第4章 IT 人材需給推計に関する詳細モデルの構築・試算

第4章 IT 人材需給推計に関する詳細モデルの構築・試算
1. 調査の概要
(1) 目的
本調査では、前章のマクロモデルによる IT 人材需給の試算結果を踏まえて中長期的な
動向を展望した上で、今後の IT 関連産業においてきわめて重要性を増すと考えられる
IT 人材に着目し、より詳細な区分による推計(詳細推計)を実施した。本章には、IT 人
材需給推計に関する詳細モデルの構築・試算の結果として、この詳細推計の結果を示す。
詳細推計においては、今後の産業界の IT 利活用や IT 産業の成長を牽引する上で非常
に重要な役割を担うと考えられる人材を対象とする推計を実施した。具体的には、今後
の産業界での変化に伴い需要の増加が見込まれる IoT 関連の人材のほか、ビッグデータ
等のデータ活用を担う人材、その他、企業にとって不可欠な存在となりつつある情報セ
キュリティ人材等が、今後どのくらいの規模で必要になるのかといった点についても、
具体的に明らかにすることを試みた。
本章で示したとおり、IT 人材の需給動向をより詳細に明らかにすることによって、今
後の施策において特に重点的に確保・育成を促進すべき IT 人材の種類や規模が明らかに
なり、より効果的な施策を実施することが可能になると考えられる。また、このような
観点を含む詳細推計の結果は、今後の IT 人材育成の際の有益な指標にもなり得ると期待
される。
(2) 実施内容
本章における詳細推計は、以下の2種類の人材を対象として実施した。
表 4-1
詳細推計の対象人材
対象
説明
先端 IT 人材
近年重要性が高まっているビッグデータ、IoT、人工知能等、
先端的な IT 技術を担う人材(※ユーザー企業側における「攻
めの IT 投資」を担う人材を含む)
情報セキュリティ人材
企業における情報セキュリティ対策や情報セキュリティに関
する専門製品・サービスの提供を担う人材
表 4-1 のうち、
「先端 IT 人材」に関する調査結果は次節に、
「情報セキュリティ人材」
に関する調査結果及び推計結果については、次々節に示す。また、最終節には、それら
の調査結果を踏まえた、詳細推計の結果を示す。
84
2. 先端 IT 人材(「攻めの IT 投資」を担う人材を含む)
先端 IT 人材に関する調査においては、詳細推計に利用する基礎的なデータの収集と今
後重要となる IT 人材の動向及び課題の把握を目的として、ビッグデータや IoT 等の先端
IT 技術を担う IT 人材のほか、ユーザー企業側の攻めの IT 投資を担う人材に関するアン
ケート調査を実施した。本節には、その結果を示す。
2.1
調査方法
(1) 調査方法・対象・期間
アンケート調査は、表 4-2 のような WEB モニタ(計 4,300 名)を対象に、2016 年 3
月上旬に実施した。回答者の属性は、次頁に示す。
表 4-2
調査方法・対象・期間
調査方法
WEB アンケート
調査対象
・ IT ベンダーの人材(1,000 名)
・ ユーザー企業の情報システム部門の人材(1,000 名)
・ ユーザー企業の現場事業部門の人材
(ユーザー企業の情報システム部門以外の部門で
IT 関連業務に携わっている人材)(2,000 名)
・ WEB 企業の人材(300 名)
調査期間
2016 年 3 月上旬
(2) 調査内容
本調査では、表 4-3 のとおり、先端 IT 技術に対応する人材や攻めの IT 投資を担う人
材に関する状況や課題を尋ね、詳細推計に利用する基礎的なデータを収集した。また、
人材動向の前提として現在の事業環境や将来動向に対する認識についても尋ねた。
表 4-3
調査内容
調査項目
掲載頁
1.
現在の事業環境に対する認識
p. 88
2.
先端 IT 技術に対する認識と取り組みの動向
(外国籍 IT 人材に関する動向を含む)
p.97
3.
攻めの IT 投資に関する動向(ユーザー企業編)
(IT ベンダー編)
p.130
p.149
85
2.2
調査結果
(1) 回答者属性
本アンケートの回答者の属性を以下に示す。
①
基本属性
回答者の所属企業の従業員規模は、図 4-1 のとおりである。今回の調査では、回答者
の従業員規模に大きな偏りがないよう配慮の上、調査を実施した。ユーザー企業の情報
システム部門については、従業員数 1,000 名以上の大企業に所属する回答者の割合がや
や高くなっている。
0%
ITベンダーの人材 (n=1,000)
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
25%
20.0%
8.6%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
図 4-1
20.0%
15.8%
20.0%
25.0%
75%
20.0%
22.5%
20.0%
WEB企業の人材 (n=300)
50%
20.0%
21.6%
20.0%
31.5%
20.0%
20.0%
100%
20.0%
14.7%
20.0%
15.0%
30名未満
30名以上100名未満
300名以上1,000名未満
1,000名以上
25.3%
100名以上300名未満
回答者所属企業の従業員規模
回答者の年代分布は、図 4-2 のとおりである。
0%
25%
ITベンダーの人材 (n=1,000)
3.3%
28.6%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
4.8%
25.6%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
4.6%
WEB企業の人材 (n=300)
図 4-2
29.8%
32.0%
40.2%
37.0%
100%
27.1%
39.8%
23.3%
10.3%
75%
41.0%
20代
②
50%
12.7%
40.0%
30代
40代
50代
回答者年代
IT ベンダー/WEB 企業の回答者の業種・職種
IT ベンダー及び WEB 企業の回答者の所属企業の業種は、図 4-3 のとおりである。IT
ベンダーについては、受託開発・システムインテグレーション(SI)を手掛ける企業に
所属する回答者が半数程度を占めている。
86
また、IT ベンダー及び WEB 企業の回答者の職種は、図 4-4 のとおりである。
0%
受託開発・システムインテグレーション(SI)
パッケージソフトウェア開発・販売
コンサルティング
システム運⽤・保守
25%
0.0%
2.0%
0.0%
11.6%
0.0%
情報セキュリティ関連サービス
1.1%
0.0%
6.3%
0.0%
9.8%
情報処理サービス
0.0%
IT教育サービス
0.6%
0.0%
上記以外のIT関連サービス:
0.3%
0.0%
インターネット接続サービス提供
0.0%
ショッピングサイト/オークションサイト運営
0.0%
WEB情報検索サービス提供
WEBコンテンツ配信(ゲーム)
WEBコンテンツ配信(ゲーム以外)
その他のインターネット関連サービス
上記以外
100%
15.3%
1.6%
0.0%
電子掲示板・ブログサービス・SNS運営
75%
51.4%
0.0%
クラウド・ASP関連サービス
通信・通信関連サービス
50%
35.3%
11.0%
0.0%
1.7%
0.0%
10.0%
0.0%
6.0%
0.0%
28.7%
0.0%
7.3%
0.0%
0.0%
ITベンダーの人材 (n=1,000)
WEB企業の人材 (n=300)
図 4-3
0%
ITコンサルタント
25%
IT ベンダー及び WEB 企業の業種
50%
75%
4.5%
ITプロジェクトマネージャ
100%
0%
プロデューサー/ディレクター(管理・統括系)
⾼度SE・ITエンジニア(基盤設計担当・ITアーキテクト)
SE・プログラマ(組込みソフトウェアの開発・実装)
IT技術スペシャリスト
(特定技術(DB・NW・セキュリティ等)に関する専門家)
IT運⽤・管理(顧客向け情報システムの運⽤)
IT保守(顧客向け情報システムの保守・サポート)
IT教育(IT教育に関する講師・インストラクタ等)
18.0%
9.0%
エンジニア/プログラマ(技術系)
6.2%
38.4%
デザイナー(美術・デザイン系)
5.8%
22.0%
6.0%
営業・マーケティング(営業系)
25.3%
0.0%
顧客サポート・ヘルプデスク
12.0%
3.5%
その他
9.3%
7.7%
7.3%
WEB企業の人材 (n=300)
1.5%
上記に関する業務の営業・マーケティング
上のいずれにも当てはまらない
75%
0.0%
SE・プログラマ(顧客向け情報システムの開発・実装)
SE・プログラマ(パッケージ製品ソフトウェアの開発・販売)
50%
11.8%
コンテンツクリエイタ(企画系)
ハードウェア系エンジニア(回路設計等)
25%
11.7%
0.0%
ITベンダーの人材 (n=1,000)
図 4-4
IT ベンダー及び WEB 企業の回答者の職種
87
100%
③
ユーザー企業の回答者の職種
ユーザー企業の回答者の所属企業の業種及び回答者の職種は、図 4-5 のとおりである。
0%
経営企画部門
総務・経理・人事関連部門
25%
50%
75%
0%
100%
25%
社内向け情報システムの戦略策定・企画
0.0%
営業・販売・マーケティング関連部門
製造・生産・製品開発関連部門
調達・購買関連部門
研究部門
その他管理系部門(間接部門)
その他事業系部門(直接部門)
75%
100%
26.7%
15.5%
社内向け情報システムの設計や開発
0.0%
12.2%
24.2%
社内向け情報システムの運⽤や保守
社内情報システム・IT管理部門
50%
25.9%
100.0%
0.0%
社内向け情報システムのユーザーサポート
0.0%
14.9%
ソフトウェア・ハードウェア等のIT資産管理担当者
21.9%
19.3%
としての管理業務
0.0%
情報セキュリティ担当者としての管理業務
13.7%
22.9%
データ解析・シミュレーション関連業務
0.0%
19.0%
2.5%
ITを活⽤した業務改革・改善
0.0%
8.2%
32.9%
ITを活⽤した新規事業の企画・⽴ち上げ
14.1%
0.0%
5.4%
製品に搭載される組込みソフトウェアの設計・開発
0.0%
8.9%
0.0%
IT・情報通信技術に関する研究開発
3.8%
その他
2.8%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
特に当てはまるものはない
0.0%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
図 4-5
ユーザー企業の業種/回答者の職種
(2) 現在の事業環境に対する認識
①
売上の増減傾向/事業拡大志向
今回の調査では、事業環境の認識を尋ねる前提として、まずは自社のビジネスの状況
(中期的な売上の増減傾向)を尋ねた。
0%
25%
ITベンダーの人材 (n=1,000)
4.4%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
5.1%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
7.1%
WEB企業の人材 (n=300)
11.7%
28.6%
50%
75%
14.2% 4.4%
48.4%
30.3%
46.8%
33.0%
34.7%
42.4%
39.0%
12.9% 4.9%
13.4% 4.3%
9.7% 5.0%
大幅に伸びている(+約2割以上)
やや伸びている(+約1〜2割程度)
それほど変わらない(±約1割以内)
やや減っている (-約1〜2割程度)
大幅に減っている(-約2割以上)
図 4-6
100%
直近5年間程度の売上の増減傾向(企業別比較)
88
図 4-6 を見ると、全体として最も回答が多いのは「それほど変わらない(±約 1 割以
上)」であり、
「やや伸びている(+約 1∼2 割程度)」が続いている。WEB 企業では、
「大
幅に伸びている(+約 2 割以上)」という回答が他の企業よりもやや多い。
0%
25%
ITベンダーの人材 (n=1,000)
6.4%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
5.5%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
8.0%
WEB企業の人材 (n=300)
50%
45.5%
75%
40.1%
39.7%
46.9%
46.4%
15.3%
5.1% 2.9%
5.6% 2.3%
40.3%
47.3%
100%
31.0%
3.8% 1.6%
4.3% 2.0%
大幅な拡大・成⻑志向(売上+約2割以上)
拡大・成⻑志向(売上+約1〜2割程度)
現状維持志向(売上±約1割以内)
縮小・撤退志向(売上-約1〜2割程度)
大幅な縮小・撤退志向(売上-約2割以上)
図 4-7
今後 3 年間の事業拡大志向(企業別比較)
図 4-7 の「今後の3年間(中期の)事業拡大志向」については、ユーザー企業の情報
システム部門以外では「拡大・成長志向(売上+約 1∼2 割程度)」が最も多い。事業拡
大志向についても、WEB 企業では「大幅な拡大・成長志向(売上+約 2 割以上)」とい
う回答が最も多い。
②
自社の「強み」に対する認識
自社が提供する製品・サービスの市場における自社の「強み」を尋ねたところ、図 4-8
のような結果となった。
全体として最も回答が多いのは「製品・サービスの品質・クオリティの高さ」となっ
ている。次いで、ユーザー企業の情報システム部門の人材及びユーザー企業の現場事業
部門の人材、WEB 企業の人材では「知名度・信頼感」が第2位となっているが、IT ベ
ンダーの人材では「顧客対応の柔軟さ」が続いている点が注目される。
また、
「同業他社にはないアイディア・独創性」に着目すると、この項目を「強み」と
して回答した割合は、IT ベンダーでは、WEB 企業の半数以下となっており、ユーザー
企業よりも割合が低い。さらに、
「製品・サービスの価格の安さ」に着目すると、この項
目を「強み」として回答した割合は、IT ベンダーが最も高くなっている。
これらの結果をあわせると、IT ベンダーは、独創性よりも、顧客対応の柔軟性や価格
の安さ等を「強み」とするビジネスを展開する傾向が強いといえる。
89
0%
25%
50%
製品・サービスの価格の安さ
17.2%
13.8%
13.9%
15.3%
製品・サービス提供のスピードの早さ
9.5%
15.3%
16.2%
14.7%
75%
100%
37.4%
38.7%
45.1%
33.7%
製品・サービスの品質・クオリティの⾼さ
同業他社にない⾼度な技術⼒
9.7%
19.5%
22.1%
21.9%
9.8%
12.4%
15.6%
24.0%
同業他社にないアイディア・独創性
19.3%
27.2%
23.2%
30.7%
知名度・信頼感
13.0%
10.6%
12.6%
14.0%
製品・サービスの多様性・幅広さ
18.1%
18.4%
20.3%
顧客対応の柔軟さ
36.3%
ITベンダーの人材 (n=1,000)
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
WEB企業の人材 (n=300)
図 4-8
③
自社の「強み」に対する認識(企業別比較)
自社を取り巻く競争環境と今後の変化に対する認識
ITベンダーの人材(n=1,000)
0%
以前と比べて企業間の競争が激しくなっている
企業間の競争は将来ますます激化する
25%
50%
近年、大幅な事業拡大や成⻑が難しくなっている
19.9%
16.8%
54.9%
25.4%
18.9%
100%
17.4%
56.1%
23.1%
自社の生き残りが難しくなっている
75%
22.4%
55.7%
19.6%
58.1%
3.4%
2.9%
3.0%
2.4%
近年、顧客の要求やニーズが⾼度化している
26.0%
54.3%
17.1%
2.6%
近年、市場の変化が非常に速い
27.3%
52.5%
17.4%
2.8%
市場で勝ち残るために強い危機意識を持つ必要がある
自社は市場で勝ち残るために危機意識を持っている
自社には市場で勝ち残るための危機意識が不⾜している
市場で勝ち残るために新製品・新サービスが必須である
35.1%
46.6%
ややそう思う
あまりそう思わない
90
2.9%
まったくそう思わない
自社を取り巻く競争環境と今後の変化に対する認識
(IT ベンダー)
4.6%
5.3%
17.7%
57.7%
21.7%
強くそう思う
図 4-9
28.3%
51.0%
16.1%
13.0%
13.1% 2.3%
53.8%
30.8%
ユーザー企業の現場事業部門の人材(n=2,000)
0%
25%
以前と比べて企業間の競争が激しくなっている
31.7%
企業間の競争は将来ますます激化する
33.1%
自社の生き残りが難しくなっている
23.5%
近年、大幅な事業拡大や成⻑が難しくなっている
24.9%
近年、顧客の要求やニーズが⾼度化している
29.4%
近年、市場の変化が非常に速い
29.0%
市場で勝ち残るために強い危機意識を持つ必要がある
自社は市場で勝ち残るために危機意識を持っている
自社には市場で勝ち残るための危機意識が不⾜している
市場で勝ち残るために新製品・新サービスが必須である
100%
14.0% 2.2%
13.2% 2.3%
51.6%
49.0%
24.3%
54.8%
18.1%
51.5%
20.1%
48.8%
50.0%
33.3%
53.9%
ややそう思う
2.3%
あまりそう思わない
2.2%
10.7% 1.6%
23.4%
44.7%
29.3%
3.3%
17.4% 1.9%
48.8%
22.7%
16.2%
75%
52.2%
39.0%
強くそう思う
図 4-10
50%
4.0%
5.9%
14.8% 2.0%
まったくそう思わない
自社を取り巻く競争環境と今後の変化に対する認識
(ユーザー企業の現場事業部門)
自社を取り巻く競争環境と今後の変化に対する認識を尋ねた結果を IT ベンダーとユ
ーザー企業の現場事業部門の人材の間で比較すると、図 4-9、図 4-10 のとおり、全体的
に IT ベンダーよりも、ユーザー企業の現場事業部門の人材のほうが、「強くそう思う」
という回答の割合が高い傾向があり、危機感をより強く持っているとみられる。
設問全体の中では、
「市場で勝ち残るために強い危機意識を持つ必要がある」という項
目について、「強くそう思う」という回答の割合が最も高くなっている。
図 4-9、図 4-10 の設問のうち、4つの項目について企業間で比較を行った結果を図
4-11 に示す。図 4-11 を見ると、危機意識を認識する必要性及び実際の危機意識の有無
については、ユーザー企業の現場事業部門において、最も「強くそう思う」という回答
の割合が高い。「強くそう思う」という回答に着目すると、IT ベンダーは最も回答割合
が低くなっている。
市場の変化の速さに対する認識は、WEB 企業において最も高い。また、新製品・新サ
ービスの必要性については、ユーザー企業の現場事業部門及び WEB 企業において「強
くそう思う」という回答が多くなっている。
91
⾃社は市場で勝ち残るために危機意識を持っている
市場で勝ち残るために強い危機意識を持つ必要がある
0%
25%
50%
ITベンダーの人材 (n=1,000)
30.8%
53.8%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
31.8%
51.0%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
39.0%
WEB企業の人材 (n=300)
ややそう思う
まったくそう思わない
ITベンダーの人材 (n=1,000)
25%
WEB企業の人材 (n=300)
④
48.8%
31.0%
強くそう思う
52.3%
ややそう思う
22.3%
あまりそう思わない
4.0%
3.3%
まったくそう思わない
あまりそう思わない
25%
50%
75%
100%
2.8%
21.7%
57.7%
17.7%
2.9%
19.1%
3.4%
22.2%
58.0%
16.5%
3.3%
20.1%
2.2%
29.3%
14.3% 2.3%
30.7%
17.4%
54.1%
29.0%
% 0%
100%
75%
52.5%
23.4%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
図 4-11
50%
27.3%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
5.6%
23.4%
市場で勝ち残るために新製品・新サービスが必須である
近年、市場の変化が非常に速い
% 0%
ややそう思う
4.6%
24.8%
55.7%
強くそう思う
100%
28.3%
50.0%
18.7%
13.3% 2.3%
75%
52.4%
22.7%
10.7% 1.6%
あまりそう思わない
50%
51.0%
17.2%
13.2% 4.0%
50.0%
25%
16.1%
13.1% 2.3%
48.8%
34.3%
強くそう思う
100% 0%
75%
強くそう思う
まったくそう思わない
53.9%
14.8% 2.0%
13.0% 2.7%
53.7%
ややそう思う
あまりそう思わない
まったくそう思わない
自社を取り巻く競争環境と今後の変化に対する認識(企業別比較)
IT が生み出す競争力に対する認識
IT の利活用や IT が生み出す競争力に対する認識は、企業によって異なる可能性があ
る。この点について尋ねた結果を IT ベンダーと WEB 企業との間で比較すると、図 4-12、
図 4-13 のとおり、全体的に IT ベンダーよりも、WEB 企業の人材のほうが「強くそう思
う」という回答の割合が高い傾向がみられ、IT が生み出す競争力をより強く認識してい
るといえる。
ITベンダーの人材(n=1,000)
0%
25%
50%
75%
100%
企業の競争⼒にITが大きな影響を与えるようになっている
25.0%
58.3%
14.0% 2.7%
自社の勝ち残りのために、ITを効果的に活⽤することが必須である
26.4%
55.0%
16.2% 2.4%
自社はITを効果的に活⽤している
13.5%
ITを活⽤する目的は「コスト削減や効率化」である
12.3%
ITを活⽤する目的は「製品やサービスの⾼度化や付加価値の向上」
である
19.1%
製品やサービスの付加価値を⾼めるためにはITが必須である
18.8%
サービスが生み出せる
ITの普及によって自社のビジネスチャンスは拡大している
ITの普及によって他社との競争が激化している
16.2%
20.6%
57.4%
55.9%
ややそう思う
あまりそう思わない
3.2%
3.7%
24.4%
3.5%
2.4%
まったくそう思わない
IT が生み出す競争力に対する認識(IT ベンダー)
92
3.5%
24.5%
18.5%
55.7%
23.4%
強くそう思う
図 4-12
24.0%
53.4%
57.5%
14.3%
4.6%
16.6% 2.9%
62.0%
18.5%
6.4%
25.6%
57.5%
新製品・新サービスを生み出すためにはITが必須である
ITを効果的に活⽤すれば、他社にない独創的・革新的な製品・
32.6%
47.5%
図 4-12、図 4-13 のうち、赤枠で囲んだ項目(「企業の競争力に IT が大きな影響を与
えるようになっている」、「自社は IT を効果的に活用している」、「IT の普及によって自
社のビジネスチャンスは拡大している」)については、IT ベンダーと WEB 企業の間で
10%を超える大きな差がみられる。
WEB系企業の人材 (n=300)
0%
25%
50%
75%
100%
企業の競争⼒にITが大きな影響を与えるようになっている
37.3%
46.7%
14.3% 1.7%
自社の勝ち残りのために、ITを効果的に活⽤することが必須である
36.0%
50.7%
11.3%2.0%
自社はITを効果的に活⽤している
ITを活⽤する目的は「コスト削減や効率化」である
3.3%
5.7%
15.3% 2.3%
58.7%
23.7%
である
28.0%
51.0%
15.3%
ITを活⽤する目的は「製品やサービスの⾼度化や付加価値の向上」
23.7%
46.7%
26.3%
新製品・新サービスを生み出すためにはITが必須である
28.0%
55.3%
14.7% 2.0%
製品やサービスの付加価値を⾼めるためにはITが必須である
27.0%
56.3%
14.3% 2.3%
ITを効果的に活⽤すれば、他社にない独創的・革新的な製品・
55.3%
23.7%
サービスが生み出せる
ITの普及によって自社のビジネスチャンスは拡大している
ややそう思う
25%
ITベンダーの人材 (n=1,000)
50%
あまりそう思わない
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
24.5%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
23.7%
WEB企業の人材 (n=300)
100% 0%
75%
まったくそう思わない
20.4%
強くそう思う
ややそう思う
あまりそう思わない
強くそう思う
⾃社はITを効果的に活用している
0%
25%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
11.6%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
10.7%
34.7%
39.4%
42.5%
強くそう思う
23.7%
46.7%
ややそう思う
100% 00%
75%
32.6%
46.7%
26.3%
17.0%
3.1%
19.9%
1.8%
54.1%
11.3% 2.0%
50.7%
ややそう思う
あまりそう思わない
まったくそう思わない
ITの普及によって⾃社のビジネスチャンスは拡大している
50%
47.5%
13.5%
100%
16.2% 2.4%
53.9%
36.0%
まったくそう思わない
75%
55.0%
24.5%
1.9%
14.3% 1.7%
46.7%
37.3%
50%
25.8%
16.3% 2.5%
56.7%
54.1%
25%
26.4%
14.0% 2.7%
58.3%
25.0%
図 4-14
14.3% 2.3%
⾃社の勝ち残りのために、ITを効果的に活用することが必須である
企業の競争⼒にITが大きな影響を与えるようになっている
WEB企業の人材 (n=300)
3.3%
IT が生み出す競争力に対する認識(WEB 企業)
0%
ITベンダーの人材 (n=1,000)
16.7%
51.3%
32.0%
強くそう思う
図 4-13
3.3%
50.3%
29.7%
ITの普及によって他社との競争が激化している
17.7%
あまりそう思わない
25%
6.4%
)
16.2%
7.0%
)
15.2%
7.5%
)
15.4%
3.3% )
まったくそう思わない
50%
強くそう思う
31.8%
48.7%
50.3%
ややそう思う
100%
27.0%
52.9%
29.7%
75%
24.4%
55.9%
あまりそう思わない
3.5%
4.9%
4.2%
16.7%
3.3%
まったくそう思わない
IT が生み出す競争力に対する認識(企業別比較)
続いて、図 4-12 中の4つの項目について企業間で比較を行った結果を図 4-14 に示す。
93
「企業の競争力に IT が大きな影響を与えるようになっている」、
「自社の勝ち残りのた
めに、IT を効果的に活用することが必須である」、
「自社は IT を効果的に活用している」、
「IT の普及によって自社のビジネスチャンスは拡大している」のいずれの項目において
も、WEB 企業では、
「強くそう思う」という回答が特に多くなっている。この結果から、
WEB 企業では、IT の効果的な利活用が自社の競争力やビジネスチャンスに直結してい
るという認識が強いことが伺える。
⑤
「コスト削減」と「付加価値向上」に対する認識
企業が収益を上げる際の方向性として、
「コスト削減」を重視するか、
「付加価値向上」
を重視するかは、戦略上の重要な選択である。こうした観点から、本調査では、
「コスト
削減」と「付加価値向上」との比較認識についても尋ねた。
図 4-15 には、コスト削減や価格の引き下げ(低価格志向)よりも、製品・サービス
の品質や内容の向上による付加価値の向上や製品・サービスの差別化を重視する考え方
を【A】、逆に、付加価値の向上や差別化よりも、コスト削減や低価格志向を重視する考
え方を【B】とし、【A】または【B】を選択する設問の結果を示す。
【A】今後市場で勝ち残るためには、「付加価値の向上」や「差別化」が重要である
【A】「付加価値の向上」や「差別化」のほうが実現しやすい
【B】今後市場で勝ち残るためには、「コスト削減」や「低価格志向」が重要である
0%
25%
50%
75%
【B】「コスト削減」や「低価格志向」のほうが実現しやすい
100%
0%
25%
50%
75%
100%
ITベンダーの人材 (n=1,000)
25.6%
57.0%
15.3% 2.1%
8.2%
43.7%
40.5%
7.6%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
25.5%
56.8%
14.7% 3.0%
7.9%
44.3%
39.5%
8.3%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
32.1%
WEB企業の人材 (n=300)
51.9%
34.7%
13.3% 2.7%
52.3%
10.7% 2.3%
11.6%
44.8%
37.6%
6.1%
12.7%
43.7%
37.7%
6.0%
強く【A】だと思う
どちらかと言えば【A】だと思う
強く【A】だと思う
どちらかと言えば【A】だと思う
どちらかと言えば【B】だと思う
強く【B】だと思う
どちらかと言えば【B】だと思う
強く【B】だと思う
【A】ITの強みは「付加価値の向上」や「差別化」である
【B】ITの強みは「コスト削減」や「低価格志向」である
0%
0
ITベンダーの人材 (n=1,000)
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
WEB企業の人材 (n=300)
図 4-15
25%
13.2%
50%
75%
58.1%
10.7%
52.3%
12.7%
31.4%
51.3%
18.7%
100%
25.7%
31.4%
56.0%
23.0%
強く【A】だと思う
どちらかと言えば【A】だと思う
どちらかと言えば【B】だと思う
強く【B】だと思う
3.0%
5.6%
4.7%
2.3%
「コスト削減」と「付加価値向上」に対する認識(企業別比較)
市場における勝ち残りのために重要な方向性としては、全体的に【A】
(付加価値の向
上や差別化)を選ぶ傾向が強いが、ユーザー企業の現場事業部門と WEB 企業により強
くその傾向がみられる。実現しやすさという点では【B】
(コスト削減や低価格志向)と
の回答も多くなるものの、IT の強みとしては、WEB 企業や IT ベンダーを中心に【A】
94
の回答のほうが多い。
ユーザー企業においても、IT の強みとして【A】がより多く回答されている点は大い
に注目される。
⑥ 優秀な人材の獲得に対する認識
企業が競争優位を確立する上で、人材はきわめて重要なリソースであり、優秀な人材
を獲得することは、企業にとっては、非常に重要な課題となっている。
こうした問題意識に基づき、優秀な人材の獲得について尋ねた結果を企業間で比較し
たところ、その結果は図 4-16 のとおりとなった。
「自社では、同業他社よりも優秀な人材を獲得している」という設問では、IT ベンダ
ーのみ「そう思う」という回答がやや低い水準となった。
「自社では、優秀な人材の獲得
が以前より難しくなっている」、「今後、優秀な人材の獲得は現在よりも難しくなる」の
2つの項目については、4つの企業間で、
「そう思う」という回答は同程度の水準となっ
ており、いずれの企業の回答者も、優秀な人材の獲得が困難になりつつあると感じてい
ることが読み取れる。
⾃社では、優秀な人材の獲得が以前より難しくなっている
⾃社では、同業他社よりも優秀な人材を獲得している
0%
25%
ITベンダーの人材 (n=1,000)
3.4%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
5.8%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
6.2%
32.5%
WEB企業の人材 (n=300)
6.3%
30.7%
28.0%
50%
47.1%
30.1%
強くそう思う
15.3%
45.8%
15.6%
47.3%
15.7%
あまりそう思わない
25%
22.4%
21.5%
48.8%
ややそう思う
100% 0%
75%
まったくそう思わない
49.0%
19.9%
51.6%
22.6%
52.0%
20.3%
強くそう思う
50%
53.0%
ややそう思う
あまりそう思わない
75%
100%
22.9%
5.7%
23.9%
4.6%
20.8%
4.7%
22.3%
4.3%
まったくそう思わない
今後、優秀な人材の獲得は現在よりも難しくなる
0%
ITベンダーの人材 (n=1,000)
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
WEB企業の人材 (n=300)
25%
25.7%
22.0%
27.1%
図 4-16
⑦
50.2%
21.4%
4.6%
22.6%
3.9%
18.7%
50.3%
ややそう思う
100% 0
75%
51.5%
25.3%
強くそう思う
50%
48.3%
20.0%
あまりそう思わない
4.2%
4.3%
まったくそう思わない
自社の人気と給与水準に対する認識(企業別比較)
自社の人気と給与水準に対する認識
優秀な人材を獲得する上での課題となるのが、企業に対する人気や給与水準である。
こうした観点から、自社の人気や給与水準について尋ねた結果を企業間で比較したとこ
ろ、その結果は図 4-17 のとおりとなった。
「自社の知名度」、「自社の就職人気」、「自社の給与水準」、「自社の初任給の水準」の
95
いずれについても、「強くそう思う」「そう思う」という回答は、ユーザー企業の情報シ
ステム部門、ユーザー企業の現場事業部門、WEB 企業で、ほぼ同じ水準となっているが、
IT ベンダーのみ、他の企業よりもやや低い水準となっている。この結果をみても、IT 企
業の人気や給与水準に対する回答者の問題意識の一端が伺える。
⾃社の就職人気は、世間一般よりも高い
⾃社の知名度は、世間一般よりも高い
0%
ITベンダーの人材 (n=1,000)
25%
6.4%
23.0%
10.0%
39.5%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
11.4%
36.2%
WEB企業の人材 (n=300)
12.3%
34.3%
35.5%
33.7%
あまりそう思わない
25%
7.0%
29.1%
7.4%
28.0%
8.3%
27.0%
19.7%
まったくそう思わない
強くそう思う
100% 0%
75%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
7.1%
33.3%
40.9%
18.7%
5.7%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
7.2%
32.5%
40.9%
19.5%
6.0%
WEB企業の人材 (n=300)
8.3%
31.3%
6.0%
図 4-17
⑧
43.8%
ややそう思う
75%
20.4%
43.5%
41.6%
23.1%
39.7%
ややそう思う
100%
34.1%
あまりそう思わない
25.0%
まったくそう思わない
⾃社の初任給の水準は、世間一般よりも高い
50%
3.4%
強くそう思う
50%
40.6%
15.0%
ITベンダーの人材 (n=1,000)
28.0%
25%
21.3%
16.0%
⾃社の給与水準は、世間一般よりも高い
0%
4.0%
30.6%
36.4%
ややそう思う
100% 0%
75%
40.0%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
強くそう思う
50%
24.8%
42.7%
あまりそう思わない
17.7%
まったくそう思わない
3.1%
25%
24.7%
50%
75%
49.5%
29.2%
100%
22.7%
47.2%
17.9%
30.6%
45.3%
18.2%
31.3%
45.0%
17.7%
強くそう思う
ややそう思う
あまりそう思わない
まったくそう思わない
自社の人気と給与水準に対する認識(企業別比較)
IT ベンダーの人材のビジネス環境認識
最後に、IT ベンダーに対して、IT 関連業界の今後の変化に対する考え方を尋ねた設問
の結果を示す。
ユーザー企業等と比較すると、市場競争に対する危機意識がやや弱いようにも見える
IT ベンダーであるが、IT 関連業界のビジネスについて具体的に尋ねると、非常に厳しい
認識を持っているといえる。例えば、図 4-18 の「2020 年以降も、IT 関連業界全体とし
て好況が続く」などの設問を見ても、
「そう思わない」
(「あまりそう思わない」+「まっ
たくそう思わない」)という回答が7割近くに上っている。
また、「今後、IT 関連市場は縮小する」という設問に対しては「そう思わない」とい
う回答が半数を超えているが、
「今後、受託情報システム開発業務は縮小する」に対して
は、「そう思う」(「強くそう思う」+「ややそう思う」)という回答が半数を超える結果
となっている。
さらに、「今後、IT ベンダー間の価格競争が激化する」、「今後、IT ベンダー間で受注
競争が激化する」、
「今後、突出した技術やサービスを持たない IT ベンダーは淘汰される」
等の設問においても、「そう思う」との回答が7割を超えている。
こうした結果を見ると、IT ベンダーに所属する人材は、今後の IT 関連業界の動向を、
96
きわめて厳しく捉えていると見ることができる。我が国全体の人口減少等により優秀な
人材の獲得がますます厳しさを増す中で、今後の IT ベンダーには、今後の競争力の源泉
となる先端 IT 技術の効果的な活用や、それを通じた新たなサービスの創出により、付加
価値の高いサービスを提供し、厳しい事業環境を勝ち抜いていくことが強く期待されて
いるといえる。
ITベンダーの人材 (n=1,000)
※調査対象は、ITベンダーの人材のみ
0%
25%
現在、自社のビジネスは好調である 2.1%
2020年頃までは、IT関連業界全体として好況が続く 4.7%
40.4%
2020年以降も、IT関連業界全体として好況が続く 2.3%
今後、ITベンダー間で受注競争が激化する
今後、突出した技術やサービスを持たないITベンダーは淘汰される
図 4-18
12.8%
15.8%
52.8%
12.2%
11.0%
48.8%
42.6%
20.6%
36.0%
16.9%
12.5%
44.8%
52.9%
ややそう思う
5.5%
18.1%
58.0%
23.3%
7.5%
37.7%
55.8%
強くそう思う
11.4%
42.1%
33.5%
今後、ユーザー企業による自社開発が増える 6.7%
14.8%
42.9%
29.1%
今後、IT関連市場は縮小する 6.7%
100%
48.3%
42.5%
今後、ITベンダー間の価格競争が激化する
75%
34.8%
現在、IT関連業界は全体的に好況である 3.2%
今後、受託情報システム開発業務は縮小する
50%
あまりそう思わない
19.9%
5.2%
18.4%
5.4%
まったくそう思わない
IT ベンダーの人材のビジネス環境認識(IT ベンダー)
(3) 先端 IT 技術に対する認識と取り組みの動向
IT ベンダーが今後、厳しい市場環境の中で勝ち残っていくために、先端 IT 技術の活
用等による競争力の強化が重要であることは、前述のとおりである。また、ユーザー企
業にとっても、自社製品・サービスの付加価値の向上に向けて、こうした先端 IT 技術を
効果的に活用することは、昨今の重要な課題の一つとなっているといえる。
こうした問題意識を踏まえて、本項では、IoT やビッグデータ、人工知能といった、
昨今注目される先端 IT 技術の企業内での活用状況や課題等についての調査結果を示す。
なお、今回のアンケート調査では、先端 IT 技術(またはサービス)として、クラウド
コンピューティング、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、モバイル端末
(スマートフォン・タブレット等)、ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に
着けられる端末)、ビックデータ(データ解析、アナリティクス等)、IoT(Internet of Things)
6
/M2M(Machine to Machine)7、人工知能(機械学習8・自然言語処理・画像認識等)、
6
IoT (Internet of Things) … モノのインターネット(Internet of Things)の略称。今後、様々な機器やモノがセンサ
97
ロボット、デジタルビジネス9、情報セキュリティの 10 個のキーワードに着目した。
① 先端 IT 技術の過去から現在までの影響度
前述した先端 IT 技術(またはサービス)の中には、以前から活用されているものもあ
れば、比較的最近になってから注目度が高まったものもある。そのため、まずは、これ
らの先端 IT 技術のこれまで(過去から現在まで)の影響度についての把握を試みた。
図 4-19、図 4-20 を見ると、企業に対するこれまでの影響としては、IT ベンダーでは
「情報セキュリティ」、「クラウド」、「モバイル」、WEB 企業では「モバイル」、「SNS」、
「クラウド」等の影響が特に大きかったことが分かる。
ITベンダーの人材
0%
クラウドコンピューティング (n=970)
25%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=971)
(n=957)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=958)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=880)
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=965)
情報セキュリティ (n=972)
47.8%
7
8
9
13.5%
61.6%
20.6%
13.4%
63.0%
15.2%
13.4%
52.8%
28.1%
20.6%
11.7%
54.3%
26.4%
44.3%
非常に大きな影響を与えてきた
現在のところまだあまり影響はない
図 4-19
13.2%
32.2%
5.8%
9.6%
65.9%
ロボット (n=967) 3.2% 18.6%
デジタルビジネス (n=779)
11.1%
36.9%
2.9% 18.0%
5.8%
7.6%
54.9%
39.4%
8.4%
100%
34.6%
26.1%
14.1%
4.5%
75%
42.2%
15.6%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=972) 7.8%
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
50%
26.5%
8.5%
ある程度の影響を与えてきた
分からない
先端 IT 技術の過去から現在までの影響度(IT ベンダー)
などを通じて、インターネットにつながり、人やサービスも含めて大きなネットワークが実現すると言われてい
る。無数のモノも含む、そのような大規模なネットワークのこと。
M2M (Machine to Machine) … ネットワークに繋がった機器同士が、人手を介さずに自動的に情報交換や制御を行
う仕組み。
機械学習…コンピュータが様々な情報を学習し、学習した結果に基づいてコンピュータ自身が情報を分析したり
判断したりすること。
デジタルビジネス…比較的新しい IT 技術を活用して、人やモノをつなぐことで実現する、これまでにない新しい
タイプのビジネスやサービス。一般人が自家用車に他人を乗せて運ぶ米国発の新しいタクシー配車サービス Uber
(ウーバー)のほか、空き部屋を短期間で貸したい人と旅行などで宿泊地を借りたい人をマッチングするサービ
ス Airbnb(エア・ビーアンドビー)などが、広く知られている。
98
WEB系企業の人材
0%
クラウドコンピューティング (n=283)
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=297)
25%
(n=287)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=279)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=246)
8.5%
ロボット (n=294)
9.2%
デジタルビジネス (n=248)
情報セキュリティ (n=293)
15.3%
33.0%
17.4%
50.3%
22.1%
18.4%
40.7%
34.7%
40.3%
19.8%
11.8%
14.2%
47.9%
26.2%
12.5%
7.8%
48.8%
28.5%
非常に大きな影響を与えてきた
現在のところまだあまり影響はない
図 4-20
20.3%
41.9%
13.3%
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=282)
8.8%
52.6%
23.7%
8.5%
9.9%
24.6%
34.5%
37.5%
100%
24.4%
44.1%
22.6%
8.4%
75%
48.4%
17.3%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=296)
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
50%
12.1%
29.7%
10.2%
ある程度の影響を与えてきた
分からない
先端 IT 技術の過去から現在までの影響度(WEB 企業)
IT ベンダー、WEB 企業ともに、「ビッグデータ」や「デジタルビジネス」、「IoT」と
いう回答は上位群に続く中位に位置付けられる。
「これまでの影響度」という点では、
「ビ
ッグデータ」や「デジタルビジネス」、「IoT」よりも、「情報セキュリティ」や「モバイ
ル」、「クラウド」、「SNS」のほうが、実際の影響が大きかったことが読み取れる。
図 4-21、図 4-22 は、同様の設問の回答を、ユーザー企業の情報システム部門と現場
事業部門についてみたものである。
ユーザー企業の情報システム部門の回答は、IT ベンダーと類似した傾向を示しており、
「情報セキュリティ」、「クラウド」、「モバイル」について「影響を与えてきた」という
回答が多い。
ユーザー企業の現場事業部門の回答は、情報システム部門と類似しているが、最も「影
響を与えてきた」という回答が多いのは「モバイル」であり、僅差で「情報セキュリテ
ィ」が続いている。
「クラウド」は情報システム部門の回答より「影響を与えてきた」と
いう回答がやや少なく、逆に「SNS」は「影響を与えてきた」という回答が情報システ
ム部門よりもやや多くなっている。
本設問の回答によれば、先端 IT 技術のうち「これまでに影響を与えてきた技術」とし
ては、「情報セキュリティ」や「モバイル」、「クラウド」、「SNS」が該当するといえる。
今回の設問に含まれる 10 個の先端 IT 技術のうち、
「ビッグデータ」や「デジタルビジネ
99
ス」、
「IoT」を含むその他のキーワードは、これまでに企業に影響を与えてきた技術とい
うよりは、今後企業に影響を与える可能性がある技術であると位置付けられる。
ユーザー企業の情報システム部門の人材
0%
クラウドコンピューティング (n=960)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=949)
(n=868)
23.0%
デジタルビジネス (n=814) 7.5%
10.2%
11.4%
56.8%
14.2%
54.8%
15.6%
51.8%
28.6%
12.0%
28.9%
42.4%
21.2%
非常に大きな影響を与えてきた
現在のところまだあまり影響はない
図 4-21
11.8%
53.3%
23.3%
ロボット (n=964) 6.6%
6.9%
47.9%
27.0%
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=958) 5.7%
8.8%
60.7%
30.1%
8.3%
7.3%
36.4%
41.2%
11.7%
情報セキュリティ (n=979)
39.9%
21.6%
6.0%
(n=953)
100%
50.8%
15.5%
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
75%
29.0%
11.4%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=981)
50%
39.9%
12.9%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=982)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
25%
7.5%
ある程度の影響を与えてきた
分からない
先端 IT 技術の過去から現在までの影響度(ユーザー企業の情報システム部門)
ユーザー企業の現場事業部門の人材
0%
25%
クラウドコンピューティング (n=1,880)
10.9%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=1,972)
11.4%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=1,972)
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
(n=1,898)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=1,830)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=1,571)
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等)
(n=1,916)
デジタルビジネス (n=1,653)
8.2%
情報セキュリティ (n=1,950)
12.4%
10.2%
11.8%
55.4%
24.0%
13.1%
52.5%
25.7%
13.3%
51.1%
29.7%
15.6%
5.4%
51.4%
29.0%
41.5%
非常に大きな影響を与えてきた
現在のところまだあまり影響はない
図 4-22
37.2%
49.4%
29.7%
7.5%
6.7%
59.0%
22.6%
7.8%
6.5%
48.0%
43.5%
10.8%
100%
44.9%
33.9%
6.1%
8.5%
75%
37.7%
13.8%
ロボット (n=1,955)
50%
11.0%
35.6%
7.3%
ある程度の影響を与えてきた
分からない
先端 IT 技術の過去から現在までの影響度(ユーザー企業の現場事業部門)
100
②
先端 IT 技術の今後の影響の可能性
「今後影響を与える可能性がある技術」について、企業の IT 人材はどのように捉えて
いるのか、その点について尋ねた設問の結果を以下に示す。
ITベンダーの人材
0%
25%
クラウドコンピューティング (n=970)
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)(n=972)
28.9%
(n=957)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等)(n=958)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=880)
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等)(n=965)
ロボット (n=967)
デジタルビジネス (n=779)
40.5%
100%
15.6%
7.9%
49.4%
8.2%
10.9%
43.5%
27.1%
21.0%
43.5%
11.4%
24.1%
35.9%
12.2%
33.2%
12.9%
41.2%
33.7%
42.7%
14.1%
9.1%
19.8%
43.9%
12.2%
6.7%
20.9%
37.5%
18.8%
6.9%
39.9%
23.0%
情報セキュリティ (n=972)
図 4-23
75%
48.7%
11.6%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等)(n=971)
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
50%
11.9%
31.2%
13.7%
45.9%
33.4%
7.0%
非常に大きな影響を与える可能性がある
ある程度の影響を与える可能性がある
あまり影響を与える可能性はない
まだ分からない
先端 IT 技術の今後の影響の可能性(IT ベンダー)
WEB系企業の人材
0%
クラウドコンピューティング (n=283)
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)(n=297)
25%
28.3%
(n=287)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等)(n=279)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=246)
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等)(n=282)
ロボット (n=294)
デジタルビジネス (n=248)
情報セキュリティ (n=293)
図 4-24
38.3%
34.5%
38.7%
17.7%
26.0%
27.7%
34.4%
25.9%
6.8%
8.9%
11.3%
36.1%
50.0%
5.1%
8.7%
19.4%
41.1%
22.3%
6.1%
16.6%
44.1%
24.0%
6.0%
19.2%
41.6%
29.7%
16.0%
100%
15.5%
48.1%
36.8%
18.5%
75%
50.2%
26.6%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等)(n=296)
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
50%
13.6%
23.4%
49.5%
18.4%
8.9%
6.1%
非常に大きな影響を与える可能性がある
ある程度の影響を与える可能性がある
あまり影響を与える可能性はない
まだ分からない
先端 IT 技術の今後の影響の可能性(WEB 企業)
101
これまでに企業に影響を与えてきた技術として挙げられた①の「情報セキュリティ」
や「モバイル」、「クラウド」、「SNS」の4つのキーワードは、現在から将来にかけての
「これからの影響」という点でも、引き続き、大きな影響を与える可能性が認識されて
いる。
また、
「これまでの影響」では上位群に続いていた「ビッグデータ」、
「IoT/M2M」、
「デ
ジタルビジネス」は、「情報セキュリティ」、「モバイル」、「クラウド」、「SNS」 に迫る
水準となっている。これらの先端 IT 技術は、これまで以上に、今後、企業に影響を与え
る技術として認識されているといえる。
図 4-25、図 4-26 は、同様の設問の回答を、ユーザー企業の情報システム部門と現場
事業部門について見たものである。
IT ベンダーと同様に、これまでに企業に影響を与えてきた技術として挙げられた「情
報セキュリティ」や「モバイル」、
「クラウド」、
「SNS」 は、現在から将来にかけての「こ
れからの影響」という点でも、引き続き大きな影響を与える可能性が認識されている。
また、
「これまでの影響」では上位群に続いていた「ビッグデータ」、
「IoT/M2M」、
「デ
ジタルビジネス」は、IT ベンダーと同様に「情報セキュリティ」、
「モバイル」、
「クラウ
ド」、
「SNS」に迫る水準となっている。これらの先端 IT 技術は、ユーザー企業側におい
ても、これまで以上に、今後、企業に影響を与える技術として認識されているといえる。
ユーザー企業の情報システム部門の人材
0%
クラウドコンピューティング (n=960)
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)(n=982)
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等)(n=981)
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
(n=953)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等)(n=949)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=868)
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等)(n=958)
25%
41.7%
16.9%
30.6%
40.6%
30.4%
44.6%
非常に大きな影響を与える可能性がある
あまり影響を与える可能性はない
図 4-25
7.7%
11.4%
33.5%
41.9%
5.2%
10.4%
41.0%
34.4%
6.8%
9.3%
36.5%
36.1%
5.9%
10.3%
25.6%
41.5%
19.5%
14.0%
22.0%
36.8%
25.2%
デジタルビジネス (n=814)
32.5%
49.2%
23.5%
11.2%
100%
21.5%
44.6%
16.1%
13.2%
75%
51.0%
21.6%
ロボット (n=964)
情報セキュリティ (n=979)
50%
10.6%
18.9%
6.0%
ある程度の影響を与える可能性がある
まだ分からない
先端 IT 技術の今後の影響の可能性(ユーザー企業の情報システム部門)
102
ユーザー企業の現場事業部門の人材
0%
クラウドコンピューティング (n=1,880)
40.4%
9.3%
7.2%
30.1%
43.1%
9.7%
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等)(n=1,916)
17.5%
38.3%
33.8%
10.4%
ロボット (n=1,955)
17.1%
39.3%
33.2%
10.3%
デジタルビジネス (n=1,653)
33.1%
43.7%
14.1%
情報セキュリティ (n=1,950)
図 4-26
9.1%
20.7%
47.2%
27.6%
非常に大きな影響を与える可能性がある
あまり影響を与える可能性はない
③
3.6%
25.0%
44.8%
17.1%
5.0%
22.2%
39.3%
23.0%
(n=1,571)
5.3%
31.0%
51.3%
11.0%
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
100%
24.0%
45.8%
22.9%
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等)(n=1,830)
75%
49.9%
18.2%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等)(n=1,972)
(n=1,898)
50%
20.7%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)(n=1,972)
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
25%
4.5%
ある程度の影響を与える可能性がある
まだ分からない
先端 IT 技術の今後の影響の可能性(ユーザー企業の現場事業部門)
先端 IT 技術の「これまで」と「これから」
前掲の①及び②の結果に基づいて、
「これまで影響を与えてきた技術」と「これから影
響を与える可能性が高い技術」についての分析を行った結果を、図 4-27 に示す。
換算値
「
←
(
今
後
の
影
響
可
能
性
」 「
と
こ
れ
ま
で
の
影
響
」
と
の
差
これから特に大きな影響を与えると
認識されているもの
45
ビッグデータ
40
人工知能
IoT
これまで特に大きな影響を与えてきたと
認識されているもの
35
クラウドコンピューティング
ロボット
30
デジタルビジネス
情報セキュリティ
ウェアラブル端末
25
モバイル端末
SNS
)
こ
れ
ま
で
以
上
に
今
後
の
可
能
性
が
大
き
い
も
の
50 pt
20
20
30
40
50
60
70
80
「これまでの影響」の大きさ→
図 4-27
10
90 pt
換算値
「すでに影響の大きい技術」と「今後大きな影響を与える技術」(全回答者)10
「換算値」は、
「非常に大きな影響を与えてきた/与える」を2ポイント、
「ある程度の影響を与えてきた/与え
る」を1ポイントとした際の値。すべての回答者が「ある程度の影響を与えてきた/与える」と回答した場合に
100 ポイントとなる。
103
図 4-27 を見ると、
「クラウドコンピューティング」、
「情報セキュリティ」、
「モバイル
端末」などは、
「これまで特に大きな影響を与えてきた」と認識されていることがわかる。
それに対して、「ビッグデータ」、「IoT/M2M」、「人工知能」については、「これまで」よ
りも「これから特に大きな影響を与える」と認識されていることが読み取れる。
④
先端 IT 技術の具体的な影響
先端 IT 技術が企業に与える影響としては、「オペレーションコストの削減」から「新
たな製品・サービスの創出」、「自社の事業構造やビジネスモデルの変革」まで、多様な
影響が想定されるが、技術によって、その影響の内容は異なると考えられる。こうした
観点から、今回のアンケートでは、各先端 IT 技術が企業に与える具体的な影響について
も尋ねた。
図 4-28、図 4-29 を見ると、IT ベンダー、WEB 企業のいずれの技術についても、概
ね「新たな製品・サービスの創出」という回答が多くなっており、中でも「ウェアラブ
ル」が最多となっている。ただし、
「クラウド」については「オペレーションコストの削
減」、「セキュリティ」については「既存の製品・サービスの高付加価値化」という回答
が最多となっている。
また、IT ベンダーでは、
「自社の事業構造やビジネスモデルの変革」 といった大きな
変化を引き起こす可能性がある技術として「ビッグデータ」と「IoT/M2M」という回答
が多く、WEB 企業では「デジタルビジネス」と「人工知能」という回答が多い点も注目
される。
104
ITベンダーの人材
0%
25%
クラウドコンピューティング (n=682)
28.9%
5.0%
16.2%
17.6%
12.3%
23.2%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=450) 6.9%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=626)
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
(n=425)
8.3%
4.9% 9.2%
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=559) 4.7%4.5%
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=465)
デジタルビジネス (n=375)
39.1%
7.0%
11.1%
9.1%
10.9%
21.9%
43.3%
17.4%
オペレーションコストの削減
既存の製品・サービスの⾼付加価値化
自社の事業構造やビジネスモデルそのものの変革
19.3%
6.6%
17.8%
6.9%
5.0%
13.8%
42.1%
34.0%
5.4%
17.1%
41.6%
20.3%
6.9%
9.6%
46.7%
7.0%
15.5%
38.5%
41.0%
情報セキュリティ (n=576) 4.7% 10.6%
図 4-28
24.9%
24.0%
6.4%
6.9%
100%
52.9%
4.9%3.9% 19.8%
13.8%
75%
18.6%
17.9%
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=416) 6.7%6.0%
ロボット (n=356)
50%
6.5%
15.5%
22.4%
8.8%
14.8%
13.5%
従業員満⾜度の向上
新たな製品・サービスの創出
自社製品・サービスに関する市場の競争激化
先端 IT 技術の具体的な影響(IT ベンダー)
WEB系企業の人材
0%
25%
クラウドコンピューティング (n=197)
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=193)
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=212)
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
(n=146)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=180)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=129)
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=139)
ロボット (n=126)
9.6%
37.6%
10.9%
23.6%
10.8% 7.1%
13.2%
13.2%
13.7%
9.4%
14.0%
15.8%
9.5%
情報セキュリティ (n=159)
9.4%
12.7%
15.3%
10.7%
32.6%
7.6%
8.8%
13.2%
29.4%
34.9%
18.3%
33.8%
18.7%
34.1%
18.3%
23.6%
20.8%
14.5%
7.1%
10.9%
14.6%
14.4%
17.1%
36.8%
35.2%
100%
20.8%
41.8%
26.1%
10.6% 7.2%
10.4% 7.6%
17.3%
30.7%
18.5%
11.0% 7.5%
19.0%
75%
26.9%
9.8%
デジタルビジネス (n=144)
図 4-29
50%
6.8%
8.3%
7.8%
8.6%
6.3%
6.3%
9.4%
オペレーションコストの削減
従業員満⾜度の向上
既存の製品・サービスの⾼付加価値化
新たな製品・サービスの創出
自社の事業構造やビジネスモデルそのものの変革
自社製品・サービスに関する市場の競争激化
先端 IT 技術の具体的な影響(WEB 企業)
105
ユーザー企業の情報システム部門の人材
0%
25%
クラウドコンピューティング (n=667)
42.6%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=564)
10.1%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=687)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=593)
9.4%
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
9.1%
9.8%
(n=479)
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=467)
ロボット (n=446)
19.5%
デジタルビジネス (n=434)
9.0%
情報セキュリティ (n=568)
11.0%
12.9%
15.0%
7.3%
6.5%
21.9%
16.4%
25.5%
9.4%
18.2%
27.4%
16.0%
7.3%
18.8%
27.8%
19.1%
6.8%
21.5%
27.4%
17.0%
6.0%
22.4%
25.9%
21.0%
9.0%
15.0%
28.0%
21.1%
3.0%
15.3%
30.7%
23.8%
12.2%
11.5%
22.7%
20.3%
12.3%
13.3%
28.5%
21.3%
15.0%
100%
12.9% 11.7%
13.9%
20.4%
21.5%
12.1%
(n=453)
75%
15.9%
20.4%
13.2%
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
図 4-30
50%
9.7%
17.4%
9.7%
オペレーションコストの削減
従業員満⾜度の向上
既存の製品・サービスの⾼付加価値化
新たな製品・サービスの創出
自社の事業構造やビジネスモデルそのものの変革
自社製品・サービスに関する市場の競争激化
先端 IT 技術の具体的な影響(ユーザー企業の情報システム部門)
ユーザー企業の現場事業部門の人材
0%
25%
クラウドコンピューティング (n=1,383)
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=1,257)
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=1,472)
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
(n=982)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=1,236)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=972)
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等)
(n=1,074)
ロボット (n=1,114)
デジタルビジネス (n=991)
情報セキュリティ (n=1,258)
図 4-31
50%
11.6%
11.1%
12.0%
11.4%
22.9%
12.5%
20.6%
10.7%
16.2%
27.3%
19.6%
22.9%
26.5%
23.4%
28.3%
25.6%
16.5%
11.6%
10.4%
3.5%
9.5%
10.8%
31.2%
29.8%
22.3%
10.7%
15.6%
14.9%
22.3%
14.9%
22.3%
22.4%
16.3%
100%
25.3%
21.3%
19.2%
20.1%
11.2%
25.1%
19.6%
12.9%
17.5%
15.7%
36.8%
10.0%
75%
6.4%
11.8%
17.6%
18.7%
5.4%
7.7%
8.2%
16.5%
7.7%
16.7%
7.3%
19.0%
8.0%
17.1%
9.6%
オペレーションコストの削減
従業員満⾜度の向上
既存の製品・サービスの⾼付加価値化
新たな製品・サービスの創出
自社の事業構造やビジネスモデルそのものの変革
自社製品・サービスに関する市場の競争激化
先端 IT 技術の具体的な影響(ユーザー企業の現場事業部門)
106
図 4-30、図 4-31 は、同様の設問の回答を、ユーザー企業の情報システム部門と現場
事業部門について見たものである。
いずれの技術についても、概ね「新たな製品・サービスの創出」という回答が多く、
「既存の製品・サービスの高付加価値化」という回答が続いている。
「クラウド」につい
ては「オペレーションコストの削減」、「セキュリティ」については「既存の製品・サー
ビスの高付加価値化」という回答が最多となっている点は、IT ベンダーや WEB 企業と
同様である。
また、
「自社の事業構造やビジネスモデルの変革」といった大きな変化を引き起こす可
能性がある技術として「ビッグデータ」や「IoT/M2M」、「デジタルビジネス」という回
答が多い。ユーザー企業の現場事業部門では「デジタルビジネス」が最も多い。
各企業の回答を整理すると、「自社の事業構造やビジネスモデルの変革」 といった大
きな変化を引き起こす可能性を有するキーワードとしては、
「ビッグデータ」、
「IoT/M2M」、
「デジタルビジネス」が挙げられている。昨今注目度が高まっている「人工知能」につ
いては、特に WEB 企業においてその可能性が強く認識されていることが把握された。
⑤
先端 IT 技術に関する自社の取組状況
図 4-32(左図)は、先端 IT 技術に関する自社の取組状況のうち、自社事業の展開に
ついて尋ねた結果である。
全体として見ると、WEB 企業は、先端 IT 技術を活用した自社事業を展開している割
合が高く、「モバイル」では3割近くとなっている。
「ビッグデータ」や「IoT/M2M」、
「人工知能」などの昨今注目度の高い先端 IT 技術に
ついては、自社事業を展開している割合はまだ低く、WEB 企業を除いて概ね1割未満と
なっている。
図 4-32(右図)は、先端 IT 技術に関する自社の取組状況のうち、専任組織の設置に
ついて尋ねた結果である。
「情報セキュリティ」を除いては、専任組織の設置割合はそれ
ほど高くはない状況となっている。
107
この技術・サービスを活用した⾃社事業を展開している
0%
10%
20%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)
7.2%
10.6%
12.3%
17.8%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等)
17.6%
13.7%
12.5%
ウェアラブル端末
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等)
IoT (Internet of Things)
/M2M (Machine to Machine)
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等)
40%
この技術・サービスを取り扱う専任組織がある
50%
19.6%
15.0%
13.0%
21.2%
クラウドコンピューティング
(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
30%
10%
30%
40%
50%
3.1%
5.4%
4.5%
6.1%
29.1%
4.1%
6.6%
7.7%
7.0%
5.1%
5.6%
5.6%
8.1%
2.7%
3.9%
3.6%
3.5%
9.4%
9.2%
8.6%
6.2%
5.7%
6.7%
7.9%
16.1%
8.4%
8.8%
8.8%
11.8%
4.5%
5.9%
6.8%
5.7%
4.8%
6.1%
7.3%
7.4%
3.7%
3.8%
3.6%
4.6%
3.5%
5.4%
7.6%
8.8%
1.9%
3.4%
4.9%
3.1%
デジタルビジネス
6.3%
8.6%
8.2%
3.9%
5.2%
4.5%
4.0%
13.7%
16.6%
14.5%
10.0%
14.0%
13.9%
12.0%
11.5%
8.5%
ITベンダーの人材
ユーザー企業の情報システム部門の人材
ユーザー企業の現場事業部門の人材
WEB企業の人材
図 4-32
20%
7.0%
6.5%
5.1%
6.4%
ロボット
情報セキュリティ
⑥
0%
0%
ITベンダーの人材
ユーザー企業の情報システム部門の人材
ユーザー企業の現場事業部門の人材
WEB企業の人材
先端 IT 技術に関する自社の取組状況(企業別)11
先端 IT 技術を担う人材の現在の不足感(量=人数)
企業において先端 IT 技術を活用する際の大きな課題の一つが、必要な技術やスキルを
有する人材の獲得である。こうした観点から、今回のアンケートでは、自社内で先端 IT
技術やサービスの活用について検討したり、製品・サービスの具体化に取り組む人材の
不足感について、「量」(人数)及び「質」(能力)の2つの側面から把握を試みた。
図 4-33 を見ると、IT ベンダーでは、
「IoT/M2M」、
「クラウド」、
「ビッグデータ」の順
に、人材が「大幅に不足している」「やや不足している」という回答が多い。IT ベンダ
ーでは、「IoT/M2M」に関する人材の不足感が最も強くなっている点が注目される。
図 4-34 によれば、WEB 企業では、「ビッグデータ」、「クラウド」、「人工知能」の順
となっており、「人工知能」に関する人材ニーズが高いことが特徴となっている。
IT ベンダー、WEB 企業のいずれにおいても、「クラウド」のほか、「これから影響を
与える技術」と認識されている「ビッグデータ」の人材に対する不足感が強く、今後に
向けた企業側の取組姿勢と人材ニーズが伺える。
11
回答者の n 値は、すべての%に対して異なるため非表示としている。
108
ITベンダーの人材
0%
クラウドコンピューティング (n=593)
50%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=536)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=420)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=283)
ロボット (n=229)
デジタルビジネス (n=271)
11.8%
情報セキュリティ (n=564)
12.4%
13.3%
33.2%
17.7%
30.1%
34.5%
14.8%
13.6%
25.4%
35.0%
14.1%
17.9%
27.1%
45.6%
15.7%
(n=338)
14.0%
33.6%
43.6%
15.7%
16.9%
35.1%
34.7%
13.9%
(n=274)
14.3%
36.6%
38.4%
12.5%
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
100%
26.0%
36.6%
10.0%
75%
45.9%
13.8%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=350)
図 4-33
25%
20.5%
32.1%
40.2%
15.9%
36.3%
40.1%
11.2%
大幅に不⾜している
やや不⾜している
あまり不⾜していない(ほぼ⼗分である)
現在のところ人材は必要ない
先端 IT 技術を担う人材の現在の不足感(量=人数)(IT ベンダー)
WEB系企業の人材
0%
クラウドコンピューティング (n=172)
25%
12.8%
50%
41.3%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=187)
10.7%
40.1%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=199)
11.6%
37.7%
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
(n=111)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=162)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=116)
9.0%
ロボット (n=94)
11.7%
情報セキュリティ (n=165)
図 4-34
14.9%
37.2%
10.3%
34.5%
12.3%
14.6%
36.2%
21.6%
16.0%
29.0%
17.2%
39.7%
42.0%
28.7%
11.6%
36.9%
38.7%
29.3%
100%
34.3%
40.7%
13.8%
12.0%
デジタルビジネス (n=121)
30.6%
14.2%
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=100)
75%
18.0%
28.0%
23.4%
36.2%
32.2%
38.2%
大幅に不⾜している
やや不⾜している
あまり不⾜していない(ほぼ⼗分である)
現在のところ人材は必要ない
15.7%
17.0%
先端 IT 技術を担う人材の現在の不足感(量=人数)(WEB 企業)
109
ユーザー企業の情報システム部門の人材
0%
25%
クラウドコンピューティング (n=636)
14.3%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=514)
13.0%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=662)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=512)
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=367)
図 4-35
14.2%
情報セキュリティ (n=673)
14.6%
27.0%
29.9%
43.7%
28.6%
40.3%
31.3%
37.4%
16.6%
デジタルビジネス (n=366)
33.3%
43.8%
17.2%
ロボット (n=361)
31.4%
39.2%
16.4%
(n=421)
30.7%
44.1%
18.8%
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
25.2%
42.2%
13.9%
(n=375)
75%
50.0%
12.4%
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
50%
30.3%
43.7%
30.2%
44.7%
大幅に不⾜している
やや不⾜している
あまり不⾜していない(ほぼ⼗分である)
現在のところ人材は必要ない
100%
10.5%
14.0%
12.1%
13.6%
10.5%
10.0%
13.9%
14.7%
11.7%
10.5%
先端 IT 技術を担う人材の現在の不足感(量=人数)
(ユーザー企業の情報システム部門)
ユーザー企業の現場事業部門の人材
0%
25%
クラウドコンピューティング (n=1,251)
12.4%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=1,155)
10.9%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=1,375)
10.8%
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
(n=847)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=1,056)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=838)
50%
44.8%
42.9%
39.8%
12.5%
42.3%
29.3%
31.9%
34.4%
29.9%
100%
13.6%
14.3%
15.1%
15.3%
15.5%
43.8%
28.1%
12.6%
15.6%
43.9%
27.3%
13.1%
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=816)
14.7%
41.8%
ロボット (n=869)
14.3%
41.3%
図 4-36
75%
デジタルビジネス (n=852)
12.4%
情報セキュリティ (n=1,342)
12.4%
41.7%
38.9%
29.2%
28.5%
32.4%
35.5%
大幅に不⾜している
やや不⾜している
あまり不⾜していない(ほぼ⼗分である)
現在のところ人材は必要ない
先端 IT 技術を担う人材の現在の不足感(量=人数)
(ユーザー企業の現場事業部門)
110
14.3%
15.9%
13.5%
13.3%
図 4-35、図 4-36 は、同様の設問の回答を、ユーザー企業の情報システム部門と現場
事業部門について見たものである。
ユーザー企業の情報システム部門では、
「クラウド」、
「ビッグデータ」、
「IoT/M2M」の
順に人材が「大幅に不足している」「やや不足している」という回答が多い。
また、ユーザー企業の現場事業部門では、
「ビッグデータ」、
「IoT/M2M」、
「クラウド」、
「人工知能」の順に人材が「大幅に不足している」
「やや不足している」という回答が多
い。
情報システム部門、現場事業部門のいずれにおいても、「これから影響を与える技術」
と認識されている「ビッグデータ」と「IoT/M2M」が上位に挙がっており、今後に向け
た企業側の取組姿勢と人材ニーズが示されているといえる。
各企業の回答を整理すると、先端 IT 技術を担う人材のうち、「量」的側面(人数)に
関する不足感が強い人材としては、
「クラウド」、
「ビッグデータ」、
「IoT/M2M」に関する
人材であることが把握された。
⑦
先端 IT 技術を担う人材の現在の不足感(質=能力)
人材の「量」的側面(人数)に関する不足感に加えて、自社内で先端 IT 技術やサービ
スの活用について検討したり、製品・サービスの具体化に取り組む人材の「質」(能力)
に関する不足感を尋ねた結果を示す。
人材の質(能力)に関する現在の不足感を尋ねたところ、いずれの技術に対しても「不
足している」という回答が比較的多いものの、IT ベンダーでは特に「クラウド」のほか、
「ウェアラブル」、「ビッグデータ」について「大幅に不足している」、「やや不足してい
る」という回答が多い。また、「大幅に不足している」という回答に着目すると、IT ベ
ンダーでは、「ロボット」が最多となっている。
WEB 企業では、
「人工知能」という回答が最も多く、
「ロボット」や「デジタルビジネ
ス」が続いている。
「ウェアラブル」や「ロボット」については、量的不足感はそれほど強くないことか
ら、人材の数よりも、企業が期待する能力(を持った人材)が不足している可能性が伺
える。
111
ITベンダーの人材
0%
クラウドコンピューティング (n=508)
25%
23.2%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=291)
16.8%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=461)
19.7%
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
(n=225)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=363)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=293)
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=233)
ロボット (n=182)
デジタルビジネス (n=228)
情報セキュリティ (n=501)
75%
100%
57.1%
19.7%
54.6%
28.5%
54.2%
20.0%
26.0%
61.8%
22.9%
18.2%
58.1%
24.2%
19.0%
54.9%
21.5%
20.8%
56.7%
25.3%
21.9%
54.4%
20.6%
20.3%
56.1%
18.2%
23.2%
53.9%
大幅に不⾜している
図 4-37
50%
27.9%
やや不⾜している
あまり不⾜していない(ほぼ⼗分である)
先端 IT 技術を担う人材の現在の不足感(質=能力)(IT ベンダー)
WEB系企業の人材
0%
クラウドコンピューティング (n=152)
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=164)
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=170)
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
(n=87)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=136)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=96)
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=82)
ロボット (n=72)
デジタルビジネス (n=102)
情報セキュリティ (n=137)
25%
18.4%
20.1%
20.7%
23.5%
21.9%
28.0%
27.1%
50.0%
31.0%
48.3%
28.7%
47.8%
27.1%
51.0%
53.7%
48.6%
27.8%
51.0%
24.5%
47.4%
やや不⾜している
100%
26.3%
51.8%
23.2%
16.1%
75%
55.3%
22.9%
大幅に不⾜している
図 4-38
50%
23.2%
23.6%
24.5%
36.5%
あまり不⾜していない(ほぼ⼗分である)
先端 IT 技術を担う人材の現在の不足感(質=能力)(WEB 企業)
112
ユーザー企業の情報システム部門の人材
0%
25%
クラウドコンピューティング (n=569)
20.9%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=442)
20.4%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=582)
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
(n=324)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=458)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=379)
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=316)
ロボット (n=308)
デジタルビジネス (n=323)
情報セキュリティ (n=602)
75%
100%
62.0%
17.0%
56.6%
19.2%
23.1%
53.6%
19.1%
27.1%
59.3%
21.6%
24.2%
56.3%
19.4%
23.0%
58.6%
18.5%
22.2%
56.3%
26.0%
21.5%
53.2%
22.0%
20.8%
57.6%
19.3%
20.4%
56.0%
大幅に不⾜している
図 4-39
50%
24.8%
やや不⾜している
あまり不⾜していない(ほぼ⼗分である)
先端 IT 技術を担う人材の現在の不足感(質=能力)
(ユーザー企業の情報システム部門)
ユーザー企業の現場事業部門の人材
0%
25%
クラウドコンピューティング (n=1,081)
21.6%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=990)
20.8%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=1,168)
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
(n=717)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=923)
18.0%
20.5%
50%
75%
100%
21.6%
56.7%
23.4%
55.8%
27.6%
54.5%
25.2%
54.3%
25.4%
52.5%
22.1%
24.7%
53.8%
21.4%
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=699)
23.6%
55.9%
20.5%
ロボット (n=731)
24.5%
52.7%
デジタルビジネス (n=737)
23.2%
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=728)
情報セキュリティ (n=1,164)
18.3%
大幅に不⾜している
図 4-40
22.8%
23.6%
53.2%
54.0%
やや不⾜している
27.7%
あまり不⾜していない(ほぼ⼗分である)
先端 IT 技術を担う人材の現在の不足感(質=能力)
(ユーザー企業の現場事業部門)
113
図 4-39、図 4-40 は、同様の設問の回答を、ユーザー企業の情報システム部門と現場
事業部門について見たものである。
ユーザー企業の回答も全体的に「不足している」という回答が多いが、情報システム
部門と現場事業部門の双方で、特に「クラウド」について、「大幅に不足している」「や
や不足している」という回答が多い点が注目される。
情報システム部門では、
「クラウド」に続いて「IoT/M2M」、
「ビッグデータ」について
「不足している」という回答が多い。また、現場事業部門では、
「人工知能」について「不
足している」という回答が最も多く、
「IoT/M2M」、
「クラウド」が続いている。ユーザー
企業の現場事業部門で「人工知能」に対する人材ニーズが強い点が注目される。
「質」(能力)の不足感に関しては、技術間の差があまり大きく表れず、先端 IT 技術
については軒並み不足感が高い状況と考えられる。現状では、どのような先端 IT 技術に
ついても、より高い能力を持った人材が求められている状況にあり、先端 IT 技術に関す
る人材の育成は、産業界における大きな課題になっているといえる。
回答を総合的に見ると、IT ベンダーのほかユーザー企業においても「クラウド」に関
する人材の質的不足感が強いという傾向が見られたほか、WEB 企業やユーザー企業の現
場事業部門において「人工知能」に関する不足感が強いことが注目される。「人工知能」
については、先進的な企業においてその活用や技術開発を進めたいという意向がある中
で、十分な技術・スキルを持った人材は現状ではそれほど多くはないため、高い水準の
ニーズを満たせないという質的な不足感が高まっているものと考えられる。
⑧
先端 IT 技術に関するニーズや市場の拡大見込み
先端 IT 技術を担う人材に対する現在の不足感は、今後、それらの技術に対するニーズ
や市場が拡大すれば、より一層強まる可能性が高い。こうした観点から、今回のアンケ
ート調査では、各技術・サービスに関するニーズや市場の拡大見込みについても尋ねた。
図 4-41 を見ると、IT ベンダーでは、
「クラウド」、
「IoT/M2M」、
「ビッグデータ」の順
に「大幅に拡大する」、「ある程度拡大する」という回答が多くなっている。
図 4-42 を見ると、WEB 企業では、
「クラウド」、
「モバイル」、
「IoT/M2M」の順に「大
幅に拡大する」、「ある程度拡大する」という回答が多い。
また、
「大幅に拡大する」という回答に注目すると、IT ベンダーでは「ビッグデータ」、
「IoT/M2M」、WEB 企業では「人工知能」、
「ビッグデータ」という回答が特に多い。
「ビ
ッグデータ」、「人工知能」、「IoT/M2M」は、今後急速に市場が拡大する可能性があると
の見方が最も強いといえる。
114
ITベンダーの人材
0%
25%
クラウドコンピューティング (n=593)
50%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=536)
50.6%
34.6%
7.1%
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=420)
44.9%
37.2%
11.7%
(n=274)
37.1%
24.0%
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
38.2%
44.8%
14.6%
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
36.1%
26.0%
(n=338)
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=283)
14.4%
デジタルビジネス (n=271)
17.3%
情報セキュリティ (n=564)
16.8%
1.7%
1.9% 0.6%
1.1%
33.7%
3.8% 0.3%
2.1% 1.1%
4.8%
37.6%
42.7%
6.0%
1.7% 0.5%
43.5%
35.8%
1.0%
36.7%
43.2%
36.7%
2.9%
5.1%
42.8%
34.6%
19.4%
ロボット (n=229)
100%
29.7%
47.6%
18.9%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=350)
75%
大幅に拡大する
ある程度拡大する
あまり変わらない(横ばい)
やや縮小する
0.9%
3.0% 0.4%
2.3% 0.5%
大幅に縮小する
図 4-41
先端 IT 技術に関するニーズや市場の拡大見込み(IT ベンダー)
WEB系企業の人材
0%
クラウドコンピューティング (n=172)
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=187)
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=199)
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
(n=111)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=162)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=116)
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=100)
ロボット (n=94)
デジタルビジネス (n=121)
情報セキュリティ (n=165)
25%
50%
41.3%
19.8%
36.0%
42.2%
42.2%
10.2%
75%
41.7%
18.1%
44.1%
36.9%
12.6%
21.6%
19.0%
26.0%
19.1%
35.8%
38.9%
40.5%
35.3%
27.0%
29.8%
34.7%
17.4%
19.4%
33.2%
32.7%
39.0%
37.2%
39.7%
41.8%
大幅に拡大する
ある程度拡大する
あまり変わらない(横ばい)
やや縮小する
100%
1.7%
1.2%
3.7%
1.6%
5.5%
3.6%
2.6%
7.0%
8.5%
1.2%
2.6%
1.0%
5.3%
5.0%
3.3%
3.6%
2.4%
先端 IT 技術に関するニーズや市場の拡大見込み(WEB 企業)
115
2.7%
2.5%
大幅に縮小する
図 4-42
1.5%
ユーザー企業の情報システム部門の人材
0%
クラウドコンピューティング (n=636)
25%
50%
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=512)
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=367)
44.0%
33.6%
15.6%
情報セキュリティ (n=673)
42.9%
30.7%
17.2%
デジタルビジネス (n=366)
41.4%
29.2%
18.8%
ロボット (n=361)
39.9%
33.3%
20.4%
(n=421)
35.2%
39.1%
19.1%
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
43.2%
34.1%
13.1%
(n=375)
42.0%
38.8%
14.7%
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
46.5%
35.6%
11.9%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=662)
35.4%
46.7%
14.9%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=514)
42.1%
35.8%
17.4%
大幅に拡大する
あまり変わらない(横ばい)
大幅に縮小する
図 4-43
75%
100%
2.2%
0.8%
4.9%
1.2%
3.9%
0.6%
7.5%
4.9%
5.0%
8.7%
2.1%
1.8%
1.4%
1.9%
7.8%
1.4%
4.9%
1.9%
3.7%
1.0%
ある程度拡大する
やや縮小する
先端 IT 技術に関するニーズや市場の拡大見込み
(ユーザー企業の情報システム部門)
ユーザー企業の現場事業部門の人材
0%
クラウドコンピューティング (n=1,251)
25%
50%
44.8%
14.6%
75%
37.3%
100%
2.5%
0.7%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=1,155)
11.7%
41.6%
41.7%
4.1%
0.9%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=1,375)
13.1%
40.3%
42.8%
3.3%
0.6%
6.0%
1.5%
4.5%
1.5%
37.7%
6.9%
1.1%
4.8%
1.7%
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
(n=847)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=1,056)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=838)
36.8%
11.9%
39.6%
18.3%
37.4%
16.9%
43.7%
36.2%
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=816)
16.2%
35.2%
42.2%
ロボット (n=869)
15.7%
35.4%
41.2%
6.1%
1.6%
43.0%
5.3%
1.2%
デジタルビジネス (n=852)
情報セキュリティ (n=1,342)
37.6%
13.0%
39.0%
16.8%
大幅に拡大する
あまり変わらない(横ばい)
大幅に縮小する
図 4-44
40.1%
ある程度拡大する
やや縮小する
先端 IT 技術に関するニーズや市場の拡大見込み
(ユーザー企業の現場事業部門)
116
2.9%
1.2%
図 4-43、図 4-44 は、同様の設問の回答を、ユーザー企業の情報システム部門と現場
事業部門について見たものである。
各先端 IT 技術の今後のニーズや市場の拡大見込みについて、情報システム部門では、
「クラウド」、「ビッグデータ」、「IoT/M2M」の順に「大幅に拡大する」、「ある程度拡大
する」という回答が多くなっている。
また、現場事業部門では、
「クラウド」、
「ビッグデータ」、
「情報セキュリティ」の順に
「大幅に拡大する」、「ある程度拡大する」という回答が多い。
「大幅に拡大する」という回答に注目すると、
「ビッグデータ」と「IoT/M2M」という
回答が特に多い。これらの技術は、ユーザー企業側で、今後急速に市場が拡大する可能
性があるとの見方が最も強いといえる。
各企業の回答を踏まえると、
「クラウド」、
「IoT/M2M」、
「ビッグデータ」等は、今後の
ニーズや市場が拡大すると見る意見が多い。特に、過去にも普及が進んできた「クラウ
ド」に比べて、最近注目度が高まっている「ビッグデータ」、「IoT/M2M」は、今後大幅
に市場が拡大するとの見方が強い。
⑨
先端 IT 技術を担う人材の今後の不足感(量=人数)
今回のアンケートでは、ニーズや市場の伸びを踏まえた上で、さらに充足しきれない
人材の不足感として、今後の人材の量・質両面での不足感を尋ねた。
自社内で先端 IT 技術やサービスの活用について検討したり、製品・サービスの具体化
に取り組む人材の量(人数)が今後不足すると思うかという観点から、各先端 IT 技術を
担う人材の量(人数)に関する今後の不足見込みを尋ねたところ、IT ベンダーでは、
「ビ
ッグデータ」、「クラウド」、「IoT/M2M」の順に、人材が「大幅に不足する」、「やや不足
する」という回答が多いという結果となった。
WEB 企業でも、
「ビッグデータ」という回答が最も多く、
「クラウド」、
「人工知能」の
順となっている。
今後の人材の「量」という観点では、
「ビッグデータ」と「クラウド」に関する人材の
不足感が強いといえる。
117
ITベンダーの人材
0%
クラウドコンピューティング (n=593)
50%
15.3%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=350)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=420)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=338)
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=283)
40.1%
18.6%
48.1%
19.8%
44.4%
17.9%
デジタルビジネス (n=271)
12.2%
情報セキュリティ (n=564)
13.1%
32.1%
34.6%
42.8%
38.5%
38.4%
42.8%
47.6%
38.4%
46.6%
38.1%
大幅に不⾜する
やや不⾜する
あまり不⾜しない(ほぼ⼗分である)
やや余剰になる
1.7%
3.7%
38.4%
42.0%
17.7%
ロボット (n=229)
50.0%
45.3%
13.5%
(n=274)
100%
32.5%
37.1%
12.7%
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
75%
50.4%
9.1%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=536)
図 4-45
25%
3.5%
4.4%
1.2%
1.2%
1.1%
0.9%
1.8%
2.1%
先端 IT 技術を担う人材の今後の不足感(量=人数)(IT ベンダー)
WEB系企業の人材
0%
クラウドコンピューティング (n=172)
25%
11.8%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=199)
13.1%
(n=111)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=162)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=116)
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=100)
図 4-46
情報セキュリティ (n=165)
12.7%
32.1%
46.9%
33.6%
45.7%
34.0%
46.0%
17.0%
14.0%
41.4%
41.4%
16.4%
デジタルビジネス (n=121)
38.7%
44.7%
17.9%
13.8%
35.5%
46.5%
39.6%
10.8%
ロボット (n=94)
75%
47.1%
16.3%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=187)
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
50%
39.4%
40.4%
38.0%
44.6%
35.8%
47.3%
大幅に不⾜する
やや不⾜する
あまり不⾜しない(ほぼ⼗分である)
やや余剰になる
100%
1.2%
2.1%
3.5%
6.3%
3.1%
4.3%
3.0%
6.4%
3.3%
4.2%
先端 IT 技術を担う人材の今後の不足感(量=人数)(WEB 企業)
118
ユーザー企業の情報システム部門の人材
0%
クラウドコンピューティング (n=636)
50%
11.9%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=662)
14.0%
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=512)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=421)
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=367)
デジタルビジネス (n=366)
情報セキュリティ (n=673)
2.7%
42.3%
41.2%
2.4%
42.9%
16.4%
49.6%
13.1%
16.0%
1.3%
39.3%
46.7%
16.1%
100%
46.1%
17.8%
17.2%
ロボット (n=361)
33.6%
42.7%
10.7%
(n=375)
75%
49.1%
16.0%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=514)
図 4-47
25%
33.4%
32.1%
3.7%
2.1%
1.9%
42.8%
37.1%
3.0%
43.8%
37.4%
2.8%
48.9%
35.0%
3.0%
44.4%
37.3%
2.2%
大幅に不⾜する
やや不⾜する
あまり不⾜しない(ほぼ⼗分である)
やや余剰になる
先端 IT 技術を担う人材の今後の不足感(量=人数)
(ユーザー企業の情報システム部門)
ユーザー企業の現場事業部門の人材
0%
クラウドコンピューティング (n=1,251)
25%
12.1%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=1,155)
10.0%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=1,375)
10.5%
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
(n=847)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=1,056)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
50%
75%
50.0%
35.5%
47.7%
39.9%
43.2%
11.9%
44.4%
45.0%
15.9%
39.7%
48.1%
33.7%
100%
2.5%
2.3%
1.8%
3.4%
2.3%
14.8%
47.1%
35.4%
2.6%
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=816)
16.1%
45.0%
35.9%
3.1%
ロボット (n=869)
16.0%
46.0%
34.3%
3.7%
(n=838)
図 4-48
デジタルビジネス (n=852)
12.6%
45.8%
38.8%
2.8%
情報セキュリティ (n=1,342)
12.1%
45.9%
39.8%
2.2%
大幅に不⾜する
やや不⾜する
あまり不⾜しない(ほぼ⼗分である)
やや余剰になる
先端 IT 技術を担う人材の今後の不足感(量=人数)
(ユーザー企業の現場事業部門)
119
図 4-47、図 4-48 は、同様の設問の回答を、ユーザー企業の情報システム部門と現場
事業部門について見たものである。
各先端 IT 技術の活用について検討したり、製品・サービスの具体化に取り組む人材の
量(人数)に関する今後の不足見込みを尋ねたところ、情報システム部門では「IoT/M2M」、
「クラウド」、
「ビッグデータ」の順に人材が「大幅に不足する」
「やや不足する」という
回答が多いという結果になった。
現場事業部門でも、
「ビッグデータ」という回答が最も多く、
「クラウド」、
「IoT/M2M」
の順となっている。
ユーザー企業では、「ビッグデータ」と「クラウド」に関する人材は、「量」的な不足
感が強い状況である。
今後の量的な不足感に関する回答をまとめると、今後の人材の「量」という観点では、
「ビッグデータ」、「クラウド」、「IoT/M2M」に関する人材の不足感が強いといえる。ま
た、WEB 企業では「人工知能」に関する人材についても比較的強い「量」的な不足感が
存在する。
⑩
先端 IT 技術を担う人材の今後の不足感(質=能力)
今後の「量」的な不足感に加えて、今後の「質」的な不足感の把握も重要である。量
的な不足が充足されたとしても、質的な不足を十分に満たすことは非常に難しい場合が
多く、質的な不足感は人材に関する中長期的な課題となり得る。
自社内で先端 IT 技術やサービスの活用について検討したり、製品・サービスの具体化
に取り組む人材の質(能力)は、今後不足すると思うか、という観点から、先端 IT 技術
を担う人材の質(能力面)に関する今後の不足見込みを尋ねたところ、IT ベンダーでは、
「IoT/M2M」のほか「ビッグデータ」、「クラウド」の順に「大幅に不足する」、「やや不
足する」という回答が多くなった。
WEB 企業では、
「ビッグデータ」、
「IoT/M2M」に「デジタルビジネス」が続いている。
今後の人材の「質」
(能力)という観点では、IT ベンダー、WEB 企業とも、
「IoT/M2M」
及び「ビッグデータ」に関する人材の不足感が最も大きく、
「クラウド」を上回っている
点が注目される。これらの人材については、今後、能力・スキル面での不足が課題とな
る可能性がある。
120
ITベンダーの人材
0%
クラウドコンピューティング (n=593)
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=350)
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=536)
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
(n=274)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=420)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=338)
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=283)
ロボット (n=229)
25%
40.0%
24.0%
52.4%
23.7%
29.7%
50.5%
19.8%
31.4%
50.2%
18.3%
15.4%
26.2%
52.6%
21.2%
情報セキュリティ (n=564)
29.9%
54.0%
16.1%
15.1%
32.5%
51.5%
16.0%
100%
26.3%
46.6%
13.4%
デジタルビジネス (n=271)
75%
56.0%
17.7%
30.3%
54.6%
32.3%
52.3%
大幅に不⾜する
図 4-49
50%
やや不⾜する
あまり不⾜しない(ほぼ⼗分)
先端 IT 技術を担う人材の今後の不足感(質=能力)(IT ベンダー)
WEB系企業の人材
0%
クラウドコンピューティング (n=172)
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=187)
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=199)
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
(n=111)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=162)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=116)
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=100)
ロボット (n=94)
デジタルビジネス (n=121)
情報セキュリティ (n=165)
25%
20.9%
48.3%
12.8%
54.5%
15.6%
14.4%
48.6%
19.1%
25.0%
46.6%
26.0%
44.0%
47.9%
19.8%
51.2%
15.8%
100%
30.8%
29.1%
36.9%
53.1%
18.1%
75%
32.6%
55.3%
46.1%
大幅に不⾜する
図 4-50
50%
やや不⾜する
27.8%
28.4%
30.0%
34.0%
28.9%
38.2%
あまり不⾜しない(ほぼ⼗分)
先端 IT 技術を担う人材の今後の不足感(質=能力)(WEB 企業)
121
ユーザー企業の情報システム部門の人材
0%
25%
クラウドコンピューティング (n=636)
17.6%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=514)
17.9%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=662)
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
(n=375)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=512)
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=421)
75%
100%
23.7%
58.6%
31.1%
51.0%
16.6%
50.8%
32.6%
51.5%
17.6%
30.9%
22.5%
52.7%
24.8%
22.6%
53.7%
23.8%
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=367)
18.8%
ロボット (n=361)
21.1%
デジタルビジネス (n=366)
18.0%
情報セキュリティ (n=673)
19.3%
53.1%
28.1%
51.5%
27.4%
56.3%
25.7%
49.8%
大幅に不⾜する
図 4-51
50%
やや不⾜する
30.9%
あまり不⾜しない(ほぼ⼗分)
先端 IT 技術を担う人材の今後の不足感(質=能力)
(ユーザー企業の情報システム部門)
ユーザー企業の現場事業部門の人材
0%
25%
クラウドコンピューティング (n=1,251)
16.2%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=1,155)
16.9%
モバイル端末(スマートフォン・タブレット等) (n=1,375)
ウェアラブル端末(腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
(n=847)
ビックデータ(データ解析、アナリティクス等) (n=1,056)
50%
56.4%
53.3%
14.8%
50.5%
16.4%
75%
100%
27.4%
29.8%
34.8%
55.7%
27.9%
22.4%
53.0%
24.5%
21.4%
53.7%
24.9%
人⼯知能(機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=816)
21.3%
53.8%
24.9%
ロボット (n=869)
20.5%
IoT (Internet of Things)/M2M (Machine to Machine)
(n=838)
デジタルビジネス (n=852)
情報セキュリティ (n=1,342)
52.9%
18.9%
53.8%
15.7%
52.5%
大幅に不⾜する
図 4-52
やや不⾜する
26.6%
27.3%
31.7%
あまり不⾜しない(ほぼ⼗分)
先端 IT 技術を担う人材の今後の不足感(質=能力)
(ユーザー企業の現場事業部門)
122
図 4-51、図 4-52 は、同様の設問の回答を、ユーザー企業の情報システム部門と現場
事業部門について見たものである。
各先端 IT 技術の活用について検討したり、製品・サービスの具体化に取り組む人材の
質(能力面)に関する今後の不足見込みを尋ねたところ、情報システム部門では、
「IoT/M2M」、「クラウド」、「ビッグデータ」の順に「大幅に不足する」「やや不足する」
という回答が多くなっている。
現場事業部門では、「ビッグデータ」、「IoT/M2M」に、「人工知能」が続いている。
今後の人材の「質」(能力)については、「IoT/M2M」及び「ビッグデータ」に関する人
材の不足感が大きいほか、現場事業部門では、
「人工知能」に関する人材に対する不足感
も強い。
回答を全体として見ると、今後の人材の「質」(能力)という観点では、「IoT/M2M」
及び「ビッグデータ」に関する人材の不足感が強いことがわかる。特に IT ベンダーや
WEB 企業のほか、ユーザー企業においても「クラウド」に関する人材の不足感を上回っ
ている点が注目される。
⑪
先端 IT 技術を担う人材の今後の不足見込み(量×質)
今回の調査では、先端 IT 技術を担う人材の今後の不足見込みを「量」
・
「質」双方の観
点から尋ねているが、ここでは、それらの結果について、特に「大幅に不足する」とい
う回答に着目して分析を行った結果を示す。
図 4-53 を見ると、今後、
「量」
・「質」ともに特に「大幅に不足する」と見込まれる人
材は、
「ビッグデータ」、
「IoT」、
「人工知能」のほか、
「ロボット」に関する人材という結
果となった。これらの人材のほか、
「クラウドコンピューティング」、
「情報セキュリティ」、
「デジタルビジネス」等を担う人材も不足感が強いという結果となっている。
「ビッグデータ」、
「IoT」、
「人工知能」、
「ロボット」などの“これまで”にはなかった
“これから”の技術については、今後、それらを担う人材の不足感が一層拡大すること
が予想されている。
123
←
(
「
20 %
「量」・「質」ともに
今後特に大幅に不足すると見込まれる人材
「 」
人
大 材
幅 の
に 量
不
足 に
す 関
る す
る
の 今
回 後
答 の
割 不
合 足
見
込
み
ビッグデータ
人工知能
「量」・「質」ともに
今後不足すると見込まれる人材
15
ロボット
IoT
」
クラウドコンピューティング
情報セキュリティ
モバイル端末
デジタルビジネス
ウェアラブル端末
)
SNS
10
5
10
15
20
25 %
人材の「質」に関する今後の不足見込み →
(「大幅に不足する」の回答割合)
図 4-53
⑫
今後特に「大幅に不足する」先端 IT 人材(全回答者)
先端 IT 技術に携わる外国籍 IT 人材の有無
外国籍 IT 人材の獲得は、国内 IT 人材の量的・質的な不足を充足するための重要な方
策の一つとなりうる。また、近年では、先端 IT 技術を活用する領域での外国籍 IT 人材
の活躍も徐々に増えている。
こうした観点から、自社における外国籍 IT 人材12の有無を尋ねたところ、IT ベンダー
では「いない」という回答が全体の約 4∼5 割を占めており、外国籍 IT 人材が活躍して
いるとの回答は2割未満となっている。
WEB 企業では、技術領域によって多少の差がみられ、「モバイル」や「SNS」などの
これまでに注目されてきた領域のほか、
「人工知能」などのこれから注目される可能性が
高い領域において、外国籍 IT 人材がいるとの回答がやや多くなっている。
図 4-56、図 4-57 は、同様の設問の回答を、ユーザー企業の情報システム部門と現場
事業部門について見たものである。
ユーザー企業の情報システム部門、現場事業部門の双方で、外国籍 IT 人材の活躍する
分野に大きな差はないものの、
「IoT/M2M」、
「ビッグデータ」などの領域で「いる」とい
う回答がわずかに多くなっている。
12
今回のアンケートでは、日本国内で勤務する外国人人材のみを対象とした。
124
ITベンダーの人材
0%
25%
クラウドコンピューティング (n=593)
16.4%
SNS (ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=350)
17.7%
モバイル端末 (スマートフォン・タブレット等) (n=536)
ウェアラブル端末 (腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末) (n=274)
50%
75%
100
28.3%
55.3%
33.1%
49.1%
31.3%
54.3%
14.4%
31.8%
55.5%
12.8%
ビックデータ (データ解析、アナリティクス等) (n=420)
16.2%
49.5%
IoT (Internet of Things) /M2M (Machine to Machine) (n=338)
15.1%
52.4%
34.3%
32.5%
人⼯知能 (機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=283)
13.1%
50.9%
36.0%
ロボット (n=229)
12.2%
51.5%
36.2%
デジタルビジネス (n=271)
情報セキュリティ (n=564)
16.2%
14.5%
53.1%
30.6%
56.0%
29.4%
いる
図 4-54
いない
分からない
先端 IT 技術に携わる外国籍 IT 人材の有無(IT ベンダー)
WEB企業の人材
0%
0%
クラウドコンピューティング (n=172)
SNS (ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=187)
モバイル端末 (スマートフォン・タブレット等) (n=199)
ウェアラブル端末 (腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末) (n=111)
25%
18.6%
19.0%
ロボット
19.1%
デジタルビジネス (n=121)
19.8%
情報セキュリティ (n=165)
22.6%
30.6%
59.9%
21.6%
52.6%
28.4%
47.0%
44.7%
30.0%
36.2%
51.2%
15.2%
28.9%
57.0%
いる
図 4-55
24.6%
54.1%
23.0%
(n=94)
25.0%
50.3%
15.3%
IoT (Internet of Things) /M2M (Machine to Machine) (n=116)
いない
27.9%
分からない
先端 IT 技術に携わる外国籍 IT 人材の有無(WEB 企業)
125
100%
51.3%
27.1%
18.5%
75%
56.4%
24.1%
ビックデータ (データ解析、アナリティクス等) (n=162)
人⼯知能 (機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=100)
50%
ユーザー企業の情報システム部門の人材
%
0%
クラウドコンピューティング (n=636)
25%
50%
75%
100%
14.2%
67.3%
18.6%
SNS (ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=514)
21.0%
62.1%
16.9%
モバイル端末 (スマートフォン・タブレット等) (n=662)
19.8%
63.9%
16.3%
ウェアラブル端末 (腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末) (n=375)
21.3%
58.9%
19.7%
ビックデータ (データ解析、アナリティクス等) (n=512)
20.3%
61.3%
18.4%
IoT (Internet of Things) /M2M (Machine to Machine) (n=421)
人⼯知能 (機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=367)
20.4%
ロボット (n=361)
19.4%
デジタルビジネス (n=366)
22.7%
57.9%
20.2%
58.2%
15.5%
66.0%
18.6%
いる
図 4-56
20.2%
59.4%
21.6%
情報セキュリティ (n=673)
18.3%
59.4%
22.3%
いない
分からない
先端 IT 技術に携わる外国籍 IT 人材の有無
(ユーザー企業の情報システム部門)
ユーザー企業の現場事業部門の人材
0%
クラウドコンピューティング (n=1,251)
SNS (ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=1,155)
25%
21.3%
20.0%
末) (n=847)
ウェアラブル端末 (腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末)
20.9%
75%
64.3%
23.0%
モバイル端末 (スマートフォン・タブレット等) (n=1,375)
50%
100%
14.3%
62.7%
14.3%
65.8%
14.2%
61.2%
17.9%
ビックデータ (データ解析、アナリティクス等) (n=1,056)
23.0%
59.9%
17.0%
IoT (Internet of Things) /M2M (Machine to Machine)e) (n=838)
23.3%
60.6%
16.1%
等) (n=816)
人⼯知能 (機械学習・自然言語処理・画像認識等)
22.2%
ロボットット (n=869)
20.7%
ネス (n=852)
デジタルビジネス
21.2%
情報セキュリティ (n=1,342)
58.9%
59.8%
17.7%
15.7%
66.6%
いない
先端 IT 技術に携わる外国籍 IT 人材の有無
(ユーザー企業の現場事業部門)
126
19.4%
63.0%
いる
図 4-57
18.9%
15.6%
分からない
⑬
先端 IT 技術に携わる外国籍 IT 人材の増減動向
近年、先端 IT 技術を活用する領域での外国籍 IT 人材の活躍が増えていると見られる。
今回のアンケートでは、その先端 IT 技術・サービスに携わっている外国籍の人材の人数
は、5年前と比べて増えているか、という観点から、その傾向の把握を試みた。
外国籍 IT 人材の直近5年前からの増減を尋ねたところ、図 4-58、図 4-59 のような結
果となった。全体として、「やや増えている」という回答が多い。
IT ベンダーでは、
「IoT/M2M」に関する人材について「大幅に増えている」
「やや増え
ている」という回答が多くなっている。
WEB 企業では、
「人工知能」に関する人材について「大幅に増えている」
「やや増えて
いる」という回答が多くなっている。また、
「大幅に増えている」という回答に着目する
と、「情報セキュリティ」に関する人材についても回答が多い。
図 4-60、図 4-61 は、同様の設問の回答を、ユーザー企業の情報システム部門と現場
事業部門について見たものである。
情報システム部門の回答を見ると、
「人工知能」、
「ロボット」、
「デジタルビジネス」に
ついては「大幅に増えている」が2割を超えている。
ユーザー企業の現場事業部門の人材でも「やや増えている」という回答が半数近くに
上っているが、技術領域別の差は少ない。最も「増えている」という回答が多いのは「ク
ラウド」となっている。
ITベンダーの人材
0%
25%
クラウドコンピューティング (n=97) 8.2%
50%
75%
100%
39.2%
49.5%
3.1%
0.0%
SNS (ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=62) 6.5%
モバイル端末 (スマートフォン・タブレット等) (n=77)
11.7%
41.9%
46.8%
4.8%
0.0%
39.0%
46.8%
2.6%
0.0%
ウェアラブル端末 (腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末) (n=35)
8.6%
34.3%
54.3%
2.9%
0.0%
ビックデータ (データ解析、アナリティクス等) (n=68) 7.4%
33.8%
54.4%
4.4%
0.0%
IoT (Internet of Things) /M2M (Machine to Machine) (n=51) 5.9%
23.5%
68.6%
2.0%
0.0%
人⼯知能 (機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=37) 8.1%
ロボット (n=28)
デジタルビジネス (n=44)
10.7%
15.9%
54.1%
32.4%
2.7%
2.7%
50.0%
35.7%
0.0%
3.6%
31.8%
45.5%
6.8%
0.0%
情報セキュリティ (n=82)
12.2%
36.6%
43.9%
6.1%
1.2%
大幅に増えている
図 4-58
やや増えている
ほぼ同じ
やや減っている
大幅に減っている
先端 IT 技術に携わる外国籍 IT 人材の増減動向(IT ベンダー)
127
WEB企業の人材
%
0%
クラウドコンピューティング (n=32)
25%
50%
75%
43.8%
37.5%
18.8%
100%
0.0%
0.0%
SNS (ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=45)
44.4%
31.1%
17.8%
6.7%
0.0%
モバイル端末 (スマートフォン・タブレット等) (n=54)
ウェアラブル端末 (腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末) (n=17)
17.6%
ビックデータ (データ解析、アナリティクス等) (n=30)
16.7%
IoT (Internet of Things) /M2M (Machine to Machine) (n=22)
ロボット (n=18)
5.6%
0.0%
35.3%
41.2%
5.9%
0.0%
46.7%
33.3%
3.3%
0.0%
36.4%
45.5%
18.2%
人⼯知能 (機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=23)
38.9%
31.5%
24.1%
21.7%
43.5%
34.8%
38.9%
38.9%
22.2%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
デジタルビジネス (n=24)
情報セキュリティ (n=25)
やや増えている
ほぼ同じ
8.3%
0.0%
36.0%
32.0%
32.0%
大幅に増えている
図 4-59
29.2%
41.7%
20.8%
やや減っている
0.0%
0.0%
大幅に減っている
先端 IT 技術に携わる外国籍 IT 人材の増減動向(WEB 企業)
ユーザー企業の情報システム部門の人材
%
0%
クラウドコンピューティング (n=118)
25%
50%
75%
100%
18.6%
38.1%
40.7%
2.5%
17.6%
39.8%
38.0%
3.7%
0.9%
0.0%
%
SNS (ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=108)
%
モバイル端末 (スマートフォン・タブレット等) (n=131)
14.5%
48.1%
33.6%
2.3%
%
1.5%
ウェアラブル端末 (腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末) (n=80)
18.8%
32.5%
41.3%
5.0%
2.5%
%
ビックデータ (データ解析、アナリティクス等) (n=104)
14.4%
43.3%
36.5%
4.8%
1.0%
%
IoT (Internet of Things) /M2M (Machine to Machine)
(n=94)
16.0%
47.9%
36.2%
0.0%
%
人⼯知能 (機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=75)
0.0%
34.7%
37.3%
25.3%
ロボット (n=70)
22.9%
40.0%
デジタルビジネス (n=79)
24.1%
38.0%
37.1%
1.3%
1.3%
0.0%
0.0%
34.2%
0.0%
%
情報セキュリティ (n=125)
15.2%
大幅に増えている
図 4-60
3.8%
41.6%
38.4%
やや増えている
ほぼ同じ
やや減っている
先端 IT 技術に携わる外国籍 IT 人材の増減動向
(ユーザー企業の情報システム部門)
128
3.2%
1.6%
大幅に減っている
ユーザー企業の現場事業部門の人材
0%
クラウドコンピューティング (n=267)
25%
18.4%
50%
75%
49.1%
100%
28.8%
3.0%
0.7%
SNS (ソーシャル・ネットワーキング・サービス) (n=266)
15.0%
48.5%
32.7%
2.6%
モバイル端末 (スマートフォン・タブレット等) (n=275)
15.3%
47.6%
33.1%
3.3%
0.7%
1.1%
ウェアラブル端末 (腕時計型・メガネ型などの身に着けられる端末) (n=177)
18.1%
41.8%
33.9%
6.2%
0.0%
ビックデータ (データ解析、アナリティクス等) (n=243)
15.2%
49.0%
32.5%
2.9%
0.4%
IoT (Internet of Things) /M2M (Machine to Machine) (n=195)
14.4%
49.2%
32.8%
2.6%
1.0%
人⼯知能 (機械学習・自然言語処理・画像認識等) (n=181)
ロボット (n=180)
17.7%
43.1%
15.6%
デジタルビジネス (n=181)
17.1%
情報セキュリティ (n=238)
17.6%
35.4%
42.8%
37.2%
48.1%
43.7%
2.8%
1.1%
2.2%
2.2%
29.3%
4.4%
1.1%
36.6%
1.3%
0.8%
大幅に増えている
図 4-61
やや増えている
ほぼ同じ
やや減っている
大幅に減っている
先端 IT 技術に携わる外国籍 IT 人材の増減動向
(ユーザー企業の現場事業部門)
⑭
IoT/M2M に関してビジネスチャンスがある分野
IoT(Internet of Things)/M2M(Machine to Machine)は、様々な分野での活用・応用
が期待されている。こうした期待を踏まえて、今回のアンケートでは、先端 IT 技術のう
ち、IoT/M2M に関して、今後ビジネスチャンスがある分野を尋ねた。
全体としては、「産業機器・製造」「医療・ヘルスケア」、「自動車」の3つが上位とな
っている。
全体的に、IT ベンダーは他企業よりも多くの領域にビジネスチャンスを捉えているが、
中でも「産業機器・製造」「医療・ヘルスケア」、「自動車」、「物流」のほか、「公共イン
フラ(道路・水道等)」、「エネルギー」などの回答も多い。
ユーザー企業の情報システム部門では「産業機器・製造」、「医療・ヘルスケア」、「自
動車」などの回答が多い。また、ユーザー企業の現場事業部門では、
「医療・ヘルスケア」 、
「産業機器・製造」、「自動車」などの回答が多い。
WEB 企業では、
「医療・ヘルスケア」のほか、
「産業機器・製造」、
「小売」、
「家電」な
どの分野への期待が大きいことが伺える。
129
0%
25%
50%
産業機器・製造
43.4%
26.6%
34.4%
38.1%
医療・ヘルスケア
⾦融
25.0%
16.4%
16.1%
19.0%
小売
26.6%
18.8%
16.9%
29.8%
36.1%
21.2%
20.7%
28.6%
物流
32.8%
21.2%
24.5%
28.6%
エネルギー
22.5%
11.6%
15.6%
19.0%
農業・畜産業
26.6%
16.1%
15.6%
29.8%
家電
34.4%
21.8%
18.9%
29.8%
公共インフラ(道路・水道等)
特にそのような分野はない
100%
39.3%
24.8%
28.1%
27.4%
自動⾞
その他
75%
43.4%
32.8%
31.7%
29.8%
1.2%
1.5%
0.7%
0.0%
10.2%
11.6%
8.2%
15.5%
ITベンダーの人材 (n=244)
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=335)
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=697)
WEB企業の人材 (n=84)
図 4-62
IoT/M2M に関してビジネスチャンスがある分野(企業別)
(4) 攻めの IT 投資に関する動向(ユーザー企業編①:事業部門の IT 利活用の動向)
続いて、「攻めの IT 投資」に関する企業の実態や課題、またそれを担う人材等に関す
る調査結果を示す。
ユーザー企業側における先端 IT 技術等の積極的な導入・活用に当たっては、IT 利活
用に関する先進的な姿勢が求められる。このようなユーザー企業の IT 利活用に関する先
進的な姿勢を重視し、そうした姿勢に基づく積極的な IT 投資を促進するために、「攻め
の IT 投資」というキーワードが注目され、行政側でも取組が進められている。
本調査では、このような「攻めの IT 投資」の実態を把握するために、
「攻めの IT 投資」
の主体となるユーザー企業及び WEB 企業に対して、「攻めの IT 投資」に関する調査を
実施した。これらの結果を(4)及び(5)に示す。また、併せて IT ベンダーに対しても、
「攻めの IT 投資」等への対応を含む、近年の業界動向の変化等について尋ねているが、
この結果は次の(6)に記載した。
以下の(4)では、情報システム部門以外の部門(本調査では「現場事業部門」という。)
の IT 利活用動向に関する調査結果を示す。現場事業部門における IT 利活用の動向は、
「攻めの IT 投資」において重要な意味を持つと考えられてきたが、広範な部門が含まれ
るため、正確な動向の把握は難しく、これまでも大きな課題となってきた。
130
①
本調査における「攻めの IT 投資」の定義
本調査内では、
「攻めの IT 投資」を、
「新しい技術を活用して業績や顧客満足度の向上
を目指す、顧客志向の先端的な IT 投資(または IT 利活用)」と定義している。本調査に
おける「攻めの IT 投資」とは、①「コスト削減などの内部に閉じた目標ではなく、業績
や顧客満足度の向上等の対外的な成果を目指していること(=顧客志向)」のほか、②「比
較的新しい技術を積極的に活用していること(=先端的)」の2点に当てはまることを条
件とした。
②
情報システム部門による他部門の IT 投資実態の把握状況
まずは、ユーザー企業の情報システム部門に対する設問の結果を示す。
「攻めの IT 投資」の主体として、情報システム部門以外の現場事業部門による IT 投
資が注目されることも多いが、特に情報システム部門を有する企業では、IT 投資に関す
る情報システム部門の役割は依然として大きいと考えられる。こうした認識を踏まえて、
今回の調査は、情報システム部門と現場事業部門の双方を対象に実施した。
図 4-63 は、情報システム部門の回答者に対して、自社では、社内の情報システム部
門が、他部門の IT 投資(IT 利活用)の状況(計画・予算規模等)を、どれだけ把握し
ているかを尋ねた設問の結果である。
0%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
25%
23.8%
50%
40.5%
75%
21.3%
100%
14.4%
ほぼすべて把握している(およそ8割以上)
おおむね把握している(およそ半分〜8割程度)
あまり把握していない(半分程度またはそれ以下)
ほとんど把握していない
図 4-63
情報システム部門による他部門の IT 投資実態の把握状況
(ユーザー企業の情報システム部門)
全体の約6∼7割の回答者が、
「ほぼすべて把握している(およそ8割以上)」、または
「おおむね把握している(およそ半分∼8割程度)」と回答しているが、「あまり把握し
ていない(半分程度またはそれ以下)」、
「ほとんど把握していない」という回答も3割以
上見られる状況となっている。
また、見方を変えると、自社内の IT 投資について「ほぼすべて把握している(およそ
8割以上)」という回答が約2割強であることから、
「社内の IT 投資をすべて(8割以上)
把握できていない」という回答者の割合は約8割近くにも上るといえる。多くのユーザ
ー企業には、情報システム部門が把握できない IT 投資が少なからず存在するものと見ら
れる。
131
③
情報システム部門以外の他部門の IT 投資の増加状況
次に、情報システム部門の人材に対して、5年ほど前と比較して、情報システム部門
以外の部門が企画・立案する IT 投資(IT 利活用)が増えているかどうかを尋ねた設問
の結果を図 4-64 に示す。
全体では、「それほど変わらない」が約4割で最多となっているが、「大幅に増えてい
る」と「やや増えている」をあわせると、約4割近くに上っている。全体としては、情
報システム部門以外の部門が企画・立案する IT 投資が増加傾向にある企業も少なくない
ものと見られる。
0%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
図 4-64
25%
7.6%
50%
28.7%
75%
40.6%
100%
7.9%
12.6%
2.6%
大幅に増えている
やや増えている
それほど変わらない
やや減っている
大幅に減っている
分からない/把握できない
情報システム部門以外の他部門の IT 投資の増加状況
(ユーザー企業の情報システム部門)
図 4-65 は、情報システム部門の人材に対して、IT 投資(IT 利活用)が増えている部
門を尋ねた設問の結果である。全体として最も回答が多いのは「営業・販売・マーケテ
ィング部門」となっており、次いで「新事業開発部門」、「事業部門・生産部門」、「経営
企画部門」が続いている。近年特に、営業・販売促進や新事業開発等に関する IT 投資が
増加している可能性があると考えられる。
0%
25%
経営企画部門
50%
75%
100%
28.4%
営業・販売・マーケティング部門
49.0%
新事業開発部門
31.1%
事業部門・生産部門(上記以外の直接部門)
30.3%
スタッフ部門・管理部門(上記以外の間接部門)
17.9%
委託先・子会社等(自社以外)
5.2%
分からない
5.0%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=363)
図 4-65
IT 投資が増えている部門(ユーザー企業の情報システム部門)
132
④
IT 利活用に携わる社内の人材の増加状況
図 4-66 は、情報システム部門の人材に対して、5年ほど前と比較して、
(単なるユー
ザーとしてではなく)IT 利活用に関する企画・立案や開発・運用等に携わる人材が自社
内で増えているかを尋ねた設問の結果である。
「それほど変わらない」が約半数を占めているが、
「大幅に増えている」と「やや増え
ている」をあわせると約4分の1に上る。IT 利活用に関する人材が減っているという回
答よりも、増えているという回答のほうが多いことから、全体としては、IT 利活用に関
する人材が増加傾向にある企業のほうが多いと見られる。
0%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
図 4-66
25%
3.6%
50%
23.4%
75%
50.9%
100%
9.6%
10.1%
2.4%
大幅に増えている
やや増えている
それほど変わらない
やや減っている
大幅に減っている
分からない
IT 利活用に携わる人員の増加状況
(ユーザー企業の情報システム部門)
⑤
事業部門における IT 投資予算の規模
続いて、ユーザー企業の現場事業部門及び WEB 企業の人材に対する設問の結果を示
す。
図 4-67 は、現場事業部門及び WEB 企業の人材に対して、所属部門の IT 投資予算が
部門の売上全体(売上が無い部門では部門の予算全体)のどの程度の規模に相当するか
を尋ねた結果である。ユーザー企業の現場事業部門では、
「5%未満」または「5∼10%程
度」という回答が約6割近くを占めている。この結果から、現場の IT 投資予算の規模は、
部門売上または予算の 10%以内に収まる場合が多いと考えられる。
0%
25%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
31.0%
50%
75%
26.0%
3.3%
WEB企業の人材 (n=300)
図 4-67
13.7%
15.7%
13.7%
7.0%
100%
2.9%
12.8% 5.6%
1.0%
3.3%
5%未満
5〜10%程度
20〜30%程度
60〜70%程度
80%以上
分からない
20.9%
43.3%
40〜50%程度
事業部門における IT 投資予算の状況
(ユーザー企業の現場事業部門/WEB 企業)13
13
WEB 企業の回答者に「分からない」という回答が多いのは、ユーザー企業の回答者のように必ずしも社内の IT
管理業務等に携わっていない回答者も多いためであると考えられる。
133
⑥
事業部門独自の IT 投資予算の確保状況
事業部門の IT 投資予算の中には、部門の権限・裁量で利用できる IT 投資予算、すな
わち、情報システム部門等の承認が不要な IT 投資予算も存在すると考えられる。
図 4-68 は、ユーザー企業の現場事業部門及び WEB 企業の人材に対して、所属部門に
おいて、このような部門独自の権限・裁量で利用できる IT 投資予算が確保されているか
どうかを尋ねた設問の結果である。
ユーザー企業の現場事業部門及び WEB 企業のいずれにおいても、
「例年確保されてい
る」という回答が約2割に上っている。また、現場事業部門では「必要に応じて確保さ
れることもある」が約4割にのぼっている。
「原則としてそのような予算はない」という回答は2割未満であることから、多くの
企業では、所属部門の権限・裁量で利用できる何らかの IT 投資予算が存在するものと見
られる。
0%
25%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
22.2%
WEB企業の人材 (n=300)
21.3%
図 4-68
50%
75%
43.9%
24.0%
100%
19.8%
19.3%
14.2%
35.3%
例年確保されている
必要に応じて確保されることもある
原則としてそのような予算はない
分からない
事業部門の権限で利用できる IT 投資予算の状況
(ユーザー企業の現場事業部門/WEB 企業)
⑦
事業部門独自の IT 投資予算の規模
図 4-69 は、事業部門独自の権限・裁量で利用できる IT 投資予算は、部門の IT 投資予
算全体のどのくらいの割合に相当するかを尋ねた設問の結果である。
0%
25%
50%
75%
100%
1.9%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=1,321)
WEB企業の人材 (n=136)
26.3%
31.9%
15.4%
27.9%
17.6%
23.5%
5.3%
0.0%
5.1%
13.4%
3.7%
24.3%
3.7%
図 4-69
5%未満
5〜10%程度
20〜30%程度
60〜70%程度
80%以上
分からない
40〜50%程度
事業部門の権限で利用できる IT 投資予算の規模
(ユーザー企業の現場事業部門/WEB 企業)
ユーザー企業の現場事業部門では、「5%未満」「5∼10%程度」という回答が多くなっ
ている。この結果は、図 4-67 の部門の IT 投資予算の規模に近くなっている。
134
⑧
自社における IT の重要性の増加
続いて、ユーザー企業の情報システム部門、現場事業部門、WEB 企業の三者に対して
共通で尋ねた設問の結果を示す。
図 4-70 は、自社において、5年ほど前と比較して、製品・サービスの企画・提供や
自社の競争力の強化という面における IT の重要性は高まっているかどうかを尋ねた設
問の結果である。
いずれの部門・企業の回答を見ても、
「大幅に高まっている」、
「やや高まっている」が
半数程度に上っている。特にユーザー企業の現場事業部門では、
「大幅に高まっている」、
「やや高まっている」という回答が半数を超える結果となっている。
WEB 企業では、「大幅に高まっている」という回答がユーザー企業よりもやや多い。
0%
25%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
10.6%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
11.5%
50%
75%
37.1%
36.6%
100%
4.8% 10.1%
0.8%
WEB企業の人材 (n=300)
図 4-70
31.7%
43.9%
31.3%
18.3%
22.0%
3.3%
1.7%
2.9% 8.8%
1.3%
23.3%
大幅に⾼まっている
やや⾼まっている
それほど変わらない
やや低下している
大幅に低下している
分からない
自社における IT の重要性の増加
(ユーザー企業の情報システム部門/同・現場事業部門/WEB 企業)
⑨
IT を活用した新製品・サービスの創出実績
図 4-71 は、ユーザー企業の情報システム部門、現場事業部門、WEB 企業の人材に対
して、自社で過去5年ほどの間に、IT を効果的に活用した新製品・サービスを創出した
実績があるかどうかを尋ねた設問の結果である。
「非常に競争力の高い新製品・サービスを生み出した実績がある」、「ある程度競争力
の高い新製品・サービスを生み出した実績がある」、「何らかの新製品・サービスを生み
出した実績はある」をあわせると、全体の約半数に上る。特に WEB 企業では、
「非常に
競争力の高い新製品・サービスを生み出した実績がある」という回答が多い点が注目さ
れる。
135
0%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
25%
3.6%
29.4%
18.5%
100%
8.1%
18.8%
28.3%
17.3%
11.7%
75%
16.5%
27.8%
3.8% 17.9%
WEB企業の人材 (n=300)
50%
23.9%
11.9%
19.9%
11.3% 6.3%
25.0%
非常に競争⼒の⾼い新製品・サービスを生み出した実績がある
ある程度競争⼒の⾼い新製品・サービスを生み出した実績がある
何らかの新製品・サービスを生み出した実績はある
取り組んでいるもの、新製品・サービスを生み出した実績はまだほとんどない
まだ取り組みを実施していないが、今後の実施を検討している
取り組みの実施の予定も検討の予定もない
図 4-71
IT を活用した新製品・サービスの創出実績
(ユーザー企業の情報システム部門/同・現場事業部門/WEB 企業)
⑩
IT を活用した新製品・サービス企画・開発の中心となる人材
今回のアンケートでは、IT を活用した新製品・サービスの企画・開発の際に中心とな
る人材の属性の把握を試みた。図 4-72 はその結果である。
ユーザー企業の情報システム部門では、
「社内情報システム部門に配属されたことがあ
る人材」が最も多く、「情報系分野・IT 分野を専攻した人材」が続いている。
ユーザー企業の現場事業部門と WEB 企業では、
「上のいずれにも当てはまらないが IT
に詳しい人材」が最も多くなっているものの、現場事業部門では「社内情報システム部
門に配属されたことがある人材」、WEB 企業では「情報系分野・IT 分野を専攻した人材」
が2番目となっている。
「社内情報システム部門に配属されたことがある人材」や「情報系分野・IT 分野を専
攻した人材」が、IT を活用した新製品・サービス企画・開発の際に中心となっていると
いうこの結果は、IT 人材の活躍を示すものとして大いに注目される。
0%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
WEB企業の人材 (n=300)
25%
19.9%
15.1%
21.7%
50%
31.2%
18.6%
8.0%
16.1%
19.7%
75%
13.0%
12.9%
10.7%
11.7%
8.8%
10.0%
100%
5.0%
18.1% 1.1%
27.4%
1.3%
29.7%
0.3%
情報系分野・IT分野を専攻した人材
社内情報システム部門に配属されたことがある人材
新製品・新サービスの企画・開発の経験がある人材
開発する製品・サービスに関する豊富な知識を有している人材
新製品・新サービスの企画・開発に対して意欲を持っている人材
上のいずれにも当てはまらないがITに詳しい人材
その他
図 4-72
IT を活用した新製品・サービス企画・開発の中心人材
(ユーザー企業の情報システム部門/同・現場事業部門/WEB 企業)
136
⑪
IT を活用した新製品・サービス企画・開発の際の連携先
図 4-73 は、IT を活用した新製品・サービスの企画・開発の際に、IT に関する専門家
と連携したり、一部業務の外注等を行ったりする場合の連携先について尋ねた設問の結
果である。
ユーザー企業の情報システム部門及びユーザー企業の現場事業部門では、
「自社内の情
報システム部門の IT 専門家」という回答が多くなっている。この結果によれば、ユーザ
ー企業の現場事業部門が IT を活用した新製品・サービスの企画・開発を実施する際の連
携先として最も多いのは、「自社内の情報システム部門の IT 専門家」であるといえる。
また、ユーザー企業の情報システム部門の回答として、「大手 IT ベンダー」という回
答も3割に上っている。
なお、WEB 企業では、
「WEB・インターネット系企業」が多く、同業者間での連携が
多いことが伺える。
0%
25%
自社内のその他の部門のIT専門家
15.5%
13.1%
12.0%
自社の情報システム子会社やIT関連の関連会社
16.0%
11.1%
8.7%
31.5%
大手ITベンダー
15.6%
13.0%
17.4%
12.2%
11.7%
中堅ITベンダー
12.4%
14.3%
16.0%
中小ITベンダー・ITベンチャー
その他
100%
34.3%
25.1%
20.7%
自社内の情報システム部門のIT専門家
コンサルティング関連企業
75%
19.9%
15.2%
20.0%
同じ部門に所属するIT専門家
WEB・インターネット系企業
50%
7.6%
13.6%
28.3%
8.8%
12.4%
10.3%
0.2%
1.1%
1.0%
15.4%
22.1%
31.0%
特に上記のようなIT専門家と連携することはない
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
WEB企業の人材 (n=300)
図 4-73
IT を活用した新製品・サービス企画・開発の際の連携先
(ユーザー企業の情報システム部門/同・現場事業部門/WEB 企業)
137
⑫
自社における IT 投資の目的
「攻めの IT 投資」についての議論が行われる際、その IT 投資の目的が重視されるこ
とが多い。こうした点を踏まえて、今回のアンケート調査において、自社における IT
投資の目的について尋ねたところ、図 4-74 のような結果となった。
全体として最も回答が多いのは、
「業務の効率化やスピードアップ」となっている。次
いでユーザー企業の情報システム部門及び WEB 企業で「IT 開発・運用に関するコスト
の削減」、ユーザー企業の現場事業部門で「業務の精度や質の向上(ミスの削減等)」が
多くなっている。
図 4-74 を見ると、
「売上や販売量の向上」や「既存製品・サービスの差別化・高付加
価値化」等の「攻めの IT 投資」に該当する目的よりも、
「攻めの IT 投資」と対置される
「守りの IT 投資」において多く見られる目的のほうが、回答が多くなっている。
また、
「攻めの IT 投資」に該当する目的についての回答が多いのは、概ね WEB 企業、
ユーザー企業の現場事業部門、ユーザー企業の情報システム部門の順となっている。
0%
25%
50%
業務の効率化やスピードアップ
22.0%
34.3%
20.1%
29.7%
IT開発・運⽤に関するコストの削減
業績や業務の状況の可視化
12.7%
17.7%
10.0%
リスク管理の強化
16.7%
18.2%
15.7%
▲「守り」的
従業員満⾜度の向上
▼「攻め」的
売上や販売量の向上
既存製品・サービスの差別化・⾼付加価値化
新製品・サービスの開発・提供
8.7%
9.2%
7.0%
5.9%
7.6%
6.0%
8.6%
11.9%
14.7%
7.8%
12.4%
20.0%
8.4%
9.4%
18.0%
顧客データの収集・分析/マーケティング
8.7%
10.9%
11.3%
顧客満⾜度の向上/顧客ニーズへの対応
5.9%
7.7%
11.0%
顧客や販路・取引先の拡大
4.2%
5.8%
7.0%
最先端の技術の導入・活⽤
4.4%
3.3%
4.3%
グローバル化への対応
100%
33.7%
37.5%
業務の精度や質の向上(ミスの削減等)
法規制への対応
75%
57.6%
64.3%
49.0%
8.9%
5.6%
8.0%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
WEB企業の人材 (n=300)
図 4-74
自社における IT 投資の目的
(ユーザー企業の情報システム部門/同・現場事業部門/WEB 企業)
138
(5) 攻めの IT 投資に関する動向(ユーザー企業編②:「攻めの IT 投資」の動向)
①
「攻めの IT 投資」の増減傾向
図 4-75 は、自社内の「攻めの IT 投資14」の増加傾向を尋ねる設問の結果である。
「大幅に増えている」、「やや増えている」をあわせると、約4割程度となっている。
「大幅に増えている」、「やや増えている」をあわせた回答が最も多いのは WEB 企業で
あり、「大幅に増えている」という回答はユーザー企業の2倍以上となっている。
WEB 企業の人材では、増加しているという認識が強いことが伺える。
0%
25%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
6.1%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
5.9%
50%
34.2%
75%
43.9%
38.8%
100%
4.8% 9.3%
1.7%
3.3% 7.7%
43.3%
1.2%
WEB企業の人材 (n=300)
図 4-75
13.7%
32.0%
2.7%
15.0%
2.7%
34.0%
大幅に増えている
やや増えている
それほど変わらない
やや減っている
大幅に減っている
分からない
「攻めの IT 投資」の増減傾向
(ユーザー企業の情報システム部門/同・現場事業部門/WEB 企業)
②
「攻めの IT 投資」の今後の重要性
図 4-76 は、自社内で「攻めの IT 投資」が今後重要になるかどうかを尋ねた設問の結
果である。
「強くそう思う」、
「ある程度そう思う」をあわせるといずれの部門・企業にお
いても7割を超える回答が得られている。特に WEB 企業では、
「強くそう思う」という
回答が2割を超えている。
0%
25%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
13.5%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
14.3%
WEB企業の人材 (n=300)
52.0%
ある程度そう思う
100%
18.8%
61.7%
22.3%
75%
22.0%
58.0%
強くそう思う
図 4-76
50%
あまりそう思わない
16.7%
6.5%
5.4%
9.0%
まったくそう思わない
「攻めの IT 投資」の今後の重要性
(ユーザー企業の情報システム部門/同・現場事業部門/WEB 企業)
14
前掲のとおり、本調査内では、
「攻めの IT 投資」を、
「新しい技術を活用して業績や顧客満足度の向上を目指す、
顧客志向の先端的な IT 投資(または IT 利活用)」と定義し、①「コスト削減などの内部に閉じた目標ではなく、
業績や顧客満足度の向上等の対外的な成果を目指していること(=顧客志向)」のほか、②「比較的新しい技術
を積極的に活用していること(=先端的)」の2点に当てはまることを条件とした。
139
③
「攻めの IT 投資」の現在の実現度
図 4-77 は、「攻めの IT 投資」が自社内において十分に実現できているかどうかを尋
ねた設問の結果である。
「強くそう思う」、「ある程度そう思う」をあわせると、いずれの部門・企業において
も回答は半数未満となり、
「あまりそう思わない」、
「まったくそう思わない」という回答
が半数以上を占めている。
多くの企業において、「攻めの IT 投資」の実現が課題となっている現状が伺える結果
となった。
0%
25%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
4.1%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
4.8%
WEB企業の人材 (n=300)
40.9%
75%
8.3%
39.0%
ある程度そう思う
12.9%
40.5%
16.7%
36.0%
あまりそう思わない
100%
13.5%
41.5%
41.9%
強くそう思う
図 4-77
50%
まったくそう思わない
「攻めの IT 投資」の現在の実現度
(ユーザー企業の情報システム部門/同・現場事業部門/WEB 企業)
④
「攻めの IT 投資」が実現できない理由
図 4-78 は、「攻めの IT 投資」が自社内において十分に実現できていない場合に、そ
の理由を尋ねた設問の結果である。
全体として最も回答が多いのは「『攻めの IT 投資』によって成果が挙がるのかどうか
が分かりにくい」となっている。この結果には、「攻めの IT 投資」の重要性やその効果
に対する理解度がまだ十分に浸透していないという課題が示唆されているといえる。
次いで、ユーザー企業の情報システム部門では、
「『攻めの IT 投資』の重要性に対する
経営層の理解が不足している」、ユーザー企業の現場事業部門及び WEB 企業で「『攻め
の IT 投資』を企画・立案・主導できる人材が社内で不足している」が続いている。
この結果を踏まえると、「攻めの IT 投資」が実現できない主な理由として、

「攻めの IT 投資」によって成果が挙がるのかどうかが分かりにくい

「攻めの IT 投資」の重要性に対する経営層の理解が不足している

「攻めの IT 投資」を社内で企画・立案・主導できる人材が不足している
の3つを挙げることができる。
140
0%
25%
75%
100%
30.2%
28.8%
22.2%
「攻めのIT投資」の重要性に対する経営層の
理解が不⾜している
22.0%
21.2%
11.4%
「攻めのIT投資」の重要性に対する事業部門の
理解が不⾜している
20.0%
20.5%
19.0%
「攻めのIT投資」の重要性に対する管理部門の
理解が不⾜している
21.1%
21.6%
13.9%
「攻めのIT投資」について社内情報システム部門
の知⾒が少ない
27.8%
29.3%
27.8%
「攻めのIT投資」を企画・⽴案・主導できる人材が
社内で不⾜している
17.5%
16.9%
12.7%
コスト削減等を目的とする「守りのIT投資」のほうが、
「攻めのIT投資」よりもIT投資の効果を説明しやすい
19.5%
25.7%
19.0%
「攻めのIT投資」の経験が浅く、具体的なノウハウがない
11.3%
10.7%
12.0%
「攻めのIT投資」はリスクが⾼く、実施に踏み切れない
30.7%
33.6%
34.2%
「攻めのIT投資」によって成果が挙がるのかどうかが
分かりにくい
その他
50%
1.1%
1.3%
1.3%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=550)
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=1,067)
WEB企業の人材 (n=158)
図 4-78
「攻めの IT 投資」が実現できない理由
(ユーザー企業の情報システム部門/同・現場事業部門/WEB 企業)
⑤
「攻めの IT 投資」を主導すべき部門
図 4-79 は、「攻めの IT 投資」を促進する上で、今後、自社内で主体的な役割を果た
すべき部門を尋ねた設問の結果である。
ユーザー企業の情報システム部門では「社内情報システム管理部門」という回答が最
も多く、半数を超えている。ユーザー企業の情報システム部門の人材は、自身が「攻め
の IT 投資」を促進する上で主体的な役割を果たすべきと考えていることが読み取れる。
このような情報システム部門の積極的な回答に対して、ユーザー企業の現場事業部門
では「経営企画部門」という回答が最多となり、約3分の1に上る結果となった。
「社内
情報システム管理部門」という回答も4分の1近くに上り、決して少なくはないものの、
「経営企画部門」に押される形となっている。
この結果からは、自社内で果たすべき役割に関して、ユーザー企業の情報システム部
門と現場事業部門の認識には大きな乖離があることが示唆されている。情報システム部
門の非常に前向きな姿勢に対して、現場事業部門がそれほど大きな期待を寄せていない
背景について、今後、さらに深い分析が望まれる結果となった。
141
0%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
25%
50%
19.7%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
55.7%
33.0%
WEB企業の人材 (n=300)
75%
24.0%
28.0%
9.5%
19.7%
6.7%
4.7%
3.6%
0.1%
9.4% 5.9% 8.1%
0.6%
19.0%
26.7%
100%
10.7% 5.0% 9.3%
0.7%
経営企画部門
社内情報システム管理部門
営業・販売・マーケティング部門
新事業開発部門
事業部門・生産部門(上記以外の直接部門)
スタッフ部門・管理部門(上記以外の間接部門)
その他
図 4-79
「攻めの IT 投資」を主導すべき部門
(ユーザー企業の情報システム部門/同・現場事業部門/WEB 企業)
⑥
「攻めの IT 投資」の促進に向けた情報システム部門の変革の必要性
前問において、ユーザー企業の情報システム部門の認識と現場事業部門の期待の間に
乖離が見られることが把握されたが、図 4-80 は、「攻めの IT 投資」を促進する上で、
今後、現在の自社内の情報システム部門には変革が求められると思うかという点につい
て尋ねた結果である。
0%
25%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
15.0%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
16.2%
WEB企業の人材 (n=300)
57.6%
13.3%
100%
6.2%
5.2%
19.5%
51.7%
ある程度そう思う
75%
21.2%
59.1%
強くそう思う
図 4-80
50%
25.3%
あまりそう思わない
9.7%
まったくそう思わない
「攻めの IT 投資」の促進に向けた情報システム部門の変革の必要性
(ユーザー企業の情報システム部門/同・現場事業部門/WEB 企業)
ユーザー企業では、情報システム部門、現場事業部門ともに、
「強くそう思う」、
「ある
程度そう思う」をあわせた回答が7割を超えている。特に現場事業部門の回答は、情報
システム部門よりも多く、4分の3に上る結果となった。
「攻めの IT 投資」の実現に向けて、ユーザー企業の情報システム部門自身も変革の必
要性を感じてはいるものの、現場事業部門からは、より強い期待が寄せられているとい
える。
142
⑦
「攻めの IT 投資」の促進する上での情報システム部門の課題
ユーザー企業の情報システム部門の変革に向けて、その課題を明らかにすることが重
要である。このような問題意識を踏まえて、図 4-81 のとおり、「攻めの IT 投資」を促
進する上での情報システム部門の課題について尋ねたところ、以下のような結果となっ
た。
全体として最も回答が多いのは「『攻めの IT 投資』の経験やノウハウが少ない」とな
っており、いずれの部門・企業においても、最も多い回答となっている。
次いでユーザー企業の情報システム部門では「『攻めの IT 投資』の重要性を経営層に
十分に説明できていない」、ユーザー企業の現場事業部門の及び WEB 企業では「『攻め
の IT 投資』を企画・立案・主導できる人材が足りない」という回答が多くなっている。
0%
25%
「攻めのIT投資」の重要性を⼗分に
理解できていない
「攻めのIT投資」の重要性を経営層に⼗分に
「攻めのIT投資」の重要性を他部門に⼗分に
38.1%
41.7%
36.3%
「攻めのIT投資」の経験やノウハウが少ない
「攻めのIT投資」を企画・⽴案・主導できる
30.3%
28.2%
24.7%
人材が⾜りない
9.4%
7.8%
7.3%
「攻めのIT投資」に必要な自社の顧客のニーズを
10.7%
12.7%
12.7%
⼗分に理解していない
「攻めのIT投資」に必要な自社の顧客の潜在的な
ニーズを発掘できない
「攻めのIT投資」に必要な事業部門のニーズを
⼗分に理解していない
自社の事業環境や経営戦略についての知⾒が
不⾜している
11.6%
12.8%
9.7%
8.8%
11.4%
10.7%
12.1%
13.6%
9.7%
自社の事業内容や事業部門の実態についての
14.9%
13.2%
15.0%
理解が不⾜している
その他
100%
24.8%
23.7%
19.0%
説明できていない
相談されない(頼りにされない)
75%
32.3%
27.8%
20.3%
説明できていない
「攻めのIT投資」に関して他部門から
50%
22.3%
23.9%
21.3%
0.9%
1.5%
2.0%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
WEB企業の人材 (n=300)
図 4-81
「攻めの IT 投資」の促進する上での情報システム部門の課題
(ユーザー企業の情報システム部門/同・現場事業部門/WEB 企業)
この結果を踏まえると、「攻めの IT 投資」を促進する上での情報システム部門の課題
としては、
143

「攻めの IT 投資」の経験やノウハウが少ない

「攻めの IT 投資」の重要性を経営層に十分に説明できていない

「攻めの IT 投資」を企画・立案・主導できる人材が足りない
の3つを挙げることができる。
⑧
「攻めの IT 投資」を主導する人材に求められるスキル
ここからは、「攻めの IT 投資」を主導する人材に関する調査結果を示す。
図 4-82 は、「攻めの IT 投資」を企画・立案・主導できる人材には、どのような能力
やスキルが求められるかという点について尋ねた設問の結果である。
全体として最も回答が多いのは「自社の製品やサービスについての理解」となってお
り、次いで「他社の動向や市場環境についての理解」、「自社の経営戦略・事業戦略につ
いての理解」などが続いている。
0%
25%
50%
自社の製品やサービスについての理解
100%
31.0%
35.4%
36.0%
他社の動向や市場環境についての理解
29.3%
30.9%
27.7%
自社の経営戦略・事業戦略についての理解
20.0%
24.3%
23.0%
自社の経営戦略・事業戦略を自ら⽴案・分析する⼒
25.8%
27.4%
26.0%
自社の顧客ニーズに対する理解
12.2%
16.5%
13.7%
自社の顧客の潜在的なニーズに対する理解
事業部門の戦略やニーズに対する理解
9.3%
10.7%
8.0%
事業部門からの信頼・人脈
11.6%
11.2%
9.7%
18.4%
12.4%
9.7%
社内情報システム部門からの信頼・人脈
IT分野の先端的な技術(例えばIoT・ビッグデータ等)
18.0%
15.2%
20.7%
の動向についての理解
IT分野の先端的な技術(例えばIoT・ビッグデータ等)
16.4%
16.3%
17.7%
の活⽤可能性についての理解
IT投資の必要性についての経営層に対する説明⼒
19.5%
16.1%
13.3%
IT投資の効果・成果についての経営層に対する説明⼒
19.0%
14.1%
17.7%
その他
75%
37.7%
44.2%
44.3%
0.4%
0.6%
0.7%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
WEB企業の人材 (n=300)
図 4-82
「攻めの IT 投資」を主導する人材に求められるスキル
(ユーザー企業の情報システム部門/同・現場事業部門/WEB 企業)
ここで、ユーザー企業の情報システム部門と現場事業部門の回答の違いに着目すると、
144
現場事業部門では、どちらかと言えば、図の上半分にある「自社の製品やサービス」、
「他
社の動向や市場環境」、「自社の経営戦略・事業戦略」等の“経営企画部門的”なスキル
についての回答が多いのに対して、情報システム部門では、どちらかと言えば、図の下
半分にある“IT 部門的”なスキルについての回答が多いという傾向が見られる。こうし
た点にも、ユーザー企業の現場事業部門と情報システム部門の認識の違いが示されてい
るといえる。
また、
「IT 分野の先端的な技術(例えば IoT、ビッグデータ等)の動向・活用可能性に
ついての理解」については、WEB 企業の回答が最も多くなっている点も注目される。
⑨
「攻めの IT 投資」を担う人材の不足状況
図 4-83 は、「攻めの IT 投資」を担う人材が、自社で不足しているかどうかを尋ねた
設問の結果である。
いずれの部門・企業の回答を見ても、
「大幅に不足している」が約3割を占めているほ
か、
「大幅に不足している」と「やや不足している」をあわせた「不足している」という
回答はいずれの部門・企業でも8割を超えるという結果となった。
「攻めの IT 投資」を担う人材は、現在、大いに不足しているという現状が明らかにな
ったといえる。
0%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
25%
50%
32.3%
75%
53.4%
100%
14.3%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
28.9%
53.0%
18.1%
WEB企業の人材 (n=300)
29.7%
51.3%
19.0%
大幅に不⾜している
図 4-83
やや不⾜している
それほど不⾜していない(⼗分である)
「攻めの IT 投資」を担う人材の不足状況
(ユーザー企業の情報システム部門/同・現場事業部門/WEB 企業)
⑩
「攻めの IT 投資」を担う人材が不足する部門
図 4-84 は、「攻めの IT 投資」を促進する上で、特に人材が不足する部門について尋
ねた結果である。
全体として最も回答が多いのは「社内情報システム管理部門」となっている。ユーザ
ー企業の情報システム部門の人材自身も「社内情報システム管理部門」と回答しており、
その回答は4分の3を超えている。
前掲の情報システム部門の変革の必要性に対する結果も踏まえると、今後の「攻めの
IT 投資」の促進に向けて、情報システム部門の人材が、現在、量・質の両面で大いに不
足している状況にあるといえる。
145
0%
25%
50%
経営企画部門
100%
76.9%
社内情報システム管理部門
44.1%
45.7%
19.6%
29.6%
28.7%
営業・販売・マーケティング部門
13.2%
19.8%
21.0%
新事業開発部門
8.2%
12.8%
16.0%
事業部門・生産部門(上記以外の直接部門)
8.6%
14.0%
10.7%
スタッフ部門・管理部門(上記以外の間接部門)
その他
75%
24.2%
35.1%
29.0%
0.3%
1.2%
1.3%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
WEB企業の人材 (n=300)
図 4-84
「攻めの IT 投資」を担う人材が不足する部門
(ユーザー企業の情報システム部門/同・現場事業部門/WEB 企業)
⑪
「攻めの IT 投資」を担う人材の確保・育成の方法
「攻めの IT 投資」を担う人材の不足という課題を解決するためには、人材の確保・育
成の方法を模索することが重要である。
0%
25%
50%
中途採⽤
100%
24.2%
26.5%
23.7%
新卒採⽤
31.0%
22.8%
20.3%
社内情報システム部門の人材の事業部門への配置転換
16.3%
14.0%
14.0%
事業部門の人材の社内情報システム部門への配置転換
30.0%
23.6%
23.0%
社内情報システム部門の既存人材の育成・スキルアップ
事業部門の既存人材の育成・スキルアップ
13.7%
18.8%
17.0%
研修・トレーニング等の実施
15.2%
19.1%
14.0%
その他
75%
48.7%
56.1%
64.3%
0.5%
1.4%
0.0%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
WEB企業の人材 (n=300)
図 4-85
「攻めの IT 投資」を担う人材の確保・育成の方法
(ユーザー企業の情報システム部門/同・現場事業部門/WEB 企業)
146
図 4-85 は、「攻めの IT 投資」を担う人材の確保・育成の方法として考えられる主な
手段を尋ねた設問の結果であるが、いずれの部門・企業においても、全体として最も回
答が多いのは「中途採用」となっている点が注目される。
次いで、ユーザー企業の情報システム部門では、
「社内情報システム部門の人材の事業
部門への配置転換」、ユーザー企業の現場事業部門及び WEB 企業では、「新卒採用」と
いう回答が多くなっている。
⑫
「攻めの IT 投資」を担う人材の確保・育成に関する課題
図 4-86 は、「攻めの IT 投資」を担う人材の確保・育成に関する課題を尋ねた設問の
結果である。全体としては、
「取り組みを主導できる人材が不足している」が多くなって
いるが、ユーザー企業の情報システム部門では、
「技術系の人材が不足している」がそれ
をわずかに上回っている。情報システム部門で、
「取り組みを主導できる人材」よりも「技
術系の人材」の不足に対する問題意識が強い点が注目されるが、これは、例えば先端 IT
技術等の技術的な知見を有する人材が不足しているという問題意識の表れではないかと
考えられる。
また、ユーザー企業の現場事業部門では、
「人材の適切な育成方法が分からない」、
「人
材育成の必要性が十分に認識されていない」、
「必要な経験を積む仕組みが整っていない」
などの回答が、他の企業・部門よりもやや高くなっている点も注目される。
0%
25%
50%
100%
43.1%
43.2%
45.3%
取り組みを主導できる人材が不⾜している
43.9%
39.5%
36.0%
技術系の人材が不⾜している
29.4%
28.7%
22.7%
事業部門との調整ができる人材が不⾜している
19.0%
23.7%
19.0%
人材の適切な育成⽅法が分からない
18.7%
20.5%
12.3%
人材育成の必要性が⼗分に認識されていない
21.0%
24.2%
14.7%
必要な経験を積む仕組みが整っていない
18.2%
17.9%
21.0%
適任の人材がいない
その他
75%
0.9%
1.0%
1.0%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
WEB企業の人材 (n=300)
図 4-86
「攻めの IT 投資」を担う人材の確保・育成に関する課題
(ユーザー企業の情報システム部門/同・現場事業部門/WEB 企業)
147
⑬
「攻めの IT 投資」を促進する上での自社の課題
図 4-87 は、今回の総括として、「攻めの IT 投資」を促進する上での自社の課題につ
いて尋ねた設問の結果である。
ユーザー企業の現場事業部門では、「経営層の意識改革」が最も多く、「社内情報シス
テム・IT 管理部門の意識改革」が続いている。
これに対して、ユーザー企業の情報システム部門では、「社内情報システム・IT 管理
部門の意識改革」が最も多く半数近くに上っている。2番目の「経営層の意識改革」に
続く3番目が「社内情報システム・IT 管理部門で『攻めの IT 投資』を担える人材の育
成」となっているが、人材の育成に対する課題意識以上に、「社内情報システム・IT 管
理部門の意識改革」という回答が多くなっている点が、大いに注目される。
情報システム部門の人材は、「攻めの IT 投資」の促進に向けて、まず自らが変革する
必要があるということを強く自覚していることが伺える結果となっている。
0%
25%
経営層の意識改革
75%
100%
47.4%
33.7%
36.7%
社内情報システム・IT管理部門の意識改革
17.8%
23.7%
16.7%
その他の管理部門の意識改革
20.8%
27.9%
19.0%
事業部門の意識改革
20.5%
18.4%
21.0%
IT投資の効果・成果に関する評価指標の変更
27.0%
22.2%
19.0%
社内情報システム・IT管理部門で「攻めのIT投資」を
担える人材の育成
15.0%
20.5%
17.0%
事業部門で「攻めのIT投資」を担える人材の育成
9.7%
10.2%
6.7%
社内情報システム部門と事業部門の人材交流の活性化
14.0%
9.9%
11.0%
社内情報システム部門と事業部門の連携体制の構築
その他
50%
36.9%
38.6%
33.3%
0.5%
1.7%
1.0%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
WEB企業の人材 (n=300)
図 4-87
「攻めの IT 投資」を促進する上での自社の課題
(ユーザー企業の情報システム部門/同・現場事業部門/WEB 企業)
148
⑭
「攻めの IT 経営銘柄」の取組に対する認知状況
経済産業省では、国内企業の戦略的 IT 利活用を促進するための取組の一環として、東
京証券取引所と共同で「攻めの IT 経営銘柄」を選定し、公表している、今回のアンケー
ト調査では、この取組の認知度についても尋ねた。図 4-88 にその結果を示す。
0%
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
9.3%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
9.0%
WEB企業の人材 (n=300)
6.3%
25%
33.8%
75%
100%
56.9%
40.8%
50.2%
32.7%
知っている
図 4-88
50%
61.0%
聞いたことがある
知らない
「攻めの IT 経営銘柄」の取組に対する認知状況
(ユーザー企業の情報システム部門/同・現場事業部門/WEB 企業)
「知っている」と「聞いたことがある」をあわせた認知度は、ユーザー企業の現場事
業部門で最も高く約5割となっている。ユーザー企業の情報システム部門では、現場事
業部門よりもやや低く、約4割程度という結果となった。
WEB 企業では最も認知度が低いものの、それでも4割程度の認知度があることが明ら
かになった。
(6) 攻めの IT 投資に関する動向(ベンダー編)
顧客であるユーザー企業において「攻めの IT 投資」の重要性が高まると、その連携先
である IT ベンダーにおいても、顧客のニーズの高度化や変化等への対応が求められる。
そのような意味で、
「攻めの IT 投資」の促進は、IT ベンダーにとっても大きな変化をも
たらす可能性がある。
こうした問題意識を踏まえて、今回のアンケート調査では、「攻めの IT 投資」を始め
とする IT ニーズや市場の変化の中で IT ベンダーが感じている課題等に関する把握を試
みた。以下には、その結果を示す。
① 現在の主な取引先(部門)
図 4-89 は、IT ベンダーの人材に対して、現在の主な取引先(部門)のほか、最近取
引が増えている取引先(部門)と今後取引を強化したい取引先(部門)を尋ねた設問の
結果である。
149
0%
25%
100%
23.5%
22.7%
15.0%
11.5%
15.6%
経営企画部門
営業・販売・マーケティング部門
18.4%
15.0%
16.6%
新事業開発部門
12.9%
12.8%
18.4%
21.0%
13.8%
15.7%
事業部門・生産部門(上記以外の直接部門)
12.2%
10.1%
10.6%
15.0%
11.6%
11.8%
ユーザー企業の子会社等(自社以外)
個人ユーザー
75%
48.2%
社内情報システム・IT管理部門
スタッフ部門・管理部門(上記以外の間接部門)
50%
7.0%
7.2%
10.8%
当てはまるものはない
26.4%
48.3%
42.2%
現在の主な取引先(部門)
最近取引が増えている取引先(部門)
今後取引を強化したい取引先(部門)
図 4-89
現在の主な取引先(部門)/最近取引が増えている取引先(部門)
/今後取引を強化したい取引先(部門)(IT ベンダー)
「現在の主な取引先(部門)」として、全体として最も回答が多いのは「社内情報シス
テム・IT 管理部門」となっている。
最近取引が増えている取引先(部門)として最も回答が多いのも「社内情報システム・
IT 管理部門」となっているが、「営業・販売・マーケティング部門」、「事業部門・生産
部門」、「新事業開発部門」が続いている。
また、今後取引を強化したい取引先(部門)として最も回答が多いのも「社内情報シ
ステム・IT 管理部門」となっており、「新事業開発部門」、「営業・販売・マーケティン
グ部門」、「事業部門・生産部門」が続いている。
いずれも「経営企画部門」という回答は、やや少なめになっている。
図 4-89 の「今後取引を強化したい取引先(部門)」の回答のうち、「現在の主な取引
先(部門)」よりも回答が増えているものに着目すると、「新規事業開発部門」と「個人
ユーザー」については、やや回答が増えていることが読み取れる。これらの取引先につ
いては、IT ベンダーが、今後の新規顧客として重視している傾向が表れているといえる。
②
今後最も不足する人材(レベル別)
IT ベンダーに対しては、ビジネス環境が大きく変化する可能性がある今後において不
足する人材を、幹部・指導層(ハイレベル)、中堅人材(ミドルレベル)、若手人材(エ
150
ントリレベル)の3つのレベルに分けて尋ねた。図 4-90 は、その結果である。
0%
新事業開発・事業創造人材
営業系人材(既存事業の顧客・販売拡大を担う人材)
コンサルタント
プロジェクトマネジャー
設計系人材(ITアーキテクト/システムアーキテクトなど)
開発系人材(アプリケーション関連)
開発系人材(インフラ関連)
情報セキュリティ人材
運⽤・保守系人材
データ解析系人材
25%
50%
100%
21.2%
14.5%
22.8%
18.4%
12.8%
22.5%
20.1%
9.7%
28.5%
37.6%
12.0%
8.1%
22.2%
19.2%
6.4%
16.9%
35.2%
3.7%
10.1%
18.7%
8.7%
12.9%
15.2%
4.2%
7.6%
13.3%
15.8%
13.8%
16.7%
幹部・指導層
図 4-90
75%
40.8%
中堅人材
若手人材
今後最も不足する人材(レベル別)
(IT ベンダー)
幹部・指導層について見ると、最も回答が多いのは「新事業開発・事業創造人材」と
なり、回答は 4 割に達した。IT ベンダーにおいて常に人材ニーズの高い「プロジェクト
マネジャー」を超えている点が注目される。今後の厳しいビジネス環境の到来を予想し
ている IT ベンダーにとっては、自社の競争力を高めるための新事業創造がきわめて重要
な課題となっている。図 4-90 の結果は、IT ベンダーのこのような昨今の問題意識を示
すものであると考えられる。
過去の調査において常に高い人材ニーズを示してきた「プロジェクトマネジャー」は、
図 4-90 においては2番目となっている。また、3番目以降には、
「営業系人材(既存事
業の顧客・販売拡大を担う人材)」、
「コンサルタント」、
「データ解析系人材」が続いてお
り、ハイレベルな人材のニーズは、上流工程や先端 IT 技術を担う人材にあることが伺え
る結果となっている。
中堅人材について見ると、最も回答が多いのは「プロジェクトマネジャー」となって
おり、回答は3割を超えている。次いで「設計系人材(IT アーキテクト/システムアー
151
キテクトなど)」、
「新事業開発・事業創造人材」、
「コンサルタント」、
「営業系人材(既存
事業の顧客・販売拡大を担う人材)」、「開発系人材(アプリケーション関連)」と続いて
いる。
さらに、若手人材について見ると、最も回答が多いのは「開発系人材(アプリケーシ
ョン関連)」となっている。若手人材については、従来どおり開発系人材に対するニーズ
が強いことが読み取れる。次いで「設計系人材(IT アーキテクト/システムアーキテク
トなど)」、「開発系人材(インフラ関連)」、「データ解析系人材」、「情報セキュリティ人
材」、
「新事業開発・事業創造人材」となっており、
「データ解析系人材」、
「情報セキュリ
ティ人材」、「新事業開発・事業創造人材」等についても、若手人材のニーズがあること
が伺える。
③
不足人材の確保・育成の方法
図 4-91 は、前項で回答した不足人材の確保・育成の方法を尋ねた設問である。
全体として最も回答が多いのは「中途採用」となっており、次いで「新卒採用」、「既
存人材の育成・スキルアップ」、
「既存人材の配置転換」と続いている。IT ベンダーにお
いてもやはり、中途採用が重要な人材確保の手段となっていることが伺える。
0%
25%
新卒採⽤
その他
100%
48.7%
既存人材の育成・スキルアップ
企業買収・合併
75%
21.5%
中途採⽤
既存人材の配置転換
50%
21.0%
5.0%
2.5%
1.3%
ITベンダーの人材 (n=1,000)
図 4-91
不足人材の確保・育成の方法(IT ベンダー)
152
④
不足人材の育成に関する課題
図 4-92 は、不足人材の育成に関する課題を尋ねた設問の結果である。
0%
25%
新卒採⽤で良い人材を採⽤したいが、求める人材が採⽤できない
50%
39.9%
人材の育成⽅法が分からない
17.8%
いろいろな⽅法を試しているが、なかなか人材が育成できない
22.4%
社内で適切な研修を提供できない
19.9%
社内に適切な経験を積む場がない
現場の理解が得られない
21.1%
9.6%
6.1%
適任の人材や意欲のある人材がいない
その他
100%
33.8%
中途採⽤で良い人材を採⽤したいが、求める人材が採⽤できない
経営層の理解が得られない
75%
19.6%
1.3%
ITベンダーの人材 (n=1,000)
図 4-92
不足人材の育成に関する課題(IT ベンダー)
最も回答が多いのは「中途採用で良い人材を採用したいが、求める人材が採用できな
い」となっており、やはり中途採用に関する問題意識が強いことが示されている。
次いで「新卒採用で良い人材を採用したいが、求める人材が採用できない」、「いろい
ろな方法を試しているが、なかなか人材が育成できない」、「社内に適切な経験を積む場
がない」、「社内で適切な研修を提供できない」という回答が多くなっている。
153
⑤
顧客との関係において今後 IT ベンダーが目指すべき方向性
IT ベンダー向けの調査では、顧客との関係に関する自社の現状と自社が今後目指すべ
き方向性についても尋ねた。
図 4-93 は、顧客との関係に関する自社の現状を尋ねた結果である。
0%
25%
ITベンダーの人材 (n=1,000)
19.4%
50%
27.9%
75%
21.8%
100%
11.5%
19.4%
顧客企業のITビジネスを共に創造する「ビジネスパートナー」である
顧客企業に対してIT専門家として積極的な提案も⾏う「ITパートナー」である
顧客企業の指示のもとで着実にIT業務を⾏う「IT支援者」である
自ら独自のIT製品・サービスを提供する「製品・サービスベンダー」である
上のいずれにも当てはまらない
図 4-93
顧客との関係に関する自社の現状(IT ベンダー)
0%
30名未満 (n=200)
25%
13.5%
30名以上100名未満 (n=200)
18.0%
100名以上300名未満 (n=200)
17.5%
300名以上1,000名未満 (n=200)
20.5%
1,000名以上 (n=200)
50%
75%
22.0%
24.5%
27.5%
30.5%
11.0%
18.0%
27.5%
6.5%
21.0%
18.5%
10.5%
20.0%
33.5%
27.5%
23.5%
16.5%
29.5%
23.5%
100%
11.5%
13.0%
14.5%
顧客企業のITビジネスを共に創造する「ビジネスパートナー」である
顧客企業に対してIT専門家として積極的な提案も⾏う「ITパートナー」である
顧客企業の指示のもとで着実にIT業務を⾏う「IT支援者」である
自ら独自のIT製品・サービスを提供する「製品・サービスベンダー」である
上のいずれにも当てはまらない
図 4-94
顧客との関係に関する自社の現状
(IT ベンダー:従業員規模別)
ユーザー企業において IT とビジネスの関係がますます深くなっている昨今では、IT
ベンダーが「顧客企業の IT ビジネスを共に創造する『ビジネスパートナー』」として、
ユーザー企業のビジネスに直結する高い付加価値を提供できることが期待されている。
こうした「ビジネスパートナー」であるとの回答は、全体の2割という結果となった。
最も回答が多いのは、
「顧客企業に対して IT 専門家として積極的な提案も行う『IT パ
ートナー』」であり、約3割を占めている。次いで「顧客企業の指示のもとで着実に IT
業務を行いう『IT 支援者』」は約2割となった。独自の付加価値や高い競争力を持つこ
とが多い「製品・サービスベンダー」は1割となっている。
154
図 4-94 は、図 4-93 の回答を従業員規模別に見たものであるが、「ビジネスパートナ
ー」であるとの認識は、従業員規模に概ね比例していることがわかる。
図 4-95 は、自社が今後目指すべき方向性について尋ねた結果である。
自社が今後目指すべき方向性としては、「顧客企業の IT ビジネスを共に創造する『ビ
ジネスパートナー』となるべき」という回答が最も多い点が注目される。現状にかかわ
らず、多くの IT ベンダーの人材が、ユーザー企業のビジネスに直結する高い付加価値を
提供できるような存在になるべきと考えていることが読み取れる。
0%
ITベンダーの人材 (n=1,000)
25%
34.2%
50%
75%
32.3%
7.6% 10.2%
100%
15.7%
顧客企業のITビジネスを共に創造する「ビジネスパートナー」となるべき
顧客企業に対してIT専門家として積極的な提案も⾏う「ITパートナー」になるべき
顧客企業の指示のもとで着実にIT業務を⾏う「IT支援者」になるべき
自ら独自のIT製品・サービスを提供する「製品・サービスベンダー」になるべき
上のいずれにも当てはまらない
図 4-95
自社が今後目指すべき方向性(IT ベンダー)
0%
30名未満 (n=200)
30名以上100名未満 (n=200)
25%
300名以上1,000名未満 (n=200)
35.5%
10.5% 10.0%
11.5%
28.5%
38.5%
30.0%
46.0%
100%
21.5%
16.0%
33.0%
31.0%
34.5%
75%
7.0%
31.5%
24.0%
100名以上300名未満 (n=200)
1,000名以上 (n=200)
50%
12.0%
5.0% 5.0%
15.5%
13.5%
16.0%
4.0% 8.0% 12.0%
顧客企業のITビジネスを共に創造する「ビジネスパートナー」となるべき
顧客企業に対してIT専門家として積極的な提案も⾏う「ITパートナー」になるべき
顧客企業の指示のもとで着実にIT業務を⾏う「IT支援者」になるべき
自ら独自のIT製品・サービスを提供する「製品・サービスベンダー」になるべき
上のいずれにも当てはまらない
図 4-96
自社が今後目指すべき方向性(IT ベンダー:従業員規模別)
図 4-96 は、図 4-95 の回答を従業員規模別に見たものであるが、「ビジネスパートナ
ー」となるべきとの認識は、従業員規模に概ね比例していることが伺えるほか、従業員
規模の小さな企業であっても、4分の1程度の企業は「ビジネスパートナー」となるべ
きとの認識を有していることがわかる。
155
⑥
グローバル市場において今後 IT ベンダーが目指すべき方向性
最後に、IT ベンダー以外の企業の回答者も含めて、「これからの時代の日本の発展を
考える上で、日本の IT 企業や IT エンジニアに期待される役割は何か」を尋ねた結果を
図 4-97 に示す。
0%
25%
ITベンダーの人材 (n=1,000)
ユーザー企業の情報システム部門の人材 (n=1,000)
38.7%
29.6%
ユーザー企業の現場事業部門の人材 (n=2,000)
34.9%
WEB企業の人材 (n=300)
37.7%
50%
29.6%
40.4%
37.8%
35.3%
75%
100%
31.0%
29.8%
0.7%
0.2%
27.1%
0.3%
26.7%
0.3%
グローバルに戦えるIT製品・サービスを生み出し、“世界に誇るトップ産業”になること
⽇本の社会や産業の⾼度で先進的なIT化を主導する“国内の先端産業”になること
⽇本の社会や産業の”縁の下の⼒持ち”として、障害がなく安全な情報システムを提供すること
その他
図 4-97
日本の IT ベンダーが今後目指すべき方向性
(IT ベンダー)
IT ベンダー及び WEB 企業の人材は、「グローバルに戦える IT 製品・サービスを生み
出し、“世界に誇るトップ産業”になること」と回答した割合が最も高い。特に、Web
企業の人材よりも、わずかではあるものの、IT ベンダーの人材のほうが、回答割合が高
くなっている点が注目される。
ますます厳しくなるビジネス環境を認識しつつも、IT ベンダーの人材が、今後目指す
べき方向性としては高い目標を明確に意識していることが、本調査で把握されたといえ
る。今後は、こうした IT ベンダーが IT 利活用の牽引役となって、我が国の IT 利活用が
より一層高度化し、ユーザー企業を含む全産業の発展が促進されることが強く期待され
る。
156