(禁止事項-6)水廻り壁面の耐水ボード使用禁止 厨房区画等の火気を使用する室内の火災予防については、以前より禁止事項№-4で下地・仕上 げ共に不燃材の採用を原則とすることを定めているが、それに加えて厨房区画等の水廻り室内の 壁面材は防水性能が要求される。 そこで、厨房やパントリー、客室の洗面器(L5)廻り等の壁面下地材に、カタログには 不燃 性能と防水性能の両方の性能を持つと謳われている〔通称:耐水(防水)石膏ボード〕が、価格も 安価である為に広く用いられてきたが、防水性能の不足に起因するクレームが度々発生している。 〔通称:耐水(防水)石膏ボード〕は石膏と紙で構成された石膏ボードが基板で、フレキ板やケイ カル板とは異なり、基材自体には吸水(吸湿)性がある。そこに防水処理を施しているだけのもの なので、水跳ねを常に受ける部位などでは、防水性能の劣化が早く進み、徐々に吸水(吸湿)して、 原形を保てなくなり、最後にはボロボロに崩れてしまう。 又、石膏ボードは、石膏の保湿性により耐火性能を発揮するが、ガスコンロ等の火気に近い部位 では乾燥が進み、耐火性能が劣化するばかりか、タイル貼り仕上げの剥離や、木軸組下地の炭化 現象を引き起こす。 従って、耐水(防水)石膏ボードは、防水性能と耐火性能の両方を必要とする厨房区画内の壁面下 地材として中長期の信頼性に欠ける。 以上のことから、厨房区画内、及び水を多量に使用する室内(部位)の壁面下地材に耐水(防水)石 膏ボードの使用は禁止とし、ケイカル板にシーラやプライマー等の下塗り材を塗布した壁面下地 を推奨する。 尚、ケイカル板壁面下地の施工要領を、T-net(トップ画面)→品質安全情報→「品質」のページ →再発防止シート→〔№-11〕及び〔№-21〕に掲載しているので、参照のこと。 【厨房等の水廻り壁面下地ボード材の性能比較表】 主要要素 耐火性能 二次的要素 価格 (3×6 板・材料費) 防水性能 フレキ板 ケイカル板 防水(耐水)PB板 ◎:不燃(t≧12mm) . ○:準不燃(t≧9mm) ◎:不燃(t≧3mm) ◎:不燃(t≧5mm) ○ (◎) △ (○) × 吸水率:24%以下(JIS規格) 吸水率:65%(メーカー資料) (基材・表装材を防水処理) ※ ( )内はシーラやプライマー等の下塗り材塗布で防水性能を補った場合 作業性(加工性) 寸法安定性 (吸水による変化率) 総合判定 × ○ ◎ (t・6mm:\3780~) (t・8mm:\2700~) (t・12.5mm:\940~) ×:(良くない) ○ ○:(良い) ◎ ◎:(非常に良い) × 0.20%以下(JIS規格) 0.15%以下(JIS規格) (原形を保てない) ○ (◎) × 防水性能は高いが、二次 的要素に難点が多く、 使用頻度の高い内装下地 材には採用し難い。 防水 性能の不足 分(高 い 吸水率)を下塗り材塗布で 補強すれば、総合的に優 良である。 主要要素である防水性能 の信頼性が数段劣るの で、飲食厨房等での採用 は「不可」とする。 17
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