
△
ロ
3
1
3
商
5
家 畜
人数
0
23
域
7
農業団体職 員
地
北 陸 東 海 畿 国 国 州 縄
人数
東 北 関 東 近 中 四 九 沖
分
区
αυ
O乙
∼ あなたの地域 (市町村)の 酪農 についてお 聞 き します。 ∼
問 1 酪 農家戸数 。茅L牛飼養頭数 の今後
問 2 酪 農家戸数 の減少 の程度
について ( 5 年 後)
の見通 しについて (5年 後)
5%以 内
6 ∼1 0
0点
10点
11∼ 15
5点
16^V20
7点
回答点数 : 2 5 点
1以上
2点
回答点数 : 2 5 点
酪農家 戸数は減少す る と回答 したのが大部分 で、変わ らな い とす るのが 1 点 で したが頭数 につ い て
は、 一 方的な減少 にはな らず、規模拡大 を予測 して い ます。
また酪農家戸数の減少程度 については 、 6 ∼ 1 0 % 程 度 とす るのが最 も多 か った ものの、 1 6 γ2 0 % の
高率 を予測 して い る回答が次に多 か った。
-12-
問 3 現 在飼養 している経産牛をどのよ うにして確保 しましたか、おおよその割合を記入 して くださ
tヽ
。
2 4 点の 回答 があ り内容は次の通 りです。
範 囲別分布 点数
回 答
1
N O
回答者の所属府県
2
3
4
5
6
7
8
9
10
確 保 先
青 岩 岩 岩
岩 福
森 手
手 手
手
島 城
木 馬
98
70
90
95
40
98
65
40
0
50 100
地 区 内 で 確 保 95
茨 栃
群
11
12
13
千 千 静 愛 三
14
京
15
16
大 兵
17
18
19
20
鳥 岡 広 佐
21
熊
22
23
大 沖
24
平均
岡 知
重 都
山
島 賀 本
分 縄
80
90
50
30
5
3
50
85
75
65
70
98
80
60
63 8
20
10
50
70
80
97
20
15
25
30
7
2
15
40
316
葉 葉
阪 庫 取
北海道か ら導入
5
1
20
10
5
50
1
35
道以外か ら導 入
0
1
10
0
0
10
1
o
10
0
o
o
O
o
15
0
0
0
0
5
0
0
5
0
20
そ
0
0
10
0
0
0
0
o
o
0
0
o
O
o
O
o
30
0
o
0
23
0
0
0
26
の
他
問 4 今 後、次 の経産牛 の確保方法 の予測に ついて ( ) 内は回答点数
② 地 区内の市場 (21点)
① 自 家生産 の動向予測 (24点)
わからない
③ 北 海道から導入予沢1(25点)
④ そ の他からの予測 (22点)
わか らない
自家生産 と北 海道 か ら導 入 に つ い ては 『増 加 す る』 と予 測す る回 答 が 多 くよせ られ ま した。
-13-
問 5 北 海道から導入の理由について
区
選択点数
分
北海道 か ら乳 牛 を導入の理 由は分娩時期 を選択 出来 る とされ
自家 生 産 困 難
7
資 質 が 良 い
足 ・腰 が 強 い
10
ているのが16点あ り半数以上の酪農関係職 員が これ を認 めて い
ます。当管内は乳牛が多 く府県 の酪農家各 自が 自己の経営 ・飼
10
養 条件 に適 した 分娩時期 の デL牛の選 択 が 出来 る とされて い ま
分娩 時期 の選 択
16
す。
購 入 しや す い
5
他
1
そ
の
△
ロ
計
次に、資質 が 良 い、足 ・腰 が強 い との回答 が あ り乳 牛個体 の
品質が認め られて い ます。
49
(回答点数25点 複 数 回答 )
北海道から導入 した乳牛のうち根室管内から導入 した割合は3 2 % で した。なおいままでに導入 した
デL 牛について次のような トラブル も寄せ られています。
* み かけはょ いのに、『あた り、はずれ』が多い
* 分 娩予定 日があわなかった ( 種付証明書の くいちがい)
│
*『 故障牛』であることを知 らされずに買わされた
*乳 成分にバラツキが多い
問 6 今 後、どのような乳牛を期待 していますか
資 質 の 良 い 牛
18
体 型 の 良 い 牛
足 ・腰 が 強 い 牛
0
12
親牛 の産 乳実績 と血統
13
適 当 な 分 娩 時 期
7
他
2
の
『か っこう』の 良 い外観 には関心 がな く内面的 ( 資
選 択 点数
分
区
質 の良 い牛) に 充実 して い る個体が要求 されて い
ます。
以上 、アンケー ー
ト│の結果 !│つヤー
) `紹 介 させて いただ きま した。府県 とい って も広範囲に亘 ってお り、
しか も少な い点数で したので、的確 な動 向の把握 にな って い な い点 もあろうか と思 い ますが、そ れぞ
れの意味す る ところを理解の うえ、参考 に して いただければ幸 い です。
-14-